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世間では、倒叙物推理(最初に犯人が分かる構成)の三大傑作は、

フランシス・アイルズ「殺意」
リチャード・ハル  「伯母殺人事件」
F・W・クロフツ   「クロイドン発12時30分」

と言われてます。

さて、この三作品は誰がどういう根拠で選んだのでしょうか?。
三作品とも英国で時期も1920年代から30年代です。

専門家が選んだのでしょうか?。それともファン投票?  

A 回答 (2件)

乱歩ではないかと思います。



評論の代表作品『幻影城』において
「倒叙探偵小説」というタイトルで
オースチン・フリーマンが創始した倒叙物の
新たな展開を示す優れた作品として
アイルズ『殺意』を最初に取り上げ、
次に「倒叙探偵小説再説」として
ハル、クロフツ、フィルポッツ"Portrait of a Scoundrel"(未訳)
を取り上げています。
日本への戦前の探偵小説の紹介における
乱歩の影響は非常に大きいものがあり、
フィルポッツは未訳なので、
ここいらへんから3作品ということになったのではないかと。

1930年代に偏っているのは、
当時優れた作品が出たということもあるでしょうけど、
日本の場合、1940年代の作家・作品は
戦争によって紹介がかなり遅れる形になった
というのもあるでしょう。

この回答への補足

実に納得のいく回答を感謝します。

もともと質問する要因の一つとして、アイルズ「殺意」1931年を読んで、ハルが倒叙物形式による処女作品が「伯母殺人事件」1934年との事。
年代がとても近い。
しかもクロフツ「クロイドン発12時30分」1934年の作品も近い。
まるでオースチン・フリーマンの1912年短編「歌う白骨」が最初の倒叙物形式から20年経過して、他の作者が倒叙物形式を踏襲したのを見届けてから傑作を選んだ気がしてなりません。

実際、読んで面白いし古典とは思えない気がします。

乱歩の批評をめくってみます。

補足日時:2006/12/10 15:38
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こういう分類は、多分海外では無く、日本固有のものだと思います。



誰が、選んだかは昔の研究書とかを引っ張り出してくれば分かるかもしれませんが、生憎今はその暇がありませんので、多分という形で・・・

こういう推理小説(探偵小説)の分類やベスト10とかでいまでも知られているものは大抵、その昔、江戸川乱歩をはじめとする、作家や研究者が各々決めたものを持ちよったり、話し合ったりして決めていました。
中にはファン投票とか、有名な大学のミステリ研とかの決めたものとか色々あったかもしれません・・・現に嘗てはさういう書籍がよく出版されたりしてました。
他には研究者の中島河太郎あたりが決めたかもしれないですね・・・
そういう古典の研究書等をお読みになる事をお勧めします。

この回答への補足

気分害さないで聞いて下さい。

どうしてもモヤモヤっと気になったので、東京創元社にも問い合わせしてみました。

二重聞きみたいになり、申し訳ありません。悪いとは思いつつも是非、専門家の意見を聴いてみたくなったのです。結論から申して、はっきりわからない、という事でした。

ただ、おそらく乱歩が批評の中で誉めているので、なんとなくそうなったのだろうという憶測でした。

結果的にironman28様と同意見という事になりますネ。

補足日時:2006/12/12 20:32
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この回答へのお礼

回答有難うございます。

江戸川乱歩をはじめとする作家批評も眼を通してみます。

「幻影城」という専門批評雑誌もあったそうで、古典研究書もめくってみます。

お礼日時:2006/12/10 15:37

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