私は在学中には就職活動しなかかったため、
博士卒業後ではなかなか良い職は見つからず、
弁理士を取っていたおかげもあって、特許事務所で働いています。
博士過程は、
http://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?q=2412664
のNo.2さんと似たような環境で、特に目だった成果もないまま卒業しました。
先月、修士の時の研究室のお祝い行事があり、
当時の教授に現在の職業を話したのですが、
私が研究職に進まなかったのを非常に残念がっておられました。
修士の頃は、教授ともウマが合い、自主的にやらせてもらい、
かなり良い結果を残せていたからだと思います。
...その勢いで、やや分野の異なる有名研究室の医学博士へと転向したはずなのですが...
その教授からは、
「ポスドク先くらいなら紹介できるから、もう一度研究職に戻る気は無いか?」
と熱心に誘われました。
性格も探求型なので研究者は向きだと思いますし、
研究をしたいとは強く思いますが、収入や不安定さが心配です。
(来年結婚も考えているので、一人の問題ではありません)
現職も、各種手当て無し、ボーナス少、退職金無し、と、企業に比べれば随分不安定ですが。
「良ければ返事を」と言われ、かなり気持ちが揺れています。
「ポスドクをやって失敗すれば(仕方なく)戻ってこようかな...」
と思う反面、
最近は知財(特にバイオ)の志望者は激増しているので、
長期ブランクは厳しいとも思います。
また、弁理士も研究者同様、安定した職とはいえません。
(企業就職しない限り、永遠に身分保障されませんし)
アカデミックは大変ですが、最後まで折れずに続けている人達は、
多くを望まなければ何らかのポストには収まっているような気もします。(バイオ分野)
最後は自分で判断しますが、
参考になる情報や考え方を知りたいので、
アドバイス・意見・情報等があればよろしくお願いします。
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
文中の問題にも答えさせていただきました。
下の回答者さんもおっしゃってますが、やはりポスドクの後が問題でしょう。
現在も文部省はいろいろと躍起になっておりますが、ポスト・ポスドク問題は非常に大きな壁です。
そもそも、現行の教官枠・ポストというものはこれから減ることはあっても増えることはないでしょう。
そしてポスドクは激増してるのです。
この増え方が半端じゃありません(笑
あまりにも増えすぎて、ようやく、文部科学省も増やせ増やせから方針転換をしようかとしているところです。
文部科学省は当面はさらにポスドク枠を増やすことで対処するという最も愚かな選択肢をとりました。
これによって十年後、ポストは得られない、年齢の問題からキャリア転換もできない、企業も引き受けたがらない(そもそも企業内の研究者は40歳ぐらいはそろそろ引退時ですし)、大量の博士号取得者であふれかえることでしょう。
これは「知財の志望者の激増」のレベルではありません。サブマリンのように突然、ふってわいたかのように大問題になるでしょう。
「多くをのぞまなかれば何らかのポスト」というのは、非常に疑問です。なぜならば、みんなそれすらも無理だからポスドク二回目あたりで方針転換をするのです。
おそらく、質問者さんはかなりいいとこの研究室出身ではありますまいか。そこの系列の若い人なら確かにそうかもしれませんが、いわゆる傭兵タイプのポスドクにそんなものが回ってくるという幸運を、私は考えませんね。助手になるにしたって、強力な推薦は得られないでしょう。
それとも事実上、かつての恩師が援護者としてお世話してくれるのでしょうか?それなら、話は大いに別です。
助教授・講師クラスは最近は、研究費の獲得の問題もあって、順上がりや推薦だけではなく、本当の公募も多くなってまいりましたが、助手なんて「助ける手」ですよ(笑
助手を知らないところから引っ張ってきた・本当に公募したという話は聞いたことがありません。
結局のところ、前の回答と同じなんです。
つまり、ポスドクの後、結果しだいではポストが得られる見込みがあるか、あるいはせめて挑戦できるという条件でなければ、行く価値はないでしょう。
そしてそんな甘い条件は普通は転がってないでしょう。
ただ、そうはいっても挑戦できるチャンスはとにかくあって、失敗しても、弁理士という資格があって安定してはいないが食べる程度のことはできるだろうという見込みがあるという現在の状況ならば…私は結婚してないので挑戦するかもしれませんね(笑
冷静ではやめといたほうがいいに決まってるが…でもひょっとしたら。。。これがアカデミックに絶望しつつもちょっと未練がある人間の本音です。。。
ご助言、ありがとうございます。
fujishiroさんの文中と私で最も違うのが、
3)自分がやれることがやれるか?
という点でした。
業績重視のこれからはどんどん増えていくタイプの研究室だとは思いますが、
研究室全体として業績を挙げるために、
たとえ博士といえど、自分のテーマ、というよりは研究室のテーマという感じで実験をやり、
指導教官の命にのみ従って、自分の流れというよりは、
人との共同作業で研究をやっていくという感じでした。
(博士論文や投稿論文も、自分自身の行った実験は半分程度です。
その代わり、他の人の論文の実験の多くも私が行ったものですが...)
修士の時はテーマを与えられて、それに沿った形で自主的にやらせてもらっていたので、
それに比べ、博士なのに、単純作業者だったので、
その辺りに、どうしても、もう一回、本当の研究をしてみたい、という気持ちが抜けないんだと思います。
その代わり、確かに研究室自体は国内有数の研究室です...
(まさに回答者さんのおっしゃられているとおりです)
関連ポストが空いていた場合、
博士課程を単純労働者と過ごすということと引き換えに、卒業後いきなりパーマネントポスト、ということもあり得るくらいです。
そうですか、普通に募集しているような、
大研究室の傭兵ポスドクに応募しても大変な結果になるわけですね...
(傭兵として頑張ったら何か見返りをくれるのかと思っていました)
今回声をかけてくれた修士の時の教授というのは、
それほど大物じゃありませんので、
多分そのポスドクというのも、
傭兵ポスドクじゃないものの(恐らく小ラボだと思う)
終了後の保証なんて無いだろうな、と思います。
しかし、ポスドクはそんなに増えているのですか?
それならば、同じく激化しつつある特許に早めに身を埋めた方がいいのかもしれません。
(この分野も、随分と博士卒の人が来るようになりました)
後で、と思っていると、そこも大量のポストポスドクに食い荒らされているかもしれませんし。
結局、私も、回答者の最後の3行と同じ気分です。
ただ、私はより安定志向度が高いかもしれないな...
No.5
- 回答日時:
私は大学職員経験があります。
質問者さんには、「ポスドク問題」で検索することを強くお勧めします。ポスドク後にアカデミック関係につくことが出来る人は、現在、極めて一部です。私はバイオ関係の研究者と組んでいたことがあるのですが、バイオ関係は特に酷いのではないでしょうか?現在、教授になっている人の経歴等を見て、折れずに頑張っているとなんとかなると判断するのはまずいです。なんといっても、ポストが圧倒的に足りないんですから・・。現状は、昔と大きく変わっており、ポスドクを続けて助手、助教授の公募の競争に実質的に参加するには年齢を過ぎてしまい、門前払いとなって路頭に迷う人が既に大量に出ているんじゃないかと思います。しかも、年を取ったバイオ関係のポスドクは、民間にも就職することも難しいです。資産家でなければ、そのような状況になれば、研究どころではありません。安定性について弁理士とポスドクを比較するのは、全然レベルが違うんじゃないでしょうか?弁理士は実力に応じて給与を上げていける可能性が高いですが、ポスドクは、生活するためのポストを宝くじなみの確率で当てるようなものだと思います。ちょっと恩師は、安易に薦めているような気が・・。恩師が、「俺が、絶対に大学職員にさせてやる」というなら(そんなことが、本当に可能なのかどうかちょっと疑問ですが)、まだましなのですが、ポスドク先の紹介程度だとごく普通です。もちろん、人生は一回きりですから、いつも常識的な選択をすることもないとは思うのですが、相当な覚悟は必要かと。No.4
- 回答日時:
ども。
現在の博士号取得者はどの分野でも激増しております。
それは文部科学省が増やせ増やせと言って来たこと、研究室にとっても働き手が増えることから、各研究室とも、博士を増やすことに力を注いできました。
と同時にポスドクと呼ばれる研究員も増やされてきました。
特にナノ、バイオ、IT、環境と呼ばれる四分野で力を入れております。
ここで問題となってきたのが、ドクター卒業後およびポスト・ポスドクの後の就職です。
先ほども言ったとおり、大学のポストは、これから減ることはあっても増えることはありません。文部科学省は民間が引き受けてくれるものと愚かにも思っていたようですが…特にバイオの分野では企業研究員はすでにオーバーフローの状況です。
よってここに来て、ようやくドクターをむやみに増やすことは社会に要求されていない人材を生み出しているに過ぎない、というこを文部科学省も認め、今年・来年ぐらいから博士卒の増員は頭打ち程度になると思われます。
そして博士後にポスドクとしてだらだらと残られても、プータロー予備軍を増やすに過ぎないために最近はポスドクの数はある程度は確保しつつも採用審査は厳しくなりつつあるのが現状です。
力がある先生の大研究室では、同級生が複数いて、その同級生の中から一番頑張ったものを知り合いのとこの助手から欠員が出れば入れてもらう、ということをすることは多いと思います。
あなたがその一人となれればいいですが。
しかし、最近はそうもあまくありません。
ある統計によると、40歳以上のポスドクは8%を超えるとか。一万二千ぐらいいるらしいので、単純に考えても1000人は今後の十年間で職あぶれになるでしょう。
(基本的に助手採用は35歳ぐらいまで。助教授なら45歳ぐらいまで。企業研究員の募集も35歳ぐらいまで)
知財はそんな博士卒の受け皿のひとつとして期待されています(泣笑
まぁ、日本は研究職以外の博士が少ないってお話も聞きますので、それはそれで正常な方向のひとつなのかもしれませんが。。。
どっちにしろ、社会整備も整えずに数だけを目標としてしまった文部科学省の世紀の大失敗のひとつとして数えられるでしょうね。
わざわざ大失敗の渦中に飛び込む勇気があるか…という問題です。
参考URL:http://hideyukihirakawa.com/blog/archives/200505 …
No.3
- 回答日時:
私も来年からアメリカでポスドク予定です.
決めた理由は
「このまま生きても先なんて分からないし,
それだったらもっと先が見えない人生を
選んでやろう」
という非常に適当なものでした.
まぁ.他にもキャリアアップとかありますが,
一番の理由はそれです.
質問者さんは結婚するそうなんで
私みたいな理由は考えられないですかね.
私の周りでポスドクやってたり,
一度企業に行って結婚してから博士課程に
戻ってきた人たち(しかも博士課程で子供を作ったり)の話を聞くと,
結局みんなあんまり考えてないみたいです.
正確には,悩んだ結果,何も考えないようにして
チャレンジすることを決めたという感じでしょうか.
ちなみに子供ができた先輩は,
普通に一般企業に就職して元気にしてます.
これが(ラスト)チャンスって覚悟し行動して,
で,後悔しているのかもしれませんが,
その後悔している自分も受け入れて
前向きにみんな頑張っています.
No.1&2さんの回答は的を得ていて
非常に素晴らしいと思います.
ただ,自分が運命を感じることには
ポンッとチャレンジしてみる.
こういう感覚は,個人的に
大事にしたいと思って決断してきました.
未来像は未だに見えませんが,
この考え方はこれからも大事にしたいと思っています.
私の周りの方は、
「覚悟を決めた」
というより、
「何も考えてない」
の方がピッタリ来る人が多いですね。
確かに、考え始めると、こんなにリスクが高いことも...
起業でも何でも、リスクが高いことをやってみるのって楽しいとは思いますが、
若いうち、だけと考えず、
40代、家庭などなどを考えると、少し、いやかなり不安になってきますね。
ただ、お三方の意見とも非常に参考になります。
もう少し悩んでみます。
(悩めば悩むほどチャレンジする気は失せてしまいますが...
...データやシチュエーション的にはポスドクが有利な要素は何一つ無いですもんね)
No.1
- 回答日時:
大学教員です。
現在の大学に就職するまで、3年オーバードクターをやりました。研究者というのは、研究しかできないという人間が、やむをえずやるものだと思います。
私は、博士課程進学前に会社に勤務した経験もありますが、社会的不適応をおこしてしまい(ここらへんは質問者さんと大いに違うところ)、自分には研究しかないんだ、と思い定めました。ですから、収入が少なかろうが、不安定であろうが、二度と普通の社会人に戻れない人間として、思い迷うことはありませんでした。
質問者さんを誘っている大学教授が「ポスドク先くらいなら紹介できる」というのは、当然なのです。ポスドクじたいは、えらく増えましたから。問題は、ポストポスドクです。
あとは、覚悟を決めるかどうかです。
私と違って、ちゃんと社会で働いていける能力もお持ちのようなので、よけい迷いますね。
結婚を控えておられるというのなら、パートナーに支えてもらえるというポジティブな因子もあると思います。
ご助言ありがとうございます。
パートナーは残念ながら稼ぎ等に期待のできる方ではないので、
ポスドクで一番きつい金銭面では支えてもらえそうにはないですね...
私も、ポストポスドクが大事だと感じています。
感じているので、卒業後とはなってしまいましたが、就職活動をしたわけですし...
正直な意見、参考になりました。
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