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ヒルベルト空間Hがあるとします。Hの元xのノルムを||x||と書く事にします。

有界線形作用素T(:=H→Hの有界線形写像)があって、
ある複素数λと、Hの元の列x_1,x_2,・・・ (∀n ||x_n||=1)に対して、

lim[n→∞]||(T-λI)x_n||=0 (Iは恒等作用素)

を満たす時、λをTの近似固有値と呼ぶそうです。

この「近似固有値」は、「固有値」とどのように違うのでしょうか?

あるいは、ヒルベルト空間Hが、C^nである場合,L^2(二乗可積分な関数)である場合等、どのような場合であっても構わない(内積も適当に)のですが、
近似固有値ではあるが、固有値ではない例を教えて頂けると嬉しいです。

A 回答 (7件)

下の回答のl^2で考えます。

左シフト作用素:
(a_1,a_2,...)→(a_2,a_3,...)
を考えます。この固有値は絶対値が1より小さい複素数全体ですが近似固有値絶対値が1の複素数だと思われます。例えばλ=1を考えます。
これは固有値ではありませんが
(1,1/2,1/3,...)
(1/2,1/3,1/4,...)
(1/3,1/4,1/5,...)
というベクトル列を正規化して考えたときこれは題意を満たすと思います。(正確に確かめてないのでちょっと計算してみください)。
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この回答へのお礼

計算してみた所、確かに、λ=1は近似固有値となるようです。
大変参考になりました。ありがとうございました。

私も、いろいろと考えてみたのですが、各x_nという点列に対して、
T:x_n→λx_n+y_n (y_n→0)
と作用するT({x_n}が一次独立なら、Tの線形性から、個別にT(x_n)を決められるはず)であれば、必ず、λが近似固有値となります。
λが固有値ではない保証はないので、「近似固有値ではあるが固有値ではない例」とは言い切れませんが、このようなy_nはものすごくたくさんあるので、いくらでも「近似固有値ではあるが固有値ではない例」が作れそうです。
例えば、y_n=(1/n)x_nなどとすれば、λは近似固有値ですが、固有値ではないようです。

お礼日時:2005/12/25 17:38

No4です。

近似固有値ではあるが、固有値ではない例を探しているところですが、簡単な例はなかなか、見つかりません。ただ、はっきり言えることは、近似固有値はTのスペクトルに含まれるということです。点スペクトルの中には見つかりませんので、たぶん、連続スペクトルか、乗余スペクトルのどちらかには見つかると思います。

この回答への補足

ご回答ありがとうございます。
点スペクトル・連続スペクトル等の定義を知らないのですが、固有値が離散的に分布しているか、連続に分布しているか、という事でしょうか?
そんなニュアンスだと解釈したら、#6さんのご回答と合わせてちょっと気になったのですが、
λがTの近似固有値だとしたら、λの近傍(={z∈C; |z-λ|<ε}に固有値があるのでしょうか?

nが十分大きくすれば、Tx_n≒λx_nとなる事から、
イメージとしては、x_nの向きやλをちょっと変えるだけで、Tx'=λ'x'となってくれそうな感じがします。
なので、λの近傍に固有値がありそうな気はするのですが。

補足日時:2005/12/25 17:55
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数列空間l^2で(1,0,0,...),(0,1,0,0...),...という列はすべてがノルム1を持ちますがどの部分列も収束しません。

ただ0に弱収束します。ちなみに有限次元ヒルベルト空間では近似固有値と固有値は同じです。有限次元の場合はノルムが有界であれば収束部分列がとれますがその部分列の収束先は0でないベクトルでそれがλの固有ベクトルになるからです。∞次元の場合は多分質問の例はおそらく簡単な場合で見つかると思ってますがまだ見つけられていません。見つかったらまた回答してみます。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。

なるほど、確かに無限次元だと、有界でも、部分列が収束しないものがありますね。
(正確には「強収束しないもの」? すいません、#4さんのご回答にも出てきたのですが、強(弱)収束という言葉は初めて聞きます。少し調べた感じでは、ノルムと内積の収束の違いのようですが、あまりイメージが掴めてません)

よく考えると、無限次元ヒルベルト空間は、(加算)無限個の一次独立なベクトルe_nがとれて、このe_n(少なくとも、これを正規直交化したもの)は、どの部分列も収束しそうにないですね。

#3さんへのお礼に書いた予想(というほどでもないですが)の通り、Hが無限次元でないといけないとの事なので、その方向で考えてみる事にします。

お礼日時:2005/12/25 00:07

たしかに、その定義から判断して、「近似固有値」と「固有値」の違いが区別しにくいようです。

有界線形作用素Tを与えれば、固有値は決定します。
Hの元の列x_1,x_2,・・・ (∀n ||x_n||=1)は固有ベクトルに強収束しなければならないような気がします。そうなると、区別できないということになりそうです。

「近似固有値」の定義に間違いはありませんか?数値解析の分野でも「近似固有値」という用語を使いますが、この場合は、固有値の近似解法によって得られた数値のことですよね。

補足があったら、お願いします。わたしも、しばらく考えてみます。

この回答への補足

再びご回答ありがとうございます。

定義に間違いはありません。

質問をする前に、google等で検索してみたんですが、その時に、「固有値の近似値」みたいな意味の「近似固有値」を見つけまして(λ_mの極限が固有値λに収束する時、十分大きなMに対する(?)λ_Mの事を指していた気がします)、そういう意味かと思って見直したのですが、やはり違うようです。

・「固有値は近似固有値」
・「|λ|=||T||なるλが近似固有値なら、sup[||x||=1]|<x|Tx>|=||T||」
・「Tが完全連続作用素なら、近似固有値は固有値」
※||T||:=inf{c>0;||Tx||≦c||x|| x∈H}、写像限界)
※完全連続作用素:任意の有界列{x_n}に対して{Tx_n}が収束する部分列を持つTのこと

のような記述があるため、少なくとも、「固有値の近似値」という意味ではなさそうです。
どちらかといえば、「固有値っぽいもの」のような意味なのかもしれません。


あと、#3さんへのお礼の3行目
>λが固有値であるためには、
「λが固有値で「ない」ためには」です。失礼しました。

補足日時:2005/12/24 23:15
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すいません。

ちょっと考えが足らなかったようですね。当然ながら、
T(f(x)) = f(x)/(2x)
では、だめでした。微分を思い浮かべていたので。

T(f(x)) = 2x*f'(x)
とすればいいんですが、これは有界線形作用素ではないですね。。
x→∞で有界になるように、もうちょっと工夫すればなんかあるんだろうとは思いますが。

この回答への補足

ご回答ありがとうございます。

近似固有値の定義で使っているx_nは、全てのnについて、||x_n||=1となる事が必要です。(この条件がなければ、||x_n||→0となるようにx_nを選べば、Tやλに関係なく、||(T-λI)x_n||→0となるためだと思います)

したがって、二乗可積分な関数の内積を
<f|g>=∫[x:α→∞]f~(x)g(x)dx (αは適当な定数(-∞や0など)。f~はfの複素共役)
のように定義するのであれば、x→∞でf_n→0が必要ではないでしょうか?

ところで、Hはヒルベルト空間(特に完備)ですので、
x_nがコーシー列であれば、必ず、Hのある元に収束します。
したがって、λがTの近似固有値だとすると、
||(T-λI)x_n||→0
となるx_nが存在します。このx_nが収束する(収束する部分列を含む)場合、その極限をxとすると、
||(T-λI)x_n||→||(T-λI)x||=0となることから、
x_nは収束しない(収束する部分列を持たない)ものでなければいけないようです。

補足日時:2005/12/24 22:20
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この回答へのお礼

すいません、文脈から分かると思いますが、補足に書いた
>x_nは収束しない(収束する部分列を持たない)ものでなければいけないようです。
というのは、λが固有値であるためには、x_nが収束しない(部分列も収束しない)という事です。


・・・と、書いていてふと、気が付いたんですが、

||x_n||=1の条件から、x_nは有界です。
x_nは有界だけど、その部分列が収束しないという事はあるんでしょうか?
Hが有限次元の場合、区間縮小法(でしたっけ?)というやつで、収束する部分列がとれそうな気がしますが、、、

Hが無限次元の場合には、どうなるかちょっと怪しいですね。

ひょっとしたら、近似固有値が固有値と異なる場合、Hは無限次元じゃないといけないのかもしれません。

お礼日時:2005/12/24 22:42

あんまり詳しくないですが、


つまり、lim[n→∞](x_n)が、Hに含まれない場合とかを考えればいいのかな。

たとえば、
H={x≧0で二乗可積分な関数}、
T(f(x)) = f(x)/(2x)
として、
f_n(x) = x^(-1/2-1/n)
とすれば、
lim[n→∞](f_n(x)) = 1/√xは、Hに含まれない。
で、λ=1は、n<∞で
||(T-λI)f_n(x)||≠0
かつ、
lim[n→∞]||(T-λI)f_n(x)||=0
を満たすと思う。
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「近似固有値ではあるが、固有値ではない例」ということですが、難しいご質問だと思います。



「近似固有値」の定義については、ご説明を頂き、わかりましたが、「固有値」の定義はどうなるのでしょうか?

Hの元の列x_1,x_2,・・・ (∀n ||x_n||=1)に対して、
「固有値」をどのように定義されているのでしょうか。
少し補足説明をして頂けると幸いです。

この回答への補足

説明不足ですいません。
固有値は普通のよくある定義です。

有界線形作用素Tについて、あるx∈Hと複素数λがあって
Tx=λx
となる時、λをTの固有値、xを固有値λに属する固有ベクトルとしています。


内積(x,y)は正定値ですので、
あるx∈H,x≠0に対して、||(T-λI)x||=0となるλと考えても差し支えありません。

つまり、||(T-λI)x||=0とあるxに対して、厳密に(?)0になるのが固有値
||(T-λI)x_n||→0と、極限として、0になるのが近似固有値とという事だと思います

なお、λをTの固有値、xをλに対する固有ベクトルとして、全てのnに対してx_n=xとすれば、
||(T-λI)x_n||→0
となるので、全ての固有値は、近似固有値である事がわかります

補足日時:2005/12/24 18:30
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