No.1ベストアンサー
- 回答日時:
燐タングステン酸塩、マグネシウム(二価陽イオン)、アポリポプロテインBに限った事ではないですが・・・。
タンパク質のような高分子化合物は分子一個でコロイド粒子の大きさをもつ分子コロイドとして溶液の中に存在している。
コロイド粒子が溶液中で沈殿することなく、安定に分散を保っている理由は、すべて同種の電荷を帯びたコロイド粒子が互いに反発しあっているため。
この溶液に電解質を加えると、帯電していたコロイド粒子にそれと反対符号のイオンが強く引きつけられ、コロイド粒子の帯電が電気的に中和される。
そのため、コロイド粒子間の反発力がなくなり、分子間力が大きくなるため、コロイド粒子は互いに凝縮して沈殿する。
コロイド粒子を析出させる力は、加えた電解質から生じるイオンの価数により異なる。
コロイド粒子と反対符号のイオンで価数の大きいイオンほど、凝析させる能力が大きくなる。
と言う事で、アポリポプロテインB粒子が陽イオンの反発力で溶液中に存在出来る訳で、反発力が強い。
なので、多価の陰イオンによって反発力が弱まり、コロイド分子間力が勝つ為凝集する。
t_fumiaki様、
早速のご丁寧な回答、ありがとうございました。とても参考になりました。そこでさらに補足で質問させていただきたいのですが、マグネシウムを用いる理由は何ですか?アポリポプロテインが陽イオンを帯電させているので、多価陰イオンが必要というのは理解できたのですが、さらに陽イオンを追加する理由が分かりません。(プロトコールでははじめに燐タングステン酸塩を加え、その後にマグネシウムを加えます)もしもご回答いただけたら大変嬉しいです。どうぞよろしくお願いします。
No.2
- 回答日時:
>>燐タングステン酸塩を加え、その後にマグネシウム
失礼しました。No1.の回答は一般論で、析出の原理です。
具体的には、コレステロールの事を質問してるんですよね。
ご承知の様に、リポ蛋白は比重の違いにより、5種類に細分されます。
CM、VLDL、IDL、LDL、HDL
これらのリポ蛋白は表面に存在するアポ蛋白のアミノ酸残基を反映して陰性に荷電しています。
(リポ蛋白は陽性では無くて、陰性に帯電しています)
この陰性荷電はLDL、VLDL、HDLの順に増加し、CMはほとんど荷電が認められません。
これを析出させるには、多価陰イオンではなくて、多価陽イオンが必要な訳で、陽イオンの程度によって、析出されるものがLDLだけであったり、LD+VLDLで有ったりします。
HDLまで析出するには、さらに陽イオンが必要になる。
と言う事ですね。
引き続き、お返事ありがとうございました。
アポ蛋白は、陰性に帯電しているのですか?でも、LDL(アポリポプロテインBを含むもの)を沈殿析出させるプロトコールには、
多価陰イオンである燐タングステン酸塩、そして二価陽イオンである、マグネシウムを用いると記載があります。
私の理解不足をどうぞお許しください。もしも何か追加でコメントいただけるのであれば非常に助かります。
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