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小説の比較について質問です。今回4冊の小説を読みました。
1.『ガリレイの生涯 (1937-1943)』ベルトルト・ブレヒト(1898-1956)
2.『ドン・ファン (1953)』マックス・フリッシュ(1911-91)
3.『ホモ・ファーバー (1957)』マックス・フリッシュ(1911-91)
4.『物理学者たち (1962)』フリードリッヒ・デュレンマット(1921-90)
これらを比較して論文を書くように言われました。

そこで質問です。
まず比較の方法ですが、今回の4冊すべてを同時に比較しなければならないのでしょうか?
それとも2冊ずつ比較していくのでしょうか? (この場合6通りの比較が必要になります)
それともそれらの混合でしょうか?
たとえば今回の小説のうちの2冊(2.と3.)にマザコンとファザコンの要素が垣間見れます。
そうなるとそれら2冊は比較できても他の2冊は比較できません。
なので、この比較をしてしまうと他も同様に2冊ずつ比較していかないといけないのかな、と思っています。

それと比較する要素なのですがほとんど思いつきません。
比較するのは主人公の性別とか年齢とか職業とかでしょうか?
…というかそれくらいだとネタが尽きてしまいます。
4年前に批評論文の書き方の本を図書館で読んで比較の仕方を勉強したのですが
もう忘れてしまい、しかもその本を探したのですが見つかりませんでした。
どなたか基本的な比較要素を箇条書きしてくださいませんか?
もしくはそんなホームページを教えてくださいませんか?
(自分で検索したのですが、比較文学の学部の紹介はたくさんあるのに
比較論文の書き方についてのHPは一つも見つかりませんでした)
今週中に仕上げないといけないのでどうかよろしくお願いします。

A 回答 (4件)

こういうのは実例を見ながらやっていくのが一番いいので、いくつか論文を検索してみましたが、どれもちょっと長すぎて、ここで構成を見るには適当じゃありませんでした。


そういう事情で、「いわゆる論文」ではないけれど、論文の構成をとっているものをひとつあげます。

http://c-cross.cside2.com/html/b00he001.htm

第一パラグラフで取り上げるテーマがあきらかにされます。
第二パラグラフでそのテーマの今日的意味が述べられます。

第三パラグラフ以降、取り上げた作品を、自分の切り口に沿ってレビューしていきます。これがほとんどを占めることになるんですが、ポイントは「だらだらあらすじを書くのではない」ということです。
テーマに結びつける。
たとえば、
>人の感情をあまり考えることが出来ない合理主義者
であれば、それ以外の要素は全部落とします。
ファザコンであることが主人公にとって大きなファクターだと思ったとしても、「ファザコン」と「合理主義者」の間に決定的な因果関係を見出すことができなかったら、そんな自己主張の強いファクターを入れちゃいけません。
また、作者がこの作品を書いた、ということが、テーマと重要に結びついていくのであれば、第四パラグラフのように、作者とこの作品が書かれた経緯を書いていくことも必要です。

最後の前のパラグラフで、いままでとはまったく別の角度からこのテーマに関わる作品をあげ、テーマをさらに掘り下げます。

最終節、結論です。
これは結論の部分が簡単ですが、全体とのバランスはこれくらいで十分だと思います。


重ねて言います。
何よりも重要なのは、切り口です。その論文の命は、結論ではなくて切り口です(こんなことを大きな声で言うと怒られるから小さい声で)。

>人の感情をあまり考えることが出来ない合理主義者

これ、いいですね。
このテーマの中にもう結論は含まれていますね。
合理主義者という角度から四つの作品を見ていく。
人の感情をもともと考えることができないのか。
理解はできるのだけれど無視して突き進むのか。
どうしてそのようになってしまったのか。
その結果、まわりにどのような影響をあたえたのか。
その性格が主人公の生涯にどのような影響を及ぼしたのか。
そうでなかったガリレイはどうなったのか。
こうした観点から、もう一度それぞれの作品を再構成して、要約してみてください。

ファザコン/マザコンは上にも書いたけど、それ自身大変強烈な要素なので、ひとつの流れにまとめていくにはちょっとムズカシイです。相当な腕力が必要になってくる。

>既に調べてしまったものですからちょっともったいないなと思ってます。
この気持ちは、ものすごーく、ものすごーくわかります(力、入ってる?)。
だけど、そういうもんなんです(溜息)。
私なんかも論文に取り上げるのは、読んだり調べたりしたことの三割ぐらいで、残りの七割は日の目を見ません。で、いつも、もったいないなー、どこかで使えないかなー、とうらみがましく思ってるんです。私のパソコンには、こうした日の目を見ない過剰仕入れ品のフォルダがいくつもあります。そのうち何かの形で在庫整理をしてやろうとは思っているのですが。

参考URL:http://c-cross.cside2.com/html/b00he001.htm
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この回答へのお礼

あれから結局徹夜してなんとか形になりました。
小説のサマリー5ページとブレヒトの詩集の解釈4ページ(実はこれらも要求されていたんです)と
比較論文5ページで計14ページ、ご飯も食べずにぶっとおしで書き上げました。
一応細部にも気を配って書いたので「やっつけ仕事」にはなっていないと思います。

ご紹介いただいたURLは本当にためになりました。
特に導入部が上手いですね。
ベトナム戦争を軸に書かれた小説が比較されているんですね。

仰る通り、ファザコン/マザコンについては
今回の切り口「合理主義者」から逸れているので書かないことにします。
実は書いているうちに気付いたのですが、ファザコン/マザコンのことよりも
今回読んだ中で一番面白かった小説「ホモ・ファーバー」について深い深い考察をしていたのですが、
今回の論文に含める部分は結局そのうちの二割くらいになりそうです。(^^ゞ
それはそれでいいです。良い勉強になりましたので。

> 合理主義者という角度から四つの作品を見ていく。

なるほど、たった一つの切り口でもいろいろな視点から作品を見れるのですね。

> そうでなかったガリレイはどうなったのか。

あ、さすがにそれは気付きませんでした。書き足しておきます。

親切に面倒を見てくださってどうもありがとうございました!

お礼日時:2004/08/18 22:04

お困りのようなので、多少のアドバイスを。


ただし、緊急の役に立つかどうかは、保証の限りではありません。

まず、一番わかりやすくて手に入りやすい比較論文をあげます。
柴田元幸『アメリカ文学のレッスン』(講談社現代新書)
どの章でもいいので、ひとつだけ読んでみてください。
そのスタイルを頭に入れて、真似してみてください。

ひとつのテーマに沿って、いくつかの小説があげてあります。
たとえば、この中でも白眉ともいえる「建てる」という章。
「建てる」というキーワードを軸に、『サイラス・ラッパムの向上』『ウォールデン』『モスキート・コースト』『グレート・ギャツビー』『アッシャー家の崩壊』『フランクリン自伝』『アブサロム・アブサロム』と一見したところ時代もさまざま、実に多種多様な文学作品が並んでいます。
柴田はそれを比較しつつ、
「人と人が向き合う文学というより、人が人に背を向けて世界と向き合う文学だから、とひとまず言うことができると思う」
と、結論を導き出していく。

比較論文の作法はまさにこれです。
>比較する要素
ではなく、共通項です。
四つの文献(これは質問者さんが選んだのではなく、課題ですね?)の共通項を探す。
その共通項は別に作品のメインテーマでなくてもいいんです。
ただし、できるだけ絞り込むこと。
一語で言えるような。
できれば意外性があったほうがいい。
誰でも思いつくような共通項というのは、実は書きにくいものです。
自分独自の切り口を見つけること。
柴田の本の目次を見るだけで、結構参考になります。
これさえ見つけることができたら、7割方、書けたようなもんです。
というのは、オリジナリティのある切り口は、結論を含んでいるからです。

それが、男性、とか、職業、という漠然とした切り口しか見つからないのだったら、たとえば「男性」という共通項が彼らの生涯にどのような影響をおよぼしたか、といった具合にそこからもう一段階、自分で絞り込んでください。

マザコン、ファザコン、じゃ、ほかの二作品には特筆するような親子関係はありませんでしたか?
こういうとき、マザコンでもなければファザコンでもない、いわゆるまっとうな親子関係でさえ、役に立ちます。
つまり、導き出そうとする結論とは逆説的な意味で、共通項に関わっているからです。

共通項が見つかった。
さてつぎに、この共通項がそれぞれの作品において、どのような位置を占めているか、作品のメインテーマとどのように絡んでいくかを見ていきます。
これも柴田の本が参考になると思います。

並べ方にもルールがあります。
共通項に深く関わっているか、浅く関わっているか。逆説的に関わっている(共通項に反するもの)か。
四つの作品であれば、関わり度の深い順に1.2.3.4.とすると、どういう順が望ましいと思いますか?
ちょっと考えてみてください。
共通項と作品の関わりを四枚のカードに書いて、いろいろ並べ方を比較してみるのもいいかもしれません。

最後に結論です。
ステレオタイプは避ける、そして、教訓的なものにしないように。
それさえ気をつけておけば、どのようなものが来ても、大丈夫だと思います。

“論文の書き方”は、句読点の打ち方、漢字の使い方、出所明示の方法といった成形の際の役には立ちますが、実際に書く時の参考にはあまりなりません。
それより、ひとつの論文を、十分に読みこなす方がよっぽど役に立つ。
どういった構成をとっているか。
フローチャートでもいいですし、それぞれの要素をカードに書き上げて、並べていくのでもいいです。
作品をどのような切り口で取り上げているか。
引用のやり方はどうか。
比較の仕方はどうか。
徹底的に解剖し、真似てください。
そのうち、それが自分のスタイルになっていきます。

ということで、がんばってください。
あと、蛇足ながらつけ加えておくと、読み手にも愛を、ということです。
読む方はいくつも読まなくちゃなりませんし、やりたくないしやる気もないけど、課題だからしょうがない、テキトーにデッチ上げました~、というレポートをいくつも読んでると、本当にかなし~い気分になってくるんですね。
だからちょっとだけ気を配って、なるべく読んでおもしろいものを書いてくれたら、ってこれは質問者さんに言っても仕方がないんですが。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。
例にあげてくださった比較論文の本、こちらではちょっとすぐには手に入らないです。すみません。
「比較論文」で検索してみたのですが紀要の題目ばかりで論文の内容は見つかりませんでした。
(一つも見つからないっていうのは著作権か何かの都合なのかもしれません)

> ひとつのテーマに沿って、

#2さんのお礼にも書きましたが
共通のテーマが必要だったんですね。
幸運なことに今回は「科学/技術」をテーマにこれらの小説を選びました。
主人公はそれぞれ天文学者、幾何学者(測量技師)、ダム建設の土木技師、物理学者となっています。
ガリレオを除いてこれらの主人公は
とても頭は良いのですが人の感情をあまり考えることが出来ない合理主義者として描かれています。
いや、ガリレオも地動説を撤回した時点で合理主義者になってしまったのかもしれません。
…というようなことを本文の引用をしながら証明していけばよいのですか?

マザコン/ファザコンの比較はこの「科学/技術」のテーマから逸れるのですが、
結論の前に1つパラグラフを設けて書くというのは駄目でしょうか?
読む側の立場としては邪魔になってしまいますか?
書かないなら書かないでいいんですが、
既に調べてしまったものですからちょっともったいないなと思ってます。
確認を兼ねてまた質問してすみません。

お礼日時:2004/08/18 03:10

小説の内容が全く分かりませんので一般論で申し上げます。



4つの小説を比較してということですから、4つを比べることになると思います。ただし、4つを同じように取り上げるのでは、たいして中身のない論文になってしまうでしょう。只比べただけで、主題がありませんから。レポートにはなるかもしれませんが。
 そこで、メインとする小説を1つ決めて、それを他の3つと比べてみたらどうでしょう。そうすれば、多少強引でも突破口が見えそうな気がします。何か見えてきたら、それを論文の主題にすればいいと思います。
 比較することだけにとらわれず、主題を見つけてみてください。
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この回答へのお礼

そうなんですよね、以前に2つの小説を比較するというのはありましたが
4つの小説というのは初めてです。難しいですよね。
主題が一つ必要なんですね。
実はこれらの小説は私自身が「科学/技術」をテーマにして選んだので
なんとかなりそうな気がします。
ありがとうございました。

お礼日時:2004/08/18 03:08

それでは、回答者も何と答えて良いのかが解らりません。



そもそも、「何故その4冊を選んだか」という所が重要なポイントではないでしょうか?
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この回答へのお礼

確かに「何故その4冊を選んだか」という所が重要なポイントでした。
それがテーマへと発展するんですね。
こういうのにはあまり慣れていないんで苦労します。
ありがとうございました。

お礼日時:2004/08/18 03:15

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