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角川ソフィア文庫
ビギナーズ・クラシックス 古事記
http://www.kadokawa.co.jp/bunko/bk_search.php?pc …

を持っています。

この本は古事記原文の書き下し文と現代語訳文、それと若干の付録資料から成っています。

古事記に関する別の本を購入したため、久しぶりに引っ張り出してきて読み比べてみたところ、角川ソフィア文庫のほうは全文を掲載しておらず抜粋になっていることに(今更ながら)気付きました。

改めて読み返してみると、巻末に「主要記事一覧」というページがあり、そこに「本書の関連章段ページ」という欄が設けられています。この「関連章段ページ」の欄にページ数の記載がある記事のみを抜粋して掲載しているのでした。

この本の序文にも解説にも、掲載が抜粋である旨の記述はありません。上述の「主要記事一覧」の項目を「関連章段ページ」の掲載内容と突き合わせ確認することで、ようやく「主要記事」の一部が掲載内容から抜け落ちていることが分かります。

たかだか300ページほどの薄手の文庫本なので、原著の量によっては抜粋であったり要約であったりしても仕方がないと思います。しかし、それをどこにも謳っていないことは釈然としません。まさか全部立ち読みして確認してから買えというわけでもないでしょうし、「ビギナーズ・クラシックス」と銘打つくらいなので「既に原著を読んで全体の量を知っている人」を読者と想定して記述を省略したということもないでしょう。

そこで質問が2点あります。

1. このように注記なく原著の一部分が欠落していることは、出版業界では普通にあることなのでしょうか。(出版業界での常識ということであれば、注記がないのは「悪しき慣習」として諦めるしかないのでしょう。)

2. 角川ソフィア文庫の他の本でも、同じように注記なく原文の抜粋あるいは要約となっているのでしょうか。

A 回答 (1件)

>1. このように注記なく原著の一部分が欠落していることは、出版業界では普通にあることなのでしょうか。



一般論としてですが,翻訳物の場合,一部を訳出しないことがあります。多くの日本人読者には退屈だろうと思われる,とか,あまりにも差別的で問題を起こしそう,とか,訳者には何がなんだか分からなくて調べる時間もなく,つい飛ばしてしまった,とか,膨大な註を付けなければならないので,やむなく,とか,安くしないといけない(売れない)ので短く編集する必要に迫られて,とか,理由はいろいろあります。

これは日本に限ったことではなく,海外でも,図版を省略するなど,一部簡略化することはよくあります。特にアメリカは差別に厳しいので,書き換えられることさえあります。

で,古典で名著で「長い」ことは誰でも知っていると編集者が判断した場合,要約版とか Abridged version という言葉は非常に目立たなくなったり,なくなったりすることがあります。

正直にそういってしまうと売れなくなるのではないかと心配するのは分かりますが,不誠実なのはたしかで,結局は出版社のためにならないことは考えれば分かりそうなものですが。

あえて出版社を弁護するとすれば,「ビギナー用」とか「入門編」とか「教養のための」と謳っているものは,おおよその内容が分かればよい,というのが編集方針ですから,買い手・読者の方で用心するしかない,ということになります。

それに,「角川書店(編)」となっていますから,編集の手が加わっていますよ,編集には省略も含まれますよ,と言い訳しているようにもとれます。


>角川ソフィア文庫の他の本でも、同じように注記なく原文の抜粋あるいは要約となっているのでしょうか。

『おくのほそ道(全)』『竹取物語(全)』については,あえて(全)と断っているのですから,この二冊以外はすべて「原文からの抜粋」と考えるべきでしょう。

この回答への補足

質問の表示が最初の1ページ目から2ページ目に移り、もう回答も増えないと思いますので、これにて締め切らせていただきます。

ご回答ありがとうございました。たいへん参考になりました。

補足日時:2005/09/04 16:35
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この回答へのお礼

とても納得のいく回答でした。ありがとうございます。

確かに、翻訳文学物だとこっそり省略されている場合がけっこうありますね。どうも学術系(省略が全部明示される)に毒されているのかもしれません。

角川ソフィア文庫の他の本についても、確かに一覧すれば(全)の有無がありますね。

諦めつつ、今後は注意して本を選んでみたいと思います。

お礼日時:2005/09/01 13:24

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