dポイントプレゼントキャンペーン実施中!

再臨界って何が危険なんでしたっけ? 

原発事故から一年が経過しようとするのに、二号機は水温が九十度と計測されたりしてます。
(2012年2月12日現在)
東電は温度計がぶっ壊れてるだろうから大丈夫とかいいつつ、年のため再臨界にならない対策を打ったと発表してます。
http://news.mobile.yahoo.co.jp/news/view/2012021 …

事故直後は再臨界というワードを聞いて付け焼き刃の知識で理解したつもりになってました。

しかし今となってはサッパリです。

文系志望の高校生に分かる位のレベルでわかりやすく再臨界とは何か教えて下さい。

ネットで検索しましたが、やたら専門的だったり、煽ったりしてあり思考停止に陥り、私の頭がメルトダウンしそうでした(ρ_;)

温度計が壊れているだけなら良いのですが、この機会に原発問題を再び考えるきっかけにしたいのでどなたか優しく教えて下さい。

A 回答 (3件)

まず、核分裂とは



たくさんの陽子や中性子(ウラン235では235個)でブヨブヨに膨れ上がり、大きな水滴みたいになった原子核が「2つ」に割れて、「2つ」の小さな原子核になることをいいます。

これは、外部からの刺激(中性子をぶつける)すると分裂するのですが、自らブヨブヨに耐え切れずに分裂する「自発核分裂」という場合もあります。

次に連鎖反応ですが、

中性子をぶつけられた「ウラン235」のブヨブヨ原子核からは、「2つ」に分裂する時に、エネルギーと「2個」ほどの中性子が飛び出します。

この「2個」の中性子ですが、

1. > 「1個」は次の核分裂に使われて、1個はどこかに吸収されるか飛び去って無くなる。
2. > 「2個」とも、次の核分裂に使われる。

「1」・「2」のどちらの場合でも、次々と核分裂が進む「連鎖反応」です。

しかし「1」では制御された中でエネルギーが取り出せるのに対し、「2」では核分裂は2倍、2倍と増えていって制御不能になります。

つまり「1」が原子力発電、「2」は原子爆弾ということになります。

このような連鎖反応が生じる状態になったことを「臨界」と言います。

ここでの注意は、核分裂で生まれた中性子は「高速中性子」と呼ばれ、原子核にぶつかってもはじき飛ばされてしまい、次の核分裂にはあまり寄与しません。

この「高速中性子」は、水などの「減速材」を通過させて水素や酸素の原子核に何回か衝突させてスピードを一旦落として「熱中性子」にすると、「ウラン235」などのブヨブヨ原子核に効率良く取り込まれて、容易に核分裂させることができます。

また、核分裂を連続的に引き起こすためには、「熱中性子」が届く範囲に別の「ウラン235」などが存在していなくてはいけません。

これは、ある程度の量の「ウラン235」などが必要ということで、「臨界質量」と呼ばれます。

このように見ていくと、「中性子を減速する水」と、「一定量のウラン235」があれば、臨界に達するということが分かります。

原発の原子炉中では、「臨界質量」以上の「ウラン235」と「減速材の水」が、臨界状態が安定的に続き、連続した連鎖反応が進行できるように適切に配置されています。

ただし今回の様に破損していると、例えば溶融した燃料棒の塊デブリなどでは、割れ目などに外部から、中性子の減速に十分な量の水が供給され、その時に局所的に「一定量のウラン235」があれば、一過性的な臨界が実現してしまい、核分裂が偶発的に発生する可能性がある訳です。

これが「再臨界」です。

「再臨界」は絶対に局所的、一時的とは限りません。

そこで連鎖反応が進行するような条件が更に偶然にも整っているとすれば、前述「2」の状態、即ち原爆的な反応が発生する危険性も否定は出来ません。

こうなると、あの超危険な「中性子線」という放射線が発生します。

まず、放射線にも色々な種類がありますが、主に以下に分類可能です。

アルファ線 > ヘリウムの原子核が飛び出して来るもの。
ベータ線 > 原子核の中から高速の電子が出てくるもの(電子線)
ガンマ線 > 原子核からアルファ線やベータ線が出たあとに残ったエネルギーが電磁波の形で出てくるもの(電磁波。光子線)
エックス線 > ガンマ線と同じ電磁波ですが、原子核からではなくエックス線発生装置から出てくるもの。
中性子線 > 原子核の中の中性子が飛び出して来るもの。

この中で「アルファ線」は、紙一枚でも遮ることが出来ます。

「ベータ線」は、アルミの板で遮ることが出来ます。

しかし「ガンマ線」は厚い鉛やコンクリートでなければ遮ることが出来ず、「中性子線」に至っては、それすら透過してしまいます。

したがって放射線被曝で問題になるのが、遮蔽する事のできない中性子線です。

では放射線が人体を通過するとどういうことになるのでしょうか?

もしかしたら、通過するのだから別に問題ないじゃないか?と思われるかもしれません。

そう、ただ「通過するだけ」では問題はないのですが、通過する時に細胞の分子を変化させるのです。

エネルギーを持った放射線は、分子の中の電子を弾き飛ばし分子構造を変えてしまいます。

細胞は元に戻ろうとしますが、分子構造を変えてしまうので元には戻りません。

症状としては火傷みたいになります。たんぱく質に変化が生じるわけです。

(電子レンジの中に入ったようなものでしょうか?)

被曝で気をつけなければならないのは、さえぎることのできない「中性子線」なのですが、放射性物質を吸い込んでしまった時は、体内の放射性物質が撒き散らす放射線に被曝します。

体内ですから遮るものがありません。

(この場合は「アルファ線」であっても重大な影響を及ぼします)

乱暴に言ってしまえば、

再臨界=小型核爆弾 > 発生すると厄介な中性子線が発生する

みたいなイメージです。

長々説明してきましたが、いずれにしても注意深く見守る必要があるでしょうね。
    • good
    • 0
この回答へのお礼

回答者様の知識の深さが滲み出るお答えでした。非常に勉強になります

とにかく原発を注視しなければいけない事がわかりました。

お礼日時:2012/02/18 21:41

> 再臨界って何が危険なんですか?


中性子爆弾というのがありますね。
中性子は人間にとって有害です。
再臨界=臨界の状態、というのは、中性子を始め人にとって有害な放射線や放射性物質を大量に発生させます。
今の原子炉は圧力容器には穴が開き、格納容器もガタガタです。
再臨界で熱を持ち、中の水が沸騰して水蒸気と一緒にこれらのものが格納容器からもれてきたら、原子炉建てや内で作業は出来ませんし、今後室内に人間が入れないぐらいに室内が汚染されたり、原発の外に漏れていくことになるかもしれません。
そういう状態になることを危惧していると思います。
    • good
    • 1
この回答へのお礼

なるほど、非常に考えさせられるご回答でした。感謝致します。

お礼日時:2012/02/18 21:38

正確な説明は1番の通りです。



簡単な説明では、核分裂反応が持続する状態が臨界です。

臨界のときに、核分裂反応を制御できれば、発電も可能ですが、
核分裂反応を制御できないときには、爆発します。

再臨界になると、爆発の危険が少しだけ生じるので問題です。

机に上にタバコを落としても、
焼け焦げができるだけで、燃焼が持続せず、火事にならないですね。

核分裂反応でも燃焼(空気による酸化反応)でも、
発熱反応が持続するのが問題です。
    • good
    • 0
この回答へのお礼

視察深いご回答ありがとうございます。 知識が増えました。感謝です

かなりわかりやすい例えでストンとふに落ちました。

お礼日時:2012/02/18 21:39

お探しのQ&Aが見つからない時は、教えて!gooで質問しましょう!