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不動産登記法の独学者です。

「5番抵当権と6番抵当権との間で順位譲渡がされた後、
5番抵当権を抹消する場合は、
6番抵当権者は利害関係人に該当する。
5番抵当権と6番抵当権との間に国税債権が存在するときは、
順位譲渡をした先順位抵当権の抹消により、
6番抵当権はその順位譲渡の利益を失う結果として、
国税債権に劣後することになるからである」

と問題集にあるのですが、
いきなり国税債権?といわれてもさっぱりわかりません。
登記には、特段差押えとかが入っているわけでもなく、
どういうことなのか…。

おわかりの方、教えていただけないでしょうか。

A 回答 (4件)

>しかしそれなら、抵当権をはじめとするあらゆる利害関係人の承諾を要する登記などに関して、すべてこの国税債権の存在を疑わなければならないのではないでしょうか?



 国税債権が存在しようが、存在しまいが、不利益を受ける可能性がないのであれば、国税債権の存在を考慮する必要はありません。ですから、あらゆる登記について、国税債権の存在を疑わなければならないと言うことにはなりません。

1.1番抵当権設定(500万円)、2.国税債権(300万円)の法定納期限等の到来、3.2番抵当権設定(600万円)という時系列の事例で、競売による買受代金が700万円だったとします。
 その場合、1番抵当権500万円、国税債権200万円、2番抵当権0円という配当になりますね。(教室事例なので、例えば、競売費用は考慮する必要はありません。)
 それでは、1番抵当権の順位を2番抵当権に譲渡していた場合、それぞれの配当はどうなりますか。1番抵当権0円、国税債権200万円、2番抵当権500万円です。ところが、順位の譲渡後に1番抵当権が消滅した場合、国税債権300万円、2番抵当権400万円になりますから、1番抵当権の有無は、2番抵当権者への配当に影響を与えます。
 順位の譲渡ではなく、「変更後の順位 第一 2番抵当権、第二 2番抵当権」とする順位変更がなされた場合はどうでしょうか。
 仮に国税債権が存在しなければ、1番抵当権100万円、2番抵当権600万円になりますね。しかし、2番抵当権は国税債権の法定納期限後に設定登記がされていますから、結局、1番抵当権100万円、国税債権300万円、2番抵当権300万円になります。
 それでは、順位変更後に、1番抵当権が消滅した場合、2番抵当権の配当はどうなりますか。答えは、国税債権300万円、2番抵当権400万円です。
 ですから、順位変更がなされた場合は、1番抵当権の抹消登記につき、2番抵当権者は登記上の利害関係人にはなりません。
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 まず、国税債権と担保権の被担保債権の優劣についての知識がないと理解できないと思いますので、次の事例で考えてみます。


 「平成22年4月1日、AがBのためにA所有の甲土地に抵当権を設定して、同日、その旨の登記がなされた。ところが、Aは平成21年度の所得税を滞納したので、平成22年6月1日、X税務署は甲土地につき滞納処分による差押えをした。」

 甲土地につき公売又は担保不動産の競売がなさた場合、X税務署の差押登記の「前」にBの抵当権設定登記がなされていますが、平成21年度の所得税の法定納期限(平成22年3月15日)の「後」なので、Bの被担保債権より国の租税債権が優先します。
 
 以上のことから、仮に問題文の5番抵当権(の設定登記)が、国税債権の法定納期限等より以前になされたものであれば、5番抵当権の被担保債権は、国税債権に優先します。ただ、問題文にはそのような事実関係は書かれていないでしょうから、解答をする上で判断に困るかもません。しかし、「登記上の利害関係人」に該当するか否かは、登記簿上、形式的に判断するということを忘れてはなりません。
 登記官には形式的審査権しかありませんから、実際のところ、「5番抵当権(の設定登記)が、国税債権の法定納期限より以前になされた」かどうかは登記官には判断できません。しかし、そのような可能性がある以上は、5番抵当権者から順位の譲渡を受けた6番抵当権者は、5番抵当権の抹消登記につき「登記上の利害関係人」に該当すると形式的に判断することになります。

国税徴収法

(法定納期限等以前に設定された抵当権の優先)
第十六条  納税者が国税の法定納期限等以前にその財産上に抵当権を設定しているときは、その国税は、その換価代金につき、その抵当権により担保される債権に次いで徴収する。
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この回答へのお礼

> 登記官には形式的審査権しかありませんから、
実際のところ、「5番抵当権(の設定登記)が、
国税債権の法定納期限より以前になされた」かどうかは
登記官には判断できません。

なるほど、問題に記載があってもなくても、
そこから読み取れる情報のみで判断するということなんですね。

しかしそれなら、抵当権をはじめとする
あらゆる利害関係人の承諾を要する登記などに関して、
すべてこの国税債権の存在を疑わなければならないのではないでしょうか?

問題集を読んでいて、この「国税債権」は、本当に初めて
出てきた言葉なんです。
この「抵当権の順位の譲渡」が行われている抵当権の抹消について、
なぜいきなり国税債権が出てきたのか、どうも納得がいかないのです。

長文で詳細に説明してくださったのにすみません。
できましたらもう少し、教えていただけないでしょうか。

お礼日時:2011/01/23 19:45

国税債権とは要は税金のことで、「国税優先の原則」というものがあり、具体的には国税徴収法によって、他の債権よりも優遇/優先措置がとられています。



具体的に言えば、例えば国税債権は差押さえ等一切無いにもかかわらず、法定納期限が、抵当権の設定日よりも早ければ、その抵当権よりも優先します。厄介なことに、登記簿上は誰にもその国税債権の存在はわかりません。

そのために、
「5番抵当権と6番抵当権との間で順位譲渡がされた後、
5番抵当権を抹消する場合は、
6番抵当権者は利害関係人に該当する。」
というのは、国税優先の原則がなければ、
5番抵当権と6番抵当権との間で順位譲渡された後、5番抵当権を抹消する場合は、
6番抵当権者は利害関係人にならないというのはわかりますよね?
登記簿上は6番抵当権者は不利にならないからです。

しかし、国税債権という「登記簿上は見えない債権」というものが存在する可能性があるために、5番抵当権と6番抵当権との間で順位譲渡(この場合6番抵当権者は5番抵当権者の順位を手に入れ、5番と6番の間にある、登記簿上見えない債権に優先する可能性がある)された後、5番抵当権を抹消すると、6番抵当権者は元の順位に戻り、登記簿上見えない債権に今度は劣後する可能性がある。そのために利害関係に当たるということです。
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この回答へのお礼

> 厄介なことに、登記簿上は誰にもその国税債権の存在はわかりません。

そうなんですか! そんなものがあるとは…。
初心者向けに言葉を砕いて説明してくださって、
本当にありがとうございます。
でも、その「国税債権の存在する可能性」が、
なぜここで問題になるのかが分からないのですが…。
「順位譲渡が行われている場合」に、
疑うべき債権なのでしょうか。
どうにも、いまだに唐突感が否めないのです。

お礼日時:2011/01/23 19:38

国税債権と抵当権の優劣は、 国税債権は納付期限


              抵当権は登記申請日を基準とします。

この回答への補足

納付期限…ですか?
日曜日なのにさっそくの回答ありがとうございます。
でも私の言葉が足りなかったかもしれません。

もう少し問題集から抜き出しますと、
問題の5番抵当権はH16年10月設定、
 翌11月に6番抵当権設定、
 同11月に6番抵当権に順位譲渡。
そしてH18年3月に差押えの登記がありました。

全然関係ないだろうと思っていたのですが…、
この差押えが関わってくるのですか?
納付期限などの記載はないのですが。
もう少し詳しく教えていただけないでしょうか。

補足日時:2011/01/23 15:08
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