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サイモンズの「親の養育態度」と子どもの性格について詳しく説明している本を探しています。
おおまかな内容は、親の養育態度が「支配的」「拒否的」「過保護・過干渉的」「甘やかし的」のいずれかにより、子どもの性格がそれぞれに対応したものに変化するというものです。

ちなみに、当方は精神分析学に関する専門的な予備知識はありません。よろしくお願いいたします。

A 回答 (2件)

No.1です。


大学の教員をしていますが、休職中のため、手元にある文献が限られ、十分に調べられませんが、ご容赦ください。

補足、拝読しました。

ご質問の内容は、「子どもの性格形成において、家庭内の環境がどのように影響するか」ということに言い換えられると思います。
以下は、私がある教科書に書いた一節です。

---(ここから引用)
家庭における親の養育態度や、親子関係のあり方と子どもの性格形成との関連については、多くの研究が行われてきています。
しかし、そこには、親の養育態度とともに、子どもの気質的な特徴や、子どもから親への働きかけ、反応様式も関わっていますので、明確な傾向を確定することは必ずしも容易ではありません。
また、父親の関わりがどのような影響をもつかについても検討課題が残されています。
多くの研究に共通してみられる親の養育態度としては、受容的―拒否的の軸と、支配的―服従的の軸、あるいは愛情―敵意の軸と統制―自律の軸が想定されています。
図4-16は,Vinacke(1968)による親の養育態度と子どものパーソナリティとの関係をまとめたものです。      

出典
Vinacke, W.E.(1968): Foundation of Psychology. Van Nostrand.
---(引用ここまで)

このVinackeの図は、それまでの、このテーマに関連した調査をまとめたものですが、あくまでも大まかな傾向性を示したものです。
なぜ、大まかな傾向性しかし示せないかといいますと、引用文中にも書いておきましたが、親の養育態度(それも、過去の多くの研究は、母親の養育態度に焦点を当てています)が、一方的に子どものパーソナリティ形成に影響するものではなく、子どもの側の要因や、両者の相互作用を考えざるを得ないからです。

日本語の参考文献としては、次のようなものをご覧ください:

古いものでは、
詫摩武俊(1967):性格はいかにつくられるか 岩波新書

最近の概論書、テキストでは、
無藤隆・久保ゆかり・遠藤利彦(1995):発達心理学 岩波書店
詫摩武俊・瀧本孝雄・鈴木乙史・松井豊(199):性格心理学への招待-自分を知り他者を理解するために サイエンス社
詫摩武俊・鈴木乙史・清水弘司・松井豊(2000):性格の理論 ブレーン出版
講座生涯発達心理学(金子書房)のシリーズ第2巻の乳幼児、第3巻の幼児・児童

そのほか、次のハンドブック
児童心理学ハンドブック 金子書房
発達心理学ハンドブック 福村出版

心理学全体のテキストでは、次の本の各所に親子関係と性格についての記述があります:
無藤隆・森敏昭・遠藤由美・玉瀬耕治(2004):心理学(New Liberal Arts Selection) 有斐閣
*参考文献も充実していますし、関係の図表も載っています。

以上、補足まで。
「サイモンズの「親の養育態度」と子どもの性」の回答画像2
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この回答へのお礼

ありがとうございます。ご紹介頂いた本を読んで勉強してみようかと思います。

専門家の先生に貴重な時間を割いていただいたことに本当に感謝しています。

お礼日時:2011/04/12 01:39

サイモンズ(Symonds, P. M.,1939)は、おっしゃるとおり、親子関係の類型化を試み、支配的―服従的、保護的―拒否的の二つの因子軸からなる4種の親の態度類型(かまいすぎ型、残忍型、甘やかし型、無視型)を行い,その結果、これらの中間点にある態度が望ましいと考えました。



今でも、この図を引用している教科書もありますが、もともとがかなり古い研究ですので、現在では、単純にこういう関連性は認められないと考えられています。

わが国では、これら、サイモンズなどの先行研究に基づいて、品川不二郎・品川孝子(1958)が拒否、支配、保護、服従、矛盾、不一致の観点から、親子関係の型を10種類(消極的拒否、積極的拒否、厳格、期待、干渉、不安、溺愛、盲従、矛盾、不一致)に分類する親子関係診断テストを考案しています。

ただし、この検査も以前はよく用いられていましたが、現在となっては,歴史的な意義しかないと思います。

元の文献は、次のものですが、邦訳はないかもしれません。

Symonds, P.M. (1939): The Psychology of Parent-child Relationships. Appleton-Century.

また、品川・品川の「親子関係診断検査」のもとは、次のものです。
入手は困難かと思いますが、歴史のある大学の心理学科にはあるかもしれません。
また、心理テストについて解説された本で、多少昔のものには説明があるかもしれません。

品川不二郎・品川孝子(1958):親子関係診断検査,田研式親子関係診断テスト手引き,日本文化科学社

そのほかに、多少昔の発達心理学や、人格心理学の概論書を探されると、サイモンズの説についての記述があるかもしれません。

あまりお役に立つ情報ではありませんが、ご参考までに。

この回答への補足

ありがとうございます! こんなに詳しい情報を教えて頂けるとは思ってもいませんでした。

確かに、関連本は手に入りにくいみたいですね。それに、もう理論自体が古いということですが、もし現在でも通用する理論で親子関係を類型化した理論があれば、そういった本を教えて頂けないでしょうか? Amazonで買える本なら私でも入手できるので嬉しいです。 甘えすぎかもしればせんが、もし気が向いたらお願いします。

補足日時:2011/04/11 00:36
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