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話の展開を台詞に頼るのではなく、人物の動作とか、表情によって展開するのがうまい監督とその作品を教えてください。いわゆるハリウッド系のスピード感のあるモノよりは、丁寧に人物の顔を描くものを勧めていただきたいです。洋画・邦画、ジャンルは問いません。

すでに私が観ているかもしれない(?)というメジャーな作品でも、表情を追うという観点から見返してみますので、是非、勧めてください。よろしくお願いします。

A 回答 (2件)

映画史に名を残す巨匠たちの、どちらかというと小粒な内容の人間ドラマがいいんじゃないかと思います。



たとえば
ビリー・ワイルダーの「酒とバラの日々」
ワイルダー作品の登場人物は表情が豊かです。


デヴィッド・リーンの「旅情」や「逢びき」
この監督はのちに「戦場にかける橋」や「アラビアのロレンス」など超大作を作りますが、女性の内面を描くことが得意な監督としても知られています。
http://www.youtube.com/watch?v=arWTDQltt3Y
http://www.youtube.com/watch?v=a0CosTboBz8

ウイリアム・ワイラーの「我等の生涯の最良の年」
http://www.youtube.com/watch?v=IELMoOcSKf8

ジョセフ・L・マンキーウィッツ「イブの総て」
http://www.youtube.com/watch?v=u3IONdE15vQ

などはどうでしょうか?

ただTVドラマと違って映画の演技における”表情”はあまり分かり易い分けではありません。
TVだと不特定多数の視聴者が分かり易いように、喜怒哀楽の表情や動作を誇張しがちですが、リアリズムを追求していくと、人間はそれほど感情を表には出しませんし、”映画という表現”を探求していくと、テーマや話の展開は登場人物にのみ頼っているわけではなく、衣装だったり音楽だったり撮影技法だったり編集だったりと、いろんな要素の組み合わせで成り立っています。登場人物のみでストーリーを辿ると、たとえばAという結末と考えられるが、映画全体ではBになる、なんてことも実はあります。


となるとセリフが極端に少ない作品の方がいいかもしれません。
もっともセリフの少ない作品は
「裸の島」(セリフがゼロの作品として知られる邦画です)
http://www.youtube.com/watch?v=h06cOKgqSbE

ロベールブレッソンの「抵抗」
http://www.youtube.com/watch?v=ToGRYgVgX_A

イングマールベルイマン「鏡の中にある如く」や「沈黙」に「叫びとささやき」
http://www.youtube.com/watch?v=dwu80rk5xds
http://www.youtube.com/watch?v=Pgkbr4plr6U
http://www.youtube.com/watch?v=6Pw7FYex5pQ

ロマンポランスキーの「反撥」
http://www.youtube.com/watch?v=PAQWEsEneyM

ルキーノ・ヴィスコンティ「ベニスに死す」
http://www.youtube.com/watch?v=uCjlRAKSAuQ&featu …

アラン・レネ「去年マリエンバートで」(人で辿ったストリーと映画全体で辿ったものとが違うものになっている代表作です)
http://www.youtube.com/watch?v=ohnFpTNGY0g

などなどハリウッドものよりも欧州の監督の代表作の方がいいかもしれません。
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この回答へのお礼

理想的な回答です。どうもありがとうございました。

そうですか。ドラマと映画だと、ドラマの方が表情をよく描くものですか。監督にもいろいろいるのですね。最近のドラマだと、確かに黒沢清の「贖罪」は表情を描くのがうまいなと感じます。しかし、和泉聖治の「相棒」は台詞が物語を引っ張っていくだけで、人物の表情は物語に深みを出すのではなく、単に筋書きを説明するような補足的な役割しか果たしていません。最後は名探偵役の水谷豊が、べらべらと話しまくって、帳尻を合わせてしまいます。和泉聖治はポルノ業界出身なのでその癖が残っているのかなぁと思ったりしますが、ドラマの場合、決められた期間内に、大根役者が出て来ようと何だろうと、手早くとる必要があるわけです。すると台詞に頼って、役者の演技に期待せず、物語を引っ張っていく必要があります。私はこれが一般的な手法だと思っていたのでした。回答者様はどのようなドラマを念頭に置かれていたのですか? 映画以上に表情が豊かなものなら、ぜひ観てみたいなと思うのです。

お勧めの映画を(全部ではなく)いくつか観たことがありますが、アラン・レネは面白いですね。昔はヌヴォー・ロマンの手法が、煩わしく思ったものです。しかし早速リンクに飛ばせて頂いて、今見ると、バロックの装飾に目が行ってしまいます。そして宮殿を歩く速度が、美術館などを歩く私より遥かに足早だなぁと感じたりもします。こうしてみると、案外、私の好みはヌーヴォー・ロマンに行きつくのかもしれません。
アラン・レネは作風が後でがらりと変わるのですが、「みんなあの歌を知っている」(邦訳は「恋するシャンソン」ですが、仏語の原題からしても、中身からしても感心しない訳です)など、私は非常に面白いなと思っていました。

他の作品も、また見返したら、お礼がてら、できるだけ補足欄にご報告させていただこうと思います。どうもありがとうございます。

お礼日時:2012/02/04 18:17

思いついた順に



ムルナウ 『サンライズ』
チャップリンなどもそうですが、
モノクロ・無声の中で
すさんでいた心が自らを取り戻し、
悲しみに暮れていた愛が
輝きを取り戻していく
表情の機微は圧巻

エリック・ロメール の作品
たとえば 四季の物語 『冬物語』
教会で座っているシーン
祈るわけでもなく、信じる自分を知る

フランソワ・オゾン 『まぼろし』
彼女が見ているはずのものが画面の
こちら側にあり
見えないので
その表情を見ていると
あまりに怖ろしくなり …
あまりに怖ろしいので、もしかして
『スイミング・プール』 のほうが
まだよいかも …
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この回答へのお礼

丁寧にありがとうございます。見どころを示していただいたので、それを手がかりに観てみたいと思います。本当は観てからお返事をしたいと思ったのですが、なかなか探しきれなくて、お礼を申し上げるのを伸ばしてしまいました。申し訳ありません。そして実はまだちゃんと観れていないという為体です。

おっしゃるように、無音のモノクロ映画は、集中して観てみてもよいかもしれませんね。フランソワ・オゾンは名前をあげていただいたので、何か観てみようと思い、YouTubeで小品Action vérité (1994) を観ました。「嘘・ホント」を表情から見分けるというものでしたが、なかなか面白いですね。でも、少しテンポが速いと感じました。もう少し、観る方が考える時間をとってくれたらいいなと思ったりしました。

他の映画も、楽しみに見させていただきます。

お礼日時:2012/02/11 14:37

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