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仏教を学んでいる者です。
いつも読誦している法華経は梵語です。
そもそも梵語って何語なのでしょう?日本語にも取り入れられています。(例:未曾有とか不自惜身命とか)

A 回答 (5件)

 「梵」という漢字はインドの神ブラーフマン(梵天)を表すために作られたもののようです。

インドは梵天の地ということで、梵土といいます。インドで仏典を書くのに使われた言語を梵語といいます。梵語はサンスクリット語です。サンスクリットとは完成されたもの、完全な言語という意味です。
 「法華経」はサンスクリット語で「サッダルマ・プンダリーカ・スートラ(白蓮華の正しい教えの経典)」といいます。何度か中国語に訳されたようですが、406年に鳩摩羅什(くまらじゅう)が中国語に訳したのが「妙法蓮華経」で、日本にも中国語訳のまま広まり、中国語音で読誦しましたが、今では日本語式の発音になっています。

序品

  如是我聞一時仏住王舎城耆闍崛山中
  与大比丘衆万二千人倶……

 これは古い中国語文、つまり普通の漢文です。訓読は

  是(かく)の如きを我聞(き)きき。一時、仏(ほとけ)、
  王舎城・耆闍崛山の中に住(ぢう)したまひ、大比
  丘衆、万二千人と倶(とも)なりき。……

となります。読誦の音読は

  ニョ・ゼ-・ガ-・モン・イチ・ジ-・ブツ・ジュ・オー・シャ・
  ジョ-ギ-・シャ・クッ・セン・チュ・ヨー・ダイ・ビク・シュ・
  マン・ニー・セン・ニン・クー……

  王舎城は梵語でラージャグリハ(王の家)の意訳です。
  耆闍崛は梵語のグリドラクータ(鷲の峰)の音訳です。意訳すると霊鷲(りょうじゅ)です。

 挙例の「未曾有」「不自惜身命」はいずれも漢語です。「いまだかつてあらず」「みづからしんみやうををしまず」と訓読します。

 陀羅尼品の次の部分は梵語です。

  安爾 曼爾 摩禰 摩摩禰 旨隷 遮`梨'第 
  賖咩 賖履 多瑋 羶帝 目帝 目多履……

 読誦音は

  アーニー マーニー マーネイ マーマーネイ 
  シーレイ シャ-リーテイ シャ-ミャ- シャ-ビーターイー 
  センテイ モクテイ モクタービー ……

 梵語からの直訳本では

  アヌェー、マヌェー、マネー、ママネー、チッテー、
  チャリテー、サメー、サミター、ヴィシャーンテー、
  ムクテー、ムクタタメー、……

となっています。
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この回答へのお礼

鳩摩羅什が訳した法華経が一番法華経の御意に沿ったものだと聞いたこともあります。梵語は仏典を書くための言葉であったと新たな知識も得られました。「未曾有」「不自惜身命」は漢語でしたか・・・。法華経の中に出てくるので(如来寿量品第十六)てっきり梵語かと思っていました。もしかしたら今読んでいる法華経も漢語に訳されたものなのかも知れませんね。勝手に梵語だと思っていたかも!
深い知識の上からのご回答ありがとうございました。

ほかの方もありがとうございましたm(__)m

お礼日時:2014/06/15 22:47

 インドの仏教が中国に招来された段階で、変質を始めます。


中国仏教がインド仏教と本質的に異なる部分は、中国の言語文化である「文字」と「文字そして言葉の持つ意味」が影響もしています。
 「未曾有」という単語が「漢文読み」であることは既にお解りと存じますが、これがインド仏教だったなら果たして中国仏教の様に教典解釈を目的としたでしょうか。
 中国仏教が経典解釈を目的としたことは先ずまちがいありません。そのために態々と仏典を漢字に改め「教典」として再編成し、それを布教活動の媒体とした。
 日本の仏教も古代仏教がこれと全く同じであること、そして恰も黒を白と言いくるめるための要件(古代国家を構築する二本柱の一つ)としての仏教が持つイデオロギー的要素を考えるなら、経文に使われている文字と教典に遣われる言葉の関係をみれば一目瞭然です。
 経文に教典にも「マイナスイメージを想起させる」文字は使用されてもいません。インド仏教を中国仏教に翻訳する段階で言語解釈が生じ、それをそのまま日本も踏襲しているだけの話です。
 梵語つまりサンスクリット語といっても、それを実際に使っていた階層の問題も考えねばなりません。同じ日本語といっても「一つの事象やものを表す言葉」にも様々なバリエーションがあり、女房言葉もあれば侍言葉、公家言葉が同じ一つの時代そして空間領域に共存もしています。
 こうした部分から見つめ直すこともおもしろい問題の立て方ですね。
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この回答へのお礼

色々と勉強なされているお方なのですね。梵語ひとつ取っても色々と奥深いものがあるのでしょうね。ありがとうございました。

お礼日時:2014/06/15 22:41

「未曾有」 なんて言葉は、あまりに馴染みがあって、それが古い古い言語に由来するなんて、普通は考えてみることもないですね。



梵語はサンスクリット (Sanscrit) のことだといえばそれまでですが、それではあんまりなので、Wikipedia から引用してみます。

 「サンスクリットはインド・ヨーロッパ語族(印欧語族)に属する言語である。ギリシア語、ラテン語、ペルシャ語や、英語を含む現代ヨーロッパの多くの言語と同じ起源をもち、語彙や文法の面でさまざまな共通点をもつ」

つまり、ヨーロッパなどの言語の元になる言語があったと仮定すると、その言語が地理的な隔たりや人々の移住などによって分化していって、さまざまな国語ができたと考えることができます。その大本の言語に最も近いと推定される言語がサンスクリットです。ただ、そのことに西欧人が気づいたのは、ずいぶんと近代になってからのことです。

サンスクリットは主にインドで用いられた言語ですが、主として公用語として公文書などに用いられたと考えられます。また、それだけ言語としての 「格」 が高いとみなされたために、宗教的な書物もサンスクリットで記述されました。それに、古代の言語でありながら、文法が非常に整備された言語です。

仏教関係では、当初はサンスクリットを用いていませんでしたが、時代を下って登場した新興の教派はサンスクリットで仏典を記述しました。『法華経』 もその1つです。

仏典が中国に伝えられると、それが中国語に翻訳されました。当然に漢字ばかりです。けれども、仏教的な用語などは、サンスクリットの音をうまく中国語に合わせて、中国語として読んでも元の意味と重なるような訳し方がされているようです。しかし中国語としての機能を無視した言葉もあります。たとえば、見るからにむつかしそうな 「阿耨多羅三藐三菩提」 はサンスクリットの音を転写したものです。うっかりすると 「菩提」 は中国語だったのではなかろうかと思えたりしますが、あれは bodhi というサンスクリットの音を漢字に転写したものです。よく見る文字なので、仏教伝来以前から中国語にそういう言葉があったみたいな錯覚を覚えたりします。

要するに、梵語と呼ばれているものはサンスクリットのことだといえる、ということです。ただし、梵字で書かれたものを梵語だとみなすと、必ずしも同じと言えない可能性がありますが、「このお経は元々は梵語で書かれていたものです」 という場合の 「梵語」 とは、サンスクリットのことだといって良いと思います。

参考URL:http://ja.wikipedia.org/wiki/サンスクリット
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この回答へのお礼

なるほど、梵語=サンスクリット語なのですね。ありがとうございました。

お礼日時:2014/06/15 22:34

サンスクリット語で、その発音に漢字を当てて中国や日本に伝えたものが仏教の経典(お経)のもとです。



音が近いように、しかし漢字での意味も原語に近くなるように、というのは、アナと雪の女王の Let it go の各国版歌詞の作成方針にも通じるポリシーかと思います。
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この回答へのお礼

梵語に漢字をあてて中国や日本に伝えたということは以前聞いたことがあります。アナ?はよく存じ上げませんがありがとうございました。

お礼日時:2014/06/15 22:33

梵語は梵語ですね.

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この回答へのお礼

梵語は梵語ですね(笑)知らなかったので参考になりました。ありがとうございました。

お礼日時:2014/06/15 22:31

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