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2014年度センター試験 地学I 第2問の問2についての疑問です。
Y帯にはらん晶石が、Z帯には珪線石があったのですから、それらが接触変成作用を受けて、紅柱石に変化したと考え、更にその変化は元の鉱物の外側から内側に向けて進むと考えれば、問2の答は(1)になることは、分ります。
私が疑問に思うのは、問題に付けられた図2との関係です。この図2を見ると、珪線石が接触変成作用(=熱変成作用)によって加熱されて温度上昇する場合、決して紅柱石になることはないと思うのです。それとも、この熱変成作用には、一度加熱されて温度上昇した後、再び冷えていく間の変化も含まれるのでしょうか。もしそうなら、その冷えていく間に珪線石が紅柱石に変わることは、この図に照らして理解できます。ですが、熱変成作用(接触変成作用)にはその冷却過程も含まれるというのは、あまり聞いたことがないので、疑問に思います。この辺りの事情について、お分かりの方がおられましたら、よろしくお願いします。

A 回答 (3件)

 広域変成作用を受けた岩石(岩体)が、すでに造山運動や地表の削剥により地表に向かう過程(温度圧力下降過程)にあり、図2の三本線の交点を下回る深度まで岩体が上昇した段階で接触変成作用を受け(温度は紅柱石と珪線石をわける直線をこえない範囲)たのだとおもいます。

これなら、紅柱石の安定な温度圧力条件に当てはまります。
 問題文にあるように、地表でも藍晶石、珪線石は残存しています。Al2SiO5鉱物(紅柱石、珪線石、藍晶石)は「瞬時に」別の鉱物に転移しません(参考、高温型石英、低温型石英のように瞬時に変わるものはあります)。本来の鉱物の安定な温度圧力条件下(常温常圧でも良い)でもないのに形態を保っているのは、「準安定」、「準安定状態」という、安定状態、不安定状態とはべつの状態にあるためです。ダイアモンドが常温常圧で存在しているのも同様の理由です。

ということで、
 質問者様のお考えの通り、珪線石を加熱しても紅柱石にはなりませんし、広域変成岩にある珪線石および藍晶石はそれぞれの安定な温度圧力条件下にいつづけたと考える必要もありません。
 「接触変成作用を珪線石が安定な状態でうけてその後温度が下降した時に紅柱石が出来た」というより、普通なら、珪線石と藍晶石は温度下降期に紅柱石の安定領域をとおるような温度圧力時間の過程を「紅柱石に変わる暇無く」経てしまうのが、接触変成作用により「紅柱石の安定な温度圧力条件時間過程を長く経験することが出来きた」ために、花崗岩帯との境界部限定で「紅柱石が出来た」と考えてはどうでしょうか。
 とまで書いておいて回答が間違っていたら済みません。温度上昇期にはきっちり珪線石、藍晶石と変わっているのに、温度下降期に紅柱石に変わらないのはおかしいのではないか? と思われるかもしれません(私も思いますが)。でも、「広域変成岩の年代が1億年」といったときの「1億年」は広域変成作用をうけて各岩体が再結晶した時の年代の話であって、実際に地下に潜って地表に出る全体的な時間はもっとかかったと記憶しています。そのため、具体的な反応時間については思考停止しているのが実情です。

この回答への補足

>> 「温度上昇期にはきっちり珪線石、藍晶石と変わっているのに、温度下降期に紅柱石に変わらないのはおかしいのではないか? と思われるかもしれません(私も思いますが)。でも、「広域変成岩の年代が1億年」といったときの「1億年」は広域変成作用をうけて各岩体が再結晶した時の年代の話であって、実際に地下に潜って地表に出る全体的な時間はもっとかかったと記憶しています。そのため、具体的な反応時間については思考停止しているのが実情です。」

この記述の意味がよく分かりませんでした。が、問題解決にはあまり関係ないのかなと思い、こだわりませんでした。

補足日時:2014/08/21 12:51
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この回答へのお礼

ご回答いただきまして、ありがとうございます。
もう回答が来ないだろうと思っていた所に、問題の核心的な説明に出会い、私は再度この問題を考え直しました。あなたの記述を読み、私は次のように整理してみました。

広域変成作用により形成された岩体(XとYとZ)が、その後地表に向かい、温度圧力が下がっていき、図2の紅柱石が安定に存在する温度圧力になっている深度に達する。しかし、そのままではY中の藍晶石やZ中の珪線石は紅柱石に変わらない(あなたのいう準安定状態に留まっている)。その時貫入して来た花崗岩から、接触変成作用を受ける。これがきっかけになり、花崗岩に近いX帯にのみ紅柱石への変成が起きる。(他の部分は相変わらず「準安定状態」に留まっているのでしょうかね。??)

あなたは、準安定状態は長い時間をかけて安定状態に変化する、というように、考えられておられるようです。この問題について次のような可能性もあるかもしれないと私は考えました。

3つの鉱物の化学組成は同じですから、準安定状態から安定状態への変化は、単純な化学反応と見なせます。そこで例えば、水素と酸素とが化学反応して水に変わる変化を例にとって考察します。この反応は発熱反応ですから、水の状態の方が水素と酸素との混合状態よりもエネルギー的に安定です。しかし、水素ガスと酸素ガスを混合して常温常圧にしても、すぐには反応は起こりません。反応に必要な活性化エネルギーが欠けているからです。混合ガスに火をつけると、それをきっかけにして反応が瞬時に起こります。
上の例に照らして考えるなら、準安定状態に接触変成作用が加わることが、混合気体に火をつけることに対応するのではないか、ということを私は考えました。

一方、準安定状態は長い時間をかけて安定状態に変化する、と言えるわけは、次のように説明できます。物体の温度が一定でも、その物体中の分子の中には、熱運動の激しいものが必ず混じっています。その個数はわずかです。熱運動が激しければ、分子は活性化エネルギーを越えるでしょう。それらの分子は安定状態に変化する反応を引き起こすでしょう。これが反応が少しずつ進むことの理由ではないか、と思います。

いずれにせよ、準安定状態と安定状態との区別、その準安定状態が安定状態に変化する条件等のことが分かっていない限り、この問題を合理的に解決することができません。高校地学でそのようなことは決して取り扱っていないでしょう。もし、この問題を出題するのなら、それらについての説明も問題文中に入れるべきだと思います。私はこの問題の出題者に反省を促したいと思います。
話が逸れてしまい、申し訳ありません。

ご回答は大変役立ちました。
本当にありがとうございました。

お礼日時:2014/08/21 12:58

他の人の回答を待っていましたが、余り反応が無いようなので。


小生、モールス信号全盛期の通信高校卒業生。従って地学等に関しては、職掌柄やむなく独学で学んだ程度の者です。完全なお答えになら無いであろう事、ご了承下さい。
前回のお礼にありましたURL参照しました。
珪線石、紅柱石という鉱物種名についても初見ですし、添付図のグラフについても、正確には読み取れません。
ただ、ある物質の形態(結晶構造=密度)は、温度と圧力によって変化しますが、温度と圧力は密接に関連しています。従って、温度一定もしくは圧力一定下での実験観察は無意味ではありませんが、結晶構造変化の実態を反映するものでは有りません。
小生の記憶では、温度と圧力を同時に変化させた場合、ある種の物質が温度と気圧のある条件範囲で安定で、条件範囲を超えると不連続に他の物質に変化する、と学びました。
全ての物質が臨界を越えて溶融した状態をメルトと言い、一部の分子が溶融し始める状態を半溶融と言うようです。
メルトから自然に冷却されて行く時、特定の分子同士が結合したり、単分子が結晶化したりと、それぞれの臨界状態で固形化します。これが花崗岩地層での鉱脈形成に寄与しています。金鉱脈の近くには銀鉱脈や銅鉱脈が付随したり、高純度の水晶が付随する場合もあります。
以上ご理解戴ければ、珪線石が紅柱石に変化して安定保存されることも、起こり得ることではないかと推測しますが、如何でしょうか?
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この回答へのお礼

お礼が遅れて申し訳ありません。
ご回答いただきまして、ありがとうございました。
あなたが書かれた内容は、マグマの結晶分化作用として、よく知られているものですね。私もそのことは良く承知していますし、高校の地学の教科書にも基本的な内容として扱われています。
しかし、私が質問したことは、高校地学の教科書にも出てこないし、高校地学では図2を元にして鉱物の熱変成過程を具体的に考えることは教えていないと思います。なので、そこの所を詳しく説明して貰えたらと思い、ここに質問に出した次第です。
あなたの記述では、私の疑問は解けませんでしたが、ご自分なりに考えられてご回答いただけましたことには、感謝したいと思います。
ありがとうございました。

お礼日時:2014/08/19 21:46

肝心の図が添付されていないので、何とも答えようがありません。


ただ云えることは「変成作用」とは、結晶構造が変化することを意味します。
変成作用(結晶構造の変化)は、加熱過程でも冷却過程でも生じます。
そう考えれば解決出来ると思いますが。
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この回答へのお礼

ご回答いただきまして、ありがとうございます。

失礼しました。
問題文と図は、次のURLを参照して、142ページと144ページを見てください。
http://www.dnc.ac.jp/albums/abm.php?f=abm0000302 …

> 「変成作用(結晶構造の変化)は、加熱過程でも冷却過程でも生じます。」

そうでしたか。それなら問題解決です。
このもう一つ、質問してよろしいですか。
問2では、偏光顕微鏡で鉱物を観察しています。その観察時の圧力と温度は1気圧、常温であるとすると、問題付属の図2によると、この1気圧、常温では、珪線石は存在できないのではないか、と思います。この図2によると、摂氏500度以下になると、珪線石は存在できないと読み取れるからです。もしできましたら、このあたりの事情についても、解説していただければ、幸いです。

お礼日時:2014/08/09 18:34

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