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ニュートンの運動方程式がなぜ2階微分方程式の形になるのか疑問に思っています。wikiboooksの古典力学の項には「数学的には、の三階以上の時間微分を含む方程式を考える事もできるが、ニュートンの決定性原理により古典力学の記述にはそのような高階の微分が不要であることが分かっているのである。」「多くの力学に関する実験結果によれば、ある時点で観測対象としている全ての質点の位置と速度が分かっていればその後、質点がどのような運動をするのか?ということが決まってしまう。この事実はニュートンの決定性原理と呼ばれる。」とありますが、この原理の根拠となっている”実験”に関して、(当時の)人々には三階微分の必要性を見出すほどの精密な実験ができなかったからという気がしてなりません。加速度などの初期条件の違いが運動に反映されないなんてあまり納得できません。(確かに日常的な運動を記述する際は問題ないのかもしれませんが)より正確な三階微分以上の方程式を用いた記述はなされないのでしょうか?

A 回答 (3件)

ニュートンの第1法則がその理由かと思います。

力が外部から働かない限り、物体の運動は変化しない、という設定はかなり深いものがある。運動をどのように記述するかを考えた際、現在「慣性の法則」と呼ばれている法則を法則としている理由を考える必要があろうかと思います。

われわれの世界には既に「宇宙」としての他の物質の存在があるわけですが、いま「この宇宙にただ1つの物体がある方向に一定速度で飛んでいる」ことを想像してみます。「宇宙」に特別な構造がなければ、この物体の運動はだぶんその運動を続けると考える。「宇宙」にはなんらかの構造があるでしょうが、その1つの物体の「近く」に特別影響を与えるものがない限りにおいてたぶん正しい。

そういう仮定のもとで、運動量を変化させる「原因」というものを「力」と考えて、ニュートンはあの運動方程式を第2法則として置いたわけです。だから、運動方程式は「第2」で慣性の法則が「第1」なのでしょう。

運動方程式は
(運動量の時間的変化量)=(その物体に働く力)
というかたちをしています。左辺の(運動量の時間的変化量)のなかには位置の時間微分は二階までで普通「質量」x「加速度」のかたちになっていますが、右辺の「力」はどんな時間の関数でもいいわけです。時には、速度に関係した力もあるわけです。

ニュートンの運動方程式の「すごい」ところは、(運動量の時間的変化量)の「原因」を「力」という概念に置いたところだと思います。

それは「三階微分の必要性を見出すほどの精密な実験ができなかったから」ではなくて、「運動(量)の変化」を考えるのにそれで「十分だった」からだと思います。

「加速度などの初期条件の違いが運動に反映されないなんてあまり納得できません。」については、「加速度の初期条件」は運動方程式の右辺の「力」に含まれています。

第1回答者さんも書かれているように、ゴールドスタインの古典力学はいい本です。第1章には「逆向き」ですがニュートンの運動方程式から、より一般的なラグランジュの運動方程式を導いています。また、ランダウの「力学」では、彼の天才的考察から、ラグランジュの運動方程式(あるいは、最小作用の原理)を通して、ニュートンの運動方程式を導いています。

これらのことは、ニュートンの運動方程式の左辺に「三階微分」が現れていないことの説明になっていると思われます。

高校などでは、天下り的にニュートンの運動方程式を押し付けられていますが、かなりニュートンも悩んで運動方程式を作ったのだと思います。あなたのようにニュートンの運動方程式の成り立ちに疑問をもって勉強されているのは感心なことです。しっかり勉強して立派な物理学者になってください。
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>(確かに日常的な運動を記述する際は問題ないのかもしれませんが)


>より正確な三階微分以上の方程式を用いた記述はなされないのでしょうか?

輻射まで考えると、三階微分が輻射の反作用として力の項に入ってきます。


例えば、帯電している物体が加速度運動すると電磁波が輻射されます。
電磁波が物体の運動エネルギーを持ち去りますので、
物体は物体の運動を抑制方向に力(つまり輻射の反作用)を受けます。

「理論電磁気学」第3版 砂川重信 著 紀伊國屋書店刊
http://www.amazon.co.jp/dp/4314008547/
第9章 第5節 電磁波の放射の反作用
p301 (5.6)式に三階微分を含む運動方程式が書かれています。

「ジャクソン電磁気学〈下〉 (物理学叢書)」原書第3版 吉岡書店 刊
J.D. ジャクソン (著), John David Jackson (原著), 西田 稔 (翻訳)
http://www.amazon.co.jp/dp/4842703083/
16.2 エネルギー保存則から求められる放射の反作用の力
p.1080 (16.9)式に三階微分を含む運動方程式が書かれています。


また、一般相対性理論の範囲で考えれば、
帯電していなくても、質量のある物体が加速度運動すると重力波が輻射されます。
電磁波を輻射するときと同じように、重力波がエネルギーを持ち去りますので、
物体は物体の運動を抑制方向に力(つまり重力波を輻射することによる反作用)
を受けます。

「Progress of Theoretical Physics Supplement No. 127 」
http://www2.yukawa.kyoto-u.ac.jp/~ptpwww/supple/ …
「一般相対論の予言する重力波の存否に関しては、
 間接的に連星パルサー PSR1913+16 の電波観測に
 よって確認されている (1993年度ノーベル物理学賞)。」

連星パルサー PRS J0437-4715の軌道決定
http://www.aa.alpha-net.ne.jp/t2366/%E9%80%A3%E6 …
「(3)重力波放射による軌道長半径の永年減少」

日経サイエンス 2001年4月号
特集:宇宙論の新展開 宇宙論検証のカギ握る重力波観測
http://www.nikkei-science.com/page/magazine/0104 …
「これまで重力波は直接検出されたことがないが,中性子星や
 ブラックホールなど極端に重い天体からなる連星が,
 重力波を出して徐々に連星間の距離が縮まっていく様子が,
 天体観測から確認されている。」

「一般相対性理論」共立出版 刊
Torsten Flie〓bach(著),杉原亮(翻訳),庄司多津男(翻訳),南部保貞(翻訳)
http://www.amazon.co.jp/dp/4320034422/
p.242 連星系 
(連星が重力波を輻射することによって、単位時間あたりに
 どれだけのエネルギーを失うかについての計算があります。)
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まず、ウィキブックは”絶対に”信用してはいけません。


信頼できる情報源として、参考書籍が全く挙げられていないからです。
見たとしても遊びで見る程度で・・・。

それでも、書いてある内容がきになるなら、
図書館などで参考書を読んでみてください。

詳しい参考書としては、
ゴールドスタインの古典力学がお勧めです。
興味があれば読んでみてください。
ランダウ=リフシッツや、ファイマンと違って、
頭を悩ますほど難しくは無いと思います。
物理と数学(大学の2回生程度)を理解していれば読めると思います。

また、
現在でもニュートンのプリンキピア(自然哲学の数学的原理)が出版されて図書館とかには絶対置いてありますので、本質部分がきになるのであれば、ぜひ読んでみてください。



>ニュートンの運動方程式がなぜ2階微分方程式の形になるのか疑問に思っています。
古典力学では、それで事足りるので、そうなっているだけです。

>正確な三階微分以上の方程式を用いた記述はなされないのでしょうか?
簡単に言えば、古典力学の範疇では必要ない、と言う事です。

>(確かに日常的な運動を記述する際は問題ないのかもしれませんが)
おおよそ、これが古典力学の範疇です。
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