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以下のようなドイツ語の文があります。

Inmitten des Asphalt-und Zementdschungels kommt aber auch das Gruen nicht zu kurz.

この場合のzu kurz kommenは英語でいうshort(足りない)という意味と解釈してよいのでしょうか?訳文は「アスファルトとコンクリートのジャングルのただ中だからといって、緑がないわけではありません」となっています。
辞書にはzu kurz kommenで「損をする」という成句が載っていますが、この場合にはそぐわないような気がします。kurzには足りないという意味は載っていません。

また、schwer とschwierigの使い分けもよくわからないことがあります。辞書には=schwierigとありますが、絶対どちらかでないとダメな場合とどちらでも可能な場合があるのだと思います。合わせてご教授願えたら幸いです。宜しくお願いします。

A 回答 (1件)

こんにちは。


zu kurz kommenの意味は、独和辞典の解説だけではわかりにくいでしょう。郁文堂の独和辞典には、比喩的な意味として、zu kurz kommen「分け前が少なくなる、損をする」と、Er ist geistig zu kurz gekommen.「彼は知恵遅れである」という例が出ています。また、よく聞く表現、den kürzeren ziehen「貧乏くじを引く、損をする」というのも出ていました。ドイツのDudenのUniversalwörterbuchを引くと、成句としてzu kurz kommenが載っていて、「benachteilgt werden(損をする)、zu wenig bekommen(足りない)」と出ていました。語源は軍隊用語と推測されていて、砲弾が敵地に届かなかったことを言ったようです。白水社のドイツ語不変化詞辞典、およびドイツ語副詞辞典には、「jn. kurz halten, zu kurz kommenなどの特定の成句に用いられ、不利、不十分などを示す」とあります。

Wir halten unsere Kinder absichtlich kurz, damit sie den Wert des Geldes erkennen.
私達は、子供たちにお金の価値を知らせるために、故意に彼らが金に不自由するようにさせている。

Beim Verteilen der Beute muss man aufpassen, dass keiner zu kurz kommt.
獲物を分配するさいには、誰ひとりとして損をする者がないように注意せねばならぬ。

最初の例文では、「不十分」であって、「損をする」ではありませんが、二番目の文は、「誰にとっても不十分でないように」と言い換えても意味は通じます。つまり、「不十分」「足りない」「損をする」という分け方は、日本語に訳するときに出てきてしまう問題で、ドイツ人にとっては統一的な概念なのだと思います。nicht zu kurz kommenという否定の形で、補足的に「これもちゃんとある、忘れられていない」という雰囲気を感じる表現はよく見かけます。

schwerとschwierigは、以前文法書の御質問の時に少しお話ししましたね。私も最初はわからなかったのです。schwerを使ってschwierigと訂正されたので、次の時にschwierigを使ったらschwerと言うので、違いはなんなんだ、と聞くと、schwerは不可能に近いというようなことを言われたように記憶しています。こういう程度の問題ということもあると思いますが、先ほどと同じ白水社の副詞大辞典を見ると、schwerの意味として、

1 (重量に関して)重く
2 さまざまな困難さを示して:(以下例文)
3 ふつう助動詞könnenと共に用いられ、陳述内容が困難な、あり得ないことであるという、話し手の判断を示して:(以下例文)

とあり、schwierigの説明は、

陳述内容が困難であるという、話し手の判断を示して:(以下例文)

とあります。これだけだとまだわかりにくいと思いますが、多少補足できることがあるとすると、schwierigの方は、自分の判断として「難しいなあ」と思うような場合に使います。たとえば、Diese Maschine ist schwierig zu bedienen.「この機械は操作が難しい」という文。不可能ではないけれど、複雑なのでなかなか覚えられない、ということですね。やや主観的、個人的判断の方に寄っているかもしれません。これに対してschwerの方は、動かせない事実としての困難、自分が難しいと思うのではなく、不可能であるという客観的な原因がある場合があるようにも見えます。次のような文では、schwerが適切です。

schwer verdauliche Speisen「消化しにくい食べ物」(事実)
Sie hört schwer.「彼女は耳が遠い」(事実)
Die Verkäuferin ist nicht hübsch. Sie wird also schwer eine Stellung bekommen.「その売り子は美人ではない。だから、なかなか職が見つからないだろう」(論理的帰結)
Ich war auf dem Land gewachsen und konnte schwer verstehen, wie einen die Natur von etwas befreien sollte.「私は田舎で育ったので、自然が私たちを何かから解放してくれるなどということは、理解しがたかった」(論理的帰結)。

特にkönnenを使った場合は、不可能性が強くなります。

Dass Helmut so etwas gesagt hat, kann ich mir schwer vorstellen.
ヘルムートがそのようなことを言ったなんて、私には考えられない。

しかし、これはあくまでも目安で、はっきり線引きができるわけではありません。やはり、程度の問題が大きいようです。先ほど、Diese Maschine ist schwierig zu bedienen.という例文を出しましたが、同じ辞書にDer Bohrer ist schwer zu handhaben.「このドリルは、操作が難しい」という例文も出ていました。この辺は置き換えが可能ですね。スイスの面白い文法サイトがあるのですが、ネイティヴでも迷うようです。こんな質問が出ていました。

ドイツ語の文法は本当にschwerですが、人によってはschwierigと言います。もし文法的な疑問が出てきたとき、自分はvor einem schweren Problemの前に立っているのか、vor einem schwierigen Problemの前に立っているのかどちらでしょう。ところで、今私の手元にある数独の問題は、Schwierigkeitsgrad(難易度)がschwerとなっているのですが、私はschwierigのような気がするのです。(意訳)

回答の最初には、

Sie stehen vor einem schweren oder vor einem schwierigen Problem. Beides ist möglich.

どちらも可能、と言っています。そして、schwerは特に、解決が簡単ではないような困難であるといいます。(なお、この場合ドイツ語の表現としてもっと洗練されているのは、schwerもschwierigも使わず、vor einem großen Problemと書くことだそうです。)そのうえで、若干の違いはあるとして、次のような説明になっています。

eine schwierige Aufgabe = eine komplexe, ein hohes Maß an Fähigkeit(en) verlangende Aufgabe
複雑で、高度な能力を要求する課題
eine schwere Aufgabe = eine große Mühe bereitende Aufgabe
多大な労苦を惹き起こすような課題

したがって、どちらを使うかは、個人の能力の差によっても違ってき、同じ問題を解決するにあたっても、プロにとってはschwierig、素人にとってはschwerということもあり得るそうです。そして、補足として、leichtとeinfachの使い分けも似たところがあると説明していました。

schwerの反対はleicht
schwierigの反対はeinfach

Das ist leicht gesagt, aber schwer getan.
言うのはたやすいが、実行するのは難しい。

あと、辞書等には説明されていませんが、私の感覚として、会話で何かを依頼、または提案したとき、schwerを使うかschwierigを使うかで、意思表示ができるようにも思います。schwerと答えられたら、期待薄ということでしょう。
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この回答へのお礼

Tastenkastenさん、ありがとうございます。

>「不十分」「足りない」「損をする」という分け方は、日本語に訳するときに出てきてしまう問題で、ドイツ人にとっては統一的な概念なのだと思います。
そうなのですね!元々軍隊用語からきているという解説も納得です。

schwer と schwierigの使い分けも大変参考になりました。
昔、Was ich dir sagen will ,faellt mir so schwer.という歌がありましたが、この場合は成句でsich3 schwer fallen(難しい、辛い)と辞書に出ています。長い間、「私があなたに言いたいことは私に重くのしかかる」という風に理解していましたが、それほど変な解釈でもないという気がします。(汗)

ドイツ語を日本語訳して理解するのではなく、独ー独的に理解することができるまでには相当な場数を経験しないといけないのでしょうね。

Tastenkastenさんのお蔭でとても助かります。辞書ではわからないニュアンスなどとても多いですから。

お礼日時:2015/06/07 21:19

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