法律初学者です。
「会社法341条」と「同法309条1項」は、役員を選任・解任する決議につき、つぎの点(定足数の要件)で異なりますが、下記(決議の要件)の違いについては、実質的に影響はないものでしょうか。
会社法309条1項では定足数の要件を定款で軽減または排除することができるのに対して、同法341条の場合は3分の1まで軽減することが認められるのみ。
記
◆会社法309条1項…出席した当該株主の議決権の過半数
◆同法341条…出席した当該株主の議決権の過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)
No.2
- 回答日時:
まともな回答が無いようなので答えますが、
結論は一つではありません。
309条1項の決議要件については、
諸説あります。
1.定足数も決議要件も自由に変更出来る
と解する説
条文の文言を素直に解釈すると、自由に変更出来る
と解さざるを得ない。
2.定足数は自由に変更出来るが、
決議要件は増やすことしか出来ない
と解する説
決議要件を自由に変更出来ると解すると、
0%での決議が可能となってしまうため
妥当でない。
たとえ1%であっても妥当とはならず、
最低ラインが明確ではない。
そもそも賛成反対両立の矛盾や多数決の原理等に鑑みると、
過半数を最低ラインと考えるべき。
3.定足数は自由に変更出来るが、
決議要件は減らすことはもちろん増やすことも出来ない
と解する説
「定款に別段の定めがある場合を除き」は
定足数にだけを指していると解する。
「定款に別段の定めがある場合を除き」が
定足数及び決議要件の双方を指していると解すると、
決議要件を0%に出来ると解さざるを得なくなるが、
それはあり得ない。
かと言って、増やすことのみ可能と解するなら
341条と同様に「これを上回る割合を定款で~」と
かっこ書きで規定されるはずである。
よって、減らすことも増やすことも出来ない
と解すべき。
ちなみに、私は3を採っています。
この回答への補足
回答者様による「3.」の説では下記となり、したがって、役員を選任・解任する決議(会社法341条)については、普通議決(会社法309条1項)の場合と比較した場合に、つぎのとおりになるのでしょうか。
※「両規定の違いは、309条1項では定足数の要件を定款で軽減または排除することができるのに対して、341条の場合は3分の1まで軽減することが認められるのみ」で、「決議要件については実質的に違いがない」…×
※定足数を3分の1未満にはできないだけで、それ以外は309条の普通決議と同じ…×
※「309条1項では定足数の要件を定款で軽減または排除することができるのに対して、341条の場合は『3分の1まで軽減することが認められるのみ(=定足数を3分の1未満にはできない)』」「決議要件についても、『会社法341条の場合は加重することが認められる』点で、実質的に違いがある」…○
記
※会社法309条1項では定足数の要件を定款で3分の1よりも軽減または排除することができるのに対して、同法341条の場合は3分の1まで軽減することが認められるのみ
※会社法309条1項では決議の要件を定款で変更することができないのに対して、同法341条の場合は加重することが認められる(「(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)」により)
ご丁寧に説明いただき、誠にありがとうございます。
なお、後ほど、補足にてご質問するかもしれませんが、ご返答いただければ幸いに存じます。
お忙しい中誠に恐縮ですが、よろしくお願いいたします。
No.1
- 回答日時:
>会社法309条1項…出席した当該株主の議決権の過半数
例えば、定款で「出席した当該株主の過半数」(出席した株主の有する議決権の個数の過半数ではなく、出席した株主の人数の過半数にする。)とする別段の定めをすることもできます。
>同法341条…出席した当該株主の議決権の過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)
例えば、「出席した当該株主の議決権の3分の2以上」と定款で定めることはできますが、前述の「出席した当該株主の過半数」とすることはできません。
この回答への補足
「同法341条…出席した当該株主の議決権の過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)」に関しての「例えば、『出席した当該株主の議決権の3分の2以上』と定款で定めることはできますが、前述の『出席した当該株主の過半数』とすることはできません。」についてですが、これは、以下の解釈でしょうか。
「出席した当該株主の過半数」は、「『出席した当該株主の議決権の過半数』を下回る割合になる」
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