最近、紀元前のヒッパルコスという偉人が月までの距離を測定したということを知りました。
その際に疑問に思ったことを質問させてください。
ヒッパルコスは三角関数を用いて月までの距離を測量しましたが、
これは地球の半径を測定した後に、地球が丸いことを前提として測量していると思います。
紀元前においても、水平線の丸み等から地球が丸いということは認識されていたようですが、
地球が丸いことが認識されていれば、万有引力はもっと早く「発見」されていたでしょうし、
地動説もそこまで拒否反応はなかったように思います。
古代の人々は、
1 地球が丸いことは認識していた
2 地球が丸くても、人や物が地面から離れないこと(万有引力)には疑問は持たない
3 地球が丸くても、天が回っているので、地球はそのままだ!
という認識だったということでしょうか?
地球が丸いという認識から万有引力や地動説まで1000年以上のラグがあるのが、
スッキリしませんでした。
No.5ベストアンサー
- 回答日時:
1.地球が丸いことは認識していた
当時の科学は学派ごとに大きな意見の隔たりがありました。
なので、船の見え方から地球が円盤でないことをを主張しようとエラトステネスが夏至の影から地球の形を導こうと
「そうではない、神の創りたもうた地は円盤でなければならない」と派閥はやはりいたのです。
つまり「共通認識にはなっていなかった」ということです。
地球が球であるという根拠も、その当初は「球は完全な形であり、神の造形にふさわしい」という程度のものでした。
2.地球が丸くても、人や物が地面から離れないこと(万有引力)には疑問は持たない
万有引力の考え方はニュートンの発明です。
「発見」ではありません発明です。
なぜなら、ニュートンは引力そのものを見つけたわけではないからです。
彼が唱えたのは単に
「そういう力があると仮定すると、ケプラーの法則が簡単に説明できてしまえる。月が落ちてこずリンゴが落ちる理由もである」
にすぎません。
それが余りにも世の現象を説明し予言性すら持っていたため、共通認識として認証されたのです。
ガリレオらによる助走はあったにしろ、万有引力の概念とは要するに科学思想における突然変異です。
それ以前の人間が万有引力の法則を認識していたことは考えられません。
それ以前は、説明があったとしても「四元素説によれば土が一番下に来る」「重いものが下になる」という程度の認識でした。
身近な自然観察から推測するならその方が自然です。
そして周転円があれば天体の運動をすべて説明できてしまえる当時、それを上回る概念は必要ありませんでした。
3.地球が丸くても、天が回っているので、地球はそのままだ!
学派によって差があり、おおざっぱにいうと、ヘレニズム学派は地動説が優位であり、ギリシャ諸派は天動説支持でした。
天動説はその後ローマやキリスト教に支持されたことによってその立場を強化しルネサンスに至ります。
No.6
- 回答日時:
次の説明があります。
②を見てください。① https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9C%B0%E7%90%83 …
② http://nankonanko.com/2017/12/24/%E5%9C%B0%E7%90 …
②には、「古代ギリシアの人々が2500年以上も前に、海を見ていた時に、「近づいてくる船は水平線に船のマストの頂点から見え、徐々に全体の姿を現して近づいてくる」という事に気が付き、 ⇒ このことから、地球は丸いのだと気が付いたといいます」
https://rikunora.hatenablog.com/entry/20100823/p1
しかし、航海をしている民族ならば、航海して陸地に近づくとき、山の頂上が見えても裾野の港が見えない、近づくとだんだんに下の地形や構造物が見えてくるということは当然に知っていたのです。
どこかの沿岸や列島のようなところを航海すれば、進行するにつれて遠方に島や陸地の高いところが水平線の上に見えてきて、近づくと島や陸地の低いところも見え、前に通ったところは下が見えなくなり上だけが見えるようになっていくし、進行方向の次の遠方に別の陸地の高いところが見えという連続なのですから、球形であることは想像できます。それぞれの地点で上と下がありまっすぐ立ってモノを落とせば足下に落ちるのは球形であることを想像するよりも前から実体験で知っているのです。
おそらく、二万年前、3万年前でも、そうしたことは知っていたでしょう。人類が地球上で広がっていくとき、丸木舟などで渡海していったときから知っていたでしょう。
そもそも海の水が流れ落ちるということは経験してないのですから、言葉で引力のような概念を引き出す必要も感じないほど、「どこでも下は下、上は上」で、ただ下の海面は曲面で、しかも全方位が似た曲面が広がるなら、海面も球形だと想像するしかないです。
人間や動物が生まれるとき、雌雄の別ができることを、そう不思議とは思わないのであれば、毎日経験するようなことに「何でだ」と思うようなことはないでしょう。 何で木は燃え、石は燃えないのかを問題にすることは、まずなかったと思います。
なんで落ちないのかという疑問を持ったとしても、例えば、今なら原理が違うというかもしれませんが、ガラス球や大理石球に水を吹きつけたとき、球面のあらゆる方向に同様に水滴がつくのをみて、そんなものかと思っても構わないのでしょう。
No.4
- 回答日時:
紀元前276年-紀元前194年のギリシア人、エラストテネスが地球の大きさを計算し、それは現在の大きさと15%程の違いです。
ピタゴラスは地球球体説を知っていたと言われていますが、彼は紀元前6世紀の人物ですから、それよりも前に地球が球体であることは知られていたようです。
地動説は古代ギリシアで唱えていた人は居たのですが、キリスト教の世界観の布教などがあり中世までは天動説しか認められませんでした。
コペルニクスが天動説から地動説へと大転換を促したとされていますが、実際は人に知られず自身も発表を躊躇っていたようです。
その後、地動説を信じたケプラーが、ティコの残した膨大な観測データから惑星の運動を解き明かして、ケプラーの法則としてまとめました。
ヒッパルコスはエラストテネスの業績を否定していたそうですが、彼が三角測量に固執していたからのようですね。
エラストテネスは距離を移動速度から推測して2地点の緯度(太陽の高さ)から地球の直径を求めていた。
ヒッパルコスの業績かもと言われているもので、アンティキティラ島の機械という天体の動きをシミュレートする歯車式の機械がありますね。
万有引力は既にガリレオが、落下速度は時間に依存するというところまで、実験的にも導いていたのですが、天体の運動はまた別の原理によるものと考えていたようです。
ニュートンはガリレオが亡くなった1945年にイギリスで誕生しているのですが、そのイギリスでフック(弾性のフックの法則で有名)が、万有引力の原型のような記述を、1660年代前半に出しています。
ニュートンが万有引力の法則に気づいたのが1665年と言われています。
このニュートンの万有引力の法則は、ケプラーの法則をうまく説明することが出来て、一般相対性理論ができるまで天体運動の基礎法則になっているのはご存知の通りです。
色々と、書いたのですが、何かのある大発見や発明がある場合、歴史を調べてみるとその周辺の技術発明や知見の発見がその前に有って、大発見となることが多いです。
そして多分、同じ時代に歴史に名を残した人が発見しなくとも、やはり誰かが、同じ頃に発見するのだと私は考えます。
No.3
- 回答日時:
こんばんは。
>最近、紀元前のヒッパルコスという偉人が月までの距離を測定したということを知りました。
彼の観測した地球から月までの「距離」の観測は、結構、曖昧でした。とは言っても「三角測量」を駆使して高度な天文学を利用したのは間違いないです。
>地球が丸いことが認識されていれば、万有引力はもっと早く「発見」されていたでしょうし、
>地動説もそこまで拒否反応はなかったように思います。
少し「万有引力の法則」の説明をしましょう。質問者さんもご存じの通り「万有引力の法則」は、英国のアイザック・ニュートンが発見しました。
しかし、「万有引力の法則」の「基礎を発見した」のは、ニュートンでは無いのです。
では「万有引力の法則」の「基礎は誰が発見」したのか?
(1)それは「ティコ・ブラーエ」です。彼は、20年間、観測を続けました。
↓ ↓ ↓
(2)その後「ティコ・ブラーエ」は、「ヨハネス・ケプラー」若いアシスタントに託し、ケプラーも、20年間に渡る「分析」を行いました。
(3)しかし「ティコ・ブラーエ」と「ヨハネス・ケプラー」の分析により、ニュートンは「万有引力の法則」を発見しました。
(4)それまでは、ニュートン自身が「地球」や「月」が、「何かに押されて公転している」と考えていました。
(6)しかし、ニュートンの「万有引力の法則」は、「木からリンゴが落ちるように、地球や月の公転」も、「落ちて居たり、押さえたり」しているのではなく、
「太陽の引力で引っ張られて公転している」と言う事に気づいたのです。
>地球が丸いという認識から万有引力や地動説まで1000年以上のラグがあるのが、
>スッキリしませんでした。
質問者さんの上記の疑問は、科学的(宇宙物理学的)には、上記の「科学的証明」がなされて初めて、結論に至ったのです。
このタイムラグは、ニュートンが「万有引力の法則」を発見し、証明するまで、待たなければならなかったのです。
「科学的証明」による結論がでるまでにタイムラグがあったという視点が非常に興味深かったです。
歴史の事実の羅列だけでは理解しにくい視点ですよね。
ありがとうございました。
No.2
- 回答日時:
>古代の人々は、
>1 地球が丸いことは認識していた
地球が丸いことは、古代ギリシャのエラトステネスが井戸に差し込む太陽光線の角度の違いから地球の半径を求めたということからも分かるように、科学者の間では知られていたのでしょう、
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%A9 …
https://analytics-notty.tech/eratosthenes-calcul …
ただし、そのような「科学的な知識」と「一般人の生活感覚」に差があるのは、現代でも様々な「迷信」や「妄信」や「思い込み」が横行していることからも分かるように、不思議なことではありません。(アメリカのトランプ大統領支持層であるキリスト教原理主義者は、いまだに「進化論」を信じていない)
古代ギリシャでは、そういう意味で「自然界の現象をきちんと客観的に観察」していたようです。それをしなくなった理由の一つが「キリスト教の普及」なのでしょう。
>2 地球が丸くても、人や物が地面から離れないこと(万有引力)には疑問は持たない
「地球が丸い」ことと「万有引力」を結び付けられるのは「後出しじゃんけん」でしょう。ふつうの間隔や観測では、それを結び付けて考えるのは難しい気がします。
>3 地球が丸くても、天が回っているので、地球はそのままだ!
これは、多分に「キリスト教的世界観」が影響していると思います。「神が宇宙を創った」「その神は、自分の姿に似せて人間を創った」というように「人間特別視」の思想だからです。
では、ケプラーやニュートンは「科学をキリスト教の影響から切り離そうとした」のかというと、事実はその逆のようです。つまり「神はいい加減なものを作るはずがない、完全無欠で統一性・整合性の取れたものを作ったはずだ」という信念に基づき、その「神の創られた宇宙の仕組み」を解明するという目的がその根底にあったようです。
なので「相対性理論」や「大統一理論」のような「一つの原理からすべてが説明できるはず」という信念をもって科学の理論体系を構築してきたのです。
日本やアジアのような「多神教」「八百万(やおよろず)の神」がいる風土では、そこまで徹底した「統一理論」への志向はなかったでしょう(山や海、岩、大木それぞれに神が宿る・・・。貧乏神や厄病神までいる・・・)。
「科学史」は、ある意味で「哲学史」でもあります。この世をどう認識し、人間と自然との関係をどう考えるか、という。
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