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発起人等は会社設立に関して、現物出資財産等の価額が不足する場合(52条)、任務を怠った場合(53条)には会社に対して責任を負うことになります。この責任は総株主の同意があれば免責されます(55条)
この55条の免責規定は発起設立、募集設立どちらの場合にも適用されるのですか?
「総株主の同意」というと株主総会(会社設立の場合だから創立総会?)でたくさんの株主を集めて議決を採ってるイメージがあるからなのか、募集設立の場合だけに適用されると最初は思っていたのですが…
考えてみると、発起設立の場合も発起人は発起人であるのと同時に株主でもあるので、例えば友達同士3人ABCで発起設立により株式会社を設立しようとする場合、その中の一人のCに52、53条のような責任があるときに、C以外の総株主でもあるAとBが「いいよ、いいよ。構わんよ。」と言えばその責任は免除されるということでいいんですよね?(例えが適切かどうか分かりませんが…)

あと、もうひとつ質問があります。
現物出資財産等の価額が不足する場合の責任が免除される場合(52条2項1・2号)について、募集設立の場合には、この2号の『その職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合』でも責任を負わなければならない(103条)のはどうしてですか?

基本的なことかと思いますが、会社法の学習を始めたばかりの者です。
ご教授お願いいたします。

A 回答 (2件)

>そうすると、この55条の免責規定は募集設立の場合より、発起設立の場合のほうに適用されることが多いということになるのですか?



 そもそも募集設立自体が希でしょうから(昔、発起設立だと検査役の選任が必要なので、募集設立が多用された時代もあったようです。)、そうなのかもしれませんが、それは現象の問題であって法律論の範疇外です。
 発起人1名+設立時募集株式引受人1名の募集設立でも可能ですから(例えば、海外に住む外国人を発起人にすると定款認証の手続が少々面倒なので、募集設立にするということもあるでしょう。)、募集設立だから、総株主全員の困難とは一概に言えないと思います。
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>この55条の免責規定は発起設立、募集設立どちらの場合にも適用されるのですか?



 どちらの場合も適用があります。52条の責任は、会社が成立して(会社の設立登記がされて)はじめて問題になります。会社が成立しているのですから、発起人も、設立時募集株式の引受人も株主です。

>「総株主の同意」というと株主総会(会社設立の場合だから創立総会?)でたくさんの株主を集めて議決を採ってるイメージがあるからなのか、募集設立の場合だけに適用されると最初は思っていたのですが…

 会社が成立しているのですから、創立総会は関係ありません。また、総株主の「同意」ですから、株主総会の決議による必要もありません。仮に株主総会で議決権を有する株主全員が出席し、その出席株主全員が賛成したとしても、議決権を有しない株主がいる場合、その株主は議決権を行使していない(というより、できない)のですから、「総株主」の同意にはなりません。

>現物出資財産等の価額が不足する場合の責任が免除される場合(52条2項1・2号)について、募集設立の場合には、この2号の『その職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合』でも責任を負わなければならない(103条)のはどうしてですか?

 設立時募集株式の引受人であった株主を保護するためです。発起設立の場合、設立時株主=発起人です。発起人は、他の発起人がなした現物出資が、その価額不足により自己に不利益(自分は100万円の金銭出資して100株が割当てられたのに、現物出資者は、実際には50万円相当の出資しかしていないのに、自分と同じ100株の割当を受けるのは不公平である。)が生じる危険性があることを承知で原始定款に署名しているのですから、そのようなリスクは甘受すべきですし、心配だったら自ら検査役選任の申立をするという選択肢があります。
 一方、募集設立の場合、設立時募集株式の引受人は、原始定款に署名したわけではなく、むしろ、原始定款に記載された現物出資の価額が適正であることを信頼して設立時募集株式を引き受ける立場なので、発起人等の責任を強化する要請が強くなります。

この回答への補足

ご回答ありがとうございます。ここで質問があります。

>会社が成立しているのですから、創立総会は関係ありません。また、総株主の「同意」ですから、株主総会の決議による必要もありません。仮に株主総会で議決権を有する株主全員が出席し、その出席株主全員が賛成したとしても、議決権を有しない株主がいる場合、その株主は議決権を行使していない(というより、できない)のですから、「総株主」の同意にはなりません。

そうすると、この55条の免責規定は募集設立の場合より、発起設立の場合のほうに適用されることが多いということになるのですか?
発起設立の場合は、僕の質問の例のように身近な人間の集まりだろうから、その同意を得ることは可能でしょう。
しかしながら募集設立の場合には、ある程度の大きさの会社を設立するのだから、その株主の数は多いだろうし、全国に点在していることになるだろうから、それらの総株主の同意を得るというのは、たとえメール等でその同意を募ったとしても、非常に困難なこと、ほとんど不可能なことに思えるのですが…そうなると、この55条の規定は募集設立においてはほとんど意味をなさないものとなってしまいます。どうなんでしょう??
というより、この場合、株主総会で決議を採るのでもないのなら、どのようにして「総株主の同意」を得るのですか?

ご回答くださいませ。よろしくお願いします。

補足日時:2011/09/28 22:53
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