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先日高校で、数学の教師に確率論を習ったのですが、
その時余談で、「もし一億匹の猿が十秒くらいパソコンのキーボードを叩いて、
それが偶然シェイクスピアの詩の一節になる可能性は、0だ。何故なら、宇宙の寿命がたった250億年しかないからだ」と言われました。非常に興味深い話だったのですが、この後の説明を曖昧に聞いていて、どうしてそうなるか、分かりませんでした。理由を教えてもらえませんか?あと、この理論は有名な話なのですか?

A 回答 (4件)

物理屋の siegmund です.


Umada さんの詳細回答がありますので,蛇足みたいなものですが...

猿とシェークスピアの話は,Umada さんご指摘のように Kittel の有名な教科書
「Thermal Physics」(丸善から「熱物理学」として訳本が出ています)
の演習問題に載っています.
統計物理学の方面では結構有名な話です.
私はこのテキストを統計物理学の授業で使ったことがあります.
手元にありますので,ちょっと見てみました.

話の本質的内容は Umada さんのご回答の通りです.
Kittel の本では,
○ 10^(10) 匹(100億匹)のサル
○ 1秒間に10回キーを叩く,
○ 宇宙の年齢(10^(18) 秒)の間サルがタイプライターに向かう
○ タイプライターのキーは44個,
○ キーの上段下段の区別はしないことにする,
○ ハムレットの文字数は 10^5,
という設定で,サルがハムレットを打ち出せるかという話になっています.

a0123456789 さんのコメントもありますので,
ほんの一節の
To be or not to be: that is the question:
で考えてみましょう.
これは41文字です.
したがって,でたらめに打ってこれが打ち出せる確率は
(1/44)^(41) ≒ 4.2×10^(-67) くらいですから,
2.4×10^(67) 回程度トライすれば打ち出せるということになります.
宇宙の寿命の間にサルがキーを叩く回数は
10^(10)×10×10^(18)=10^(29)ですから
41文字のトライ回数は 2.4×10^(28) 程度.
つまり,上の一節ですら打ち出すことは事実上不可能です.

Kittel の本には,
「6匹のサルがタイプライターを何百万年も何百万年もでたらめに打っていたとすれば,
ついには大英博物館のすべての書物を書いてしまうことになるであろう」
(J. Jeans, Mysterious universe)
(この言葉はハックスレイに帰せられている)
という引用があり,
Kittel は「この表現は人を誤解させるナンセンスなものである」としています.
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この回答へのお礼

多数の回答感謝します。たしか、先生は詩の一節と言ってたんですが、
多分間違えたんでしょう。しかしそれすらできないというのは驚きました。
分子が全て同じ方向に直進したらどうなるかと、自分も昔考えた事がありますが、
宇宙の寿命を基準にする事で、それが起こりえないことがなんとなく分かった
気がします。yuseiさん、Umedaさん、a0123456789さん、siegmundさん、どうもありがとうございました。

お礼日時:2002/11/17 17:40

この理論については、私は知りませんが、No2(Umadaさん)の回答者の回答より、


あなたは先生の余談の一部を聞き間違えていませんか?

Umadaさん)の回答では、”偶然シェイクスピアの詩の一節になる可能性”では無く
元は”偶然シェイクスピアの詩になる可能性(文字数:10^5(10の5乗))”となっているみたいですが....

”シェイクスピアの詩の一節”であれば、文字数も多くて数十文字でしょうから、可能性は0ではないような気がします!
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有名と言えば有名です。

この話はもともと、Charles Kittelの「熱力学」という本の演習問題として出てくるものです。Kittelは物理学の入門書・教科書(といっても大学の専門レベルですが)を多く著しており、「熱力学」を読んだことのある人も少なくないはずです。

この問題の趣旨は「実質的に確率ゼロとはどういうことか」を理解させることにあります。
いま、ある容器(1リットルくらい)に気体を詰めたとします。気体の各分子はランダムに運動しているわけですが、ある瞬間に気体の全分子が容器の左側に寄ってしまう確率がどれくらいあるか、という話がKittel熱力学で出てきます。もちろんその確率はゼロではありませんが、無視できるほど小さいものです。
この「無視できるほど小さい」「実質的に確率ゼロ」を理解させるために、サル作のシェイクスピアを問題として取り上げているのです。

1億匹のサルがタイプライター*1に向かい、キーをランダムに選んで1秒間に10個叩くとします。
シェイクスピアの詩の文字数を10^5(10の5乗)とします。タイプライターのキーを44個とします。またシェイクスピアの詩において、アルファベットA-Z、スペース、記号などの出現確率を1/44で均等とします*2。
でたらめに10^5回タイプライターを打ってそれがシェイクスピアの詩になる確率は
(1/44)^(10^5)   (1)
です。
一方、1億匹のサルが1年間に打てるキーの数は
(10^10)×86400×10×365   (2)
です。
(1)を(2)で割ると、1年間でサル作シェイクスピアが完成する確率になります。これは10^(-164327)くらいです。
これの逆数が、サル作シェイクスピアが完成するまでに要する年数(の期待値)になります。これは10^(164327)年です。
宇宙の寿命は250億年、すなわち10^(12.4)年くらいですので、250億年の間サルが休みなくキーを打ったとしても、シェイクスピア完成の確率は10^(164315)分の1でしかありません。これがいかに小さい数字かはお分かりいただけると思います。従って「サル作シェイクスピアが完成する確率はまったくのゼロではないが、実質的にはゼロであり、「ゼロでないから無視できない」とするとらえ方は確率を過大に評価しており誤りである」という結論になります。

いま手許にKittel熱力学がないので、問題の細かい設定や途中の計算値を間違えている可能性がありますのでお許しください。ただし背景にある考え方と、結論の「実質的にゼロ」とは上記の通りで間違いありません。

なおNo.1の回答の参考ページで、DNAについて言及された第二段落以降はKittel熱力学には含まれていません。そのページの著者の方の文章です。

*1 Kittelの頃にはパソコンはありませんでしたので、元の問題ではタイプライターになっています。
*2 もちろん実際には、スペースやeは高い確率で現れますしxや;はあまり出ませんから、確率は均等ではありません。

下記のページも参考にしてみてください。
http://www.geocities.co.jp/Technopolis/9573/book …
http://www.granular.com/ISC-J/9506/keisan.html

参考URL:http://www.granular.com/ISC-J/9506/keisan.html, http://www.geocities.co.jp/Technopolis/9573/book …
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とても有名な話です。

こちらに詳しく載っています。

http://www.mentorg.co.jp/N-V/96_9/column.html

参考URL:http://www.mentorg.co.jp/N-V/96_9/column.html
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