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高校生レベルの知識でお答えいただければうれしいです。わかりやすいご説明をよろしくお願いいたします。
ア)元素の周期表の1,2,13,14,15,16,17族について、第3周期の元素(Na、Mg、Al、Si、P、S、Cl)の「原子半径」がだんだん小さくなっています。これは、原子核の中の陽子の数と、原子核の外の電子の総数が、それぞれ1つずつ増加しますので、同一周期では同一電子殻(M殻)であり、電気的な力であるクーロン力が増えていくので、原子の半径がだんだん小さくなることが理解できます。クーロン力の大きさは、電荷の大きさの積に比例し、距離の2乗に反比例しますから。
<質問1>、第3周期の、「18族の原子(アルゴンAr)の原子半径が17族の原子(塩素Cl)の原子半径より大きくなっていること」が理解できません。
上のア)の考えからすると、「電気的な力であるクーロン力の大きさを考えれば、陽子も電子も1個ずつ多いですから、18族の原子(アルゴンAr)の原子半径が17族の原子(塩素Cl)の原子半径より小さくなるはず」です。
イ)第2周期の1,2族の各原子半径が、それらの各原子の陽イオンの半径より大きいです。これは、各陽イオンは各原子に比べて、電子殻が一つ下のものになるので、イオン半径の方が原子半径より小さいことが理解できます。
<質問2>第2周期の16,17族の原子(酸素O、フッ素F)について、「陰イオンの半径が原子半径より大きくなっていること。」が理解できません。
電気的な力であるクーロン力の大きさを考えれば、原子核の陽子の数が同じでも、陰イオンの方が、電子の数が1個多いので、クーロン力がより強く働き、陰イオンの半径の方が小さくなると予想されます。

A 回答 (3件)

<質問2>回答:これは考えやすいと思います。

まず第3周期において原子番号が増えるほど原子半径が小さくなるのは電子とともに陽子も増えているので引力が増し、電子が中心に引き寄せられるためです。酸素イオンやフッ素イオンでは増えているのは電子のみのため電子同士の反発力が大きくなり、原子半径は逆に大きくなります。

と説明しましたが、実際はイオンの半径はイオン半径。原子の半径はファンデルワールス半径と厳密には違う定義であるため、そのまま比べること自体に実は無理があります。原子の大きさを測るということは実は雲の大きさを測ろうとしているようなもので、定義や測定法次第で半径に違いが出てきます。(興味があるなら「電子雲」と言う言葉を調べてみてはどうでしょう?)

<質問1>:こっちは厄介です。直感的には私もそう思いますので。希ガスでは閉殻構造といって最外殻電子が満員になっているので、電子同士による反発の影響があるのか…申し訳ないですが、ちょっと高校生には説明できそうもありません。
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この回答へのお礼

jupi-tor さん、さっそく、回答していただき、ありがとうございます。

>質問1:「閉殻構造・・・」

ご指摘いただいた、「閉殻構造」がポイントかもしれませんね。化学的に安定で、他の原子とこれ以上反応しない「不活性気体」の「閉殻構造」が・・・

>質問2:「・・・増えているのは電子のみのため、電子同士の反発力で、酸化物イオンやフッ化物イオンの半径が、各原子よりも大きくなる」

は、納得できました。こう理解すればいいですね。ありがとうございます。

お礼日時:2005/08/23 05:52

質問1について


No.1のご回答にもありますように、原子半径の定義というのが、少々あいまいです。すなわち、希ガスの場合にはファンデルワールス半径が用いられますし、それ以外では共有結合半径が用いられます。
たとえば、Clの共有結合半径というのはCl2分子の結合距離の半分と言うことになります。
分子模型などで、原子が少しつぶれたような形になっているのを見たことがあるかと思います。イメージとしては結合の形成によって、原子が少しつぶれたようになり、そのつぶれた分だけ、共有結合半径の方が短くなります。
こういったことが、大きさの逆転する理由でしょう。

質問2について
原子核と電子が引き合っているとは言っても、量子力学上の制約があります。いわゆる電子殻が形成されるのも、その制約によるものです。もしもそれがなければ、電子は原子核と衝突してしまいます。
さて、問題のケースですが、上述の量子力学的な制約によって、通常、後からはいる電子は外側の軌道に入ります。
たとえば、FがF-になる際に入ってくる電子は、もっとも外側の軌道に入ります。そうすると、その軌道の内側にある電子によって、原子核の正電荷が遮蔽され、原子核に引き寄せられる力が弱くなり、軌道が原子核から離れてしまいます。その結果として、半径が大きくなってしまうのでしょう。
また、No.1のご回答のような要因もあるかもしれません。それと、厳密に言えば上述の議論は正しいとは言えないのですが、定性的にはそのように理解されることになると思います。
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この回答へのお礼

w-palaceさんへ。

 厳密な解説とともに、直感的で非常にわかりやすい解説、本当に感謝いた

します。

 「量子力学上の制約・・・電子は原子核と衝突してしまいます。・・・

後からはいる電子は外側の軌道に入ります。・・・軌道の内側にある電子に

よって、原子核の正電荷が遮蔽され、原子核に引き寄せられる力が弱くな

り、軌道が原子核から離れてしまいます。その結果として、半径が大きくな

ってしまうのでしょう。」「・・・定性的にはそのように理解されることに

なると思います。」

 定性的で直感的な解説で十分理解できました。

 ♯ 量子力学の内容は理解できませんが。大学時の量子化学(量子力学)

の授業は、共立出版の水島三一郎のテキストを使用していましたが、残念な

ことに「摂動?・・近似?・・つじつまの合う・・?」全く理解できません

でした。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 三人の回答者の方々の解説により、自分で納得のいく理解ができ、本当に

感謝しております。ありがとうございました。

 今後とも、よろしくお願いいたします。

お礼日時:2005/08/23 23:30

では,質問2について。

といっても,#1 さんが要点は回答されているんですが・・・

 質問2の方も #1 さんがお書きの『厳密には違う定義であるため、そのまま比べること自体に実は無理があります。原子の大きさを測るということは実は雲の大きさを測ろうとしているようなもので、定義や測定法次第で半径に違いが出てきます。』が理由です。

 分子を作る原子の場合は,種々の分子の「共有結合半径」を元に「原子半径」を算出しています。一方,分子を作らない18属原子の場合,「ファン・デル・ワールス半径」を「原子半径」として用いています。

 共有結合を作った場合,核と核の間に存在する電子によって両方の核が引きつけられ,核間の距離は「原子単独で存在する場合の半径の和(=ファン・デル・ワールス半径)」よりも小さくなります。つまり,「共有結合半径」から求めた「原子半径」は「ファン・デル・ワールス半径」よりも小さくなります。

 逆に見れば,『18族の原子(アルゴンAr)の原子半径が17族の原子(塩素Cl)の原子半径より大きくなっている』事になります。

 下記のページにも類似の質問がありますので参考にしてみてください。

 ・http://sv.e-sensei.ne.jp/~ashida/cgi-bin/ques-bo …
  質問箱 「質問176の回答」

 ・http://okweb.jp/kotaeru.php3?q=823153
  No.823153 原子半径が原子番号が増えるにつれて小さくなっていく理由

参考URL:http://okweb.jp/kotaeru.php3?q=1598102
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この回答へのお礼

Kemi33さんへ

 とてもすばらしいHPを紹介していただき、感謝いたします。

 早速、埼玉大学教育学部理科教育講座 芦田 実 先生の、厳密でわかり

やすい解説も拝見させていただきました。今後も、疑問があったときにこの

HPを閲覧させて頂きたいと思います。

 Kemi33さんの回答により、原子半径を共有結合半径やファンデルワールス

半径より求めていることがわかりました。納得できました。ありがとうござ

います。

お礼日時:2005/08/23 23:08

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