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ディスクローターに沢山穴の開いたものがあります。
この穴は冷却効果、
制動力向上などのためと言われています。

冷却効果がありそうなのはわかりますが
面積が減るのに穴をあけると
ブレーキのききがよくなるというのが
よくわかりません。

またバイクは現在では多くの機種が穴あきなのに
車の多くは穴なしなのは何故なのでしょうか
車の方が重いので制動力が必要なのは4輪の方だと
思えるのですが・・・

A 回答 (9件)

  クルマの設計屋にして、以前はバイクの設計屋でもあった者です。

と言ってもブレーキ屋ではなく(ブレーキはブレーキ専門のメーカが開発しています)専ら自分の設計で利用させてもらっている程度なので、『経験者』とさせて頂きました。

 さて…ブレーキロータの穴は、世間で思われている役割とはちょっと違います。

1.ブレーキロータ表面の空気は、その粘性(空気も粘りを持っています)によりロータ表面に張り付き、回転すると遠心力でロータの外周方向に移動します。(この為クルマのベンチレーテッドディスクでは、ロータ中心から外周方向に放射状に長い穴が開いています。こうすることにより、タイヤの回転による遠心力で効果的に空気が排出されるワケです。)
 バイクでよく見られる様な、遠心力と直行する方向に表面から裏面まで貫通している穴には、走行中は空気が殆ど流れ込まないと見られています。

2.穴が開いているとエアや水が抜けやすい、という説も世間ではありますが、実際には穴の反対側からもパッドが密着してくるので殆ど効果が無いと思われます。(ディスクブレーキではパッド~ロータ間の面圧が非常に高く、ロータ表面の水分や汚れはブレーキをかける事によって除去される、と考えられています。)
 スロット(長穴)は、パッド~ロータ部のエア抜けの為に作られたという説があり、実際にフィーリング上は効果があると言われていますが…現実に全てのロータがスロットになっているワケではないので、効果もその程度のモノ、と考えて差し支えないでしょう。(但し、周方向に長い穴なので、単なるドリルホールよりは冷却には効果がありそうです。)

3.それでは何の為の穴でしょう?軽量化という話は確かにありますが、元々はブレーキパッドの材質が関係していました。
 以前のブレーキパッドにはアスベストが使われており、これは自己崩壊性があるのでブレーキをかける事によってパッド表面の古い層が分解し、常に新しい面が使えました。
 しかしある時期アスベストの発ガン性が指摘され、この材料の使用が禁止された為にメタルパッド化が進みましたが、コイツはヤッカイな事に自己崩壊性が弱い材質でした。ブレーキをかけていると、表面が熱硬化を起こし徐々に摩擦係数が落ちてしまいました。
 そこでロータに穴やスロットを入れ、パッド表面を削る様にしました。あの穴は『パッドを削るカンナの歯』になっている、とゆぅワケです。
 尚…ブレーキのフィーリング自体は、当初はアスベスト材の方が優れていました。市販車のロータがどれも穴開きになった頃でも、例えばバイクレースの125ccクラスでは古臭いソリッドなロータが使われていましたが、これは規制ギリギリまでアスベストパッドを使っていたからです。(アスベストパッドでロータにドリルホールを開けると、パッドがアッという間に減ってしまいます。)

4.クルマはどぅか?ですが…パッドが削れればヨイので穴である必要はありません。初期の頃にはミゾを彫ったロータがありましたし、現在でも耐フェード性が高いメタルパッドとセットでミゾ入りロータを売っているケースもあります。
 市販車の場合は自己崩壊する結構よい材質が見つかり、それでロータにミゾを彫らなくてもよくなりました。(その代りゴミがアチコチに付着する様になり、フロントホイールが黒く汚れているクルマを結構見掛ける様になりましたね。この汚れは、アスベストパッドが使えた時代には殆ど見られませんでした。)

5.ついでに。
 ロータの穴は、パッド接触面積の減少を意味しますが…これは判断が難しいです。
 摩擦力は圧力(荷重)に依存するので面積は関係ない、と見る事も出来ますが、しかし摩擦材が摩擦力を発生させるメカニズムは学校で習った物理の法則とはちょっと違います。(もしそうなら、クルマで使われる摩擦材の代表であるタイヤは、細くても太くてもグリップはほとんど変わらない事になってしまいます。)
 もっとも、理論的には摩擦力が荷重に比例した方がコントロールが容易だと考えられるので、バイクのブレーキに使われているパッドは接触面積がそれほど問題とはならない材質なのかもしれません。
 ワタシ自身はブレーキの摩擦材をヨコ並びにしてデータを取りながら比較した事が無いので、この点は判断出来ません。
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この回答へのお礼

いや、素晴らしい説明ですね。感心しました。ありがとうございます。

お礼日時:2004/02/12 01:16

ワンポイントのみ答えます


摩擦力に面積は関係ありません
中学、高校で下記の式を勉強しませんでしたか?

摩擦力F=μ(摩擦係数)×P(荷重)
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>面積が減るのに穴をあけると


>ブレーキのききがよくなるというのが
>よくわかりません。
こういったブレーキがつくのは高性能車ですよね。
たいがいブレーキローターを大型化しています。
そして多ピストンにしてブレーキピストンの位置をなるべく外へだします、”てこの原理”でブレーキ力をアップさせています。なのでブレーキ自体の規格がちがうことが多いと思います。
採用されているのはほぼ熱対策でしょう。

普通の車でしない理由はコスト、穴で削られることによってのパッドの早期摩耗、ブレーキ時ノイズが大きくなるためです。
そこまでブレーキ性能を必要としないというのはあると思います。普通走行なら普通ののベンチレーテッドで十分です。
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穴をあけるのは水はけを良くするのと軽量化が主たる目的で、多少は冷却効果も望めるでしょう。

性動力自体は摩擦面積が減る分だけ確実に落ちますので、穴明きディスクを使用しているものではディスクローターの直径を大きくする・キャリパーをマルチポッドタイプのもにしてパッドを大きくするなどして摩擦面積の減少を補っています。

自動車のディスクローターではローターの内部に空気を通す通路(表面は平滑なまま)を設けたベンチレーテッドディスクが多用されており冷却効果は穴あけよりもこちらの方が効果があります。また、バイクではディスクローターの材料としてステンレス鋼が用いられる(見た目の問題)ことが多いのですが、自動車ではたいていが鋳鉄製です。ブレーキ性能から言えば鋳鉄製のほうが良好な結果が得られますし、自動車のブレーキには倍力装置(エンジンで発生する負圧や空気圧を利用してブレーキの操作力を軽減する装置)が取り付けられているので十分な製動力が得られるのです。
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ディスクローターの穴には色んな意味がありますね。


冷却効果
パッドの削りかすを外に放出しやすい
軽量化
排水性・・・・

確かに穴を開けると面積が少なくなり抵抗が少なくなる事が考えられます。
しかしながら穴を開ける事によってその穴の回りに「角」が出来ますね?これが抵抗になり効きが増大します。
現に穴開き、スリット入りはパッドの減りが早いです。
これは抵抗値が増えパッドが削り取られたと言う証です。

いずれのローター加工もローター自体の耐久性が著しく落ちやすく穴からのクラックや穴付近の角も無くなるので交換するサイクルが早めになる事があります。
やはり競技用というニュアンスがピッタリでしょうね。

バイクに穴開きが多いのはほとんどの場合バイクのイメージがレースと言うのといかにもカッコいいと言う理由じゃないかな?とも思います。
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ディスクローターに穴があいているのは、バイクの場合は軽量化とディスクパットに対しての摩擦力の増大だと思います。

放熱はディスク自体が裸のバイクにはあまり影響ないはずです。クルマに穴があいていないのは、材質の関係です。クルマのディスクは鋳鉄製で、穴明け加工は強度低下につながります。従って、冷却効果はベンチレーティドディスクのようにディスクとディスクの間をあけて強制的に冷却したりします。ただし、レーシングカー等は材質をカーボンにしていますから逆に冷えているとブレーキ力が落ちます。バイクは見た目上が大事なので、ディスクにステンレスを使用しています。
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大昔に雑誌で、


車のローターは外から見えないので錆びても効きの良い鉄系の物を使う。

バイクは外から見えるので、効きは悪いが錆びにくい材質を使い、効きを良くするため、穴を開けてパッドを削っている。

と書いてありました。

あとこんなHPも参考に。

参考URL:http://www.sei-brake.co.jp/user/index.html#M8
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>車の多くは穴なしなのは何故なのでしょうか


サーキットで走ったりフルブレーキを踏まなければ効果が出ないからではないでしょうか?
あと、ブレーキパッドの減りが多少早くなるから純正で採用しにくい等あるのではないでしょうか?

ちなみにスリット入りのローターもありますが、あれはガス抜きだそうです。これもサーキットなど走らなければ意味のないもの。

>冷却効果
これ重要ですよ。サーキット走るならですが・・
20分ノーマル車で全開走行すると熱でブレーキオイルに気泡ができブレーキが効かなくなる事があります。教習所で習いましたよね?あれです。
(もちろん車種・コース・ドライバーによりますが)

結局はサーキット走る人か、見た目で付けたい人しか必要ないんじゃないですか?
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水はけを良くするのです。

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