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レクサスの一部車種がホイールナットをボルトに変更しました。専門家が、「欧州車はアウトバーンや接続する高速道路網があるのでホイールとハブの締結剛性が求められボルトを採用している。レクサスも欧州車並みになった」、という趣旨の評価をしています。しかし、締結剛性が必要なのはカーブでタイヤのサイドウォールが削れるような走行であり、高速ではないと思います。高速で締結剛性が必要な理由があるなら教えて下さい。

A 回答 (5件)

自動車工学の研究者で、『ねじ設計』はワタシの『ライフワーク』研究の1テーマです。



 ホイールボルト/ホイールナットに関する話は、単に大学を出た『だけ』でなく、実際に高強度ボルトの設計をしたヒトならよく判っていることですが。

※まず予備知識として。
 ボルトは締め込むと延ばされ、締付を止めると伸びたボルトが戻ろうとします。
 この戻ろうとするチカラを『軸力』と言いますが、ホイール~ハブ間は、ボルトの軸力でホイールがハブに強く押し付けられることによる『摩擦力』で結合しています。ボルトの曲げやせん断には期待していません。
 摩擦力だけで結合しているとはちょっと不安な気がしますが、ホイール~ハブ間に限らず、サスペンション、エンジンや変速機の中身、更には橋梁や建造物に至るまで、世の中の90%のねじは『摩擦結合』で設計されています。
 っというのが『ねじ設計の予備知識』です。

※さて。
 日本車のホイール結合では、ホイールスタッド(ボルト)とホイール穴の加工誤差により、ホイールスタッド側に曲げが必ずかかります。(この曲げを軽減する為に、ホンダは未だにスフェリカル座面のホイールナットを使っているワケですが・・・これでもホイールスタッドに曲げがかかるのは変わりません。)
 このボルトの曲げは、ボルト軸力低下、それに伴うねじの緩み、スタッドの折損等の原因になります。

※『ねじ設計』の常識で考えると、ホイールナットでもホイールボルトでもどうでもよく、問題はホイールナット(或いはホイールボルト)の座面形状です。
 ねじ設計をちゃんと理解しているヒトなら判ることですが、ホイールとナット(或いはボルト)の座面は、平面でなければなりません。
 つまり、テーパーや球面は間違いだと、断言しておきます。
 レクサスは標準で『平面座面のナット』を使っており、やっと『ねじ設計法』の理論に沿ったナット形状となりました。
 ちなみに。この『平面座面のナット』(ホイールスタッドを持つ)は、欧州車でも順次増加しています。

※欧州車がホイールボルトを使っているのは、結合剛性とは別の理由です。
 実をいうと同じ締付トルクで締めた場合、ホイールボルトよりもホイールナットの方が軸力が大きくなり、故に結合剛性も大きくなります。(この辺りの話は、単に大学でねじ設計法を勉強しただけのヒトには理解出来ないでしょう。エンジンのヘッドをブロックに締め付けているねじが、ロングボルトでなくロングスタッドなのも同じ理由です。)
 そういう話でいうと、『ホイールとハブの締結剛性が求められボルトを採用している』というのは完全な間違いです。機械工学の専門家かもしれませんが、少なくとも『ねじ締結』に関する専門家ではないでしょう。

※ボルト(いわゆる雄ねじ)とナット(雌ねじ)を比べると、ボルトの方が痛みが早く出ます。これは軸力によりボルトは延ばされますが、ナット側は圧縮がかかるからです。(純粋な材料力学でいうと圧縮よりも引張の方が大きい荷重に耐えられますが、雄ねじ/雌ねじでは形状により話が逆転します。)
 冬季にタイヤを冬用に交換することが半ば『慣例』となっている欧州では、ホイールを交換する回数が多く、ホイールのボルトはその分痛みます。
 これがホイールスタッドだったら、交換にはハブを分解しなければなりませんが、ホイールボルトなら、ちょっと締めてみて『すこしおかしいかな?』と思ったら、新しいホイールボルトを買ってくればよいだけです。
 実際のところ、日本的なホイールナットは欧州では評判がイマイチで、レクサスの一部でホイールボルト化したのは、欧州のヒト達の好みに合わせたのではないか?と思われます。

・・・っというワケで回答といいますか、まとめです。

※レクサスが一部の車種でホイールボルトにしたのは、欧州での慣例に沿ったものと思われます。

※レクサスの標準仕様が平面座面のホイールナットなのは、単に『ねじの締結理論に沿った設計』ということです。

※欧州車がホイールボルトなのは締結力の為ではなく、ねじ部が痛むことによる対処です。

・・・尚。
 現状でテーパー座面が多いのは、『それで今まで問題なかったから』です。
 ねじ理論からすると、テーパー座面はあり得ません。しかし既にテーパー座面が『デファクトスタンダード』となっており、それで今までに大きな問題が起きていないし、大量に作られていてコストが安いからです。『実績がある構造は見直さない』というのは、クルマに限らず他の機械でも見られる現象です。
 実際は、件数が少ないですが今でも『ホイールナットの緩み』『走行中のホイールスタッドの折損』等が起きています。
 これらのトラブルは、件数が少ない為にロクな原因究明が行われていませんが、もしかしたら、テーパー座面を止めたらこういうトラブルは防げるかもしれません。

 さて最後になりましたが、もう一つの御質問に対して。

>高速で締結剛性が必要な理由があるなら教えて下さい。

 ホイール~ハブの結合で最も過酷なのは、制動と凹凸乗り越し・・です。
 制動や突起乗り越しに耐える設計であれば、高速走行や旋回はロクに検証しなくても概ね耐えます。
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この回答へのお礼

ホンダは球面座 
>曲げを軽減する為
ホンダに聞いても明確な回答がなかった球面座の理由が解りました。
>ホイールナットの方が軸力が大きくなり、故に結合剛性も大きく
ナット式はナットを介して締め付け、ボルトも長いので結合剛性がボルトに劣ると聞いていたので驚きです。
>ヘッドをブロックに締め付けているねじが、ロングボルトでなくロングスタッド
私の知る限り(知識が古いかも)では鉄ブロックはボルト締め、アルミブロックはナット締めですが、鉄ブロックでもナット締めが良いのですね。
>欧州のヒト達の好みに合わせ
ベンツのSクラスは球面座ボルトだったので、締め付トルクがボルトの捩じれに吸収されるような気がし、レクサスの平面座(ナットと座金が鉄なので摩擦係数も少ないはず)の方が良いように思っていました。レクサスが欧州好みのボルトにしたのは良いとしても、座が球面になってしまったのが少し残念です。
詳しい回答ありがとうございました。

お礼日時:2021/12/28 17:07

わからん。



日本車が、ヨーロッパでアウトバーン走って、ホイール外れたなんて事象がそうそうあるわけじゃないだろうし、、、

ナットは、両側ネジ状態、ボルトは片側って違いだけだから、それで剛性がそう変わるとも思えない(締め付けトルク次第と思う)。 まあ、ホイルのネジ穴部分が厚い場合、ボルトであれば、交換だけで長さ調整ができるのはあるのかもしれないけど、そのくらいしか利点は思いつかないですね。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございました

お礼日時:2021/12/28 15:14

質問者様に逆質問になりますが、どこの自称専門家でしょうか。



機械工学を学んだ方なら、そんな馬鹿な話し と笑われることです。

ボルト締めが優れていて、ナット締めがダメな理由がわかりません。

締結力に理論的な差異は考えられません。
正しい設計と製造方法なら、必要とされる締結力は同等に得られれている。
そでなければ、設計や製造ミスです。
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この回答へのお礼

>締結力
検索するとホイールとハブの締結は、ナットを締める→ボルトが引っ張られる→ナット座面がホイール座面を押さえる。ですが、ボルト式だとボルト座面がホイール座面を押さえる、だけなのと、ボルト式はボルトの長さが短いので締結力が強いのだそうです。素人なので、これ以上の知識はありません。
No2様へのお礼が足りなかったので、ここを借りて返事します。
>なぜ、そう考える
カーブでは外側になったホイールに車重が加わり、ホイールとハブの締結部では上側になったナットがホイールで押されます。ナットが押されるとボルトが引っ張られます。このボルトを引っ張る力が直進走行より大きくなるはずだと思います。

お礼日時:2021/12/28 16:07

>締結剛性が必要なのはカーブでタイヤのサイドウォールが削れるような走行であり、高速ではない


なぜ、そう考えるのですか?ナット締めよりボルト締めの方が強度は増すのです。タイヤは細かい連続振動を受けているので締め付け強度が必要ですが、ナットでも普通走行に必要な強度は満足しているのです。定期的な点検をすればね。車は軽量化と強度のバランスで成り立っています。強度を高めると車重が増加するので不経済になります。
カーブでの負担と高速走行での負担を比較してもボルト式が有効であると思います。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございました

お礼日時:2021/12/28 14:13

ナットよりボルトの方が、ネジ山たくさん切れるので、もしも緩んできた時にすぐに抜けないとかあるのではないでしょうかね?



ナットは緩んだら落ちますが、ボルトは緩んでも長さがあるので落ちにくいイメージあります。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございました

お礼日時:2021/12/28 14:12

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