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当方文系の人間ですが、宇宙論についての概説書を読んでいる中で、「相対性理論の理論的帰結として以下の可能性が考えられる」、として、

「未来に追いつく過去、ワームホールを経た時間旅行、そして、the incredible warping of time-space that must have occured in order to generate the singular event which initially created the universe.」という文が来ます。

この最後のところはどういったことなのでしょうか。一応私なりにホーキングなどの啓蒙書は読んできたのですが、これが何のことを指しているのか(とくにsingular event(ビッグ・バン?)とwarping of time-spaceがどういう関係にあるのか)さっぱりわからないでいます。

概説いただければ幸いです。

A 回答 (3件)

#2の補足に対して回答します。



ビッグバン理論は、一般相対性理論の32年後に提唱されました。そのときには、フリードマンの膨張宇宙モデルが発表され、ハッブルによってほとんどの銀河系が、私たちの銀河系から銀河間の距離に比例した速さで、互いに遠ざかっているという観測結果があったにもかかわらず、私たちの宇宙が膨張していることを、大半の天文学者は認めていませんでした。
膨張宇宙の事実を天文学者たちに認めさせたのは、1964年のペンジアスとウィルソンの2人による2.7°Kの宇宙背景放射の発見です。この事実から、宇宙の初期では超高温だったのが、膨張により宇宙の温度が下がっていったと考えざるを得なくなったのです。
これから、ほとんどの人がビッグバン理論を認めるようになりました。
このように、ビッグバン理論は一般相対性理論にも合致しています。
宇宙初期の時空のゆがみとビッグバンを原因と結果に当てはめる必要はまったくありません。
それぞれは、違った観点から見ているだけなのです。

以上の説明で、少しは納得していただけたでしょうか?
疑問があれば、もっと補足質問をお願いします。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。御礼が遅れてしまって申し訳ありません。
時空のゆがみとビッグバンを因果関係のうちに捉える必然性がないとのご指摘、非常に分かりやすいです。
どうやら、二つを「in order to」とつなぐ原文に問題があるというわけですね。お付き合いいただきありがとうございました。

お礼日時:2004/08/13 16:56

補足の回答をします。



現在の宇宙論では、ビッグバンのとき4次元時空は、大きく曲がっていたと考えられます。
これは、アインシュタインの一般相対性理論から容易に導き出せます。
一般相対性理論を宇宙に適用すると、私たちの宇宙は、
(1)膨張している
(2)収縮している
(3)膨張と収縮を繰り返している
のどれかです。
そして、観測によると宇宙が現在膨張しているのは、間違いありません。(最新のデータでは、約137億年前から膨張を始めています)
すると、137億年前の宇宙は、非常に小さかったはずです。
従って、今の宇宙の全質量が非常に小さな範囲に詰め込まれていたのですから、宇宙の時空の曲がりは非常に大きかったことになります。
(一般相対論によって、小さな範囲に質量が多くあるほど、時空が大きく曲がることがわかっています)
要するに、この宇宙は膨張していますので、ビッグバンから時間が経つと時空の曲がり方は小さくなります。

以上の説明には、なんら矛盾点はないと思いますがいかがでしょうか?

この回答への補足

素人にもわかりやすい丁寧なながらも端的な説明をありがとうございました。おかげで、私自身の思考が整理され、どこに引っかかっていたのかが見えてきました。

原文に、「in order to generate」とありますように、これを文字通り解釈しますと、時空のゆがみがビッグバンの必要条件であるかのような書き方です。つまりビッグバンの「前に」すでに時空のゆがみが存在していたと私にはとれてしまうのです。

ところが、「アインシュタインの一般相対性理論は単独ではこう予測している。時空はビッグバン特異点で始まり」(ホーキング『宇宙を語る』、166頁)、bttf2003さんにわかりやすく概説していただいたように「ビッグバンとわれわれが呼ぶその時点には、宇宙の密度も、宇宙の湾曲率も無限大だった」(同79頁)とのこと。このこと自体についてはよくわかったのですが、ただこの場合、時空の歪みがビッグバンの「必要条件」であることが私にはわかりません。さらに、ビッグバンは「特異点」であるために、「いまのわれわれの場合のようにビッグバン以後の出来事しか知らないときには、それ以前に何が起きたかを推定することはできない」(同頁)ともいいます。

以上私の理解する限りですと、この原書の説明のように、二つの間には原因(warping of time-space)と結果(singular event...)の関係があるとはいえないということになりそうなのです。

門外漢ゆえに、的外れなことを問題にしているのかもしれません。ご寛恕を請うばかりです。

補足日時:2004/08/05 23:07
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こういう内容を質問する場合は、情報の発信源を明確にする必要があります。


「いつ」「誰が」「どんな形式で」が最低限わからないと、信頼性がどのくらいあるのか?の判断が出来ません。

「宇宙の創生時に特異な出来事が発生したことによる信じられないくらいの時空のゆがみが起きたのはまちがいない。」と書いてあります。
たぶん「ビッグバン(singular event)のときに時空のゆがみ(warping of time-space)は非常に大きかった」といいたいのでしょう。
それ自体は、間違ってはいません。しかし、それを「未来に追いつく過去、ワームホールを経た時間旅行」にすぐ結び付けられるかどうかは、この文章だけでは判断できません。
いいたいことの内容全体の流れが、つかめないと正しいとも間違ってるとも言えません。

私が、質問文から読みとれるのはこれくらいです。
参考になったでしょうか?

この回答への補足

ご回答ならびに質問の仕方についてまで適切なご助言をいただきありがとうございます。大いに参考になりました。

この文章は、John Urryという英国の社会学者が著した「Sociology beyond Societies」(2000)の中の一節からです。この書の中で、筆者はこれまでの社会学が総じてニュートン的、デカルト的といえる近代的な時空概念に縛られており、結果、グローバルな現代社会の特性を十分に捉えることができていないと主張し、主にアクター・ネットワーク理論ないしアフォーダンスの概念を下敷きに、新たな「社会」「旅」「居住」「シティズンシップ」のありようとその分析装置を提示しています。したがって、物理学プロパーというわけではありません。

さて、この中でUrryは「時間」の章を設けて、これまで現象学、解釈学などで「生きられる時間」などと呼ばれてきた時間が自然一般にも当てはまることを示す一方で、今日の即時的なグローバル社会を記述する「メタファー」としても(とりわけ「因果」概念との関係で)、複雑性の理論、量子力学における時間概念を援用しております。

私が質問いたしました文は、物理学において時間がどのように扱われてきたのかを概説する中ででてくるものです。この文のある段落の要点は、「時間と空間は、質量の影響によってゆがんだ四次元の時空に合わさったものである」ということにあるようです。

しかるに、筆者は相対性理論から考えられることとして、例をあげているだけであり、おそらくこの例のあいだに結びつきを持たせようという意図はないのだと思います。

さて、私の浅薄な知識から質問の部分を解釈しますと、「時間そのものはビッグバンによって生まれた」と一般に言われているのに、そのビッグバンを生み出す「時空が大きくゆがんでいたに違いない」というのは矛盾していないのか、ということになり逡巡していたので、質問させていただいたというわけです。

よろしければこの点につきご教授お願いしたく存じます。

補足日時:2004/08/03 21:07
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