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 ドイツの社会心理学者・Kurt. Lewin クルト・レヴィン(1890-1947)が唱えた、
B=f(P・E) あるいは B=f(S)
という公式についてお教えください。
要するに、
人間行動(B)は、個人(P)と環境(E)によって常に変化している。
ということですよね。
それでは、
「f」の記号は何の意味を持っているのでしょうか?
B=f(P・E)を、B=f(P×E)としてはいけないのでしょうか?
などなどの疑問をもっています。
 この公式について、詳しく、しかも分かりやすくお教えください。
また、これについて詳しく解説してあるオススメの参考文献やホームページなどもお教えくださいますと大変うれしいです。
よろしくお願いします。

A 回答 (4件)

#2です。


#1さんへのお礼の欄に書かれていることが少し気になったので
補足させてください。


>「とにかく人間行動というものは他人には理解し難いものなのだ」
>という認識をもっておればそれで良い、ということなのですね。

この解釈はレヴィンの意図するところとは正反対のものだと思います。
行動に関与する要因を洗い出し,それら相互の関係性を明らかにすることによって
行動の法則性を浮かび上がらせ,行動予測の精度を少しずつでも上げていこうというのが
レヴィンや同時代の心理学者の姿勢だったと思います。
今も基本的には同じですが。


>いくら微・積分が得意であっても
>それだけではとうてい人間行動を理解・予測などできないのだ。ということなのですね。

これは確かにおっしゃるとおりなのですが,
微積分の理解なしに人間行動の理解・予測ができないこともまた確かです。

たとえば心理学の基礎中の基礎である精神物理学という分野に
ウェーバーの法則とフェヒナーの法則というものがありますが,
後者は前者を積分することで得られるものです(逆に後者を微分すると前者が得られる)。
http://okwave.jp/qa1956774.html

微積分を頭で理解することとは無関係に,
いろいろな情報を自動的に微分したり積分したりする仕組みが
われわれの知覚や運動制御のシステムに備わっているらしいということもわかっています。

このような知見が積み重ねられていくなかで,
われわれが「こころ」と呼びならわしてきたものは
じつのところ「計算」なのだという
ひとつの,そして有力な立場が生まれています。

ここでいう「計算」は
加減乗除や微積分のようなものだけを指しているわけではありません。
文法に則って単語を組み立て文章を紡ぎだすのも計算ですし,
あっちのラーメン屋よりもこっちのラーメン屋の方がうまいと評価するのもまた計算です。

環境の変化(=刺激)を受けとめ,表象化して操作を加え,
判断を下したり行動を方向づけたりする営みの全体を計算と捉えるわけです。
計算のプロセスについて当人は多くの場合無自覚ですから,
自由意志が介入する余地はほとんど(あるいはまったく)ないということになるでしょう。
(この考えが妥当かどうかはここでは論じません。)


レヴィンが20世紀において影響力の大きい心理学者であったことは確かですが,
フロイトに似て,妙な数式を振り回したり新造語を使いたがる癖があり,
彼の提唱した理論や概念の中には現代から見ると陳腐なものが多いのも事実です。
そんなわけで,フロイトの理論同様,すでに歴史上のものと割り切って,
レヴィンにあまり拘泥することなく現代の心理学を学んでいただきたいと思います。

この回答への補足

 No.3でいただいたご回答を読んでいて、以前友達から聞いた、
「自然界のいわゆる『食物連鎖』もまた、微分・積分で説明がつく。」
ということを思い出しました。
 とりあえず、微・積分について正しく理解できるよう復習(というよりも「再チャレンジ」といったほうが正しいです。)したいと思います。

補足日時:2006/10/13 18:25
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この回答へのお礼

 No.2及び3のご回答に対するお礼をここで述べさせていただきます。
 
 人間理解というものは本当に難しいですね。その難しさを数学的に学ばせていただいたという点でも、とても大きな収穫があったように思います。Diogenesisさんからいただいたご回答・解説は、自分自身まだ充分には咀嚼出来てはいないように思いますが、これから何度も何度も読み込むことで理解を深めていきたいと思います。
 また、現段階ではレヴィンの思考に捕らわれすぎる必要も無いということもアドバイスいただきました。「木を見て森を見ない」失敗をしないように、もっと大切なことに目を向けていきたいと思います。
 非常に丁寧、親切で噛み砕いた解説・アドバイスをどうもありがとうございました。

お礼日時:2006/10/13 18:23

多少拡大解釈をしているかもしれませんが、若干違う視点から。



人は個人特性に目を向けてしまいがちです。

例えば、Aさんに挨拶したときに、Aさんから無視されたとします。
このようなケースでは(私を無視するなんて)Aさんはひどい人だ!と解釈しまがちなようです。
でも、Aさんは急いでいたかもしれませんし、単にAさんは挨拶されたことに気づかなかっただけかもしれません。

人は、人に関わる属性(P)を強調して認識するのに対して、状況・環境(E)の効果を軽視する傾向にあります。そこで、人の振る舞いには確かに環境の効果もあるのだよ!ということを示した式であると・・・考えることもできます。

心理学にもさまざまな立場があり、一概に是非の判断を問うのは難しいと私は思います。しかし、個人特性だけではなく、環境の要因を加味する姿勢というのは重要ではないかなと思います。
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この回答へのお礼

 なるほど。公式「B=f(P,E)」は、 いろいろなことがらに応用して使うことが出来そうですね。

 ご回答ありがとうございました。

お礼日時:2006/10/14 10:42

#1さんの説明にもあるとおり


 y=f(x)
という式はyがxの関数であるということを表わしているだけで,
微積分とは直接関係ありません。
このときxを独立変数,yを従属変数と呼びます。
(ここまでは中学校レベルです)

御質問の式は,正確には
B=f(P,E)
となっているはずです。
これは2変数関数というもので,
PとE,2つの独立変数の関数として従属変数Bの値が決まるという意味です。

Pを個人,Eを環境,Bを行動とすると,
個人の持つ属性と個人を取り巻く環境の双方の関数として行動が決定される。
逆に言うと,
行動理解のためには行動主体の内部要因と
主体に影響を与える環境要因の双方を考慮に入れて
その間の関係性を明らかにしなければならないということです。

要するに
これは心理学研究の基本的な枠組みを簡潔に表記しただけのことで,
実証的に導かれた法則というわけではありません。
ですので,あまり深く考えなくてもいいと思いますが。
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fはfunctionの意味であって、関数ってこと。


yはxの関数であるというのをy=f(x)
って書く。
単に証明できてない文章を数式にしただけだと思う。たとえば、Aさんがりんごを食べたいと思ったとき、どれだけのりんごを食べるかというと、りんごが入手できる量(環境、場)とAさんのおなかの空き具合(個人)で決まるっていってるだけ。

今の我々にとっては、ひどく当たり前のように感じると思う。「場の理論」で検索するといいと思う。ウィトゲンシュタインも読んでみるといいかも。
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この回答へのお礼

 y=f(x)というと、その昔、理解に苦しめられた(というよりいまだにチンプンカンプンな)「微分」、「積分」が絡んでいるのでしょうか?
当面ここでは、
「とにかく人間行動というものは他人には理解し難いものなのだ」
という認識をもっておればそれで良い、ということなのですね。逆に言えば、いくら微・積分が得意であってもそれだけではとうてい人間行動を理解・予測などできないのだ。ということなのですね。
 よく分かりました。finneganswakeさん、どうもありがとうございました。m(__)m

 参考文献に挙げていただいたウィトゲンシュタインの本は、『反哲学断章』でもよいのでしょうか?ウィトゲンシュタインの本といえばコレしか知らない私です・・・。もしくは、ちくま新書などの入門書からはじめたほうがよいのでしょうか?またご指南いただければ幸甚です。

お礼日時:2006/10/13 12:12

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