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シリウスAと伴星のシリウスBは50年の周期で回っていて、その距離は24天文単位であると言われています。ケプラーの第三法則によると連星の質量の和は回転半径の3乗に比例し、公転周期の2乗に反比例することになっています。この比例関係に基づき、地球と太陽の値(この時、地球の質量は無視できるので、質量の和は「太陽の質量」、そして公転周期は「1年」)の比で、シリウス連星の質量の和を計算すると[24の3乗]/[50の2乗]=太陽の質量の約5.5倍となります。しかし、事典等で調べてみると、シリウスAとシリウスBの質量はそれぞれ太陽の2倍と1倍程度で、合わせても太陽の質量の3倍そこそこです。
 この質量の矛盾は、私の計算(というか、考え方そのもの)が間違えているからなのでしょうか? だとすれば何処で致命的な誤りを犯しているのでしょうか? 誰か教えていただけれないでしょうか? おねがいいたします。

A 回答 (8件)

 


 
1.
 No2です、サイトを紹介しておきます。 朝ちょっと検索したんですが、日本のサイトは数行の昔話しか無く、計算が見あたらないのでガッカリしました。 No4のサイトを見て「おお!しっかりあるではないか!」と嬉しくなりましたが よく見たら台湾のサイトだったんですね。。
そこの元ネタらしい(かな?)のを紹介します。 アメリカの国立電波天文台の教育サイト( http://www.aoc.nrao.edu/ )の、宿題の回答ページ
http://www.aoc.nrao.edu/~smyers/courses/astro12/ …
http://www.aoc.nrao.edu/~smyers/courses/astro12/ …
です。
下記目次ページの 「ホームワークのセット1と2」 が出題で、その下にある 「回答」 が上記のページです。
http://www.aoc.nrao.edu/~smyers/courses/astro12/ …



2.
 下記ページに 実際の図があります、主星と伴星はクネクネと移動して見えます。
http://members.optushome.com.au/jeross/astro/sir …
クネクネが4回くりかえされてます。ひとくねり50年ですから、図は200年以上に相当します。(この動きに気付いたのは160年前です。)
図に目盛りがあるので「見た目では最大何度離れてるのか」がほぼ読みとれますね。

この観測データをもとに、
「共通重心の動きは直線運動であるはず、それは二者の中間で直線上にあるはず。」 という運動の基本原理を根拠に、直線と二つの楕円に分離します。二つの楕円軌道は同じ平面上のはずです。
 で、その軌道平面は 地球の方向と角度がどうなってるか。 
例えば;偶然に真円に見えたとします、しかし真円なら回転スピードは一定ですが、楕円なら遠い所では遅く近いところでは速い、これは観測で見分けが付きます。軌道面が斜めなら 地球に近付いたり遠ざかったりします、これは光のドップラー効果を観測すれば分かります。速度変化が詳しく観測できれば それだけから面の角度と楕円の形状が分かってしまいます。長半径はこれらに裏付けされた値です。
 
 

参考URL:http://www.aoc.nrao.edu/~smyers/courses/astro12/ …
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この回答へのお礼

ありがとうございました。お教えいただいたホームページ(http://www.aoc.nrao.edu/)は大変参考になりました。何のことはなく、長半径が間違っていた(他の方々からも指摘があったように、正しくは20AU程度)と言うだけだった訳ですね。これで納得がいきました。あと、お教えいただいたもう一つのホームページ(http://members.optushome.com.au/jeross/astro/sir …)も勉強になりました。シリウス連星の形成過程についての記述は、本当に興味深いものでした。1)この連星系は2-2.5億年前に出来たこと。2)当初、シリウスBは太陽の7倍の質量を持っていたこと。3)数千万年前にシリウスBが白色矮星へと変わったこと。等、様々な知見を得ることが出来ました。特に興味を引いたのは、シリウスBが白色矮星になるにあたって、太陽6個分の質量を失ったということです。この結果、シリウスAとBは5.6AUの振幅で振動しあっている可能性があると著者は述べています。つまり、シリウス連星の軌道は単純な楕円軌道ではないと言うことなんですね。これがAB間の距離の測定を複雑にしている要因となっていたんだけど、約20AUという距離は、その振動を加味し、平均を取って算出されたんだろうな・・・と、ひとり納得した次第です。

[お答えをいただいた他の方々にも、(いささか失礼とは思いましたが)この場をお借りして御礼申し上げます]

・・・と、ここまで書いて、ふと新たな疑問が生じたですが、シリウスBの白色矮星化、つまり太陽6個分の質量の放散(緩やかな爆発?)の地球への影響はいかほどのものだったのでしょう? たった8.6光年しか離れていないわけですから・・・ 

お礼日時:2004/09/12 00:46

 


 
>> 金属過剰な恒星とはどのような進化ステージなのでしょうか? <<

 「このサイズの星の核反応ではそんなに鉄まで行かないはず」これはまだ解明されてない、今後の楽しみでしょう。

 過去には、
(再掲A)http://www.geocities.co.jp/Athlete/2383/hanasi/s …
の連星ストーリーで B星の核反応生成物をA星が吸った名残だ とか説明されましたが、観測が進歩して詳しく分かったB星の諸元(質量、径、スペクトル)から、シミュレーションで過去に遡った赤色巨星の大きさが下記に HR図上で示されてます。初期は約 3R◎ だったのが約 50R◎ に脹らんでます。天文解説サイトにはよく「赤色巨星は数百倍~千倍」と書かれてますが、6M◎ 程度ではこの程度なんでしょうね。
(再掲B)http://www.osk.3web.ne.jp/~asterope/sirian7.html

 この 50R◎ のときの質量を 6M◎ のままと仮定して、A星(2M◎)とのロッシュ限界を
  勢力半径 ≒ 2.4554×星の半径×(星の質量/相手星の質量)^1/3
で見積もってみると、最短のときの 5.6AU でもダメですよね。ですから、

>> ロッシュローブの件はアルゴルのような近接した連星に置いてのみ問題とされるものであり、シリウスのように離れた連星では考えなくてよいものと思っておりましたが <<

 とおっしゃる通りなんです、上記 再掲A の図は シリウス系では起きてなかった。
では どれほどの量をA星が獲得したか。それは前回の「地球にこれだけ」の計算と同様の見積もりを(A星の径を 1.711R◎と仮定)すると、およそ 地球0.3個分の質量 となります。これが、黄色地の英文サイトの仮定「A星は最初から今程度の大きさだった」や 上記 再掲B の「A星はずっと主系列上に居た。そこでの進化速度は億年単位なので 数千万年程度では A星はほとんんど進化してない」と対応します。

 話が長くなりましたが要するに A星の特異な鉄分は B星由来では説明しきれない。
 さらに、連星でないものや 一家族の星団中に普通の星と金属星が混在してる、などが続々と発見され 「最初から金属分が濃いガスから出来た星では?」という仮説も脚下に。いまのところ原因不明です。


 定型めきますが、過去にも「シリウスは小さい方が進化してる、特別な核反応があるのでは?」という謎が、赤色巨星という新概念によって「昔は小さい方が大きかった」という平凡な説明に帰したのと同様の進展があるのかも知れません。
 
 
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この回答へのお礼

質問に関しての的確で簡潔な回答の数々に心の底から感謝致します。私のような門外漢にも、分かりやすく説明してくださったことに対し、感謝の言葉もありません。
「何故か金属に富むシリウスA」・・・そんな謎を残しながら質問を締め切るのも、なかなか余韻があっていいように思います。わざわざ貴重な時間を割いて回答して頂き、本当にありがとうございました。

お礼日時:2004/09/13 22:08

 


 
1.
>> B星が太陽6個分の質量を失った結果、AとBは5.6AUの振幅で振動しあっている可能性が <<

 ここも 同じケプラーの式を使ってます。公転周期は 昔から変わってないと仮定してます。(角運動量保存、失う原因が見あたらないから。)

  当初の全質量 M1 = 9◎  ◎は太陽の質量
  現在の全質量 M2 = 3◎

当初の軌道半径を a1、現在を a2 とすると ケプラーの式は、
  a1^3/T^2 = M1 当初
  a2^3/T^2 = M2 現在
上と下の比は
  a1^3/a2^3 = M1/M2
より、
  a1 = a2×(M1/M2)^1/3
数値を入れると
  a1 = 19.77AU×3^1/3 ≒ 13.77AU

当初の軌道はこの程度であったのだろう、と言うことです。



2.
 A星もB星も 軌道は楕円ですが、片方を基準に相手を見ると やはり単純な楕円軌道なのです。(すごく難しく感じるかも知れませんが 意外に簡単な位置ベクトルの合成の問題です。)
サイトには「その楕円の離心率は e = 0.59 」と書いてありますね。離心率は楕円のつぶれ具合の数値です。離心率も今と同じと仮定してます。変化する理由がないので。
(赤色巨星になったB星からガスが運動量を持ち去りますが、それはB星の自転の運動量だけです。一様に広がるので公転には影響しません。)



3.
 下図を軌道の楕円だと見なしてください。長半径とは a のことです。

        *    *
     *           *
    *              *
 ─*──・──┼──・──*─
    *  -f   O   +f   *
     *           * 
        *    *     焦点 f = a×離心率e

   ←──a─→←─a──→
     長半径   長半径


 二星は 下図のように近付いたり離れたりします。一回り50年。

もっとも遠いとき。
        *    *
     *           *
    *              *
   *   ○          ●
    *   ←──────→ 距離 = a+f = a(1+e)
     *           *
        *    *


もっとも近いとき。
        *    *
     *           *
    *              *
  ●  ○           *
   ←─→ 距離 = a-f = a(1-e)
     *           *
        *    *

もっとも近いとき、
  距離 = a(1-e) = 13.77AU×0.41
   ≒ 5.6AU
の近さであったのだろう、ということです。

 あのサイトは、この分野の計算に精通してる人が独り言のように書いてあるので いきなり読んでも意味不明だったと思います。



4.
 サイトを2つ。
こちらは「A星は太った」とあります。よくある図ですね。
http://www.geocities.co.jp/Athlete/2383/hanasi/s …
こちらは「A星はずっと主系列に居ました」とあります。
http://www.osk.3web.ne.jp/~asterope/sirian7.html
ロッシュ限界の式は、
  勢力半径 ≒ 2.4554×星の半径×(星の質量/相手星の質量)^1/3
です、重なってるのか 最も近い 5.6AU の場合で確かめてみましょう。

 前回紹介のサイトにA星の半径がありますが、5.6AU は木星と太陽ほどの距離です、B星から見たA星の大きさは 地球から見た太陽ほどもあったのでしょうか。



5.
>> B星の、太陽6個分の質量放散(緩やかな爆発?)の地球への影響はいかほど?たった8.6光年しか離れていない・・・  <<

 全量が 四方八方に等しく広がったとしましょう、太陽の質量は 1.99×10^30kgです、半径8.6光年の球の表面で 1平方メートルにぶつかる量は、
  太陽6個 ÷ 半径8.6光年の球の表面
   = 6×1.99×10^30 ÷ (4π×(8.6×9.461×10^15)^2)
   = 0.14 g/m^2
底面積が1メートル平方で 高さが地上から大気圏の端までの大気に対して 0.14グラム。(太陽や地球重力での掻き集め効果は無視してますが。)
ほとんどがH2やHe。
 現在のシリウスよりずっと明るい赤色巨星から ガスの輪が広がるのが肉眼でも見えた 大天文ショーだったでしょうね。
 
 
 
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この回答へのお礼

単なる「連星間距離」の誤りに端を発した愚問に、的確そして示唆に富むお答えをしていただき、本当にありがたく思っています。私もここ数日の間に、シリウスに関する勉強を真剣にさせていただきました。

1.
この件に関しては、先にお教えいただいたサイトで、何となく理解できたつもりでいます。

2.
>A星もB星も...単純な楕円軌道なのです。

星の寿命から考えるとほとんど瞬間的に当時の主星(シリウスB)の質量が1/7になってしまうわけですから、連星の軌道(公転)が擾乱を受け、とんでもないことになってしまうと想像したのですが、そんなことはないわけですね。(今ひとつ具体的なイメージが浮かんで来ないのですが、ゆっくりと考えてみます)

3.
解説ありがとうございます。サイト中の"swing within 5.6AU"のくだりを、自分勝手に解釈をしておりました。

4.
ロッシュローブの件はアルゴルのような近接した連星に置いてのみ問題とされるものであり、シリウスのように離れた連星では考えなくてよいものと思っておりましたが、シリウスBが赤色巨星となっていた時期に最短で5.6AUまで近づいていたとするなら、(先のサイトの著者も述べているように)シリウスBからAへのガスの流れ込みも十分に考えられ得ると言うことですね(当時のシリウスBが太陽の数百倍であったとすればですが、これは妥当な数値でしょうか?)。

5.
量的にはそんなものかな?と想像しておりましたが、問題はその運動エネルギーが大きそうだということなのです。赤色巨星の終焉がいかなるものなのかは分からないのですが、高エネルギーの放射線が同時に放散されると言うことはないのかな?と思ったまでです。まあ、有害な放射線が多量に出ていたとしても、半径8.6光年の球表面積の広さまで薄められてしまうことは確かなのですが・・・

今までの親切なご回答に、本当に感謝しております。あまりご迷惑をおかけするのも何かとは思っておりますが、最後にひとつだけお教え願えないでしょうか?
最初にお教えいただいたサイト(http://members.optushome.com.au/...)中で、シリウスAは金属が「一般的な」恒星に比べ過剰であり(分光的にそう見える)、それは異質なことであるように読みとれます。では、金属が過剰に存在する恒星とはどのようなもの(質量の大小・進化ステージ)なのでしょうか? お教えいただければ幸いです。

お礼日時:2004/09/12 16:49

 


 
No5;
URLが長すぎたのか肝心の二つ目のが駄目です、文中からコピペしてください。
 
 
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計算は、あっているとお思います。


だとするとと、距離か質量かどちらかが違っていないでしょうか?

No.2の方が書かれているように、20AUだという文章を見つけました。

参考URL:http://chunjiao.astro.ncu.edu.tw/~daisuke/ja/Res …
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回転半径の求め方が違っているのではないでしょうか。


質量比が2:1で間の距離が24AUだとすると、シリウスAから8AU、シリウスBから16AUの点を中心に回っています。
また、楕円軌道だとすると現在の距離だけから軌道の長半径をもとめるのは無理です。
ケプラーの法則は二つの天体の質量に大差があるときに成り立つもので、質量が近いときには修正する必要があるのではないでしょうか。
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 時間があれなので記憶で書きます、シリウスは20AU、50年ではありませんでした?
 
 
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連星の定義ですが、お互いが引き付けあい、お互いに回転する連星の事を指していると考えます。



シリウスBは、金星(惑星)の定義に近くなります。
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