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今回の東日本大地震は、歴史的にも稀な超巨大地震でした。
このような地震は、起きてしまえば確かに「想定」されべきだということになるのでしょうが、「想定」せず、それに対しての対策をしていなかったことは、法的に「過失」だといえるものなのでしょうか?
こうした「異常」な状況で、誰かをサンドバッグ代わりに憂さ晴らしをする気持ちも分かりますが、冷静に考えれば、東電の「責任」を問うのは「酷」な気がします。
一民間企業に負担をさせるのは、果たして「法的」に正当といえるのでしょうか?
勿論、私も、東電にはこのような事態を想定し何らかの対策をして欲しかったとは思います。
しかし、ほとんどの災害の専門家も、地震学者も皆「想定」していたわけではないことも事実でしょう。
地震対策には、費用もかかります。
企業としては、安全も勿論大事でしょうが、安く電力を供給する責任もまたあると思います。
それを、経済至上主義で安全軽視と責めるのも安易な話だと思います。
もし責任を巡って裁判になったら、法律的には、どうなるのでしょうか?
ご教授ください。

A 回答 (9件)

東電の賠償責任については、まず第一に今回の損害が原賠法3条但書の「異常に巨大な天災地変」によって生じたものかどうかです。



原賠法3条は、原子力事業者に無過失責任を負わせています。東電に落ち度がなく、いわゆる不可抗力であっても賠償責任はあるのです。これが免責されるのは、「異常に巨大な天災地変」と「社会的動乱」だけです。
原子力災害は、国内だけでなく広範囲に長期間影響を及ぼすことから、被害者数が多く、損害額も膨大になります。そのため、事業者に極めて高い安全性の確保を求めると同時に被害者救済を優先させている訳です。

「異常に巨大な天災地変」については、立法過程の国会審議で「関東大震災の三倍以上を想定」との例示があり、「三倍」の解釈については平成10年9月11日の原子力委員会・原子力損害賠償制度専門部会議事録に「地震の加速度」「原因、主に地震の規模」を指すものとの記載があります。
これを踏まえて同専門部会は、原賠法改正において「異常に巨大な天災地変」を「一般的には日本の歴史上例の見られない大地震、大噴火、大風水災等」として、免責要件から削除しないと結論づけています。
(IAEAのウィーン条約改定議定書では、異常に巨大な天災地変が免責要件から削除されたことを受け、原子力損害賠償制度専門部会が検討したものです)

今回、福島原発付近の地震の加速度は、阪神大震災よりも小さいですし、東電の発表では地震後、原子炉は正常に停止したが、その後の津波で非常用電源・海水ポンプが故障し、冷却機能が失われたということですから、「津波」が「異常に巨大」であったどうかということになります。

釜石湾の防波堤や宮古市田老の防潮堤が破壊されていることから、「異常に巨大」とされる可能性も十分あると思います。

一方、今回の被災地は貞観地震による津波被害も受けており、地震学者らによる研究では「原発の約7キロ北の福島県浪江町で現在の海岸線から約1.5キロの浸水の痕跡があったほか、過去450~800年程度の間隔で同規模の津波が起きた可能性」が指摘されていたことから、「日本の歴史上例の見られない」とまでは言えないとする見解もあります。

また、福島第1原発と第2原発の安全設計の差異も問題視されています。
http://www.asahi.com/national/update/0405/TKY201 …
福島第2では、非常用発電機等の電源設備が機密性の高い原子炉建屋内に設置されていてその機能が維持されたこと、海水用ポンプがポンプ用建屋により全滅が免れられたことから、損害が最小限に抑えられています。
第2原発でこのような安全設計を施したのですから、第1原発の安全性を高める改修、特にポンプ建屋設置などはさほど難しいものではないでしょうから、これをしなかったことは過失とされる可能性があるでしょう。

東電の経営陣が原賠法による賠償責任を容認しているのは、原賠法の無過失責任を受け入れることで、東電の過失責任追及をかわし、ひいては株主代表訴訟による経営陣への賠償責任追及をかわそうとの狙いがあるのではないでしょうか。
今回の事故では、経営陣にとって何より怖いのは、社会的地位や収入の喪失ではなく、会社への損害賠償責任ですからね。

たしかに質問者のおっしゃる通り、東電だけに責任を押しつけるのは不条理な話です。原子力事業者を指導監督する立場であった保安院はもとより、原子力委員会、経産省、ひいてエネルギー政策の大元である歴代政権にも責任はあります。政権に責任があるということは、選挙権のある国民にも責任があるわけです。

多くの国民は、問題が起きてからでないと議論しませんし、安全性について法律等で規制すべきとの論調になります。
規制や安全指針は大切なことですが、それ以上に消費者に選択権があるかどうかという制度そのものが問題です。
安い店で生肉を食べると食中毒の危険性が高いのは当たり前、食べた客にも落ち度はある。毒入り餃子が怖いから、安くても中国産のは買わずに高い国産品を買う。放射能がこわいから、福島原発周辺地域の野菜を買わず、価格が暴落する。これらは、要は消費者に商品の選択権があるから、選んだ以上は消費者の自己責任だという見地に立った意見・行動です。
でも、電気はどうですか。原発依存度の高い関西電力は嫌いだからといって、原発を持たない沖縄電力と契約できますか。

まして、東電なんて管内に原発設置の適地ないからとの方便を弄じて、福島県や新潟県に原発を設置しているんですよ。(東京都内では人口1万人当たり発電量が約1700kwで、福島の81500kw、新潟の63300kwはもとより、千葉25300kw、茨城21900kw、栃木13000kw、神奈川11500kw、群馬7100kwに比べても突出して低いわけですから、石原都知事といえども今回の原発事故に辛口発言ができないのはそのためと思われます)
原発が本当に安全なら、なぜ東京湾臨海地区に原発を建設しないんですか。送電距離が短いほどロスは減るのですからね。(大阪も同じです)

電力業界では、電力会社以外も発電した電力が販売できるようになりましたが、購入先が電力会社や大規模需要家に限定されてており、一般消費者・需要家から見れば電力会社は一社しか選べないのが実情です。
料金が高い、サービスが悪いから別の電力会社と契約するわけにはいきません。このシステムが利権を生み、天下り官僚の受け皿となって政・官とのパイプを太くする悪循環となっている訳です。
これを変えない以上、抜本的な解決はありえません。

今回の事故は、大変不幸なことですが、過去の戦争・公害問題などと同様、事実の正確な検証とそれを踏まえた新しい社会制度の創設を議論してよりよい方向に進むこと、それが被災者やその後継者にのみならずすべての国民にとって重要なことだと考えます。

震災にもかかわらず、円高が進みます。諸外国から見れば、日本人は質問者様のように問題意識を持って、いろいろな角度から事象を議論・検討し続ける人が多く、結果どんな困難でも乗り越えて復興すると信頼されているのでしょう。

ご質問の回答にはならないかもしれませんが、今回の原発問題をさまざまな人がさまざまな立場から真剣に議論することが日本の将来の財産になると信じています。

最後に私見ですが、東電は巨大企業で経営陣の責任も巨大です。経営陣の判断は、企業法務の専門家の意見を踏まえているはずですから、賠償責任を容認したという事実が裁判結果を見据えた判断だと思います。
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#7追加



今回発生した同じ地域の、 過去の事例の最大規模は、M8,4 
江戸時代の震度なので不正確であろう、、、、、実際はそれ以上の可能性がある。
しかも、発生間隔が130年程度と推定されている。

このを知らないで原発を建設したのは、不法行為に該当する。

参考URL:http://www.jishin.go.jp/main/chousa/kaikou_pdf/s …
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この回答へのお礼

追加の資料ありがとうございます。
こうした資料を真摯に受け止め、何らかの対策をとっていてくれればと思わずにはいられません。

お礼日時:2011/05/15 15:51

2004年発行の これから5年日本はこう変わる 青春出版 1000円  三陸沖から房総沖海溝寄り 地震の発生確率 20パーセント M8,2  日本近辺では最大級の地震 の予想が掲載されています。



想定外の地震ではありません。

要は東電は費用を安価にするため、無視した。
責任は全部東電にあります。

下記のURLと内容がほぼ同じ

参考URL:http://www.jishin.go.jp/main/yosokuchizu/kaiko/k …
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この回答へのお礼

早速の回答ありがとうございます。
今回の地震は、「想定外」とは到底言えない。
従って、東電に責任があるということですね。
分かりました。

お礼日時:2011/05/14 13:10

被害者と言えば被害者だろうと思います。



でも想定が甘かったし、
被害をなるべく軽く見せようとして全部を発表することをしなかったし、
地震後の対応もベストとは言えなかった。水素爆発は防げたように思います。

だからある意味では加害者でもあると思います。

社長が被害者から怒鳴られて土下座されられているのを見ると「御苦労さんだねえ!」と心から思います。
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この回答へのお礼

早速の回答ありがとうございます。
東電の土下座には、違和感がありました。
政府が東電に対して免責条項を適用し、応分の負担をすべきだと思いました。

お礼日時:2011/05/14 10:02

基本的には被害者です。



ただし、対応の遅れによる被害拡大が認められればその分の責任はあります。
もちろん裁判をしないとどこまでが責任として認められるかはわかりません。

初動の遅れなんかは「して当然だった」のか「しなくても仕方なかった」のかで全然違ってきますからね。

安全対策については国が認可してたんですから
「それ以上しておくべきだった」と判断される可能性は低いです。


その辺のことをど素人知識で決めつけて結論を出す人間が多いですが、
そんな個人的意見には何の意味もありません。
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この回答へのお礼

早速の回答ありがとうございます。
裁判で、はっきりさせるのがいいのではと思いました。
特に免責条項で争い、裁判所に判断をして欲しいと思いました。

お礼日時:2011/05/14 09:56

質問者様の考えはもっともだと思います。



今回の事故で自民党の河○太郎氏、ライブドアやブログス
に執筆している自称原子力学者、自称専門家、自称ジャー
ナリストは何をもって「人災」というのか、その経緯は今とな
っては曖昧なままで、東電は鬼畜、政府も愚策ばかりと言
っていますね。口先の批判ばかりで建設的な意見がほと
んどありません。
そして、今や東北地方の避難している方は大震災や大津
波ではなく全員原子力のせいで避難しているかのような報
道の日々です。もし、原子力がある程度の安定状態になっ
たとしたら、震災で避難している方は報道もされなくなって
しまうのでは思えてしまいます。
 放射性物質の検出による出荷制限も、そもそも安全率を
かなりみている基準値に対して基準値の何倍という表現
で恐怖を煽る。本当に危険なのは○ベクレルからなのか
正確なことを言う人、言える人がいません。
 つまり、ヒステリックに恐怖を煽られて、怒りの矛先を
東電や政府に向けさせられているのだと思います。
もちろん、両社に責任があるのは事実です。
でも、ネットニュースやブログを見ていると、正直、ここまで
日本国民は誰かに責任を押し付け、誰かを叩きのめし、
社長辞任や倒産、給料のカットを求めるさもしい人たちが
増えたのだろうと悲しくなります。ネットは名前と顔を明ら
かにしないので、自分が何をしていても相手のことは徹底
的に叩けますからね・・・。
 質問の内容からずれてしまいましたが、人間の作るもの
に絶対はありません。まして大自然の中で人間の力や知
恵などは小さく浅はかです。価格を安くするためには、コス
トを下げなくてはいけませんから、当然、ある基準で設計し
建設しなければなりません。その基準は国の機関が専門
家の意見を集約し決めたもので、検査をクリアしたものが
認可をうけて建設されたのです。つまり法律的には問題
ないのです。
 震災の後の対応については、本当の事実関係が整理
されていません、ですからそれこそ無責任に論じることは
できませんが、発電所内部の映像から、安全を確認しな
がら現場に向かったり対応したりするのに時間がかかっ
たのは察しがつきます。
 訴訟になったとすれば、その辺が明らかになり、どこが
問題だったのかが明らかになるでしょう。
 日本が今後、本当の意味で復興していくためには、構
造物が建設されることではなくて、また、自分のことは棚
に上げて誰かのせいにして批判ばかりする貧しい心でも
ない、一人一人が自分のできることを協力し、他人のた
めに頑張ろうという気持ち、心がけが大切なんだと思い
ます。
 お互い、正しい心がけで頑張りましょう!
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この回答へのお礼

早速の回答ありがとう御座います。
同じように考える方もおられるのだ少し安心しました。
東電バッシングには違和感があります。
東電が津波ではなく、自爆テロや核攻撃にあって今の状態になっていたら、違う展開になっていたのだろうとも思いました。

お礼日時:2011/05/14 09:53

このような質問はここでするべきものではないと思います。

討論板などのほうが適当です。

回答ではなく一意見として少々。
>一民間企業
そうでしょうか。本来人が生きていくに欠かせないライフラインと呼ばれるものを提供する団体が一企業であること自体が間違ってはいませんでしょうか。民間企業はいやがおうにも利益を追求します。利益を追求すれば、本来とるべき安全策であったり行うべきものに対し”本当に必要であるか?”というだけで排除してしまいます。これが、ライフライン以外の企業であれば、問題が起こればその企業がつぶれるだけですみますが、今現在の状況はどうでしょうか?ライフラインだけでなく、生活基盤を壊し避難する人々を造り、日本国の経済に甚大な悪影響を及ぼしています。

原子力は、扱いを一歩間違えれば”原子爆弾”となんら変わりありません。
それゆえに、安全すぎると言う言葉は当てはまらないぐらいに危険を想定し扱うべきものです。「想定外」と言い訳を国も東電も言っておりますが、それこそ”あってはならないこと”です。
そのような言葉を発する人間が想定できないことが起きるものであれば、そのような人間が扱ってはならぬものではないのではないでしょうか。扱えないものであれば、扱うべきものではない。それであれば封印しなさい。
それでも扱うのであれば、利益を受けるものは責任を負うべきであり、想定以上の想定を行ってでもリスクマネージメントしなければいけないのです。これは、想定を怠った東電および国による人災であり、被害を被った方々および電気を利用している人々全てに対し、立ち止まって考えるべき機会と捉えるべきです。

電力会社を民間企業にしていること自体が間違いなのです。

しかし、現実として民間企業であるならば、今まで全ての利益を独り占めしているのであれば、事故に対する責任は負うべきものであると考えられます。
法律は人が作るものであり、時や時代で変わります。
東電は決して被害者ではありません。事故を起こした当事者です。でなければ、今現在避難している方々はなんですか?原発で作業に従事している下請けの方々はなんですか?

長文失礼いたしました。
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この回答へのお礼

早速の回答ありがとうございます。
確かに、このテーマは討論板の方が適切ですね。
電力会社というインフラを担う企業が民間企業であることが、問題の本質という指摘は、鋭いと思います。

お礼日時:2011/05/14 09:46

東京電力は「自分らには過失がなかったので賠償の必要はない」という主張で裁判に持ち込むことは法的に無理です。

東京電力は「原子力発電やる以上、法的過失の有無に関わらず、事故時には賠償をしなくてはならない」と了解したうえで原子力発電を行っていたのです。

sspider さんは今回の事故の賠償が「原子力損害の賠償に関する法律」の下で取り扱われるということを知らないのだと思います。この法律は、民法における一般的損害の賠償と原子力損害の賠償とは別の考え方に基づいて行うことを定めたものです。その骨子は、事故時には原子力事業者が無過失であっても、単独で、無限責任を負うというものです。

一般的損害賠償は事故が不可抗力であった場合には賠償責任は問われません。しかし、原子力損害の場合は過失があったかなかったかは問題とせず、賠償しなくてはならないと決めているのです。だから「国のルール通りにやっていたから賠償責任はない」という主張は完全に否定されるのです。

賠償が限定的になるのは第二章第三条第一項に設けている免責「ただし、その損害が異常に巨大な天災地変又は社会的動乱によつて生じたものであるときは、この限りでない。 」が適用される場合ですが、その前の文では無過失、無限責任を負うことが書かれていますから、『この限りでない。』は責任範囲が限定されることもありうるという意味であって、責任を一切負わなくていいという意味ではありません。「異常に巨大な天災地変」ですが、関東大震災を3倍以上上回るものというのが原子力委員会の見解です。今回、福島を襲った揺れも津波も関東大震災を約3倍以上上回ってはいません。
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この回答へのお礼

早速の回答ありがとう御座います。
無過失、無限責任なので、基本的に責任はとえる。
また、免責条項にも原子力委員会の見解をいれるなら、該当しない。
ということですね。
わかりました。

お礼日時:2011/05/14 09:37

 


地震、津波は自然災害です、しかも想定できなかったとしても仕方ない程の大規模でした。
東電の責任は津波の後の対応です。
電源車の電圧と発電所が使う電圧が違って電源車が役に立たなかった・・・明らかに東電の準備の問題です。
外部電源が用意できなかったために炉が異常になったのに、安全だ、安全だ、と繰り返し海水の注入など緊急処置が遅れたのも東電の責任。

爆発後の責任は政府と原子炉安全委員会の責任です、SPEED1の情報を迅速な避難指示を出さなかった、2ヶ月経過した今でも半径20kmと言う本当の汚染地域とかけ離れた地域を避難させている、正しい情報を出さないために海外から日本製の全ての商品(食料からダンボールまで)が危険物の様に扱われ輸出できないのも政府の責任。
 
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この回答へのお礼

早速の回答ありがとうございます。
津波後の対応にたして責任が問えるということですね。
わかりました。

お礼日時:2011/05/14 09:32

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