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ザクセン2格についての質問です。

Ave Mariaの詩です。

Ave Maria! Jungfrau mild,
Erhöre einer Jungfrau Flehen,
Aus diesem Felsen starr und wild
Soll mein Gebet zu dir hinwehen.

アヴェ・マリア!憐れみ深きおとめよ、ひとりの少女の切なる願いを聞き入れてください、この堅く荒々しい岩山から
わたしの祈りが風となってあなたのもとへ届きますように。
(訳は原文のまま)

解説ですが、2行目のeiner Jungfrau :女性名詞Jungfrauのザクセン2格「少女の」。
この詩ではJungfrauという語で2人の「おとめ」を指している。
処女(Jungfrau)で身ごもったとされる聖母マリアのことと、この詩の語り手である娘エレンのこと。いずれを指すのかは文脈から判断する。たとえば、呼びかける相手であれば聖母マリア。ここでは、聖母マリアのときは「おとめ」、エレンのことを指すときは「少女」と訳し分けた

ザクセン2格というのは名詞の前に置くことができる、無冠詞の固有名詞だと書いてありますが、この場合、不定冠詞がついていますが・・・これは普通の2格で、hinwehenと韻を踏むために順序を前後しているものではないのでしょうか?
「堅く」というのも変ですね?(これはドイツ語とは関係ありませんが)

A 回答 (3件)

御覧になっている解説の書き方が悪いのかもしれませんが、「無冠詞」という点を誤解なさっているようです。

無冠詞になるのは、ザクセン2格のあとに置かれる名詞です。ザクセン2格の部分は、2格を示さなければいけないので、2格の冠詞が付きます。この場合なら、Flehenが無冠詞になるということです。das Licht des Mondes(月の光)をザクセン2格で書き直すと、des Mondes Lichtとなり、Lichtは無冠詞です。古文や詩、韻文で使われ、必ずしも韻を踏むためだけにするわけではありませんが、韻のためにも使いますし、韻律、つまりリズム上の強弱の関係で使うこともあるでしょう。つまり、韻を踏むために前後を入れ替えてこのような形になったものも、ザクセン2格と呼びます。
starrは、岩の固さを表しているので、「堅い」でいいと思いますよ。
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この回答へのお礼

2格は通常それを修飾する名詞の後ろに置かれます(後置)ただし無冠詞の固有名詞は名詞の前に置くことができます。(これをザクセン2格(saechsischer Genitiv)と呼ぶことがあります。2格は意味的には前置詞vonと同じです。ザクセン2格と冠詞類を同時に使うことはできません。
×die Haradas Deutsche Grammatik
○Haradas Deutsche Grammatik
http://www.harada.law.kyoto-u.ac.jp/hdg/13_nomen …

>無冠詞になるのは、ザクセン2格のあとに置かれる名詞です。ザクセン2格の部分は、2格を示さなければいけないので、2格の冠詞が付きます。この場合なら、Flehenが無冠詞になるということです。

そうだったのですね!実はザクセン2格というのは初めて聞いたものですので、検索したらこのサイトが始めにヒットし、説明を誤解しました。

>韻を踏むために前後を入れ替えてこのような形になったものも、ザクセン2格と呼びます。

誤解が解けました。ありがとうございました。

お礼日時:2016/03/09 22:14

リンク先の解説の筆者は、本当に「無冠詞の固有名詞をザクセン2格にできる」という意味で書いていますね。

Haradaという自分の名前を書いています。これは説明になっていません。ザクセン2格という文法用語は、そもそも英語からきているようですが、どちらにしても固有名詞に限ることではありません。the child’s bagとかthe system’s failureと言いますし、人名や都市名などの固有名詞には限りません。ドイツ語の場合も、すで出ているようなeiner Jungfrau Flehen、des Mondes Lichtのように、冠詞を伴う普通名詞をザクセン2格として前に出します。
日本語で書かれたドイツ語の文法サイトは今までにいくつか目にしたことはありますが、利用できると思ったところは残念ながらまだ一つもありません。
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この回答へのお礼

>ザクセン2格という文法用語は、そもそも英語からきているようですが、どちらにしても固有名詞に限ることではありません。the child’s bagとかthe system’s failureと言いますし、人名や都市名などの固有名詞には限りません。ドイツ語の場合も、すで出ているようなeiner Jungfrau Flehen、des Mondes Lichtのように、冠詞を伴う普通名詞をザクセン2格として前に出します。

そうなのですね!てっきり固有名詞に適用されるものと思いました。NHKのテキストに少し不信感を持っていましたので、また解説が間違っているかもしれないと疑いつつお尋ねしましたが、このサイトの方がお粗末だったということですね。
お尋ねして本当によかったです。間違って覚えるところでした。(;゜ロ゜)

お礼日時:2016/03/10 00:16

質問とは直接関係はないのですが、この詩はもともとウォルター・スコットの『湖上の美人』からとられたもので、英語から訳されたものです。

starrは、この訳の中では岩の堅さでいいのですが、英語の原詩にはこのような語はありません。シューベルトが使ったドイツ語訳ですが、かなり古いものです(訳者:Adam Storck 1780~1822)。スコットの原詩は、

Ave, Maria! Maiden mild!
Oh listen to a maiden's prayer;
For thou canst hear tho' from the wild,
And Thou canst save amid despair.

別のドイツ語訳で、少しあとのもの(訳者:Ludwig Freytag 1869)ですが

Ave Maria! Jungfrau mild!
Wollʼ einer Jungfrau Hilfe leihn!
Aus der Verzweiflung Schreckensbild
Erlöst uns deine Macht allein!

英語の原詩には、「岩山」も「堅い」もありません。wildはありますが、from the wildなので、「荒野から」というような意味でしょう。Storck訳は、意訳というよりは翻案です。Felsen starrは、amid despairからの発想だと思いますが、ドイツ語に直訳するなら、inmitten der Verzweiflungです。Freytag訳の中にもザクセン2格があります。Aus der Verzweiflung Schreckensbildの部分で、Aus dem Schreckensbild der Verzweiflungということですね。
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この回答へのお礼

>シューベルトが使ったドイツ語訳ですが、かなり古いものです(訳者:Adam Storck 1780~1822)。

テキストにもそうありました。英語の原詩とは随分違っているのですね。
>Storck訳は、意訳というよりは翻案です。Felsen starrは、amid despairからの発想だと思いますが、ドイツ語に直訳するなら、inmitten der Verzweiflungです。

詳しい解説をしていただきありがとうございました。

お礼日時:2016/03/10 00:08

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