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税務調査は税務署側に不正の証明義務があるって本当?

お世話になります。

元国税調査官、という経歴の大村大次郎氏の著書
「あらゆる領収書は経費で落とせる」
という本に以下のような記述があります。

これは本当でしょうか?
この文章を裏付ける、証明する法律の条文を教えてください。
よろしくお願いします。

(こんなところで質問せずに、著者本人に質問すればいいだろ、という回答は結構です)


なお、これを悪用して脱税をもくろんでいるわけではないことをお断りしておきます。
********

本の記述の引用

P154
(略)

 日本の税制では、基本的に「申告納税制度」というシステムが取られています。
 これは、税金は納税者が自分で申告して自分で納める、というシステムです。税務署や税務当局(地方自治体など)は、納税者の申告が”明らかに間違っている場合”に限って、修正できることになっているのです。
 そして「誤りを証明する」のは税務署側の仕事であり、納税者側が「誤りでないことを証明する義務」はないのです。
 もし何かおかしい領収書があった場合、納税者側はそれを正しいと証明する必要はないのです。税務署側が「それは間違っている」と証明できて初めて修正ということになるのです。
 たとえば、紙切れ一枚で相手先の印鑑も押していない”領収書もどき”があったとします。
税務署の調査官はこれを「不審だ」と思います。でも税務署がそれを修正申告させるためには、「不審だ」というだけではダメなのです。この領収書に記載されている取引が「嘘であること」を自ら証明しなければならないのです。
 これはタテマエの話をいっているのではありません。実際に税務の現場ではよくあることなのです。
 私が調査官をしているときにも、ありました。とある建設業者の税務調査をしていたときのことです。私は市販のペラペラの領収書に、500万円もの金額が記載されていたのを見つけました。
 普通、500万円もの高額な取引の場合は、請求書や見積書などがあり、きっちりした領収書があるはずです。しかしその取引には、請求書などの付随書類は一切なく、ペラペラの領収書1枚だけでした。経営者を問いただすと、外国人労働者の派遣業者に支払ったとの一点張りでした。その業者は連絡先におらず、事実関係は確認できませんでした。
 でも、最終的にこの建設業者はお咎めなしになりました。なぜなら、調査官の側(つまり、私)が、その「領収書が不正だ」という証明ができなかったからです。
 つまり税務署側から見て、「これはおかしい」と思うような取引があっても、絶対的な証拠を握るか、納税者が自分で認めるかしない限りは、それを修正することは出来ないのです。
おかしいと思いながらも追徴を断念するケースは数限りなくあるのです。

(略)

A 回答 (1件)

「署側から見て、「これはおかしい」と思うような取引があっても、絶対的な証拠を握るか、納税者が自分で認めるかしない限りは、それを修正することは出来ないのです。


という既述は実は正確性を欠いてます。
修正する=修正申告書を出すのは「おれが悪かった」と自ら非違を認めることで、税務署が修正申告をすることは絶対にありません。つまり「修正することはできない」という前に、何がどうなってもできるものではないのです。
修正申告書の提出ができるのは納税者本人だけだからです。

税務署長ができるのは、更正決定という賦課行為です。
修正申告は自分でしたものですから異議申し立てはできませんが、更正決定には異議申立てから始まる「おかしいではないか」という文句をつけることができます。その裁決にあたり税務署長は「更正決定の理由」を述べないとなりません。
この部分が証明義務という言い方になってるようです。

署「おまえ、違ってる。これが正しい納めろ」
納「あんたのいう事の方がおかしい」
ここで争いになるので、自分の言ってることが正しいのだと証明するのは税務署になります。
訴訟法上の証明責任を負うのです。
証明できないなら「税務署の負け」です。

あえていうなら、国税通則法第75条以下の不服申し立て関係でしょうか。

大村氏の著作は暴露本的に読むのは面白く興味深い点があります。
学術書として書かれてないので、重箱の隅をつつくような見方をすると「その言い方だと違う」と言う点もあります。
氏の見識がおかしいというよりも、読み物なので、余りに細かいニュアンスをつつくことなく面白く読んでくれと云う意図があるのかなと思います。
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この回答へのお礼

早速のご回答ありがとうございます。

>修正申告書の提出ができるのは納税者本人だけだからです。

ああ、なるほどね。「修正」は納税者本人でなくてはできない、とね。そういう言葉の使い方、ですか。

>更正決定には異議申立てから始まる「おかしいではないか」という文句をつけることができます。その裁決にあたり税務署長は「更正決定の理由」を述べないとなりません。
この部分が証明義務という言い方になってるようです。

ふうむ、なるほど。
まあ、調査官も、上司である税務署長に更正決定させるためには、上司を納得させるだけの決定的な証拠をつかまないとイケナイ、ってことですね。”お上”であるところの税務署の長に「負ける喧嘩」をさせるわけには行きませんからね。この国は「お上は常に正しい」という事になってますから。(まあ、それはどこの国もおんなじか)

この事例のように、必ずしも「領収書もどき」が通用するわけでもなさそうですね。
まあ、領収書もどきを作るつもりもありませんが。


ありがとうございました。

お礼日時:2012/06/30 00:07

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