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物理学では、物体の運動や現象の変化を微分方程式で表し、積分して解いて、実験・観測データと比較照合する方法がとられていますよね。でも、現象の変化を微分方程式で表せることの理論的な根拠ってあるんでしょうか?
例えば、物体の速度変化を微分で表せることの説明として、軌道曲線の一点に接線を引き、速度ベクトルを分解して三角形を作る。そして、変化時間を→0、つまり三角形の各辺を→0の極限をとることで各瞬間の速度の変化を表すといった幾何学的やり方があります。こうした説明のもと、1600年代後半に微分法が用いられだしたころ、現在でいうところの数学者や物理学者に疑いの目で見られ、しかし、実験データと非常に良い精度で一致していることに困惑を与えたのもわかる気がします。
こんな人為的で作為的な数学的トリッキーな方法で、自然の物体の振る舞いが表せるなど、変だと考えるのも無理ないと思えます。「間違った考えのもとで、間違った計算をして、たまたま正しい結果が得られた」と評した学者もいたそうです。
現在は、理論的に微分方程式を物理現象の解析に適用できることの理論的・論理的な根拠が得られているのでしょうか?
それとも、よくあることで、今までそれなりにうまくいってきたし、他にこれといってよい方法もないのだから、決定的にこれではダメ!となる実例が発見されない限り、従来通りいこうじゃないか、というところですかね。

A 回答 (3件)

歴史を考えると、まっとうな疑問だと思いますよ。



ニュートンが力学をまとめるときに、その表現をするために、微分、積分のもとになる手法を考えたぐらいですから、自然が、そんな偶然の産物やテクニックで記述できるかよ・・・って思うのもわかります。

でも、微分積分って、そんなにたいそうな話でしょうか?ニュートンの立場にたってみれば、運動の背後にある普遍的な法則を考えているときに、

速度、加速度、質量、距離、時間、力などが出てきて、その関係をこねくり回せば、その関係は、今となっては小学生でもわかる公式にまとめられる。それが刻々と変化することを記述しようと思えば、微小区間で考えた計算にたどり着くのは、自然な流れかと。(もっともこれは、わたしたちがすでに解を知っているからであって、400年も前、まだ江戸時代が始まったころに、何もないところからこれを生み出したニュートンの偉大さは、語るまでもありません)

さて、さきほどの対象の関係を見ると、小学生の公式が出ますね。

速度 = 距離 ÷ 時間 

これは、いわば微分ですし、

距離 = 速度 * 時間

は積分ですよね。それを2回やれば加速度、力と比例関係を調べたら、質量や加速度と関係していた・・こんな感じでしょうね。

その後も古典論では、電磁気学を始めとして、同じような微分方程式で理論を表しています。量子論になっても同じですね。そう仮定すればうまく説明がつく・・・物理の基本的かつ普遍的な考えです。悪いことではありません。

しかし、今は少し事情が違います。これらは、場の理論として考えると、統一的に記述できるのです。古典力学、電磁気学、量子論、相対論的量子論・・・など、すべて同じ考えで、基礎方程式を導くことができます。誤解を恐れず端折って言えば

・ 作用という量を仮定
・ それに最小作用の原理を適用する
・ 運動は、それを満たすように決まる。

ということです。するとあら不思議、ニュートン運動方程式も、マクスウェルの方程式も、シュレディンガーの方程式なども、導けるのです。

つまり、それぞれの理論は手探りで見つけたが、いっぺんに考えると、各理論の基礎方程式も、もっと大きな統一的な考え方から導けることがわかっています。

つまり、なぜかわからないけど、作用(エネルギーのようなもの)や、最小作用の原理こそが、自然にそなわった普遍的な法則のように見えるわけです。これが最終解かはわかりません。物理はどこまで言っても、その時点でもっとも確からしい仮説だからです。でも、まったく違う領域で、数百年に渡って解明してきた、古典論から量子論までの基礎方程式が、同じ理屈で導けるのは、これを場渡り的に偶然見つけた原理と言うには、あまりに美しすぎると、私は思います。
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>現象の変化を微分方程式で表せることの理論的な根拠ってあるんでしょうか?<


●ありませんし、必要もない。

>物体の速度変化を微分で表せることの説明<
●#1のとおり、定義。

>こんな人為的で作為的な数学的トリッキーな方法で、自然の物体の振る舞いが表せるなど、変だと考えるのも無理ないと思えます。<
●物理は人為的なもので、かつ「数学的トリッキー」なんてありま
せん。すなお、そのものです。
また「変だと考える」のはあなたの勝手で物理とは何の関係もあり
ません。

>たまたま正しい結果が得られた<
●当然です。そういうこともあります。

>理論的に微分方程式を物理現象の解析に適用できることの理論的・論理的な根拠が得られているのでしょうか?<
●繰り返しですが、ありません。物理は自然に対する人間の解釈で
あって、物理量間の関係を記述するだけです。それは、必然的に方
程式となり、物理量が座標や時間変化をすれば微分方程式となりま
す。

そして、自然の解釈にはなるべく、少なく、簡明な法則によつて、
すべてを説明できればハッピーと思っているだけです。

現在の方法は古より発展してきた英知の結晶ですが他に方法がある
か、わたすの知る所ではありません。

です。
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>現象の変化を微分方程式で表せることの理論的な根拠ってあるんでしょうか?



理論的根拠うんぬんじゃなくって、「物理量の時間的変化」が「物理量を時間で微分する」ことそのものだよね、
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