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全面的な電子書籍時代になったら、どういった「デジタル公共図書館」ができるのでしょうか?

英語が得意なわけではないですが、最近、kindleを買いまして持ち歩いております。それで、考えてしまったわけですが、kindleや、ipadなどで読むような「本」の在りようが一般的になってきたときに、「図書館」という機関のありようは一体どうなってしまうのだろうか、ということが、質問の趣旨です。より、詳細な問題意識を下記に書いておきます。

1.紙の時代の図書館
 現状だと、図書館という機関は、「紙」という物質の性格上、多数の人間に同時に一冊の本を貸すことができないため、二週間の貸し出し期限などをつけるということで運営しています。この「貸し出し期限」という方式は、物理的な制約からくるものではありますが、「本を買う」ことと「本を借りる」ことの間に差をもうけ、本の内容を全ての閲覧者が完全に無制限に利用できる状況ではなくしています。これは、Youtubeや、Winnyで問題になっているような「コンテンツ利用のフリーライド(ただ乗り)」をある程度は防いでいるわけです。また、図書館で資料をコピーする際にも本の半分までしかコピーが許されないなど、といった形で図書館におけるコンテンツ利用は、フリーライドを防ぐような配慮が施されています。

 さて、これが「紙の本」の時代の図書館の在り方だったわけです。

2.電子書籍時代の図書館?

 しかし、電子書籍時代における「図書館」は一体どうなるのか?電子書籍においては、「紙の本」がもっているような物理的制約がいくつかなくなるわけです。特に、「一冊の本を交代に見る」というようなことが必要がなくなります。資源の希少性の問題がほとんどなくなる(ゼロとは申しません)わけです。こうなったときに、まず第一に、本の「貸し出し期限」という制度の正当性を、資源の希少性を理由にすることができなくなります。著者や出版社の問題を考えずに、「読者の利益」の問題だけを考えてみれば、貸し出し期限などという制度は、なくなったほうがいいのではないか?という議論さえありうるはずです。実際、著者の利益が考慮されなくてもよいことになっているアリストテレスの本や、青空文庫などの取り組みでは、貸出期限などはなく、タダで配布されているわけです。青空文庫などは「著作権保護期間切れ」なわけですが、「著作権保護期間」だけではなく、読者の利益が強く問題になるケースもあると思います。たとえば文科省が認定して発行している学校教育の教科書などは、著者や出版社が利益を獲得することよりも、利用者の利益が第一に考えられる領域のコンテンツだと思います。こうしたタイプのコンテンツは、すでにインターネット上でftext(http://www.ftext.org/)など無料配布されているコンテンツがありますが、これら以外にも、いくつかの領域で、「貸出期限」などのない本が出てくるのだろうか?だとすれば、それは教科書や、著作権保護期間切れのような本の他にはどういったものがあるのだろうか?と。
 そもそも「貸し出し期限」のような制度はそのまま電子書籍の公共図書館でもほぼ同じような形で維持されるのか?(もし、貸し出し期限がなくなるとすれば、ものすごいことです…。「DRM」とかはほんとにいらないのか?)

 また、「デジタル公共図書館」が、できるのであれば、それは紙の物理的な制約だけでなく、地理的な制約の問題というのも、おそらく解決するわけです。そうなってくると、影響を受けるのは、おそらくは地方の品揃えがそれほどよくない(けれども、地域の希少本などを保持している)10万冊や20万冊程度の品揃えしかないタイプの図書館の公的な存在意義です。存在意義がない、とは思いませんが、事業仕分けなどで厳しい議論のなされている昨今、「予算の効率的な使い方」みたいな議論の遡上にのせられてしまうと、多数の地方図書館が淘汰されてしまうような気がします。予算が削られたり、地方図書館の希少本が国会図書館などに一極化されたり、紙の本に慣れ親しんだ年寄りの多い地域の地方図書館だけが残されるなどといったことも起きてきそうです。
 そうした、デジタル公共図書館が勃興したとき、図書館の本へのアクセシビリティの在るべき形とは何か、ということでややこしい議論が起こりそうですが、いろいろ大変そうだな、と。

 ……というわけで、「デジタル公共図書館」の在り方の大胆予測みたいな、回答をいただければと思っております。よろしくお願いいたします。




*二年ほどまえに
「なぜ図書館というものは存在するのでしょうか。」という質問をさせていただきました。
http://oshiete.goo.ne.jp/qa/3733789.h

A 回答 (3件)

まず、デジタル図書館は無料配信と意味的には同じです。


商業的な問題があるコンテンツは何かしらの技術で期間やページ数を決めるでしょう。

それ以外は、特に今のネット環境と特に変わりません。
そもそも今のブラウジングの基礎のHTMLも資料とその参考文献へのリンクを付けるためのものだった気がします。

そうなると、デジタルの図書館は検索エンジン以外の何者でも無い気がします。
そこで図書館の意義を付けるとしたら、単純な検索ではできないようなコンサルティングなどが必要かも知れません。

要するに、人の部分以外は図書館の意味が無くなってしまうのです。
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この回答へのお礼

>商業的な問題があるコンテンツは何かしらの技術で期間やページ数を決めるでしょう。

A.期間制限付のDRMがかかるのか、
B.ページ制限を付けた限定配信になるのか、でだいぶ話は変わりそうですよね。

 今のところamazon kindle ストアは、ほぼ後者のような図書館に近い形を実現してしまってますが(最初の一章分相当を、無料で読める)
 図書館が同じことをやると、それは単に拡大版kindleみたいなものとほぼ一緒になってしまうので、差別化がかなり難しくなってくるため、結局「情報と公共性」の関係について、改めて、根源的なところを考えざるをえない、ということになるんだと思うんですよね。そこについてどなたかから、ご意見いただけると面白い話になるんだけどな、と思っているのですが。

>ブラウジングの基礎のHTMLも資料とその参考文献へのリンクを付けるためのものだった気がします。

そもそもというと、ザナドゥ計画とかですね。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B6%E3%83%8A% …

>単純な検索ではできないようなコンサルティングなどが必要かも知れません。
>要するに、人の部分以外は図書館の意味が無くなってしまうのです。

それは、けっこうすばらしい未来かもしれませんね。今の図書館の人件費は、一部の人を除き、かなり事務作業にとられているように思いますが、図書館学芸員が情報検索のプロフェッショナルとなる、という未来ですよね。いってみれば、教えてgoo!とか、人力検索はてなとかみたいな役割を図書館学芸員が果たす、ということですね。あるいは、教えてgoo!こそが未来の公共図書館の原初形態である!とw

そういう部分の労働にこそ、きちんとお金を払われる世界には住んでみたいです。

お礼日時:2010/11/01 18:45

 んー、地域限定のもの(郷土史とか)はあらかじめ自宅PCで予約して


地元コンビニの端末からメモリースティックにDLとか・・・

やや、電子化した時点で「地域限定」の意味は無くなりますか(汗)
映像コンテンツなら、コンビニ配信てアナログな手間も有りかも
しれませんが(´_`;
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この回答へのお礼

あー、なるほど。コンビニが、そこらへんの公共サービスになんらかの役割を果たすっていうのは、なんか、ありえそうなシナリオですね。

今も、セブンイレブンを介した物流とかありますしね。
Xeroxのコピーサービスとかもそうですし、そもそも公共料金の支払いとかもコンビニとかで出来ますしね。コンビニが何かしらの形でのそういうデバイスとして機能するというのはなくはなさそうです。

お礼日時:2010/11/01 18:28

近未来



本棚に、タイトル別貸し出し権利証つけた本形カードを、つっこんである。

さらに未来

パソコンやipadのような、読み取り用ハードに制約されず、一冊ずつ軽快に起動する専用ハード(太陽(電池燃料電池が組み込まれて、半永久的に使用可能)が組み込まれ、電源OFF時も、普通の本のように
めくって、読める真の電子書籍誕生。

しかし、貸し出し期限の延長届け出ないと、「期限切れです。返却してください」と日に何回もしゃべったり、勝手に、図書館まで飛んで帰ったりするようになるかも\(^^;)...


zzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzz
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この回答へのお礼

>タイトル別貸し出し権利証つけた本形カード

なるほど。一見、むだなアナログ仕様にも感じますが、ご老人などは逆にこういったハードがあったほうが使いやすいかもしれませんね。感覚的に。

>パソコンやipadのような、読み取り用ハードに制約されず、一冊ずつ軽快に起動する専用ハード

なるほど。デジュールか、デファクトかはわかりませんが、いずれにせよ何らかの一つの形式が標準をとってしまった後は長年やぶられない、という感じですかね。それが図書館と接続される。

お礼日時:2010/11/01 18:24

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