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IFRSの基本的(初心者)の質問です。

IFRSのコンバージェンスとアドプッションとは何でしょうか?

ポイントを教えてください。

A 回答 (1件)

コンバージェンスとアドプッションについては、


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コンバージェンスとは
コンバージェンスとは本来「収束」「収斂」といった意味の言葉です。会計についてはIFRSを採用するのではなく、自国基準をIFRSに歩み寄らせることをさし、コンバージェンスを実施している国はルール主義の会計基準を採用する米国と日本です。

[ アメリカのコンバージェンス ]
米国は第二次世界大戦から20世紀後半まで、世界中で最も多くの資金を集めて配分し、最も利用され信頼される会計基準を作り上げていました。しかし、エンロン事件によってその信頼はくずれ、対策としての厳格なSOX法は企業の法令順守費用を増大させました。また、原則主義のIFRSを採用するEU・豪州や新興国の市場規模拡大の波も無視できなくなり、中長期的に米国会計基準(USGAAP)とIFRSの相違を少なくし、両者歩み寄りのコンバージェンスを行うノーウォーク合意が2002年9月になされ、それに基づいて同年10月に覚書MOU(Memorandum of Understanding)が交わされました。内容は、両審議会が国際市場で両立する会計基準の開発に向けて最善の努力をすることと、一度両立したらそれを維持するための調整に最善の努力をすることです。これ以降両者の差異解消と今後の会計基準の開発についての共同プロジェクトが続けられています。2006年2月には02年のノーウォーク合意の内容を再確認するMOUが交わされました。ここで、IFRSに基づく財務諸表をSECに提出する会社に要求される米国基準への調整方式を排除してゆくことを確認しています。この方向によって、IFRSへ変換なしでの米基準及びカナダ基準と日本基準の財務諸表をEU域内で認める期間が08年末まで延長されたと言われています。そして、07年11月に米証券取引委員会は、米国で上場する外国企業に対し、国際会計基準IFRSに沿った決算書など財務諸表の提出を認めることを正式に決定しました。企業は米欧間の基準の違いに対応する手間がなくなり、上場に伴う負担を減らせるようになりました。ここにきてアメリカはコンバージェンスからアドプションへと対応が大きく変化したといえます。

[ 日本のコンバージェンス ]
05年3月、日本においても、企業会計基準委員会(ASBJ)とIASBの間で、両者会計基準の差異縮小のための共同プロジェクトの第1回会議で第1フェーズの公表がなされています。後の06年の第3回会議では、取り掛かりやすいものから逐次取り上げる「フェーズドアプローチ」から、差異のあるすべての会計基準について取り組みを明示する「全体像アプローチ」へ、プロジェクトの進行方法が移行しました。プロジェクトでは、草案作成、公表、コメント募集、修正を経て基準書は作成され、膨大な作業と時間を要します。現在では改善されてきているとはいえ、日本のコンバージェンスはスピード感があるとは決して言えない状況です。ここでIASBとASBJは07年8月に、06年10月に公表された「プロジェクト計画表」の中にある短期コンバージェンス・プロジェクトを08年までに完了することと、他の差異については11年6月末までのコンバージェンス完了を目指すことで合意しました。これを東京合意といい、作業が始まっていましたが、07年11月にSECが米国外の企業に対して国際基準での決算書作成を容認することを決定して以来、日本の対応もアメリカ同様にコンバージェンスからアドプションに傾きかけています。


アドプションとは
アドプションとは「採用」「導入」といった意味の言葉です。会計についてはコンバージェンスでニ国の会計基準の差異を解消するのではなく、米国や日本が自国の基準を捨てて国際会計基準(IFRS)を自国の会計基準として導入するということを意味します。特に近年の、エンロン事件により米国監査法人の政治力が弱まり、一方でEUを始め中国など新興国、カナダ、オーストラリアなど世界中100カ国以上がIFRSを導入する流れの中で、米国や日本の対応はコンバージェンスからアドプションに変わってきています。

[ アメリカのアドプション ]
02年のノーウォーク合意以来、FASBとIASBは共同プロジェクトによるコンバージェンスを続けてきたが、07年11月に米証券取引委員会(SEC)は、外国登録企業に義務付けていたIFRSと米国基準(USGAAP)との差異の調整表作成義務を終了すると発表し、流れはアドプションへと変わっています。IASBにより発行されたIFRSsを適用した会社は米国基準への調整なしに報告できるようになったのです。そして、08年8月には米国の上場企業にもIFRSの採用を認め、発行済み株式の時価総額に応じて14年に大企業、15年に中規模の企業、16年に小企業と、順次導入を終える計画です。また、11年には採用を義務化するかどうかの最終判断をするとしています。今後はFASBがIASBに参加し、IFRSに対して米国の利益を代弁してゆくと考えられます。
米国ではここ数年、海外企業による米国内での資金調達が減少し、米国企業によるM&Aシェアも低下基調でした。多国籍企業において米国企業と外国企業が統合したとき、それぞれの会計基準が異なることは経営判断やシステム運営の上でマイナス要因となっていた。SECや共和党の有識者には国際金融センターとしての米資本市場の競争力低下を懸念する声があり、国際的なM&Aや資金調達を商売にする米ウォール街は米国会計基準を捨てることを望んでいたといえます。

[ 日本のアドプション ]
05年から企業会計基準委員会ASBJとIASBによってコンバージェンスの共同プロジェクトが行われていました。しかし、08年米国が国際会計基準を自国企業に採用する方針を表明して以来、経済界、会計士業界の声もあり、日本でもコンバージェンスではなく、アドプションの検討が本格的に始まりました。のれんの償却などの日本独自の基準の修正が検討されています。
一方で、ASBJの継続的なコンバージェンスの努力により、欧州委員会は08年に日本基準は国際基準と同等という評価を下しました。すなわち09年以降11年末まで、日本基準の連結財務諸表をそのままEU域内で使用することが認められたのです。これにより、IFRS使用を強制される2009年問題は解消されましたが、やはりアドプションを必要とする声は依然としてあります。そこで09年1月、金融庁は09年度から希望する企業にIFRSの適用を認める方針を固めました。また、上場企業に義務づけるかどうかは12年をメドに最終判断するとしています。今後はIASBでの日本の発言力を高め、IFRS作成への影響力を拡大させることが必要であると考えられています。
http://www.kotora.jp/accounting/ より引用しています
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この回答へのお礼

ありがとうございます。参考になりました。

お礼日時:2009/10/07 00:34

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