先日患者の秘密を漏らしたとして精神科医が逮捕されました。
「僕はパパを殺すことに決めた」という本の著者の取材を受けた際 容疑者の少年のことを話してしまい それが本にそのまま載せられたからです。
私は ここでとても不公平な感じがするのです。
というのは 勿論医師は守秘義務がありますのでそれに違反したということで逮捕されても仕方がないのですが 著者の方は今のところお咎めなしのようです。
こういう場合 発表した側には何も落ち度はないのでしょうか。
今後もこの著者になんの処罰もなければ すごく不公平な気がしますが 法律的にはどう考えたらよろしいのでしょうか。
私は法律には暗い者です。私にもわかりやすく簡単に御説明いただけますとありがたいです。よろしくお願いいたします。
No.6ベストアンサー
- 回答日時:
>ここでとても不公平な感じがするのです。
一般論として、法律に不公平感を拭う力はないです。
法律は法律なりに「不公平を解消する」ことはできますけどね。
さて、
>法律的にはどう考えたらよろしいのでしょうか。
もしその本の作者が医師に秘密漏洩を促したのであれば、共犯か教唆犯を問われると思います。
刑法134条秘密漏示罪は、適用される職業が決まっています(業界用語で言う真正身分犯)
直接には医者が適用されるので、立件した、ということなのでしょう。
ただし、身分犯の共犯に関しては、必ずしも本罪に該当する人でなくても適用されますので(刑法65条)、
本の作者が罪を問われる可能性は残っています。
犯罪に該当し、刑事訴訟法の逮捕の要件を満たす以上、
法律的な見地からは、警察の対応は特に問題ないと思いますし、
告訴することも法的には問題にはならないでしょう。
「告訴するほどのことじゃないのでは」
「刑事立件するほどのことじゃないのでは」
「逮捕するほどのことじゃないのでは」
…いずれも法律とは別の観点での問題提起です。
なお、No.1さんの補足に書かれている
>私はただ「真実」を知りたいという一種の「大衆の好奇心」を利用した態のいい商売に思えてならないのですが・・・
は強く賛成します。そして、そういう連中の発表したものを「真実」だと思う人たちも後を絶たないことも…
なお、「法律は不完全だ」という回答もあるようですが、それ自体に反対はしませんが、
本来不完全でなく、自分が知らないだけなのにそう主張したり
守ろうと思えば守れるのに守る気がないだけのときの言い訳に使われることはあってはならないとも思います。
詳細なご説明をいただきまして ありがとうございました。
やはりこのカテで質問をして正解だったと思います。
>もしその本の作者が医師に秘密漏洩を促したのであれば、共犯か教唆犯を問われると思います。
今後の成り行きに注目したいと思っております。
罪にとわれる可能性があるかどうか がとても知りたかったのです。
警察にはしっかり捜査をして欲しいものです。
個人的には 「教唆犯」の可能性が高いような気がするのですが。
それにしても それとは別に彼の父親やその親族のことを考えると そういう類の本が公然と売られていることに やりきれなさがあります。
この国は一体「人権」というものをどう考えているのでしょうか。
>本来不完全でなく、自分が知らないだけなのにそう主張したり
守ろうと思えば守れるのに守る気がないだけのときの言い訳に使われることはあってはならないとも思います。
貴重な御意見ありがとうございます。そうですね。確かにそれはありますね。
色々教えていただきありがとうございました。
No.7
- 回答日時:
No.6です。
これも法的な回答を示しておきます。
>この国は一体「人権」というものをどう考えているのでしょうか。
気持ちは分かりますが、ここで人権を言い出すと、
表現の自由の1つである「出版の自由」もまた人権ですし、
人権の中でも根幹の1つをなす重要な人権とされています。
…特に日本はかつて出版統制をやって暗黒の時代をすごした苦い経験があるので、
特にデリケートになるのもやむを得ないです。
もちろん、表現の自由だから無制限に保障されるわけではありません。
ですが、これは人権どうし(表現の自由とプライバシー権ですね)の衝突の調整という問題ですので、
表現の自由が無制限に保障されるわけではないのと同様に
プライバシーの保護も無制限に保障されるわけではないことに留意が必要です。
日本で今回の場合にできる法的対処とすれば、
本に書かれた人が差止めを求めることだと思います。
絶対的な法的規制がかかる場合を除けば(それは上記の理由で難しいです)
被害を受けた人が声を出すしか止める方法はないと思います。
法的対処以外の方法としては、国民の側がノゾキ趣味をやめて、
他人のプライバシーに必要以上に興味を持たないようにすることでしょうね。
それによって、暴露本みたいなものは淘汰されていくでしょう。
再度のご回答ありがとうございます。
とても詳しく御説明下さいまして良くわかりました。
>特に日本はかつて出版統制をやって暗黒の時代をすごした苦い経験があるので、
そうですね。だから余計に神経質になると思いますし また モノを書く人もそれを都合よく利用しているような気が時折します。
>プライバシーの保護も無制限に保障されるわけではないことに留意が必要です。
「言論の自由」の裏側には「プライバシー侵害」が潜むことも確かですね。
>法的対処以外の方法としては、国民の側がノゾキ趣味をやめて、
他人のプライバシーに必要以上に興味を持たないようにすることでしょうね。
それによって、暴露本みたいなものは淘汰されていくでしょう。
これは全くその通りだと思います。が 人間の悲しい性というか「ゴシップ」好きな人はいっぱいいます。日本は全体的に高学歴社会ですので もう少しそういう観点からものを考えても良いと思うのですが 皆さん好きですねぇ。
ありがとうございました。
No.5
- 回答日時:
私も専門家では無く、報道等の知識しかないことをお断りしておきます。
概ね、#4のご回答で出てますが、少しだけ補足させて頂きます。
また、質問者のお礼で誤解されて受け取られている節もあるので、それも合わせて言及させて頂きます。
>秘密漏示罪には対象となる職業が定められており、医師は該当しますがジャーナリストや出版社は含まれていません。
上記ですが、確かに「秘密漏示罪」は医師や弁護士、公務員等が職業上知りえた秘密を漏示した場合に適用されるのですが、このような職業に該当しない人間でも積極的に働きかけたり、教唆した場合は「身分なき共犯」として罪に問われるそうです。
従い、今回のケースでも著者や出版社の社員についても捜査は進められているともことです。しかし、これらの人は、例の表現の自由とか知る権利とかを振りかざすので、慎重にやらざるを得ないと言うことでしょう。
>今度のケースで刑事責任を追及することには疑問があり、著者・出版社に対する損害賠償請求や、出版の差し止め請求などの民事訴訟で対応すべきだった
上記は、知る権利や報道の自由を振りかざす側に立った人の意見です。
即ち、今度のように情報源となった人が(医師)が刑事事件として逮捕されるようだと、今後、秘密漏示を躊躇うようになり、知る権利や報道の自由を阻害する。従い、民事訴訟が相応しいと言うものです。
これから先は、私の個人的な意見ですが、知る権利や報道の自由があったとしても、その名の下に何をしても良いと言うことにはならないと思います。
日本は、言うまでも無く法治国家な訳ですから、法を犯した者はジャーナリストであろうが厳然と罰して欲しいと願ってます。
もし、それが悪法と言うなら法改正を目指せば良いだけです。
補足のご回答ありがとうございました。
>このような職業に該当しない人間でも積極的に働きかけたり、教唆した場合は「身分なき共犯」として罪に問われるそうです。
そうなのですか。安心しました。今後の成り行きに注目したいと思っております。確かにジャーナリスト達は「例の表現の自由とか知る権利とかを振りかざ」しますね。それをするあまり「知らなくても良い」ことまで報道してみたり そうかと思うと「ホントはどうなの」と思えるような報道をしていることをしていることもあります。一言で「知る権利」といいましても 人によってそのレンジが様々で報道する側も難しいと思いますが ぜひとも「節度」を心得て欲しいものです。
肩を持つわけではありませんが私はBBCニュースが好きで 日本のニュースもまずそちらで読み外国人の目から見た日本 つまり 日本を外から見るようにしています。ニュースもBBCのワールド・ニュースをネットで殆ど毎日聞きます。面白いことに何か日本で起きたときの「速報」は日本のテレビより早く放送します。これはどういうことなのでしょうか・・・と時折思ってしまいます。調整をしない分早いのかしら といつも思っております。
>今度のように情報源となった人が(医師)が刑事事件として逮捕されるようだと、今後、秘密漏示を躊躇うようになり、知る権利や報道の自由を阻害する。従い、民事訴訟が相応しいと言うものです。
なるほど そういうことですか。それも一理あります。
それでも 私は今でも「出版差し止め」が最初することとしては「妥当」なのではないかと思っております。
最後の個人的な御意見 私も賛同するものです。
貴重なご回答ありがとうございました。
No.4
- 回答日時:
法律の専門家ではなく、報道と本質問を読んだだけの者です。
’著者の方は今のところお咎めなし’、確かに’今のところ’であって、なお捜査継続中のようです。捜査の進展次第で状況が変わる可能性があります。
’法律的にはどう考えるか’
報道に出てくる’法律の専門家’の言葉の引用ですが、「今度のケースで刑事責任を追及することには疑問があり、著者・出版社に対する損害賠償請求や、出版の差し止め請求などの民事訴訟で対応すべきだった」
しかし、容疑者の少年およびその父親は、おそらく刑法第134条の秘密漏示罪で、刑事告訴を行ってしまいました。
告訴を受けて捜査を行った検察が、現段階での判断という事で「秘密漏示罪に当る疑い有り」という事で医師を逮捕しました。
医師が秘密漏示罪で起訴されるか否か、起訴された場合の裁判の結果が有罪となるか無罪になるかは、今後の事ですので誰にも分りません。
他方、発表した側についてですが、秘密漏示罪には対象となる職業が定められており、医師は該当しますがジャーナリストや出版社は含まれていません。それが、現時点で’発表した側’に身柄拘束など何ら行われていない、という違いに現れているのでしょう。
先の’法律の専門家’の言葉を考えたら、医師よりも’発表した側’に、出版物の表現や内容について十分な検証と社会に対する説明を行う、刑事責任ではなく社会的責任があるように思えます。
ご回答ありがとうございました。
とてもよくわかるご説明でした。
そうですか。私はテレビを殆ど見ませんし また新聞も拾い読みするだけなので本当に無知でした。
>容疑者の少年およびその父親は、おそらく刑法第134条の秘密漏示罪で、刑事告訴を行ってしまいました。
根本はここですね。勿論これは当たり前のことでしょう。
>今度のケースで刑事責任を追及することには疑問があり、著者・出版社に対する損害賠償請求や、出版の差し止め請求などの民事訴訟で対応すべきだった
私もそう思っている者です。何故医師に突然いってしまったのかが 疑問だったのです。
ましてや
>秘密漏示罪には対象となる職業が定められており、医師は該当しますがジャーナリストや出版社は含まれていません。
ということでしたら その法律家の言う通りにしておけば 私も納得できたことと思います。
こういう場合は 「出版差し止め」が普通なのではないか というのが私の感覚です。
これでは 「本」の売り上げを伸ばすだけです。
貴重なご回答 とても参考になりました。
ありがとうございました。
No.3
- 回答日時:
>>私はただ「真実」を知りたいという一種の「大衆の好奇心」を利用した態のいい商売に思えてならないのですが・・・
もちろん、そういう見方もあると思います。
世の人は 我を何ともゆはば言へ
我がなすことは 我のみぞ知る 坂本竜馬
著者は、こう思っているのではないか?って思っています。
>>私達が「すべての真実」を知らなければならない理由があるのでしょうか。
この悲惨な事件がなぜ起こったのか?この家庭が特別に変わっていて、特殊な事情があっての犯行なのか、それとも、「どこにでもありそうな原因で発生したのか?」って気になりませんか?特殊事情があるなら、「まあ、そういう事情なら犯行を犯すかもね。でも、普通はそんなケースありえないよ」って思えるなら、いいのですが、「まあ、ここまではひどく無いけど、似たようなことはありそう」であれば、改善して悲惨な事件を防ぎたいと思うのではないでしょうか?
また、調書を読むと、「原因の99%は、父親にあって、母親は悪くない」と感じるのに、「母親もいろいろと悪い面があった」っていう報道がされているなら、母親側の遺族のためにも、正しい報道をする価値はあると思います。
もちろん、この件で議論するつもりはありませんが、もし議論するにしても、この手の問題は、事実に対する認識や価値観のすり合わせがないと難しいと思います。そこに相違があれば、「朝まで生TV」状態になる気がします。
なお、「精神科医だけが逮捕されて納得できない」というのは、法律を照らしてみて、そうするしかないのだと思います。
法律は元々、不完全な人間が作った、不完全なしろものです。さらに、ライブドアや村上ファンドをめぐる、いわゆる「国策捜査」は、法律上、大いに問題あっても「国民の期待にそって」強制捜査されます。法律を正しく適用することよりも、「スムーズに国を運営すること」が優先するわけです。そのためには、でっちあげや冤罪など、なんでも有りです。(まあ、大多数の国民のメリットになるなら、それも有りか、っていう気も少しはするのですが・・・)
この回答への補足
>この悲惨な事件がなぜ起こったのか?この家庭が特別に変わっていて、特殊な事情があっての犯行なのか、それとも、「どこにでもありそうな原因で発生したのか?」って気になりませんか?
私に限って言えば 気になりません。
その本を読みたいとも思いません。
本当の所はなんなのかは知りませんが 想像がつきますので。
彼は 賢いです。
精神鑑定 なんぞ必要なかった と思っています。
ご回答ありがとうございました。
私も議論をするつもりはありません。
ただただ不思議な展開になっているな と思っているだけです。
>「精神科医だけが逮捕されて納得できない」というのは、法律を照らしてみて、そうするしかないのだと思います。
色々考えてみたのですが そのようですね。
私としましては 出版差し止めをして欲しかったです。
そちらを最初にするべきだったと思います。
それが犯人のプライバシー保護にもつながると思うのですが。
医師の逮捕はそれからでも遅くなかったと思います。
ありがとうございました。
No.2
- 回答日時:
やはり「表現の自由」の問題でしょうね。
確かに、医師と共謀して守秘義務たる患者の秘密をもらしたということで、秘密漏洩の教唆あるいは共謀共同正犯という形にはなるのだろうと思いますが、かたや著者には「表現の自由」なるものがあり、これがためになかなか著者本人まで逮捕できないのではないでしょうか(著者を逮捕すると、マスコミは「表現の自由の侵害だ」と言って警察を非難するでしょうね)。ただ、医者は医者という身分もあり、積極的自ら秘密を漏洩したのだから、可罰性はあるということで、逮捕したのではないのでしょうか。もし、公判になれば、人権派の弁護士たちが有志を組んで、当該医師を弁護にかかるのかも知れません。ひょっとしたら最高裁まであがり、表現の自由をめぐって憲法判断をするのかも知れません。
ご回答ありがとうございました。
「表現の自由」は時として「両刃の剣」となります。
書きすぎたり報道しすぎたりすると時として摸倣犯が現れ「犯罪の連鎖」を引き起こすことがあります。
似たような事件がおきるのも わかるような気がするのですが。
勿論 報道したり書いたりすることを規制しろと言っている訳ではありません。ただ書き手側 報道する側が何処までそれをするかというきちんとした判断力を持っているのか と昨今同じような事件が続けておきると思ってしまいます。
そして 隠して欲しくないことを隠してみたり 本当に信じられません。
貴重な御意見どうもありがとうございました。
No.1
- 回答日時:
法律には疎いのですが、感じたことを。
最近よく思うのですが、「法律守っているからOK。」「彼は、守っていなかったからダメ!処罰すべきだ。」っていうのは、「マニュアルさえ守っていればOK」っていう、現実を見ない、思考停止ではないかと感じています。
たとえば、「障害者自立支援法」という法に従うことは、障害者の自己負担額増大を招き、弱者切捨てになっています。
私たちの暮らしを良くするために、法律があるのであり、法律を守ることが、多くの人にとって有害である場合、法律廃止や改定をすべきであると思っています。また、それが時間がかかるとか、難しい場合は、「法律無視」もしかたないと思います。なお、実際、恒常的に、会社においては「労働法無視」、道路交通法では「法廷速度無視」などが、極めて当たり前に行われています。(会社の労働法無視は、人々の暮らしを悪くしているわけですが・・・)
で、今回の件ですが、著者は、少年犯罪の原因を究明したいと、何冊も調査レポートを出されているようです。
私も、この本でとりあげた事件は、「なぜ父親のいないときに、自宅に放火したのか?1日でも延期して、ターゲットである父親を狙うべきではなかったのか?」って疑問に感じていました。
でも、この「僕はパパを殺すことに決めた」を読むことで、やっと少年の気持ちを理解することができました。もし、「守秘義務違反?」とか「法に触れるかも?」って恐れていたら、この事件の背景とか、放火殺人まで至った経緯は、知られることなく、闇に葬られていたでしょう。また、供述調書を掲載しなかったとすると、少年の振り絞るような肉声は読者に伝わらないと思えます。
「理解不能な少年犯罪を解明するため」という前には、「守秘義務違反」を破ることも必要と思います。
なお、著者の活動は、法的に問われていませんが、こうした取材活動が制限されるなら、私たちは「真実」を知ることができなくなる気がします。ただでさえ、マスコミは、政府や株主などのほうを見て、自主規制をやり「不都合な真実」は没にしているのですからね。
この回答への補足
「真実」ですか。
私はただ「真実」を知りたいという一種の「大衆の好奇心」を利用した態のいい商売に思えてならないのですが・・・
著者並びに出版社も処罰されてしかるべきで 精神科医だけが逮捕されるというのは どうにも納得がいきません。
加害者の父親であると同時に被害者の遺族である彼の父親は もう充分に苦しみを味わっているのです。
父親の承諾はとったのでしょうか。
父親のプライバシー侵害にも当たると思うのですが。
私達が「すべての真実」を知らなければならない理由があるのでしょうか。
>「理解不能な少年犯罪を解明するため」という前には、「守秘義務違反」を破ることも必要と思います。
そうでしょうか。
私はそうは思いません。
まあ 色々ご意見があってしかるべきですので そう思われる方もあるかもしれませんし だからこそ そういう類の本が大衆向けに出版され売れてしまうわけです。
ご回答どうもありがとうございました。
(もし 補足受信をしていらっしゃらないようでしたら 質問ページを開けて補足をお読みください。)
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