プロが教えるわが家の防犯対策術!

学校の理科実験で、電池をつくると陰極材が腐食したのを見たり、
近所の鉄柵などに用いられているイオン化傾向の違うねじの接合部など
に電食が起きているのを見たりして、電子の移動にともなって腐食がお
きているのだと納得していました・・・

先日、こちらの質問で勉強させていただいて、電子の移動と腐食はまったく別物で無関係だということを教わりました。
http://okwave.jp/kotaeru.php3?q=1708884
▲このスレッドでの回答者さんはそれ以上のことまでは専門外とのことでしたので、もうひといき納得したいなあ、と少しもやもやが残っています。

電気/物理学のカテゴリーでは限界のようですので、化学のほうで投稿してみました。

イオン化傾向に従って腐食がおきることと、電子が移動することとは無関係だという概念をすんなりかみくだいて教えていただける方、どうかこの私のコンコンチキな頭をやわらかく納得できるようにしてくださいませ
m(__)m
私が何にどんな勘違いをしているのか、がわかると助かります^^

A 回答 (6件)

No.2 の続きです。


>これは化学のほうですが)学校の理科実験でボロボロになった陰極を見せて先生が「これが電子の抜け殻です」と説明した記憶が強烈だったんですよ^^;
#上は http://okwave.jp/kotaeru.php3?q=1708884 からの引用です。
先生が説明で使われた「電子の抜け殻」は,altosaxさんに強烈な記憶が残ったという点で,とてもよいたとえなのかもしれません。しかし,「電子の抜け殻」という語は,化学用語としては定義が無いため,何を意味していると考えるかが人によって異なることが起こります。
「金属板から電子が失われた結果できた目に見えるもの」が抜け殻と考えれば,「金属板から電子が失われると同時に生じた陽イオンは周囲に溶け出す,あとに残った金属板が抜け殻だ」ということでaltosaxさんがイメージされているものだということになると思います。一方,私がNo.2で「むしろ陽イオンだ」と記したのは,「原子から電子が失われると陽イオンになるのだから陽イオンが電子の抜け殻だ」という立場からです。これは,電子(-の電気を帯びている)を失うと正に帯電するのだから「抜け殻」は+の電気を帯びているはずだからです。ぼろぼろになった金属板は陽イオンが溶け出した結果,電気的には中性になっているので「電子だけが抜け出してできたもの」では無いと言うことです。

言葉を使ったコミュニケーションでは,一つの語をお互いに同じ意味に理解することが出発点になります。その意味では,「喩え」というのは現実をわかりやすく言い換える一方で,そぎ落としている部分があるため正確な議論をするときには限界がありますね。

改めてボルタの電池やダニエル電池の陰極(亜鉛)での変化を書くと次のようになります。
イオン化傾向の大きい亜鉛Znは次式のように電子e^-を失って(酸化されて)亜鉛イオンZn^2+になります。
Zn → Zn^2+ + 2e^-
このときできた亜鉛イオンは周囲の電解質中に溶け出していくため,電気を取り出すと金属板は腐食されてぼろぼろになっていきます。
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この回答へのお礼

>「電子の抜け殻」という語は,化学用語としては定義が無い

なあるほど^^今迄いろんな人に振り回されてた感じがしていたんですがこれで合点です!

>原子から電子が失われると陽イオンになるのだから陽イオンが電子の抜け殻だ

なるほどその通りですね!おかげさまで、これでゆるぎなく理解できた気がします!!

>ぼろぼろになった金属板は陽イオンが溶け出した結果,電気的には中性になっているので「電子だけが抜け出してできたもの」では無いと言うことです。

見た目の無惨さでは図鑑に明記されている金属の特徴がすっかり失われているものの、組成には何の変化も起きていなかったんですね!

>その意味では,「喩え」というのは現実をわかりやすく言い換える一方で,そぎ落としている部分があるため正確な議論をするときには限界がありますね。

これは俗に言うところの「わかりやすくていい先生、まるでわからない先生」とは何か?と改めて考えさせられますね。

おかげさまですっきりできました!
みなさま本当にどうもありがとうございました。
知るは喜びなり、をまた実感させていただきました。
(わかったつもりの勘違い、があるといけないので、締めきりは2、3日後に置いておこうと思います。さらに私のコンコンチキ是正に妙薬がありましたらまた教えて下さいませ!)

お礼日時:2005/10/25 23:52

No.3です。

ダニエル電池の構造

銅(Cu)|硫酸銅(CuSO4)水溶液∥硫酸亜鉛(ZnSO4)水溶液|亜鉛(Zn)

をイオンで書くと、

Cu | Cu^2+, SO4^2- ∥ Zn^2+, SO4^2- | Zn

ここで、Znが電線へ電子を出すと、

(1)負極の材料であるZnの量が減る
(2)∥より右側の溶液中のZn^2+ が増える

が起こります。溶液中では、Zn^2+ と SO4^2- の量がつりあっていないといけないので、不足するSO4^2- は∥を左から右に通って入ってきます。

左側(正極側)では、Cu^2+ が電子を受けとってCuになり、

(3)正極の材料であるCuが増加
(4)Cu^2+ が減る

が起こります。溶液中では、Cu^2+ と SO4^2- の量がつりあっていないといけないので、余分のSO4^2- は隔膜(または塩橋)∥を通って左から右に出ていきます。電荷は中性に保たれます。∥をイオンが通れないようにしたら、どんどん電荷がたまるのかという疑問が生じると思いますが、その場合はごくわずかに帯電するだけで電流が止まります。
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この回答へのお礼

大変ご親切にいつもどうもありがとうございます!

>1)負極の材料であるZnの量が減る
>(2)∥より右側の溶液中のZn^2+ が増える

なるほど!
実験で先生が「電子の抜け殻」と説明したボロボロの亜鉛板は、電子と共にZnの原子量も減ったゆえのボロボロで、電荷は中性で安定を保っている、ということだったんですね!

(これが物理カテゴリーで質問当初の愚問の発端で、「ぬけがら」は電荷不安定状態の物質として存在したり、組成に変成が起きるのかと思って質問したのでした^^;)

極材の見た目は無惨に変わり果てているものの、何も組成は変らずに、電子と原子が等しく減った質量だけが減少していく、という理解でよろしいのですね!?

>その場合はごくわずかに帯電するだけで電流が止まります。

また新しくすばらしいことを教えて頂き感謝感激です!
この性質を利用すると、遮断隔膜を開発することで金属の電食さびを安価に防ぐ方法が近い将来実用化されそうですね!

お礼日時:2005/10/25 23:36

>大学で本格的に勉強しないとわからな


これ今の学校で名に教えているのですか。ショックですよ。固有名詞を除けば中学校のないようです。

「電子」という物は共通です。ただ.移動の範囲が.
隣接原子どうしの移動で考える → 電気化学
空気中又は真空中に飛び出す → 放電とか電子ビームとか熱電子とか放射線とか(物理の電磁気・原子物理学等)。
真空管の電子の移動の場合を「熱電子が飛び出す」としています。
複数の原子でいくつかの電子を共有する → 半導体・電導体(物理の古典力学・電磁気学, 化学の半導体化学・固体化学)
と動き方で.関係する分野がかわってくるのです。

熱電子は
ヒーターで物を暖めてやると.電子がぶしつ外に移動しやすくなる性質があるものを「カソード」という所に使って.電圧をかけて.電子を真空をはさんだ反対側にある「プレート」という所に移動する
時にカソードから飛び出す電子を熱電子と呼んでいます。
実際にはネオンや放電真空計のように暖めなくても電子が飛び出す場合があります。
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この回答へのお礼

すみませんです…
四半世紀ほど昔のことなので学習指導要領が古過ぎて悪かったのか、授業中に眠っていたのか、のどちらかだと思います。

>「電子」という物は共通です
^^ならば納得です!
空中に飛び出す場合と、隣接原子に移動するか、で名詞を使い分けているということだったのですね。

>暖めなくても電子が飛び出す場合があります。
なるほど、これは「熱電子」という名詞が英語の直訳で定められたことも混乱を生む一因かもしれませんね。

おかげさまですっきりできました!

お礼日時:2005/10/25 23:14

金属の腐食は《電子の移動》によって起こります。

ただ、電気回路の場合と電子の移動の様子が異なります。

[1]電気回路を「電子が移動」している
[2]金属から(酸化剤に)「電子が移動」して腐食が起こる
この2つの「移動」の様子が違います。

テレビのブラウン管や電子レンジのマグネトロンなどの真空管では、

  カソードから電子が飛び出す→アノード→電源→カソードに戻る

という回路になっていて、電子が循環しています。つまり、カソードの電子が減るわけではないというのはすでに先の質問で納得されていると思います。
------------------
ところが、電池や腐食の場合は電子が循環していません。例として、学校で習う「ダニエル電池」の場合を書くと、まず構造は

銅(Cu)|硫酸銅(CuSO4)水溶液∥硫酸亜鉛(ZnSO4)水溶液|亜鉛(Zn)

となっています。銅と亜鉛を電線でつなぐと、亜鉛から銅に向かって電子が流れます。このとき電池の中で起こることは、(^は右上の文字を示します。e^- は電子を表わします)

(1)亜鉛が電子を放出して亜鉛イオンになる。Zn → Zn^2+ + 2e^-
(2)銅イオンが電子を受けとって銅になる。Cu^2+ + 2e^- → Cu

この2つです。つまり、亜鉛は電子を放出して「抜け殻」の亜鉛イオンになるわけです。この抜け殻は、負極のぼろぼろになった亜鉛ではなく、硫酸亜鉛水溶液に溶け出した「亜鉛イオン」です。

一方、正極では、硫酸銅水溶液の中の銅イオン(これは、もともと電子の抜けた「抜け殻」です)が、電線を回ってやってきた亜鉛由来の電子を受けとって、「銅」になります。

このように、「亜鉛」から「銅イオン」に向かって電子が移動します。それに伴って、「亜鉛」は「亜鉛イオン」に変化し、「銅イオン」は「銅」に変化します。
--------------------
ついでに言うと(混乱しないでください)、上の電池式の∥で表わした隔膜を通って、「硫酸イオン」SO4^2- が硫酸銅側から硫酸亜鉛側に移動します。このことによって、全体として+-のバランスが保たれています。
---------------------
金属の腐食の場合も、一般に物質から物質への電子の移動がおこります。たとえば、鉄が錆びるのは、鉄から酸素に電子が移動するということです。電子の移動を伴う化学反応を広く酸化還元反応といいます。
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この回答へのお礼

大変ご親切に私の立場をご理解いただき感激です!

>つまり、カソードの電子が減るわけではない
>ところが、電池や腐食の場合は電子が循環していません
これが、前回の物理カテゴリーでの質問で寄せていただいた多数の回答に惑わされた最大の点でした。
物理のみなさんの回答には、カソードは酸化して劣化する、という回答で一致していたんですよ。
∴酸化=腐食じゃないの?と私の頭は釈然としなかったんです!^^;
熱電子の場合はカソードの酸化腐食は無い建て前で理論が構築されていて、長期間の経年劣化(酸化)は想定外だから話題にしてはいけない、ということが味噌だった訳ですね!しかし実際は緩慢に酸化劣化するので部品寿命が存在する、ということを説明してくれていた訳だったんですね!やっとわかりました。

#2の先生もおっしゃってくださった「抜け殻はイオンの方」の話をもう少し知りたいのですが、
>「硫酸イオン」SO4^2- が硫酸銅側から硫酸亜鉛側に移動します。このことによって、全体として+-のバランスが保たれています。
…という均衡状態の回復で、陰極は素材強度的にボロボロに劣化するけれど、電子の保有量は元通りに戻っている、という理解でよろしいでしょうか?
是非,この点のふしぎがまだモヤモヤしてますので、よろしくおねがいします!
#2の先生とご回答が重複されても複数の方の表現を得て是非とも確実に納得したいと思いますので^^

お礼日時:2005/10/24 23:52

金属が腐食するというのは,金属が原子の状態から陽イオンに変化することと関係しています。

そして,陽イオンになるというのは,金属が電子を放出する(酸化される)ということです。金属の腐食には電子の移動が関わっているわけです。

電子銃(あるいは電線)で電子が移動は起しても腐食とは別であるというのは,その電子がどこから供給されたかが違うからです。電子銃では,回路を通って供給された電子が飛び出していきます。しかし,腐食するときには,金属原子がもともと持っていた電子が出ていきます。「熱電子」と腐食ともなって移動する電子で,電子そのものに違いがあるわけではありません。

たとえ話です。
財布にお金がある状態が腐食されていない状態,お金がないのを腐食された状態とします。あなたが,お店に行って買い物をすると自分の財布からお金を出して,お金が減ります。これが腐食された状態です。
あなたがお店のレジではたらいていたとします。お客さんからお金を預かったり,おつりを渡したりしても,あなたの財布の中身には直接の影響はありません。この場合が,電子銃などに相当します。電子(お金)を受け渡す場となっているだけだから,電子(お金)を放出しても腐食しないのです。

イオン化傾向が大きい金属と,小さい金属のイオンや電子を受け取りやすい物質があると,イオン化傾向の大きい金属から電子が放出され,それを小さい金属のイオンや電子を受け取りやすい物質が電子を受け取る変化が起こります。
これを別な場所で起こるようにして,両者の間でおこる電子の移動を利用するのが電池です。
このため,電池から電気を取り出すと,イオン化傾向の大きい金属から電子が流れ出るため腐食されてぼろぼろになっていくわけです。
なお,電池の実験では亜鉛を使うことが多いと思います。このとき「電子の抜け殻」に相当するのは,周囲の溶液中に溶け出した陽イオンであって,ぼろぼろになった電極ではありません。

金属を酸の溶液に浸して腐食される場合は,金属の表面で電子のやりとりが起こっています。金属から電子が放出されて陽イオンになり,その電子を酸の溶液中にある水素イオンが受け取って水素が発生するのです。この場合も陽イオンが溶け出すために金属がぼろぼろになったり,溶けてなくなったりするわけです。
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この回答へのお礼

とてもやさしく噛み砕いていただき感激です!!

>金属の腐食には電子の移動が関わっているわけです。
はい、理科実験でビジュアルに先生がそう教えてくれてたのが間違ってなかったとわかり安心しました!

>電子銃(あるいは電線)で電子が移動は起しても腐食とは別
なるほど、これが誤解の味噌だったのですね!
私は消耗して寿命を迎える電子銃は、電線と違って、電池のような性質なのだろう、という仮定でいました!
電子銃は電線と同類、というこれで納得です^^

>陽イオンであって,ぼろぼろになった電極ではありません
この辺がまだなかなかピンと来なくて悩みです…
電解液中に溶け出したイオンは陰極材から析出しているのに、なぜイオンが飛び出した分だけ原子と電子が減ったはずの電極材は電子の抜け殻とならないのか?素朴にふしぎに思うんです。
どうぞ、この最後のモヤモヤにぜひ光をあててくださいませ!!
よろしくおねがいします。

お礼日時:2005/10/24 23:37

「化学で使われる電子」と「電子銃から出る電子」は別物です。

後者は.熱電子と言われるもので外部電源から供給されています。一方前車は.ぶしつを構成する元素の電子雲に存在するために化合物全体では電子量が常に一定です。

腐食の場合には.構成するぶしつの中の1個の原子と隣接する原子との間の電子の移動を考えます(シュレジンガー方程式)。半導体の電子の移動にも近い考え方です。

>電子の移動と腐食はまったく別物で無関係
ではないです。ただ既に回答(http://okwave.jp/kotaeru.php3?q=1708884)があるように熱電子と腐食とは(化学の入門程度に限る)無関係です。

電子銃に使われる「電子」と腐食防食電池(電気化学)で使われる「電子」では定義が異なります。前者が「熱電子」と言われる電子で.化学結合に使われている電子とは区別して「熱電子」という言葉が使われています。
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この回答へのお礼

さっそくにどうもありがとうございます!!

>(シュレジンガー方程式)。
^。^おお!これが今日のニュースで見た旬な話題のあれだったのですね!
なんだか私もおりこうさんになれたような気分です!

>定義が異なります。前者が「熱電子」と言われる電子
なるほど…
うすうす感づいてはいたんですが、「電子」っていう名前の別人が二人いるということなんですね?
ちょっとグーグルで熱電子って何だろう、と検索してみたのですが、驚くほどわずかな情報しかなくて、ぽかんとしてる状態です^^;
これは大学で本格的に勉強しないとわからなそうですね。

お礼日時:2005/10/24 23:25

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