エルゴードの仮説は古典論で位相空間を軌跡が交わらないから可能な仮説でしたよね。
もし粒子たちが複雑な衝突を繰り返しながらもある瞬間で位相空間の最初の点に戻り、周期運動(とても長い周期)をする場合にはあてはまりませんよね。そうなった場合、軌跡の上だけで積分しなければならないはずです。無限の時間を考えるとそういうことも無視できなくなると思うのですが。
また、量子力学になると位相空間で交わらないということは言えませんよね。不確定性原理があると粒子はとびとびに動きますし、位相点は点ではなく幅をもった球のようになるはずです。
量子力学で全位相空間に等確率をやる根拠はあるんでしょうか?
No.1
- 回答日時:
宇宙全体などの孤立系を考えるとそうであると思います。
しかし、一般に統計力学の対象としているのは部分系であり、しかも無限の時間ではなく、十分長い有限の時間です。そのような場合、部分系はそれ以外の外部と平衡状態を保ちながら相互作用しているわけで、その部分系は攪乱され周期的な運動とはなりません。ランダウの統計力学の冒頭にも同様の議論がなされていますのご覧になってみてください。統計力学で孤立系というのは現実には孤立系ではなく外部とのEの受け渡しが±0な熱平衡系だという事ですか。ありがとうございます!ランダウさんの本も参考にします。
No.2
- 回答日時:
エルゴードの仮説自体よくわからないのですが、統計力学が成り立つかどうかという意味では、軌道が稠密で位相空間を覆う軌道であればよいような気がします。
位相空間の次元が十分高く初期状態が複雑であれば普通そうなるだろうと思うのですが(というか、いまのところ身の回りの自然現象はそんな感じかなと思っています)。量子力学については、縮退している状態は区別できない(が状態の数はある)という原則が等確率ということを与えていると思います。
この回答への補足
「縮退している状態は区別できない」ということは
<<縮退している状態全部まとめて状態の数1>>と数えるということですか?
それとも縮退している状態の中のどれが出現しているのか区別できないから等確率をやるという事ですか?
自分的に、状態の一つ一つに等確率を与えて、状態の数の大小で出現確率を決めるのは危ういとおもうんですが。
もしもっと発展して今まで数え漏らしていた状態の数が出てきたら、その一つ一つに等確率を与えてやらないとだめですよね?
No.3
- 回答日時:
「縮退している状態の中のどれが出現しているのか区別できないから」です。
数えもらすというのは内部自由度のようなものが隠れていた場合どうすんだ!ということですよね。でもそういう自由度はエネルギーが高いので実質的に分配関数に効かないのでは?具体的にいうと、エネルギーEの系の全体のとり得る数が状態数ですよね(そして分配関数が決まり統計力学的な記述が可能になります)。これってエネルギーEの状態が縮退しているということですよね。コペン何チャラ派解釈によれば、観測するとその中の1つの状態が選ばれるということになると思います。
そこで、上の隠れた自由度はどう見えるかというと、エネルギーが高すぎて隠れた自由度のうちのどの状態が取られているか見えなくて団子で観測されている感じになるんじゃないでしょうか?
蛇足ですが、「不確定性原理があると粒子はとびとびに動きますし」・・・これは単なる波動性の表れで粒子が空間的に閉じ込められている、周期運動している、共鳴している、固有状態をとっている場合ですよね。自由空間を動くときは、飛び飛びではないと思います。
この回答への補足
どうも等確率の原理との折り合いがつかないような気がします。
実際に系を観察している時は粒子たちが縮退の中のどの状態にいるかわからないが、「それだけの状態の数がある」ということはわかっているからどこかにいるという事で一つ一つに等確率をあたえるんですよね。
この一つ一つって位相空間の中で各位相点(点というより同体積)は出現確率が同じ(等確率)って事と対応してるわけではないんですか?
この状態の数たちは位相空間の微小体積に対応しているということではないんですか?
内部自由度が団子で一まとめに数えられている場合、それが区別できるようになった時、その一つ一つが位相点だから、確率を少しづつ分けてあげて、今まで与えていた確率が変わるような気がするんですが。
最後の注意、ありがとうございました。間違えてました(汗)
No.4
- 回答日時:
「この一つ一つって位相空間の中で各位相点(点というより同体積)は出現確率が同じ(等確率)って事と対応してるわけではないんですか?」っていうのはそのとおりです。
むしろエントロピーの基準体積みたいのがないといけないのですが、それが量子力学で与えられているという構造になっていると思います。等確率という前提はないと思いますが、1個1個の観測を重ねて分布をとったところで、もともと区別できないので、分布全体で確率1となること以外は縮退した状態内で区別できるパラメータのようなものに対する分布のようなものが決まるだけで結局状態数のような概念が出てくるだけだと思います=熱平衡のようなものを考えたときに状態数でしか評価できない、ということになると思いますがいかがでしょう。
ストークスの定理、全微分の方でもお世話になってますm(__)m
エントロピーの基準体積ってh(プランク定数)^3の事ですか?
等確率という前提がない、とはどういう事をさしておっしゃってるんでしょう?ある状態同士が位相空間上で同体積ならその状態どうしは等確率に出現するという事じゃないことに関しておっしゃってるんですよね。何と何が等確率じゃないとおっしゃってるんでしょう、そこがわからなくなってしまいました(汗)
No.5ベストアンサー
- 回答日時:
分かりにくい文章で申し訳ありません。
基準体積といっているのはdq1dp1 dq2dp2 ... dqNdpN =h^N
のような量です。質問でおっしゃられているように、
状態数を数えるためには位相空間における体積の単位が必要ですが
それが量子力学では自然に入るという主張です。
「等確率という前提はない」というのは別に自然法則ではないという意味です。
そして観測という観点から、単純に分布というのが決まるわけですが、
例えばエネルギーが等しいサンプルをいくつか観測するとして、
そのときに系の状態をなんらかの方法で分けて分布をとるとします。
このとき物理法則としてなんらかの分布は決まりますよ!というのが量子力学ですよね。
ということで、結局、分布の総和として状態数がきまり、
それによって統計力学ができるということです。
(あるいは、2つの系(考えている系と熱浴)を考えて熱的エネルギーの受け渡しで
状態がどのように変化するかを考えると、状態数を考える意味が明確になり、
そのときの応答係数が温度という熱力学量と考えればよいことがわかると思います。)
この回答への補足
こんなに根気強く出来損ないに付き合っていただいてありがとうございますm(__)m
基準体積はスッキリです!離散的な運動量をもつ波動関数を考えれば自然と入ってきますよね。
ただ、「等確率という前提はない」というのが理解できません。
状態の数の大小で出現確率の高低を決めているんだから確実に状態の数一つ一つに等確率を与えてますよね?
moumougooさんがおっしゃってる事とズレた疑問を自分は持ってるみたいです(汗)
No.6
- 回答日時:
私の考えがまとまっていないせいでご迷惑をおかけしています。
もともとの問題に立ち返って、「全位相空間に等確率」であるという自然法則はありませんが、
量子力学的な対称性(並進や回転対称性や粒子の入れ替え)を考えたときに、
その操作に対応する演算子があって、
系がその対称性をもつならばそれがハミルトニアンと交換します。
したがって、それらの演算子とハミルトニアンの同時固有状態が存在して、
それは縮退した状態に他なりません。
それらは当然等確率ではありませんが、
対称性があれば観測すれば基本的に等確率をもつこと同等になると思います。
という感じなのですがいかがでしょうか?
遅くなってすみません、パソコンの調子がおかしくて(汗)そして、どんどんわからないです、すみませんm(__;)m自分か頭の中に描いているイメージは、相当なずれがあるようです。もう一度考え直してみようと思います、すみませんでした汗
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