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海馬研究の池谷裕二氏の書籍にはたびたび「脳は疲れない」という指摘が出てきます。「もしも脳が疲れて動きを休んでしまうと心臓などが止まってしまうから」というのが根拠で「実際に疲れているのは脳ではなくて目」という言及もあり,なるほどと思いました。

一方ネットなどのいろいろな記事では“脳の疲労”のことが繰り返し言及されていますし,個人的な経験からも,同じことを根詰めて行なうと疲労感が出てくるように感じられます。(目だけでは無いような気がします)

生物学的・医学的見地からでは,どのような意味で脳は「疲れる」とか「疲れない」とか表現(定義)できるのでしょうか?

A 回答 (5件)

紹介いただいたサイトに目を通してみました。

なんとなく質問者様と我々回答者の齟齬が理解できた気がします。

おそらく池谷氏のこの著作は一般人向けの本なのでしょう。対談相手の糸井氏はライターやメディア関連の企画などが本業で学者ではありませんし。
『脳は疲れない』という主張は一般人に分かりやすくするための誇張表現であると思います。大衆向けのテレビ番組や雑誌がセンセーショナルな見出しで読者の目を引くようなものですね。
脳(この場合は脳というよりは思考活動)の疲労は一般的な生活の場であれば思考作業そのものよりは精神的なストレスや肉体的な疲労が強く影響するのは確かなようです。
そういう意味では池谷氏は知的作業によって疲れたときは頭を休めるよりも精神的ストレスや肉体的疲労がたまらないように工夫したほうが効率的である、とそう主張しているのではないかと思います。
実際には神経だって酷使すれば疲労はしますし睡眠をとらなければ脳に重大な悪影響を与えるのは確かです。そもそも脳と一口にいっても思考に関わる部位もあれば生命維持に関わる部位もあります。
しかし、そういうややこしいことはとりあえず棚上げして、現実の生活においては心身のストレスや疲労を脳の思考活動の疲労と勘違いしてる人が多いですよ、ということを強調するために『脳は疲労しない』と誇張表現しているものと思います。

なのでこの言葉を厳密に解釈しようとすると訳が分からなくなりますが宣伝文句と考えれば順当ではないかと。
実際に著作を読んだわけではないので的外れだったらすいません。あくまで私個人の想像ということで。
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この回答へのお礼

わざわざご覧いただきありがとうございます。今回のご回答は,私が知りたかった点にかなり近いように思います。心から感謝いたします。

お礼日時:2012/04/09 16:51

神経も細胞の化学的な活動によって働いてますので、神経伝達物質の分泌やホルモンの合成が盛んな状態が続けば働きは鈍ります。


これは神経に限らず内分泌腺や各種臓器などにも言えることですね。
細胞小器官レベルでも合成した物質が過剰に蓄積したり、タンパク質合成に失敗してできた余剰タンパク質が蓄積したりして細胞が死ぬなどの現象があります。
脳も様々な化学物質の精密な制御によって活動してますので休憩なしで使えば化学物質の濃度が狂ってきます。
なので適切な休憩や睡眠をとらないと能力は低下します。

あと、余談ですが心臓には洞房結節という心臓を自発的に動かす組織があるので例え脳が死んでも栄養と酸素がある限り心臓は動き続けます。
これは中学生か高校の教科書にも載っている基本的な内容なので生物の専門家なら知らないはずはないと思うのですが
池谷氏が本当に脳が休んだら心臓が止まると仰っているとするなら池谷氏は素人並みの知識しかないことになるような気がします。
確かに脳が死ねば呼吸も止まり、最終的には心臓も止まりますけども例えとしては変な気がしますね。
その著作は私は読んでいないので正確な言い回しはわかりませんが。

この回答への補足

詳しい解説をありがとうございます。たいへん参考になります。

> 池谷氏が本当に脳が休んだら心臓が止まると仰っているとするなら池谷氏は素人並み
> の知識しかないことになるような気がします。

何人かの方からコメントをいただき,いずれも同様のご指摘でしたので,もしも私が勘違いしていたら池谷氏の名誉毀損になりはしないかと心配になりました。
それで,ネット上で池谷氏の考えが記されている箇所がないかと探しましたところ,以下の URL にコメントが載せられていました。

http://www.1101.com/brain/2002-05-16.html

私の理解が足りないかもしれませんので,もしご面倒でなければ raiden787 さんご自身でご一読いただき,さらに何かコメントをいただければたいへんうれしく思います。

補足日時:2012/04/07 16:34
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筋肉の疲労と神経の疲労はメカニズムが異なります。


筋肉は多くのエネルギーを消費し、酸素が少ない状況だと乳酸を発生します。
その乳酸が筋肉や神経を傷つけることによって疲労が発生します。
神経は1つの細胞内では電位の変化によって信号を伝えていますが、神経細胞の
間はアセチルコリンやノルアドレナリンを分泌し、となりの細胞がそれを関知する
ことによって信号が伝わります。大脳の思考に時間がかかるのはそのためです。
細胞内のアセチルコリンが少なくなり分泌量が減り、細胞外にアセチルコリンが
増えると細胞はアセチルコリンの関知ができなくなります。これが疲労です。
多くの動物に睡眠が必要なのはこのためです。

筋肉にも疲労しやすい筋肉と疲労しにくい筋肉があります。
骨格についている横紋筋hあ力が強いのですが疲労しやすいです。
心臓の心筋や胃や腸の内臓筋は疲労しにくいです。
心臓が一生止まらないのは、延髄や間脳が疲労しにくいことよりも、心筋が疲労しにくい
方が大きいと思います。

同様に、脳にも疲労しやすい部位と疲労しにくい部位があります。
大脳は記憶や思考などに能力が高いのですが、疲労しやすいです。
それ以外の小脳や間脳、延髄は疲労に強く24時間、一生はたらきます。
ですから、脳が疲労しないのではなく、生命を維持する部位の脳が疲れにくいだけです。

ある程度の量のお酒を飲むと記憶や理性が無くなります。
これは大脳が微量のアルコールやアルデヒドに対しても耐性がないからです。
この状態で、さらに飲酒を続けるとアルコール中毒で死ぬこともあります。
これは小脳、間脳、延髄などが大脳よりもアルコールに対して耐性が大きいからです。
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この回答へのお礼

ありがとうございました。とても参考になりました。

お礼日時:2012/04/06 18:01

>「もしも脳が疲れて動きを休んでしまうと心臓などが止まってしまうから」というのが根拠



その「根拠」は「根拠」になりません。

「脳死状態」では脳が働きを止めてしまっても心臓は動いている、と言う状態です。

この現象は「脳が止まると心臓なども止まってしまう」と言う主張に反した現象です。

なので「脳が止まると心臓なども止まってしまうとは限らないから、脳は疲れないという主張は、何の医学的根拠も無い、妄言である」と居えます。

それに、事故等で、普通では耐えられないようなダメージを追うと、ショック死したりしないよう、脳が全感覚を遮断し「気絶」と言う状態になります。

「気絶」の状態では「脳が動きを止めているのと同じ」なので、「脳が止まると心臓なども止まってしまう」が本当なら、心臓も止まって死んじゃう筈です。

過去には「頭を切り落とされて脳を失ったあとも、何日間も生きていた鶏」が居たくらいですから、「脳が止まると心臓なども止まってしまう」などと言う主張は、信じる訳には行きません。

大前提が間違っているので、この大前提を元に「脳は疲れるのか疲れないのか?」と言う議論をしても無意味です。

この回答への補足

具体例を提示してくださりありがとうございます。参考になりました。

私が「根拠」として挙げたものは池谷氏の考えとしては違っていないと思いますが,私が用いた「根拠」という表現は不適切だった可能性も否定できません。

以下のURLは池谷氏の主張がそのまま掲載されたものだと思います。

http://www.shiawasehp.net/diary/200612/16.html

また,書籍の主題にもなっています。

http://www.amazon.co.jp/%E6%B5%B7%E9%A6%AC-%E8%8 …

補足日時:2012/04/06 17:59
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おっしゃる通り、脳は疲労します。

根を詰めて仕事をしたとき、カロリーが不足してきたとき、ストレスがかかったとき、睡眠があまりとれなかったとき…などなど。

脳が疲労すると、自然に体が自分の身の危険を守ろうとしますので、不安になったり、動く気力がなくなったりします。悪い方にものごとを考えてしまうのも、その症状の一つです。

脳を疲労させないためには、バランスのよい食事、十分な睡眠、休養、適度なカロリーの補給、気分転換(音楽を聴くなど)などが必要です。

逆に言うと、「脳は疲れる」という表現は、上記のような人間の生活に必要不可欠なものが不足してきている…という意味だと思うのです。
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この回答へのお礼

ありがとうございました。とても参考になりました。

お礼日時:2012/04/06 17:53

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