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熱力学において仕事を求める時は
 W=p∫dv
だと思っているのですが、ランキンサイクルで仕事を出すとき参考書では、
 W=v∫dp
となっていました。これは同じことを言っているのですか?
ご存知の方教えて下さい。

A 回答 (5件)

No4 ency です。



前の書き込みの内容だけだと、「工業仕事」の物理的な意味がまったくない、と思ってしまうかもしれませんので、少し補足します。

そもそも、絶対仕事とは「物体の体積が変化することによって、その物体が外に対してする仕事 (= 物体が失うエネルギー)」のことですよね。
# 当然、体積変化がなければ、絶対仕事はゼロです。

一方、工業仕事は「物体の圧力が変化することによって、蓄えられるエネルギー」ととらえることができます。
# 工業仕事の方は、圧力変化がなければゼロです。
# 体積変化がなくても、圧力変化があれば
# 工業仕事はゼロになりません。

ま、名前の由来はよく知りませんが、定義式の形が (絶対) 仕事に似ていたために、「工業仕事」という名前にしたのかもしれません。

とりあえず「閉じた系の仕事」=「絶対仕事」、「開いた系の仕事」=「工業仕事」という覚え方で良いと思います。
# 工業仕事のことを単に「仕事」と呼ぶのが
# 一般的なのか、よく知りません。
# 熱機関屋さんがどのように呼んでいるのか、
# 知りたいところですね。
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この回答へのお礼

丁寧なご説明ありがとうございました。
とても助かりました。

お礼日時:2004/08/31 18:25

なにぶん、10年近く前に習ったことなので、どこまで記憶が定かなのか…そのつもりで読んでください。



以下の式で表されるものが仕事という理解は正しいです。

W = ∫PdV

# ∫記号の位置に注意してください。
# P が∫記号の外に出るのは定圧条件下の時だけです。

ただ、P と V の関係式で、もう一つ仕事の単位になる物理量が存在します。

We = ∫VdP

この両者を区別する場合、前者 W を「絶対仕事」、後者 We を「工業仕事」と呼びます。

この2つの仕事の違いは、p-v線図を描いてみて、どの領域を積分したものなのかを調べてみれば判ると思います。

もともとの仕事の定義を思い出してもらえば判ると思いますが、絶対仕事こそが本来の定義に合った仕事です。

dW = Fds = (PA)ds = Pd(As) = PdV
(F:力、A:圧力Pが作用する面積、s:移動距離)

話が閉じた系だけであれば、この絶対仕事だけできれいにまとまっていたのです。

閉じた系
dU = dQ - PdV
⇒ ΔU = Q - W (W = ∫PdV)

しかし、開いた系の話をしようとした場合、エンタルピーHを導入したことにより、絶対仕事だと式の見通しがあまり良くならないのです。

開いた系
dH = dU + PdV + VdP
⇒ dH = dQ + VdP
(… PdV がいなくなり、VdP が登場してしまった)

そこで、新たに工業仕事 We という物理量を導入することにより、式の見通しを良くしてやったのです。

開いた系
dH = dU + PdV + VdP
⇒ dH = dQ + VdP
⇒ ΔH = Q + We (We = ∫vdp)

エンタルピー H で議論を進める場合には、この工業仕事 We が必ずといって良いほど登場してきたはずです。
逆に、内部エネルギー U で議論できる場合には、従来通りの絶対仕事 W だけで話が進められます。

要は、話を簡単にするために導入した物理量なわけです。
しかし、この手の話にありがちなパターンで、判る人にとっては判りやすいのですが、判らない人にとっては非常に判りにくい話になってしまっている…と私は思っています。

こんな感じで、いかがでしょうか?
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 まだ見てますか?積分記号の位置とかその他、少し気になったので、記憶だけですが書きます。(合ってるか確認してください。)

 ランキンは確か蒸気タービンのですよね、加熱と冷却が等圧(dP=0)、タービンでは断熱膨張。で、普通、蒸気はエンタルピHで熱の出入りを表しますよね。
  H ≡U+PV
  dH = dU+PdV+VdP
一方、外部への仕事(膨張,圧縮)は 力×距離 ゆえ、
  dW = PdV
外部からの熱エネルギは内部蓄積エネルギ+外部仕事 ゆえ、
  dQ = dU+dW
これらを組み合わせると
  dH = dQ+VdP
となって、
で、ランキンサイクルは熱の出入り時はdP=0ゆえ熱エネは全部Hになり、仕事時(断熱膨張)はdQ=0ゆえ、
  dH = VdP = 外部仕事
これの積分では?(時間なのであと確認よろしく)
 
 
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この回答へのお礼

非常にわかりやすいご説明ありがとうございました。

お礼日時:2004/08/31 18:26

W=p∫dv


一定の圧力の下で、体積V1から体積V2まで膨張したときの仕事量。
・・・厳密に正しい例えではないが、わかりやすい例で言うと、風船にドライヤーの風を当てたら、風船が膨らむ現象など。


W=v∫dp
一定の体積に閉じ込めた気体を、圧力P1から圧力P2まで圧力を増加させるような仕事。
・・・要するに、温度を上げることと同じ。
W=v∫dp=nR(T2-T1)
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上の式と下の式は文字の順番が違うだけで、とくに違うことをいっているのではありません。

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