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銀鏡反応
RCHO+2[Ag(NH3)2]OH→RCOOH+2Ag+4NH3+H2O
において、銀の酸化数は+1→0になっているそうなんですが、左辺の+1って、どうやって出すんでしょうか。

A 回答 (3件)

 先ず「酸化数」とは何かをハッキリさせましょう。

以前に回答した下記質問の回答やそこで上げた参考 URL を参照して下さい。

 ・http://okweb.jp/kotaeru.php3?q=187158
  QNo.187158 酸化数の特殊な場合がよく分かりません。

 ・http://okweb.jp/kotaeru.php3?q=495284
  QNo.495284 酸化数って??!!見てぇ(泣)

 これらでした回答を少し言い直しますが,「酸化数」とは「各結合をイオン結合と考えた時,各原子が持っている電子の数が原子状態に比べて何個多いかを示したもの」です。ここで電子は -1 の電荷を持ちますから,電子が1個多いと酸化数は -1 に,1個少ないと酸化数は +1 になります。

 ですので,金属イオンの場合は価数がそのまま酸化数になります。

 お書きの [Ag(NH3)2]OH は [Ag(NH3)](+) と (-)OH に解離して溶けています。[Ag(NH3)2](+) は Ag(+) に中性の NH3 が配位して錯体になったものですから,銀イオンは +1 価です。したがって,酸化数も +1 です。

 上記の考え方を有機化合物(共有結合性の化合物)の場合にも当てはめる事で,お書きの RCHO 等の有機化合物中の原子の酸化数を求める事ができます。

 では,R-CH=O で説明してみましょう。

【1】
 各結合をイオン結合と考えて,結合電子を各原子に割り振ります。具体的には,結合している原子の電気陰性度の大きい方に結合電子2個を割り振ります。電気陰性度が同じ原子同士の結合の場合は1個づつ割り振ります。

 R-CH=O の場合は,R-C 間は C-C 結合ですから,電子を両炭素に1個づつ割り振ります。

 C-H 間の電子は2個共炭素原子に割り振ります。結果,H が所有する最外殻電子は0個と考えます。

 C=O 間の電子4個は酸素に割り振られ,酸素が所有する最外殻電子は孤立電子対含めて8個と考えます。

 以上の結果,アルデヒド炭素には C-C 結合の電子1個と C-H 結合の電子2個が割り振られ,所有する最外殻電子は3個と考えます。

【2】
 上記で割り振られた最外殻電子の数を原子状態で所有している最外殻電子の数と比べ,イオンと仮定した場合の持つ価数を考えます。

 R-CH=O の炭素原子は原子で4個のところが3個しか持っていませんから +1 価です。水素原子も1個のところが0個ですから +1 価です。酸素原子は6個のところが8個になりましたから -2 価です。

【3】
 上記の価数がそのまま「酸化数」になります。

 つまり,R-CH=O の炭素の酸化数は +1,水素の酸化数は +1,酸素の酸化数は -2 です。

 こう考えた場合,電気陰性度の小さい水素は,通常,電子を取られますので,イオン結合と考えた場合の価数(つまり酸化数)は +1 になります。

 同様に,酸素の場合は,通常,他の原子よりも電気陰性度が大きく電子を受け取りますので,イオン結合と考えた場合の価数(つまり酸化数)は -2 になります。

 如何ですか。これを簡単にすると,お書きの『化合物中の水素原子の酸化数は+1、酸素原子はー2として、他の原子の酸化数を決める。』になります。

 なお,お書きの反応の場合,同様に計算すると,反応の前後で銀の酸化数が「+1 → 0」と変化し,アルデヒド炭素の酸化数が「+1 → +3」と変化しています。他の原子の酸化数の変化はありません。

 結果,反応の前後では,銀2モルが「+1 → 0」と変化して酸化数が2減り,アルデヒド炭素の酸化数は「+1 → +3」と2増加しています。反応系全体で見た場合は酸化数の変化はありません(電子が無くなる事はありませんので当然です)。

参考URL:http://okweb.jp/kotaeru.php3?q=187158, http://okweb.jp/kotaeru.php3?q=495284
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この回答へのお礼

>「酸化数」とは「各結合をイオン結合と考えた時,各原子が持っている電子の数が原子状態に比べて何個多いかを示したもの」

これで納得しました。酸化数の決め方の規則の説明しかなかったものですから。
OHをー1、(NH3)を0と考えればよかったんですね。ありがとうございました。

お礼日時:2005/03/03 16:22

>>左辺の+1って、どうやって出すんでしょうか。


有機物の酸化数は酸素やハロゲンと結びついているものだけしか考えませんが、この際はこの例に当たります。
左辺のRCHOはアルデヒド{R-C(=O)-H}で炭素の酸化数+2で水素の酸化数0です。
右辺のRCOOHはカルボン酸{R-C(=O)-OH}で炭素の酸化数+3で、さらに「水素の酸化数+1」です。
それで左右の酸化数の合計はそれぞれ
RCHO(+2)+2*Ag(+1)=+4
RCOOH(+3)+(+1)=+4
で合います。
ちょっと気が付きにくいのですが(私も一瞬アレレと思った)RCHOとRCOOHと見比べると、C-Hだったところに酸素が割り込みC-O-Hになっていますよね。だから酸素一つ分、つまり酸化数+2だけ酸化されていなければならないわけで、炭素以外に酸化されている処は…と考えると水素なんですよね。v(^^;

この回答への補足

酸化数の決め方の規則に、
「化合物中の水素原子の酸化数は+1、酸素原子はー2として、他の原子の酸化数を決める。」
というのがあるんですが、水素が0だったり+1になったりしているのはどうしてなんでしょうか?

補足日時:2005/03/03 14:08
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ここでの「酸化」というのは酸化還元反応のいみではないのでしょうか?


化学の参考書で調べてみてください。
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