よくクラシックのコンサートを見ていて思うのですが、演奏家の前にスタンドがあって楽譜を立ててありますよね。ピアノだったら、楽器にスタンドがついてますよね。あれって何のためにあるのですか?
クラシックの演奏家って曲目を一日十数時間も練習すると聞いてます。だったらすべての楽曲を暗譜はおろか、目を閉じても最後まで弾けるくらい記憶しているはずです。
演奏の途中で忘れる、ということはあるのでしょうか?もっとも、楽譜を見てもその場で何とかなるような状態ではないでしょうが…。
ご存知の方教えてください。
No.3ベストアンサー
- 回答日時:
なかなか覚えるのは難しいですよ。
ただでさえ緊張するのに、その上に「忘れたらどうしよう」「あれっ、と迷って間違えたらどうしよう」という不安があったら、音楽に集中できませんよね。特にクラシックの場合は、ソナタ形式の「提示部」と「再現部」のように似ていてちょっと違う、という要素が多いので、ぼっとしていると今いる場所を見失うことが起こりやすいようです。
ただ、楽譜を置いていても、ひとつひとつ楽譜を見ながら音を出すわけではなく、楽譜の「譜面づら」で音楽全体の流れを大きく把握して、今いる場所と注意すべきことを確認しながら演奏する、ということではないでしょうか。その意味で、演奏家の「マイ楽譜」には、「矢印」とか、「びっくりマーク」とか、「眼鏡マーク」とか、いろいろ鉛筆で書き込まれていることが多いようです。鉛筆で書くのは、練習過程で書き直したり、次に演奏する時に変更する可能性があるからです。
楽譜を置かない典型は、ピアニストだと思います。楽譜を置かないのは、リストが始めた習慣らしいです。
でも、青柳いづみこさんの「ピアニストが見たピアニスト」によると、リヒテルは晩年になって楽譜を置くようになったそうです。忘れそうなためではなく、指が覚えている音と、頭の中のイメージが合わなくなった、というのが理由だそうです(楽譜を見て自分の頭の中を修正)。また、ホロヴィッツ(だったかな?)は、同じところを何回も繰り返して先に進めなくなったことがあったとか。
楽譜は、ひとつひとつの音を読み取るものというよりも、音楽全体のイメージを与える(思い出す)ものなのかもしれません。
No.6
- 回答日時:
クラシックなら一曲が一時間を超える曲も珍しくあません。
同じメロディーが幾度が現れ、その後に別のメロディーにつながることもあります。忘れるということはあまりないでしょうが、一瞬の迷いもなく演奏を続けるためには楽譜が必要な場面もあります。バッハなどの宗教音楽ともなると、3時間にも及ぶような曲もあり、楽譜なしで続けるのは不可能であると思います。映画は場面ごとに収録し、後で編集をしますが、生の演奏会ではそのようなこともできません。ちなみにプロの演奏家は、演奏している部分の1ページ以上も先を見ているので、素人が楽譜にかじりついて視線を落としているようなことはありません。「次はこうなる」と考えながら演奏しています。
No.5
- 回答日時:
ピアノのソロとかなら暗譜して弾いた方がいいです。
指が覚えてますので、楽譜を見ないで弾いた方がいい演奏ができます。でも、オーケストラなどは一人じゃなくて全員で一つの音楽を作りますよね。そうすると、練習段階から自分の自由にはできません。指揮者が音楽を作り、周りの演奏家と息を合わせながら曲想を作っていきます。そうすると、楽譜にはたくさんの書き込みがありますし、周りに注意を払いながら演奏するので、ソロに比べて暗譜は完璧ではないと思います。ピアノと違って、オーケストラの編成では曲の全員ほんの一部を吹いたり弾いたりするわけです。旋律のときもありますが、ほとんどが中音部、低音部のベースとか地味なものです。覚えにくいですよ。各楽器のパートごとでまたポジションが変わってきます。それらを全員で合わせることが重要なので、暗譜はなかなかできません。楽器によっては長い休みがある部分も多くありますからね。他のパートがやってるときに自分はしっかり休まないといけません。楽譜は簡単でも、ややこしいです。曲も長いです。
プロのオーケストラなどは、意外と1曲に対する練習時間は少ないので、暗譜はみんながみんなできないです。技術は持ってるから、楽譜見てだとできるよ、という感じです。
No.4
- 回答日時:
楽譜を見るか見ないかは
その曲やコンサートの「演奏スタイル」にもよるかと…
例えば室内楽の曲では、理由はよくわかりませんが楽譜を見て弾くスタイルが主流なのでわざわざ破る人は少ないのではないでしょうか。
逆にコンチェルトのソリストはめったに楽譜を見ないです。
あとは現代曲だと楽譜ができてくるのがコンサート数日前だったりすることもあるので、その場合はやはり楽譜ありで本番に臨んだりしますね。
またプロの音楽家でも長時間練習できる人ばかりではなく、実際にはお母さん業をやりながらだったり、またヨーロッパでは会社などにお勤めをして音楽家と兼業している人も結構いるそうで、そうなると「楽譜があればいい演奏ができるけれども、全部覚えるのはちょっと無理」という状態があっても無理なかろうと思えます。
暗譜したほうが集中してよい演奏ができるタイプの人と、楽譜を確認しながらのほうが安心してよい演奏ができるタイプの人(もしくは場合)というのもあるようです。
個人的には、よい演奏が聴けるのならばいいのではないかな~と思います。
No.2
- 回答日時:
そうですね…例えば1回の演奏会で10分程度の曲を2曲、40分程度の曲を1曲演奏するとしましょうか。
合計で1時間ですね。
別のことに置き換えてみましょうか。
あなたが1000人ほど入るホールで、独演会をするとします。時間としては10分程度のスピーチが2本、40分程度のスピーチが1本です。内容はなんでもいいでしょう。
合計1時間というと400字詰めの原稿用紙約60枚ですね。
原稿用紙60枚分の言葉を一言一句間違えることなく覚えることができ、息継ぎの場所や身振り手振り、傍らに置いてある水を飲むタイミングなどまで完璧に覚え、しかも何があっても(例えば水を入れているコップが倒れちゃうとか、スタッフのミスで照明が突然暗くなったりとか、司会者みたいな人が突然話に割って入ってくるとか)絶対内容が飛ぶ自信がないよ、というのであればその理屈は成り立つと思います。
私は上記のようなことは到底できません。
「話すべき内容を大体覚えておいて、言葉は多少変わってもいいやん」と思うかもしれませんが、演奏で言うならそれは「メロディは雰囲気だけ覚えておいて、後はアドリブでいいやん」って言ってるのと一緒で、ソリストならいざ知らずオーケストラの一員がやっていいことではありません。
また、「身振り手振りや息継ぎのタイミングなんか適当でいいやん」と思われるかも知れませんが、
例えば弦楽器ならボーイング(弓のあげおろし)の指定や、管楽器であればブレスのタイミングの指定も楽譜内に記していることがあり、これをあっさり破るのはやはりよくありません。
さらに、「ステージ上でそんなトラブルなんてないよ」と思われるかも知れませんが、ステージ上は意外といろいろなことが起きます。弦楽器で有名なこととしては、弦が途中で切れるケースですね。この場合トップに近い人に自分の楽器を渡し、さらに隣から回ってきた楽器をそのまま弾く、なんてことがあるそうです。私がステージ上であった事件としては、指揮者がテンポを変える小節を1小節間違える、というものがありました。
そういう時に楽譜があれば被害は最小限で済みますが、何らかのトラブルに巻き込まれて譜面が頭から飛んでしまった時、楽譜が手元になければ下手をすれば最後まで戻ってこれないかも知れません。
いろいろと否定的な書き方になってしまい申し訳ありませんが、私が言いたいのは「楽譜に書けば済む内容を覚えることに必死にならなくてもいいじゃん」ってことです。
まあ譜面をステージに置いてるのがかっこ悪いと言われてしまうと返す言葉もないんですけどね(笑)
参考になれば幸いです。
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