企業にとって、株価にはどういった意味がありますか?上場企業とそうでない企業にとっても意味が変わってくると思うので、その違いについても知りたいです。
株式市場に上場するときに、「吸収金額」があると思いますが、吸収金額は最終的に公募価格で企業の資金になるのでしょうか、それとも初値で企業の収入になるのでしょうか?公募金額かな。
吸収金額が企業にとって資金源になると思うのですが、そのあと、株価は市場で変化しますよね。この変化は企業にとって資金源になるのでしょうか。それとも、企業にとってはただの知名度的な値でしかないのでしょうか?そうであれば、PBRが1を超える株式は、投資家は幻想を買っていることになりますか?
ストックオプションという制度を利用する会社にとっては、ストックオプションの権利によって市場価格よりも安く株式を購入した社員が、株式を売ったときに市場価格との差額で利益が得られることはわかりました。企業にとって、ストックオプション以外に株価から得られるものは何ですか?
上場していない株式会社にとっては、そもそも「株価」=「公募価格」から変わらない?
No.3ベストアンサー
- 回答日時:
・上場企業であれば、株価は企業の評価ということになります。
個々の企業の株価は、単にその企業の業績等だけから決定されるわけではなく、投資家の取引の結果ですが、結局のところ、企業の業績などを反映したものになります。無論、株価が高い方が評価が高いということになります。・新規公開時には新株の発行による公募と既存の株主が保有株を放出する売出の両方で市場に株式が公開されるということになります。
公募による新株は証券会社の引受価格と株数分の資金が会社に入ります(引受け価格と公開価格は違い、その差は証券会社の利益となる分です)。売出の場合はその価格が売り出した株主に入ります。ベンチャーキャピタルはこれによって投資資金を回収する場合があります。また創業者一族などから保有株が放出される場合もあります。(売出がない、あるいは公募がないようなIPOもあります)
・日々の株価の変化は企業にとっては資金的には直接の影響というのはありません。
が、資金が必要な場合、新株を発行することがあります。その基準となるのは日々のついている株価になりますから、株価は高い方が企業にとってはよいわけです。
社債や銀行借入れのお金は返す必要がありますが、新株発行によつて得た資金は返す必要はありません。が、株数が増加するため、一株価値は希薄化しますし、株主からのプレッシャーは常にありますが。また、自社株をM&Aに活用する場合もあり、そうした時も株価は高い方がよいということになります。
・PBR1倍といっても資産の中身はそれぞれの企業で異なり、まずその内容を具体的にどう評価するのかということが問題となります。
また、株価は「幻想」というよりも期待値を含んだ価格になりますので、そこでは当然企業に対する評価が含まれるということになります。
・上場していない会社は、市場でつく株価というものはありません。推定してみることは可能ですが、その数値は様々で確定した数値にはなりません。
回答ありがとうございます。
>公募による新株は証券会社の引受価格と株数分の資金が会社に入ります(引受け価格と公開価格は違い、その差は証券会社の利益となる分です)。
①新株式によって企業は吸収額を得ることができる、証券会社は企業からの新株の仕入れ価格と株式市場への販売益によって収入を得ることができる。ということですね。
>売出の場合はその価格が売り出した株主に入ります。ベンチャーキャピタルはこれによって投資資金を回収する場合があります。
②「売出の場合はその価格」の「その価格」とはどの価格でしょうか?引き受け価格?公開価格?初値?
>日々の株価の変化は企業にとっては資金的には直接の影響というのはありません。
③すっきりしました。
>が、資金が必要な場合、新株を発行することがあります。その基準となるのは日々のついている株価になりますから、株価は高い方が企業にとってはよいわけです。
社債や銀行借入れのお金は返す必要がありますが、新株発行によつて得た資金は返す必要はありません。が、株数が増加するため、一株価値は希薄化しますし、株主からのプレッシャーは常にありますが。また、自社株をM&Aに活用する場合もあり、そうした時も株価は高い方がよいということになります。
④吸収額以外に、「株式の追加発行」と「買収」の視点で、株価は企業にとって重要なことがわかりました。ちなみに、追加で株式を発行するときにも、証券会社と企業間で先立って取引があるのでしょうか?
>PBR1倍といっても資産の中身はそれぞれの企業で異なり、まずその内容を具体的にどう評価するのかということが問題となります。
⑤PBRの計算式には "純資産" という言葉が出てきますが、その純資産の評価方法はグレーだということですね。
新しく疑問などもわきますが、直接的な回答を頂けて理解が進んだと思います。
No.4
- 回答日時:
その通りです。
吸収金額は実質調達金額で公募後に主幹事をはじめとする幹事証券会社が顧客に販売し、上場日までにすべてを販売します。調達した資金は設備投資や運転資金として運用されます。
上場日後は立会時間に投資家同士の取引(競り方式)が行われ、一度調達した資金は返済することがありません。
すなわち、銀行借り入れと異なり返済やそれに伴う利子が付かず、利益次第で配当支払いのみ行います。(利益が出なければ無配)
大抵の企業はグループ企業にも株を配置し、自社でも保有しているため、配当はグループおよび自社でも受けます。
発行株式数×株価が時価総額となり、時価総額が大きくなると企業の資産価値が膨らみ、銀行や社会への信用度が高くなります。
ストックオプションの権利を行使して利益を得た社員は会社を辞める傾向が高いですので、企業にとってはデメリットともなります。
非上場企業は株価変動がなく、利益を出すと法人税支払いがありますので、経費を使って利益を落とし込むため、株に魅力がありません。
回答ありがとうございます。
時価総額は、資産価値であり、社会的な信用に結び付くのですね。また、買収規模にも該当し企業の経営に重大な影響があること、新株を追加発行するときの公募価格の参考値になるのかな、とこれまでの回答から考えているところです。
理解ができないところが、ストックオプションを行使するとその社員が会社を辞めてしまう傾向があるということです。どうしてかな、と単純に疑問に思いました。
No.2
- 回答日時:
上場企業にとっての株価というのは単純に、その会社(のビジネス)の市場価格です。
色々な解釈がありますが、一般的には市場価格というのは、単にその会社のすべての資産相当額のみならず、利益を出してるならそれを今後出し続ける可能性を見越した将来的なリターンや、特定の産業でのブランド力、さらにいうと儲けの仕組みそのものや技術基盤人材すべてを含みます。
IPO価格というのは基本的には上場する時の幹事証券会社による評価価格ではありますが、IPO割れすると印象が悪いとか色々な思惑があるので、基本的にはこのぐらいの価値は少なくとも割れないでしょう、というあたりの金額を設定して、あとはオーバーアロットメントを設定して調整したりすることになると思います。
ストックオプションは色々な理由で存在しますが、主にベンチャー企業が上場前にストックオプションをつけるのは、インセンティブを払う体力がない企業が、自社株を切り崩すことで魅力的にする戦略ではあります。ストックオプションのデメリットは将来的に出回る枚数が多くなるので、自社の枚数あたりの価値が落ちる点ですが、一方で、現金での対価を払わなくてもいいのでお金を節約できます。基本的に、ストックオプションはM&Aで買収されるか、上場するエグジットモデルが成立して初めて大金になりますが、そこまで行けるベンチャー企業はごくわずかですからその意味でいえば大半の企業では外れの宝くじをボーナスの代わりにあげてることになります。
大企業の場合は、自社の株総額が高いほうが買収するのに大金が必要になるため、ファンドによる敵対的な買収などの被害にあうリスクが軽減されます。また、自社株を社員に持たせることで、第三者による利益のみを追求したバイバイの割合を減らすことができ、一定のリスクを回避することにもなります。
回答ありがとうございます。
株価は企業の市場価格、ということがなんとなくわかってきました。
>ストックオプションはM&Aで買収されるか、上場するエグジットモデルが成立して初めて大金になりますが、そこまで行けるベンチャー企業はごくわずかですからその意味でいえば大半の企業では外れの宝くじをボーナスの代わりにあげてることになります。
について2点疑問があります。
①単純に理解できていないところは、「ストックオプションはM&Aで買収されるか、上場するエグジットモデルが成立して初めて大金になります」のところで、買収されるとなぜストックオプション(以下、SO)が大金に変わるのか、エグジットモデルとは何で、なぜエグジットモデルが成立するとSOで得するのか、という疑問です。
②「大半の企業では外れの宝くじをボーナスの代わりにあげてることになります。」ということだから、SOが発動されることはほとんどないということでしょうか。投資家としてはSOによって株価が下落するリスクは少ないと考えてよいのでしょうか。もしくは何かの予兆があって、すごく理解している人はSOが発動されるタイミングや、「この株価の動きはSOが材料になっているな」という読みができてしまうのでしょうか。
>大企業の場合は、自社の株総額が高いほうが買収するのに大金が必要になるため、ファンドによる敵対的な買収などの被害にあうリスクが軽減されます。
の部分はよくわかりました、明確に、株式価格が企業にとって意味のあることがわかりました。
"株価が大きい=買収されにくい" から安心、安定。
>また、自社株を社員に持たせることで、第三者による利益のみを追求したバイバイの割合を減らすことができ、一定のリスクを回避することにもなります。
③企業の株式保有率の割合のところで、その会社の社長や取締役が株式を多く保有していますが、その保有している株式がSOの株式ということですか?
No.1
- 回答日時:
企業の収入は下記のリンク先あたりから分かるかな。
公募割れ時の「誠意買い」とは?IPOのシンジケートカバー取引を解説!
https://www.ipokiso.com/column/syndicate.html
PBRが1倍割れれば企業の資本コストは増えるでしょう。投資家の要求する期待リターンに満たないのですから。
PBRが1倍を超えれば企業の資本コストは若干減るでしょう。投資家の要求する期待リターンに順調に近づいていけばですが。
上場していない株式会社の場合は、企業価値を計算する方法がいくつかあるので、計算すれば時価の数字がだいたいはでるでしょう。
回答ありがとうございます。
公募価格を割れたときの対策などもあるのですね。誠意買い、シンジケートカバー取引なども初めて耳にしました。一方で、これは、証券会社と株主との関係が説明されるのですが、企業にとってはどんな意味があるのだろう?と疑問がわきました。これは、推測ですが、公募価格よりも下に値崩れするということは、発行株が上場日までに売れ残った(買うよ!という人が少なかった)ために、企業としては資金の調達がうまくいかなかったということでしょうか。
「企業価値」は、企業の収支とは無縁のものですか?株価=企業価値、なのかな、と他の方々の回答を読んで感じていますが、株価が上がっても下がっても、上場後には企業には資金調達の意味では意味がない?そもそも、吸収額って、いつ企業にお金が流れるんだろう?上場日の前には証券会社から企業に資金が振り込まれている?
>PBRが1倍割れれば企業の資本コストは増えるでしょう。投資家の要求する期待リターンに満たないのですから。PBRが1倍を超えれば企業の資本コストは若干減るでしょう。投資家の要求する期待リターンに順調に近づいていけばですが。
PBR=(株価×株式数)/(純資産) の計算式の分子(株価)は、市場の駆け引きで投資家が調節していることになるから、PBRによってなぜ資本コストに影響がでるのか、まだよくわかりません。
回答いただいたのに、不明なことばかりですみません。しかし、理解したいと思ったので、妥協せずにいきたいと思っています。
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