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1.『電子移動の化学』P169より
サイクリックボルタモグラムの
ピーク電流値Ip(A)は,
Ip=2.69*10^5*n^32*A*D^1/2*c
と書かれるのはなぜですか?その理由や原理を教えてください.

2.サイクリックボルタモグラムがヒステリシスになる原因として電極表面に形成される電気二重層だと思うのですが,それはどういったことが原理なのでしょうか?

上記の1,2に関して詳しく述べている書籍やwebも教えていただけたら幸いです.

A 回答 (2件)

1. CVピーク電流値を解析的に求めることはできません.式の係数は数値計算によって導かれたものです.計算したらそうなっていたというだけで,2.69×10^5 という係数の物理的意味を議論することは不可能です.その他の項については,次元解析的な議論をすることはできますが.



2. 電気二重層の問題ではありません.酸化体と還元体の空間分布の問題です.これは消費速度,生成速度,拡散速度の兼ね合いで決まります.
http://photo-m.tp.chiba-u.jp/~yjo/CV/index.html あたりが参考になるかも.
「電子移動の化学」より,渡辺正先生のもうひとつの「電気化学」(朝倉書店) の方が,この手の話はもう少しちゃんと書いてあると思います.
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この回答へのお礼

さっそく回答ありがとうございます!参考になりました.
1に関して,追加の質問をお願いします.係数を除いたn^32*A*D^1/2*cの部分はどうやって導出されたのでしょうか?また,私は電解液として1M硫酸,作用電極としてn型シリコンを用いているのですが,
Ip=2.69*10^5*n^32*A*D^1/2*cを適用することは可能なのでしょうか?

お礼日時:2006/08/15 14:53

> 係数を除いたn^32*A*D^1/2*cの部分はどうやって導出されたのでしょうか?



可逆系におけるCVのピーク電流は,もともと
ip = 0.4463*n*F*c*D^(1/2)*(nFv/RT)^(1/2)
と計算され,これに温度25℃とFの値を代入して質問の式が得られているのです.
0.4463 以外の項の関数系については,たとえば
藤嶋昭,相澤益男,井上徹,「電気化学測定法(上)」(技報堂出版)
あたりに(かなりはしょった)説明があります.このあたりは,拡散方程式の関係でDやら経過時間の1/2乗という項が出てくるのですが,そこの簡単な説明はめんどうですね.
なお,0.4463 の部分を含めて,CVの数値計算についての議論は松田博明先生の昔の論文,
H. Matsuda, Y. Ayabe, Z. Elektrochem., 59, 494 (1955)
あたりを読んでください.

> 私は電解液として1M硫酸,作用電極としてn型シリコンを用いているのですが,
Ip=2.69*10^5*n^32*A*D^1/2*cを適用することは可能なのでしょうか?

この式が使えるかどうかは,本質的には溶質(実際に電極反応を行う酸化還元対)と電極との間の固有電子移動反応速度定数が十分に大きいといえるかどうかにかかっています.したがって,電解質と電極だけを示されても,何も言うことはできません.一般論を言えば,自分の実験系について可逆性の検証をする必要があります.
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この回答へのお礼

大変ありがとうございます!ご回答を参考にしてもうちょっと突っ込んで勉強したいと思います.回答者さんはかなり詳しい方ですね!

お礼日時:2006/08/23 22:28

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