昨年夏からクワガタ飼育を始めた初心者です。現在スマトラ、ダイオウ、パラワンヒラタ、ギラファ、アンタエウス、国産オオクワ等の幼虫を30頭程菌糸ビンに入れて飼育しています。2令初期の物から3令で結構大きくなった物もいます。まだ蛹までなった物はいないのですが、楽しみで毎日ビンを手にとって眺めています。そこで心配になってきたのですが、本などを読んでいると、前蛹になったら絶対に動かさないように!と書かれています。前蛹になった事はどうやって判別するのでしょうか?まっすぐになるらしいですが、ちゃんと判るものでしょうか?
それと通年22~24度をキープしていますが、この調子ですと、ほとんど成虫にまで育つものなんでしょうか?経験・知識豊富な方、教えてください。
No.1ベストアンサー
- 回答日時:
昆虫繁殖経験40年以上、常時20種200~300頭を飼育しており、現在も、おたずねのクワガタのすべての種類の幼虫、あるいは成虫を飼育しています。
>前蛹になった事はどうやって判別するのでしょうか?
スマトラ、ダイオウ、パラワンヒラタ、ギラファは、たいていの場合、菌糸ビンの底近くの内壁にそって「蛹室(ようしつ)」を作るので、その内部は外からハッキリ見えますので心配はありません。蛹室を作り、動きが鈍くなった幼虫が、体内のものを排出して、体がしわしわになります。
やがてあおむきになり、ほとんど動かなくなり体が縮まり真っ直ぐに寝そべります。これがいわゆる前蛹です。
http://www.e-kuwa.com/09shiiku_kuwa/images/16-5- …
この状態になると決して動かしてはいけません。外観はじっとしているように見えますが、体のなかでは大きな変化が起こっています。
2週間程度は外観的には変化がありませんが、3週目あたりから観察していると、この寝そべった前蛹が体育会系の部員がやっているような腹筋運動を始めます。身体を180度→130度を2秒に一回程度のサイクルで繰り返し、その間に体が横に広がって膨張してきます。
更に、気門と気門の間に真っ白い線が現れ、すべての気門がこの線で結ばれると、その後数十分で蛹になります。ヒラタ系統はハッキリ観察できます。ただし、ギラファは大型になると、内側に沿わずビンの中心を通るような線、いわば対角線上?に最大長の蛹室を作る場合もあります。この場合は、ビンの対角線に丸い穴が見えます。蛹室の両端が見えるわけですが、前蛹になったことは分かりますが、観察はほとんどできません。蛹化、羽化はその穴をとおして確認できます。
ギラファは、大型に羽化させたいので、発酵マットを使いプラケース中で育てています。ヒラタ系統も菌糸ビンでなくても発酵マットでも十分大きくなります。大型を出すコツのひとつは、大きな飼育容器で育てることですが、途中で菌糸からマットに変えると死亡することが多いです。アバレを押さえるなどの緊急目的以外は、エサの種類を変えるものではありません。
また、クワガタは、三令になってある時期に、自分の住んでいるビンの内側を徘徊して、寸法を確認して自分の羽化するサイズを決めて、蛹室を作ります。いたずらに大きく育ってもケース以上の蛹室は作れないので、羽化不全を防ぐためにそうするのです。賢いものです。
したがって、最終期近くになって大きな容器に移し変えても手遅れで意味はありません。
アンタウェスと国産オオクワガタは、順調な場合は、「居食い穴」という空洞を菌糸ビンの中央あたりに作り、あまりビンの中を徘徊せずに、その居食い穴の内壁を食べて生活します。
人間で言うなら、一日中テレビを見ながら、寝そべってポップコーンを食べ続けているようなものですから、大きく太ります。成熟した三令幼虫は、少し居食い穴を広げて蛹室にして前蛹になります。
したがって、外から観察することはできません。それどころか、居食いパターンに入っている場合は、外側に食痕すら出ないので、生死すら分かりません。経験を積めば、孵化時期、エサ、飼育温度などで、大体確実に成虫になっているはずだという時期が分かります。
どう頑張っても、外からは内部が分からないので、いずれにせよ運を天に任せて待つほかはありません。
どうしても気になる場合は、「露天掘り」(ろてんぼり)といって、菌糸の上からスプーンで掘り進み、居食い穴の天井に穴を開ける方法がありますが、初心者には薦められません。
>それと通年22~24度をキープしていますが、この調子ですと、ほとんど成虫にまで育つものなんでしょうか?
人工飼育の温度管理の一つの標準は通年23度で良いのですが、オオクワガタの場合は、一旦飼育温度を18度~15度くらいに下げて「冬」を演出したほうが良いです。「冷やし虫家」などをお使いであれば、大雑把に言えば、12月頃から一週間に1度くらいずつ下げて1月いっぱいを18~15度の範囲とし、再び1ヶ月掛けて23度に戻します。このようにして「冬期」を感じさせてやることにより、万一のセミ化幼虫を防ぐことが出来ます。セミ化とは永遠に蛹にならない幼虫のことです。冬、そして春を感じさせてやらないと幼虫の体内時計が働かないからと言われています。
これに対して、四季感の乏しい外国産のものは、温度調整をしなくても、規定の時間の経過で蛹になりますので通年22~24度なら申し分ありません。
なお、オオクワガタでも菌糸ビンの内壁に沿って蛹室をつくる者も居ます。色々居ます。
この回答への補足
早速のご回答ありがとうございます。経験年数・飼育頭数とも凄いですね。羨ましいです。
経験豊富な方からの詳しいご回答、本当に本当に!参考になりました。
重ねての質問はマナー違反かも知れませんが、もうひとつ気になる事があります。よろしければ教えて下さい。
現在使っている菌糸ビンについてですが、最初何も知らずに、近くの専門ショップで結構高価な菌糸ビンを買って、現在も使用しています。(店主の話ではクオリティは他所に負けないらしい)ところが最近ネットを見ていると通販で質も良く値段も安い菌糸ビンが出回っている事を知りました。そろそろ交換の時期が近付いているのですが、途中で違うメーカーのものに変えるのは、やっぱり良くないでしょうか?ちなみに今使っているのは、クヌギ100%のオオヒラタケ菌の物です。
それから、お勧めの菌糸ビンってありますか?この場で特定のメーカー等を記載するのはダメでしたっけ?
あつかましく質問してすみません。
No.6
- 回答日時:
私も同じように沢山のクワガタを飼育しています。
前蛹になったかどうかは菌糸ボトルの壁面に上手く
蛹室をつくればわかるケースもありますが、中に
蛹室をつくればわかりません。
後は蛹になっているものがあれば、同時期のものも
同じく蛹になっていると思われるので、他の幼虫の
状態から判断する方法もあるかと思います。
確かに、蛹の時は最も注意する必要はありますが、
ボトルごと手にとって見る程度では、問題ないです。
これからは、蛹室をつくる時期に入りますので
ボトル交換のタイミングは慎重にされた方がよろしいと
思います。
その他は特に気にしなくても立派に成虫になると思いますよ。
私も、40匹ぐらいクワガタ幼虫を飼育しておりますので
よろしければ、ブログをご参考にしてください。
http://blog.goo.ne.jp/kazuayano
No.5
- 回答日時:
私は、
菌糸ビンを以前から使用しています。
その間、
幾つかの菌糸ビンを試して、
結局・・今の使用している菌糸ビンに落ち着きました。
(ここではメーカー名を伏せます・・)
それは過去の事ですが・・
使いたい時に、
在庫を切らして菌糸ビンがない状態があったからです。
今のメーカーは、それがないです。
私にとっては非常に扱いやすい菌糸ビンです。
ですが・・
自分の使用している「メーカー」が下評価されるのはイヤですから・・
キチンと温度管理すれば問題なしなんです。
(敢えてメーカー名は控えます。)
各個人によって「合う/合わない」も有るでしょうし・・
菌糸について
幼虫が多い場合は「菌糸ブロック」で対応すれば1本あたりの単価が安くなります。
幼虫を沢山飼育している方は、そうしているはずです。
菌糸ブロックに慣れたら、
菌糸ブロックを崩した際に添加剤をその時入れる事も可能です。(ある程度の量です)
そうする事でサイズを大きくする事も可能です。
また・・
ある菌糸ビンメーカーは「20℃」を切ると茸が生えやすいとも言います・・
低温飼育の際は気をつけましょう。
(この辺は、ネットを検索すれば、あるメーカーが判ります。)
また・・
他の菌糸ビンを使用して見ると、
意外な菌糸ビンで大きくなったりするかもしれません・・
No.1さんへ、この「菌糸ビン」ですが・・
・最初に出したのは、何処の「メーカー」でしょうか?
・何時頃、発売されたのですか?
・今では色々な菌種がありますが最初に出された「菌種」は、どの菌種ですか?
・その当時の「菌糸」の実力は如何でしたか?(どの位のサイズでした?)
知り合いに聞いたのですが・・
その方は「イマイチ」(何処まで本当なのか?)信用に欠ける方なので・・確かめたいのです。
ネットで調べたのですがありませんね・・・
上記の「4点」を「No.1さん」にお聞きしたいので宜しくお願いします。
「昆虫繁殖経験40年以上」の経歴がありますの直ぐに判りますよね。
上記「4点」が、合っていて当然なのですが、如何しても気になりまして・・
質問者さまへ
ここで「便乗」ですが、質問者さまも知りたいですよね。
No.4
- 回答日時:
訂正します。
>実はこの「オオヒラタケ」ですが・・
>メーカーによって「茸」の種類が違うのです。
「オオヒラタケ」と言う正式な「茸」はありません。
各メーカーによって「茸」の種類が違います。(実は、数種類あります。)
それを、各メーカーが「オオヒラタケ」として売っています。
こちらの方が、判りやすいですね・・すみません。
ここから先は別の話・・・
代表的なクワガタは一応一通り飼育経験あり。
一般的な飼育方法は知っているつもりです。
トリビア的飼育方法はした事ありません・・
No.3
- 回答日時:
>そろそろ交換の時期が近付いているのですが、途中で違うメーカーのものに変えるのは、やっぱり良くないでしょうか?
No.1さんは、大事な「部分」をご回答されていません・・
実際に、知っておられる方は少ないでしょう・・
実はこの「オオヒラタケ」ですが・・
メーカーによって「茸」の種類が違うのです。
この部分は大事な部分ですよ・・
自然界では、菌種が変る事は「ありえない」事ですから・・
ですから・・
同じものを(同じメーカーを)使用した方が良いですよ。と言うのです。
素人の方も、勿論この様な記述を参考にするでしょうから・・
ですから・・
同じ「オオヒラタケ」と書かれている「菌糸ビン」であっても、
メーカーを変えずに同じものを使用しましょう。
と言ってる方(上記部分を知っている方)が多いのです。
ただ・・
単に「メーカー」が違うと言う訳で、
それは「ダメ」と言う訳ではありません。
質問者さまへ
ここのところは、勘違いしないほうが良いです。
「オオヒラタケ」の菌種については、ご自分で調べて下さい。
(すぐに見つかるはずですよ・・)
No.2
- 回答日時:
>現在使っている菌糸ビンについてですが、最初何も知らずに、近くの専門ショップで結構高価な菌糸ビンを買って、現在も使用しています。
(店主の話ではクオリティは他所に負けないらしい)ところが最近ネットを見ていると通販で質も良く値段も安い菌糸ビンが出回っている事を知りました。そろそろ交換の時期が近付いているのですが、途中で違うメーカーのものに変えるのは、やっぱり良くないでしょうか?ちなみに今使っているのは、クヌギ100%のオオヒラタケ菌の物です。オオヒラタケはもっとも普通のキノコ菌糸ですが、クヌギ100%は高級品です。
おそらくずっしりと重いものだと思います。
重い=固詰めの場合は、幼虫が一回キバを開閉したときに口に入る食べ物の量、ひいては栄養分の量が変わるのです。一日に幼虫がキバを開閉する回数は決まっていますので、スカスカの菌糸ビンだと、口に入るオガの絶対量が変わってくるので、1日あたりの栄養摂取量が変わり幼虫の体重に影響を与えると言われています。そのため固く詰めた菌糸ビンが良いとされています。
普及品に変えるのは良くないと思います。また同じ品位のものでもメーカー品番は一定が無難です。
菌糸ビン交換は、只でさえ幼虫にショックを与えるので、同じものの継続が好ましいです。
>それから、お勧めの菌糸ビンってありますか?
私は、オオクワ京都さんの、800ccか1500ccのクリアボトルをもっぱら使っています。
過去には色々試みましたが、結局これに落ち着いています。一度に数十本から百本をまとめて購入します。
重ね重ねの、詳しい説明、本当に感謝します。大変勉強になりました。
どうもありがとうございます。
質問内容にもありますとおり、なにぶん初心者ではありますが、すっかりクワガタ飼育にハマってしまって(凝り性なもので・・・笑)、長い趣味となりそうです。また質問をさせて頂くことがあると思います。どうぞよろしくお願いします。
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