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上着がシングルなのにズボンがダブルって変なんでしょうか?

ズボンのダブルってどうゆう時に着用するんですか?

またズボンのダブルをシングルにすることは可能でしょうか?

A 回答 (2件)

 ニューヨークから失礼します。

今からお伝えすることは、世界標準というか、欧米における基本的な考え方でして、現在 これ以上の内容のものはありません。
 まず初めに、欧米にて”ズボン”の裾をシングル、ダブルと言っても通じません。日本のおじさんの中には、シングルの裾のことを”ストレート”などと”世迷言”を言う人もいますが、これも勿論日本語なので通じません。ヘタをするとバーに案内されて、生のままのウイスキーが出てくるかもしれませんよ。まあ、これは冗談ですが。(こちらでシングル、ダブルと言えば、バーボンを飲んだりする時に、お酒の量指一本分ワンフィンガーをシングル、二本分トゥーフィンガーズをダブルと言うのです。)
 正しくは、”ズボン”の裾のシングルのことはplain bottomsプレインボトムス、ダブルは、cuffed bottomsと言います。また英国ではturn up cuffsと少々気取って言うこともあります。
 19世紀後半までは、”ズボン”の裾を折り返す、つまりダブルにすることはありませんでした。つまり当時の”ズボン”は全て折り返しなし、シングルオンリーだったのです。また”ズボン”にプレスをかけて折り目をきちんと付けることさえもありませんでした。むしろプレスをすることなど野暮なことと考えられていたのです。
 ”ズボン”の裾をダブルにするようになったのは、20世紀に入ってから英国の王エドワード8世が皇太子の時代に、雨で裾が濡れるのを避けるために折り返した、という説があり、これは事実かどうか今ひとつはっきりしない部分がありますが、一応その際に撮られたという雨の中のプリンスエドワードの写真が残っています。
 男の服のルーツの多くは軍服です。その中でも特に式典用の服は現在でも最もフォーマル度が高いとされているものですが、こうした服の”ズボン”のサイドシーム(脇の縫い目)には、braidブレイドと呼ばれる布地のテープが縫いつけてあります。これは行進の際、足の動きが集団としてよりきれいに見えるようにという意図と、立ち姿で、足をより長く見せるという効果があり、またシングルの裾は、前よりもかかとの方を長く、つまり裾が後に向かって斜めにカットされているのです。これを英米では、ミリタリーカット(military cut)と言いますが、なぜか日本ではモーニングカットと称しています。もちろんジャパニーズイングリッシュでこれもこちらでは通じません。おそらくモーニングコートの裾が斜めにカットされているので、それから名を取って付けたものなのでしょう。
 以上のことから、シングルの裾は、よりドレッシーというか、フォーマル向きであるのに対して、ダブルの裾は、スポーティというか、より
日常着としてのニュアンスが強くなるものということが言えるのです。従って、同じスーツでもフォーマル専用に着用しようというのであれば、”ズボン”の裾はシングルでモーニングカットにするのがベターで正しいのです。日本人の中には黒の略礼服の”ズボン”の裾をダブルにするのが正解だと思っている方がたくさんおられますが、これは完全なる大間違いです。それから、タキシードにも式典用の軍服の名残で、フォーマルウエアとして、”ズボン”の脇の縫い目に沿ってブレイドが縫い付けられているので、裾は当然シングルモーニングカットにするわけなのです。無理にでもダブルを希望されるのならば、技術的には不可能というわけではないのですが、裾の真ん中が折り返されたブレイドの部分がもっこりとして、誰が見てもかっこうがいいとは言えないでしょう。
 これらシングルの裾に対して、ダブルの裾はより”日常”を表現したものなのです。毎日のように仕事で着るビジネススーツは、欧米においえは、フォーマルウエアとはカテゴライズされないのです。従ってダブルにするのが正解と言うか、欧米ではここ百年以上に渡ってトラディショナルなビジネススーツの”ズボン”の裾をダブルにすることは習慣(特に上流階級において)となっているのです。流行がどうのこうのという問題ではありません。 ダブルにすると、足が短く見えるなどという馬鹿なことを言う人がいますが、そんなことは決してありません。むしろその逆です。 裾をダブルとする分、裾がより重くなり、それによって”ズボン”の裾がよりきれいに落ちるので、ダブルの方がむしろ足が長く見えるのです。えてして日本人は土地が狭いせいなのか、洋服を着て鏡を見る際の距離が近すぎ、このような話をしても理解出来ない人が多いのですが、最低でも自分の姿を鏡から5メートル離れてみるようにしましょう。いったい何が一番大事かというと、自分の鏡に映った姿を、他人の目線で見るということなのです。そうでないと自分のシルエットを冷静に、客観的に観ることは出来ないのです。
 以上、裾をダブルにすることのメリットをまとめてみると、
(1)”ズボン”の裾が折り返しの分だけ重くなり、それによって、
”ズボン”の折り目などがきれいに出るようになり、結果よりきれいなシルエットが生まれる。特に今から夏ですから、生地が軽くなるので
折り返しによる、裾を重くする効果が感じられることでしょう。昔は
明治、大正生まれの洒落者の日本人の中には、”ズボン”の裾をあえてシングルとする場合、裾の内側に5円玉を縫いこんで裾を重くしていた人がいるくらいです。
(2)グッドイヤーウエルト製法など、欧米のトラディショナルなメイクの靴は、靴自体にボリュームがあり、”ズボン”をシングルの裾とするよりも、ダブルの裾とした方が、ズボンの裾と靴との見た目の、重量感のバランスが良い、というか、落ち着いて見える。これは感覚的なことなので人によって見方は異なるかもしれませんが。
(3)ダブルの裾からシングルの裾に直すことは簡単に出来るが、その逆は、生地の縫い代がなくなる関係で難しくなることが多い。
 だいたい以上ですが、何か補足事項、追加の質問等ありましたら遠慮なくお知らせください。私の場合、個人的な意見ではありますが、
フォーマルウエアとジーンズは全て折り返しなし、スーツの組下パンツは基本的に4センチメートルの折り返しながら、裾幅の広い1930年代調のパンツについては、4.5とか5センチメートルの折り返しとすることもあります。また、単品の”ズボン”については、よりスポーティなものという解釈から、通常は4.5センチメートルの折り返しとしています。いきなりこのような話を聞かされてもあまりピンとはこないかもしれませんが、まじめに服を勉強していれば、少しづつでも私のお話していることが理解出来るようになってくると思います。最後ですが、上着のシングル、ダブルと”ズボン”の裾のシングル、ダブルはまったく関連、関係はありません。ご自分の好みで仕上げて構いません。
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この回答へのお礼

ありがとうございます!参考になりました。

お礼日時:2007/04/27 05:22

>上着がシングルなのにズボンがダブルって変なんでしょうか?


普通ですよ。
上着とズボンのシングル/ダブルは関係ありません。
若い人はシングルの上着+ダブルのズボンという格好は良くあります。

>ズボンのダブルってどうゆう時に着用するんですか?
日常的に着用します。
普通のサラリーマンが仕事で着用することもよくあります。
ちょっとお洒落な感じがしますね(^^;
ただしダブルのズボンはカジュアルの色合いが強いため、フォーマルな席(冠婚葬祭や儀式)では着用しないのがマナーです。

>またズボンのダブルをシングルにすることは可能でしょうか?
可能ですよ。
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