タイトルどおりです。
個人の経験なのですが何か事件があって埒があかないとき訴訟を考えている、と聞いた第三者からは「えーっ?」という顔をされます。何かこちらが悪いような気にさせられました。
たとえばアメリカは訴訟大国といわれていますが、デパートで濡れていた床で滑って骨折したから、また説明書に書いてなかったため電化製品を使用したら壊れたのからという理由で企業や個人を相手取り、日本人からしたらちょっと常識的に考えられないようなことまで簡単に訴訟に移行させるのはよく知られているところです。
文化人類学的な国民性との違いによるのでしょうか?また現在の法制度で日本はアメリカと違う、何か訴訟への敷居を高くさせるようなシステムがあるのでしょうか?
私個人としては税金を支払っているわけですし、すべきときにはする必要があると思っているのですが、通常はどうも「泣き寝入り」してしまうと傾向があるように思われます。
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
第1に、法曹人口が日本は少ない。
つまり弁護士が圧倒的に不足しているのがあると思います。例えば訴訟大国アメリカは、弁護士1人あたりの国民数は約300人、日本は、弁護士一人あたり約7200人です。アメリカの方が国民数が多いにも関わらず多くの弁護士がいるので訴訟が身近にあるのが判ります。第2に、アメリカが訴訟大国なのは、懲罰的損害賠償制度があるからだと思います。懲罰的損害賠償制度とは、実際の損害に加えて加害者が悪質であれば裁判所の裁量で懲罰して金銭を加算する制度で、アメリカ等で時々、とんでもない額の損害賠償が命じられますがあれです。加えて、陪審制度をとっているので、殆ど言いがかりのような内容でも企業対個人などの場合は、たいてい個人が勝利します。アメリカの弁護士は日本の弁護士のように報酬規定のような制度がありませんので、報酬はピンキリです。なのでビジネスとして裁判を勧めるわけです。日本には懲罰的損害賠償制度は無いので、精神的な損害賠償については情状面は多少考慮されますが、アメリカのようないきなり何十万ドルの賠償という事はおきません。
第3に日本人自体に裁判や法律というのに馴染みが薄いのが、最も大きな問題でしょう。陪審制によって裁判に参加する制度が浸透し裁判を体験しています。また、アメリカはとにかく契約社会です。言い方は悪いですが人の言葉は信用しません。性悪説で社会が動いているのです。有名な話で、アメリカでは自動車事故を起こしても、絶対に先に謝りません。なぜなら非を認めると裁判で不利だからです。対して日本は基本的に悪い人はいない、話し合えば解決出来るという性善説が浸透しているので揉め事を嫌い、なるべく穏便に済ませようとします。なので白黒はっきりさせる裁判という直接的な行動に出たがらないのだと思います。
これらは、あくまでも私感ですが、日本もライブドアの騒ぎを見るように、法律を知らないと、大変な事になるという雰囲気が出てきていると思います。そう遠くない将来、アメリカのような訴訟社会になるかもしれません。
mio_designさん、こんばんは。
アメリカの弁護士が、救急車を追いかけて自分から営業をするという話は聞いたことがあります。そのような理由だったわけですね。
「>日本は、弁護士一人あたり約7200人」
!すごい。原告も被告も弁護士待ちというのであれば確かに訴訟を起こす気があっても、そこでやめてしまうでしょうね。
アメリカ人が謝らない話は、アメリカで仕事をしてきた知り合いが同じ事を言っていたことを思い出しました。日本人はよく自分が悪くなくても「すみません」と言いますよね。彼が日本での習慣のように「すみません」と断ったら「ここでは『すみません』だけは絶対に言うな、自分が悪いと認めることになる」と現地に長くいる日本人から注意されたということです。訴訟が身近であることはある意味よいことかもしれませんが、その分住みにくい国かもしれないと思いました。
日本が本当に訴訟大国になったら、法曹人口の需要はどのようにして確保するのか?という疑問が生じました。司法試験の難易度が緩やかになるとか?まさか(笑)。
参考になりました、ありがとうございました。
No.6
- 回答日時:
アメリカやイギリスを日本と比較対照にしない方がいいです。
英米法と大陸法といった異なる体系です。国民性の違いもあります。ドイツ人、日本人のような書類重視する律儀な国民には英米法を薦められません。本来は、裁判で決着させることより、和解させた方が良いと思います。殺人犯であっても、優秀な弁護士を雇ったから無罪になるような判決が出るような裁判は意味がありません。
ですから、私としては、アメリカよりも日本などの国は基本的な法律は優れていると思っています。
確かにアメリカは司法取引などもあって、解決の方法が合理的です。殺人犯が罪にならない不条理は逆説的ですが裁判があるからでしょう。というとギリギリ譲歩できるのが「和解」なのでしょうね。しかし日本の国民性を考えると「和」を尊ぶあまりともすると結論が、訴訟内容によっては被害者に二重の苦痛を与えかねません。難しいです。
参考になりました、ありがとうございました。
No.5
- 回答日時:
弁護士の数かと思います。
東京・横浜・大阪など大都市圏の登録弁護士は多いのでうが、鳥取は確か50人しかおりません。50人で破産の管財人から刑事事件などを捌いています。聞いたところによりますと一人100件近い案件を抱えるそうです。そうなると個人の単純なトラブルなどに介入していられないという事になります。地方の弁護士会は増員を望んでいるそうですが、都会の弁護士会の反対で増員も上手くいっていないのが現状なようです。
日本の弁護士は国家統制下にありますから資格を取れば何処でも開業ができます。仕事は都会が圧倒的に多い訳ですから好んで田舎へ行く弁護士はいないわけです。
個人的には医者と同様、あまり親身になってくれないというのが弁護士へのイメージです。
中央に集まってしまうと、都会の人口の多さに比例するのでしょうが、訴訟の数が増えると個人負担も多くなれば、地方の弁護士と同様ですね。
>都会の弁護士会の反対で
これはなぜなのでしょうか。
ご回答ありがとうございました。
No.3
- 回答日時:
>たとえばアメリカは訴訟大国といわれていますが
これはどうなんでしょう?
なんとなく「イメージだけじゃない?」と思えなくもないのですが…
米国連邦裁判所でまとめている統計によると、
2003年に発生した地方裁判所レベルの民事訴訟数は総数252962件。
http://www.uscourts.gov/judicialfactsfigures/con …
これに対して、同じ2003年(平成15年)の日本での地裁レベルでの
民事・行政通常訴訟新規受理数は157833件。
http://courtdomino2.courts.go.jp/tokei_y.nsf
(ちなみに簡裁を含めると倍以上になります)
素直に比較していいのかどうかわかりませんが、人口比なんかを考えても
特にアメリカで多いとか日本で少ないとかはこのデータからは読み取れないです。
(上記の数字だけで人口比を比較すると日本のほうが多い)
なもんで、
>日本人からしたらちょっと常識的に考えられないようなことまで簡単に訴訟に移行させる
こういう事例があるのはそうだとしても、
>何か訴訟への敷居を高くさせるようなシステムがあるのでしょうか?
アメリカで訴訟の敷居が本当に低いのか、
あるいは日本とアメリカで本当に敷居の高さが違うのかは
きちんと検討する必要があると思います。
確かにイメージだと、日本ではなぁなぁで片付けるところも
アメリカでは白黒はっちりつけたる!って意識が強いようには感じます。
(これは多民族国家であることも影響しているかもしれない)
そうすると「白黒はっきりつける」ような解決方法としては裁判は有効といえます。
ですが、お互い角が立たないように…って望むなら、裁判は向かないといえるでしょう。
で、「お互い角が立たないように」って傾向があるとしても、その理由は
訴訟手続の敷居が高いからじゃないですよね?
nep0707さん、こんばんは。
>人口比なんかを考えても
確かに「人口比」で考えると弁護士の人口も同じかもしれません。
ただ「権利の上に眠る者は保護されず」という言葉がありますが、「権利の乱用」ではなく、適切な権利を守るのは、きちんと主張すべきだとは個人的には思っています。確かに現状では裁判期間が長いため精神的な苦痛も相応に長引く、また経費と賠償額とのコストパフォーマンスなどの問題があるのは確かです。しかしひとつひとつの声や経験(裁判)が、ひとつの法制度を生むのでしたら、問題点はどんどん個人や団体で主張していかないと、とは思います。
私個人の経験でいえば、過去に数回原告経験がありますが、タイミングが悪かったのか、そのあとに新たな法制度が思考されたり顕在化されたりしました。でも私の声が潜在的にあったのならばそれはそれで役にたっていたわけです。
参考になりました、ありがとうございました。
No.1
- 回答日時:
frauさん、こんにちは。
アメリカ人全員が共有する価値体系が、「法」と「富」しか無いからではないでしょうか。
移民で成り立っている国ですから、宗教、倫理観、価値観が異なる人たちが集まっています。
そこでトラブルが起きたときには、「法律」と「お金」の出番にならざるをえません。
「法と金」で解決できなければ、武力行使しかありませんから。
それがどんどんエスカレートしてきた、ということではないでしょうか。
一方日本では、狭い地区に多くの人が肩を寄せ合って生きてきました。
「言わずもがな」「なぁなぁ」「阿吽」「慮る」などの言葉で分かるとおり
明文化されたルールではなく、ホンワリした合意の上に、生きてきた、
それが彼我の違いだと思います。
でも日本がどんどん訴訟社会になっていくのを疑う人はいないと思います。
CageAnoeさん、こんにちは。
興味深く読ませていただきました。
陪審員制度はまさに人種のるつぼの国らしい象徴的な制度だと思います。無作為に選ばれた、法律にはまったくの素人や様々な職業、思想の方々がひとつの「真実」を作るのですからここにも民主主義が浸透しているわけですが、多数決では真実はみつからないわけです。日本も陪審員制度が導入されますが、導かれる真実も、大きく変ってくるのかもしれません。
たしかに日本人の美学の一つとして「和」が尊ばれます。争いを好まない性質上、そのためには多少自分が我慢してでも…と思ってしまうのかもしれません。
参考になりました。ありがとうございました。
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