数ヶ月前に父が亡くなりました。
父は18年近く姉夫婦と同居していました。
姉はお嫁に行っており、苗字は変わっています。
祖父の土地に姉夫婦が姉名義の家を建てました。
2年前姉は亡くなり、その後父は姉の旦那と1年半一緒に暮らしていました。
父は姉夫婦に生活費として電話代とガス代、
畑をしていたので、米や野菜を提供しており、
その他土地代はもらっておりませんでした。
姉が亡くなると、
義理の兄(姉の旦那)は父に家を数百万で買えと言ってきました。
その金額は家の相場の金額をはるかに超えていました。
義理の兄はその金額には、今までの面倒を見てきた誠意代が含まれている
と言っていました。
父はそんな大金を払えないと断ると、
言葉の暴力とも言える態度で父に迫ります。
父は義理の兄と縁を切ろうと、法外の金額を承知し、
ハンコを押してしまったのです。
その後あやふやになり、その紙がどこにあるのか分かりません。
しかしその事を日記に記していたと、前妻の子供が出て来、
支払う義務があり、これは証拠になると言っています。
前妻の子供と義理の兄は裏で繋がっています。
前妻との子供とは、父が亡くなる数ヶ月前に会ったばかりです。
前妻の子供は遺産を狙っており、
いかに私達から全ての財産を取ろうかと必死です。
義理の兄はまだ何も言って来ていません。
私達はやはり法外の金額を、義理の兄に支払わなければならないのでしょうか?
姉が亡くなり、その遺産は父は1銭ももらっていません。
父はすでに亡くなっていますが、そういうのは成立するのでしょうか?
すみませんが教えて下さい、お願いします
A 回答 (10件)
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No.1
- 回答日時:
支払う義務はないでしょう。
専門家ではないので、具体的な不安点をひとつひとつつぶすことはできませんので、細かいところが心配なようでしたら、弁護士に相談料を払って、聞いておかれたらいいでしょう。ちゃんとメモをとって、自分が納得いくまで調べてからでもおそくはないと思います。>支払う義務があり、これは証拠になると言っています。
何を根拠にこんなことが言えるのか、と思いますが。
じゃあ、それが「義務」なのかどうかを調べてから、回答しますと
あくまでも冷静に毅然とした態度で臨みましょう!参考になれば。。
No.2
- 回答日時:
父と義理の兄との
契約であり
その内容たるものは
父のご子息も加わっているものなのでしょうか?
おそらくそうではないと
思われます。
また、判子をついた契約書?が無く、
その契約に立ち会った第三者(前妻らは違います。)
普通はここで弁護士が登場しますが、
がいないかぎり、
契約続行は不可能なはずです。
どちらにしても
父の息子であるあなたが
払う義務は絶対ありえないはずです。
手元に詳しい資料が無いもので、すみません。
いずれにしても、
金額要求の問題ですから
管轄の警察署の生活安全課への
ご相談をお勧めします。
お返事ありがとうございました。
契約は父と義理の兄の2人だけでの契約で、
2人で勝手に話をしていたようでして、私は判子を押してしまった後で
聞かされたのです。立会人はおりませんでした。
もし義理の兄が、その契約書を持ち出し、
日記と合わせて持ってきても支払わなくても良いのでしょうか?
No.3
- 回答日時:
祖父の土地に姉名義の家を建てた。
姉が亡くなくなって義理の兄(姉の旦那)は父に家を数百万で買えと言ってきた。父はハンコを押した。その後父は亡くなった。父のあとを継いだあなたが父の支払い義務を承継して支払わなければならないか?と云う質問でよいですか?
ハンコを押した責任を考える前に、祖父は健在ですか? もし健在なら土地代はもらっていないから使用借権と云い、建物を取り壊すよう求めれば、取り壊さざるを得ません。
亡くなっているなら相続登記はどのようになっていますか? そのへんによってだいぶ変わってきます。祖父と父の亡くなった時期によって土地の持分権が変わってきますし、建物の所有権も姉から義兄に変わっているようですが、父が亡くなった後に姉が亡くなっておれば、その建物の所有権の持分の一部はあなたにもあります。
要するに、土地と建物の名義が誰になっていようとも、実際の所有権は複雑に相続していますから、まず、そのへんをしっかり把握しないといけません。なお、ハンコの責任ですが、これは姉の死亡時期と父の死亡時期によって土地の持分権も姉が持っている可能性があり、そうだとすれば「無効」となります。
この回答への補足
お返事ありがとうございました。
すみません、祖父の土地と書いてしまいましたが、父の土地でした。
ややこしくしてしまいまして、すみません。
姉が先に亡くなり、その後父が亡くなりました。
そうしたら無効にはなりますか?
すみませんがお教え下さい、お願いします。
No.4
- 回答日時:
お父様がハンコをお押しになった契約書の作成にあたり、お父様に対する強迫があって、「お父様の真意からその契約書にハンコを押したわけではない」と言えるのであれば、その契約自体を取り消すことができます(民法96条1項)。
但し、この証明は、mami79さんを含めた相続人の方達がしなければなりません。
しかし、「強迫」と言えるような、そこまでの義理のお兄様からの行為は無く、お父様の真意による決断により契約書を作成したということであれば、契約自体は有効ということになるでしょう。第三者の立会人の存在は関係ありません。
前妻のお子さんを含め、mami79さん達相続人は、お父様が負うべきであったその金銭支払義務を承継することになります。
その契約書の存在について証明する責任を負うのは、義理のお兄様の方です。
裁判になった場合、義理のお兄様がその契約書の存在や内容について証明に失敗すれば、お父様の相続人であるmami79さん達は、そのお金の支払義務を負いません。
但し、mami79さん達が、「確かにmami79さんのお父様がそのような契約を交わしました」と自ら認めてしまいますと、義理のお兄様の主張を認めたことになり、義理のお兄様は特にその点について証明をする必要はなくなります。当然、mami79さん達お父様の相続人の方達は、支払義務を負うことになります。
しかし、お話の内容からでは、相続を原因としたお姉さま名義の家やお父様名義の財産(義理のお兄様に対する金銭支払の義務を含む)の所有権の帰属に関し、不明な点が多々あります。そこで、下記の質問にお答え下さい。
1.お姉さまにお子さんはいらっしゃいますか?
2.現在お姉さま名義だった家の名義はどなたになっているのでしょう?
(お姉さまがお亡くなりになった後、遺産分割協議は終了しているのでしょうか?)
3.お母様はご健在でしょうか?
4.他にご兄弟はいらっしゃるのでしょうか?
5.お父様がお亡くなりになった後、遺産分割協議は終了しているのでしょうか?
以上の点につき、補足をお願い致します。
この回答への補足
お返事ありがとうございました。
まず、祖父の土地と書いてしまっていますが、父の間違いでした。
ややこしくしてしまいまして、すみません。
義理の兄による脅迫があったというよりは、父がやけくそになったというか、
そこまで追い詰められたという事も言えます。
しかし契約を交わした後に私は知らされていますので、義理の兄の契約書の証明をしてしまう事になってしまいそうです。
質問をして下さった項目に答えたいと思います。
1.姉には子供はおりませんでした。
2.姉名義の家は姉の死後、すぐに義理の兄が義理の兄名義に変更しております。
姉の遺産相続は、義理の兄に何も言われず結局相続人であった父は何も
もらっておりませんでした。知らされませんでした。
義理の兄は近所の人に1年黙っていれば全て自分の物になると言っていたらしい のです。
3.母は約20年前にすでに亡くなっております。
4.私には父の前妻の子供である、姉1人がおります。
亡くなった姉は後妻の子供で私の本当の姉です。
5.父の遺産相続は、この前妻の子供である姉ともめておりまして、
生前父が作成しておりました遺言状を家裁にお願いしようとしています。
なのでまだおわっておりません。
言葉が不足しておりましてすみません。
よろしくお願いします。
No.5
- 回答日時:
>しかし契約を交わした後に私は知らされていますので、
>義理の兄の契約書の証明をしてしまう事になってしまいそうです。
私も言葉が足りずに申し訳ありませんでした。
mami79さんが、お父様がそのような契約書を交わしたことを認める旨の書面にサインをしていたり、或いは、裁判上、裁判官の面前で自ら認めたり(これを『自白』といいます)、その契約書の存在について争わなかったり(これを『擬制自白』といいます)しなければ、相手方は、裁判官を納得させるために、問題の契約書等の証拠書類を提出して証明しなければならないのです。
裁判外で、いくら認めるような発言をしていても、それは民事訴訟法上の『自白』とはならず、従って裁判上不利な証拠とはなりません。
もっとも、mami79さんが認めている旨の発言内容を、相手方がテープに録音していたような場合には、mami79さんにとって不利な証拠となりますが・・・・・。
それはさておき、
>姉名義の家は姉の死後、すぐに義理の兄が義理の兄名義に変更しております。
姉の遺産相続は、義理の兄に何も言われず結局相続人であった父は何も
もらっておりませんでした。知らされませんでした。
義理の兄は近所の人に1年黙っていれば全て自分の物になると言って
いたらしいのです。
これは場合によって、ものすごく重要な点です。
どうやって義理のお兄さんは自分への名義変更をしたのでしょう?
今回のケースの場合、名義変更の手段として大きく2つ考えられます。
1つには、mami79さんの義理のお兄さんが『相続』をした場合です。
もう1つは、お姉さまが生前に夫であるmami79さんの義理のお兄さんに『贈与』していた場合です。
どちらが所有権移転の原因であるかは、法務局(登記所)に行って家屋の登記簿を「閲覧(500円)」または「写し(1000円)」を請求してみれば分かります。所有者でなくても、誰であってもこの請求をすることができます。
以下、『相続』による場合から順番にご説明いたしましょう。
1.『相続』を原因とする場合
今回のケースにおいて、義理のお兄さんが、相続を原因として自分への名義変更をするための方法としては、2つ考えられます。1つには、『遺言書』による場合と、もう1つは『遺産分割協議書』による場合です。
(1)『遺言書』による場合
1つは、「私名義の家は自分の夫に全て贈与する旨」のお姉さんの遺言書が存在していた場合です。
この場合、「公正証書遺言(民法969条)」であればそのまま執行力を有しますが、他の「自筆証書遺言(968条)」「秘密証書遺言(民法970条)」であれば家庭裁判所の『検認』を受けて初めて執行力を有し、その後初めて相続登記などもすることができるようになります。
この場合、お父様には本来、『遺留分』としてお姉さま名義の財産の6分の1を受ける権利が残されており(民法1028条1号、900条2号)、お姉さまの遺言書の存在により、この遺留分が侵害された場合には、この遺留分について自己に所有権がある旨の主張(これを『遺留分減殺請求(民法1031条)』と言います)をすることができます。
しかし、この『遺留分減殺請求権』は、自己の遺留分が侵害されたことを「知った時から1年以内」かつ「相続開始時から10年以内」に行わない時には、時効によって消滅します(民法1042条)。
この遺言書がある場合に関していくつかの注意点があります。
「公正証書遺言」と「秘密証書遺言」は、公証人と相続に関係のない証人2人以上の前で作成または封印されておりますので偽造の可能性は少ないと思いますが、「自筆証書遺言」は偽造の可能性も出てくるので、本人の筆跡かどうかの確認が重要になります。
仮に、義理のお兄さんがお姉さまの遺言書を、偽造・変造していたり、破棄・隠匿していたとしますと、義理のお兄さんは、お姉さまの相続人としての資格を失います(民法891条5号)。
つまり、この場合、お姉さまの相続人はmami79さんのお父様のみ、ということになります。
(2)『遺産分割協議書』による場合
お父様の同意なく、『遺産分割協議書』を義理のお兄さんが偽造して相続登記をしていたとした場合、そのような『遺産分割協議書』も「登記簿上の記載」も無効です。
真正な相続人(この場合mami79さんのお父様)は、『相続回復請求(民法884条)』を行うことができ、お亡くなりになられた現在は、そのお父様の相続人であるmami79さんとmami79さんの異母姉のお二人がその権利を行使することができます(大審院判決大正7年4月9日)。
この場合のお父様の相続分は、遺留分ではなく、本来の相続分となりますので、お姉さま名義であった家の3分の1の『相続回復請求』(mami79さんかmami79さんの異母姉のどちらか一方のみが請求する場合には6分の1)をすることができます。
具体的には、「義理のお兄さん名義の登記の一部抹消および更正登記手続の請求」を裁判所に対して提起することになります。
2.『贈与』を原因とする場合
お姉さまが生前に義理のお兄さんに対して家を『贈与』していた場合でも、それがお姉さまがお亡くなりになられる1年以内に行われていた場合や、1年以上前でも、遺留分権利者(お父様)に対して損害を与えることを知っていたような場合(今回のケースはこの「知っていた」といえると思います)には、その贈与された価額も遺留分を計算するにあたっての対象財産になります(民法1030条)。
従って、この場合、上の『遺言書』の所でも述べたように、『遺留分減殺請求(民法1031条)』をすることができます。
そして、自己の遺留分が侵害されたことを「知った時から1年以内」かつ「相続開始時から10年以内」に行わない時には、時効によって消滅する(民法1042条)ことも上で述べたことと同じです。
ここでご注意願いたいのは、お姉さまから贈与された時点からの期間ではないということです。
例え、お姉さまから義理のお兄さんへの贈与が12年とか20年以上前になされていたとしても、お父様の遺留分が侵害されたことを「知った時から1年以内」かつ「相続開始時から10年以内」であれば『遺留分減殺請求』をすることができます。
仮にこの場合、義理のお兄様には10年あるいは20間の時効取得(民法162条)が成立するように見えても、遺留分権利者への権利の帰属が妨げられるものではないとされています(最高裁判所判決平成11年6月24日)。
以上述べてきた事項のいずれかに該当し、家屋に対する相続分あるいは遺留分が、mami79さん側にあったとしますと、お父様と義理のお兄様との間で交わされた家屋の売買契約書が例え存在していたとしても、その契約は、全てが義理のお兄さん名義であることを前提とした契約であると考えられるため、法律行為の要素(契約の重要な部分のこと)に錯誤があったものとして、その契約の無効を主張することができる(民法95条)ものと私は考えます。
もし、上記のいずれかに該当するような場合には、相手が素直に応じてくれれば良いのですが、とてもお話の様子からしますと応じてくれそうもないようですし、証拠集めから交渉の仕方、仮に訴訟になった場合には訴訟戦術等に関して、素人ではとても手におえない可能性が高いのではないかと思います。
異母姉との相続争いの件も含めて、どなたか弁護士の先生に正式にお願いなされた方が宜しいのではないかと思います。
大分長くなってしまいましたが、ご参考になさって下されば幸いです。
ご親切にお返事頂きまして、本当にありがとうございました。
姉名義であった家をどのように義理の兄の名義に変更したのか、調べたいと思います。
父は何も知らされておりませんでしたし、贈与していたという事も遺言状があったという事も知りませんし、そういう事はなかったはずです。
本当にご親切にたくさん書いてくださってありがとうございました。
1つずつ問題を解決出来るように頑張りたいと思います。
No.6
- 回答日時:
私は、この契約は無効と考えます。
その理由ですが、当初、父は無償で姉に土地を貸していたわけですから法律上姉の土地を利用できる権利は「使用貸権」です。その後、姉が亡くなり義兄がその建物を取得したわけですから、その権利は、やはり「使用貸権」です。使用貸権は貸し主がいつでも「返せ」と云えば拒むことができません。つまり、建物を取り壊して土地を返還しなければなりません。そのような権利関係でありながら、実際には、それと逆に、(その金額は家の相場の金額をはるかに超えていました。)と云うほどの金を父に求めること自体が間違っていたわけです。それにハンコを押したとしても民法上の「要素の錯誤」で無効です。
なお、義兄があなたに求めることも疑問です。何故なら、まだ、その土地は父名義であり、その土地の相続人が定まっていない状態です。ですから義兄の要求は法律上何らの理由がありません。
更に、その先、貴方がその土地を相続したとしても義兄の建物の取り壊しの裁判をすればあなたが勝つと思われます。(建物の使用借権と云う権利は土地の所有権より弱い権利です。)
No.7
- 回答日時:
ご質問の内容とは直接的には関係はないと思いますが、tk-kubotaさんが『使用貸借』について述べておられますので、その点について補足説明させて頂きます。
そもそものお姉さまとお父様との間の土地使用に関する契約は、確かにtk-kubotaさんのおっしゃる通り『使用貸借契約(民法593~600条)』であると考えられます。
使用貸借の場合、返還の時期または使用収益の目的を定めない場合には、貸主はいつでも返還を請求することができます(民法597条3項)。
しかし、返還の時期を定めた場合にはその定めた時期の到来時に(同条1項)、返還時期を定めなかった場合には、契約に定めた目的に従った使用収益が終わる時に借主は返還すれば良いことになっております(同条2項本文)、その以前の場合には、使用収益をなすために十分な期間を経過したと考えられる時に初めて貸主は返還を請求することができます。
特に、建物所有目的の場合には、その建物を使用収益するに必要な期間、具体的には、木造建物の場合、一般的にはその建物が『朽廃(朽ち果ててしまうこと)』状態になるまで、貸主は返還の請求をすることができないのが原則です(最高裁昭和四四年(オ)第三七五号同四五年一〇月一六日第二小法廷判決・裁判集民事一〇一号七七頁参照など)。
例外として、契約締結後38年8ヶ月経過し、この間に貸主と借主の間の人的つながりの状況が著しく変化しているという事実関係の下で、建物が『朽廃』状態には至っていなくても、使用収益をするのに足りるべき期間の経過を認めたものもあります(最高裁判決平成11年2月25日裁時1238号6頁)が、これはあくまでも例外です。
ところで、今回の問題は、貸主であるmami79さんのお父様が、使用貸借契約の解除と所有権に基づく建物収去土地明渡請求をしたというわけではなく、また、義理のお兄さんが、借地借家法上の『建物買取請求(同法13条)』を行使したというわけでもありません。
『「(実はmami79さん達にも持分がある可能性がある)義理のお兄さん名義の家を、○○○万円で買ってくれ」「わかった、その値段で買おう」という内容で、義理のお兄さんとmami79さんのお父様との間で家の売買契約が成立した。この契約は有効か否か。』という問題です。これは、単純な家の売買契約であって、土地の使用貸借関係とは切り離して考える必要があります。
以上の点につきまして、くれぐれも混乱なさらないようお願い致します。
No.8
- 回答日時:
どうも前回#7の回答内容では法律にあまり馴染みのない方には分かり難かったかもしれません。
どこまで分かり易く説明できるか分かりませんが、なるだけ法律に初めて触れる方にもお分かり頂けるように、説明を試みたいと思います。
一口に『法律』といいましても、『日本国憲法』を中心として、『民法』、『刑法』、『商法』、『民事訴訟法』、『刑事訴訟法』をはじめとして、様々な特別法があり、その他に類似のものとして『条例』があり、似ているけれども異なるものとして、『政令』『省令』『規則』などがあります。
話を広げると分かり難くなると思うので、例えば、『民法』と『刑法』だけを例にとって説明いたしましょう。
どちらも日本の法律ですが、どちらも独立したものとして存在していることは既にご存知のことだと思います。
ここで、例えば家の売買を例にとって説明いたしましょう。
日本の民法における物の売買の原則は、ある人とある人との間で同一内容の合意(これを『意思表示の合致』と言います)が成立した場合には、その時に売買の効力が成立するとするものです(民法176条)。
特別に契約書を作成する必要もなければ、登記などをする必要もなく、両当事者の合意が成立した時点で契約は成立します。契約書を作成するのは、後の証拠とするためにすぎません。
ですから、Aという人が、「自分が所有している甲という建物を100万円で売りたい」という意思表示(民法では『意思』という用語を使います。『意志』ではありません。)をBという人にし、Bが「甲という建物を100万円で買います」と意思表示をすれば、その時点で両者の意思の内容は合致していますので、売買契約は成立します。
この契約の成立により、Aは甲建物をBに引き渡す義務が生じ、Bは100万円をAに渡す義務が生じます。契約の成立自体には、契約書も登記も何も必要はありません。両当事者の意思表示の合致のみが要件です。
本来、AB間での契約が成立した時点で、甲建物の所有権はBに移っており、Aは無権利者です。しかし、まだ引き渡しが終わっておらず、甲建物にAがまだ住んでいたような場合、甲建物の所有者は、まだAであるかのように見えます。
ここでAが悪心を起こし、まだBに対して甲建物を引き渡していないことを幸いに、Cに対しても甲建物を100万円で契約をしたとします。
これを『二重売買』といいます。
刑法では、これは『横領罪』となり罰せられますが、民法ではこのようなことも認められております。
刑法という一つの制度においては、これを罰することによって禁じていながら、民法という別の制度の下においては、これを認めているわけです。
同様のことは、民法という一つの法典の中でも存在しています。
例えば、賃借権は、賃貸人の承諾がなければ、これを他へ譲渡したりすることはできません(民法612条1項)。これに反した場合には、賃貸人は契約を解除することができます(同条2項)
ですから、Aという人から家を借りているBが、その家を借りる権利をCに売ったとした場合、Aの承諾がない限り、Aは賃貸借契約を解除してCに出て行けということができます。
しかし、BC間の、「Aの家を借りる権利の売買」という契約自体は、Aの承諾がなくても有効なのです。ただ単に、後日CはAから立ち退きを要求されるかもしれないというだけのことです。「後日Aから立ち退きを要求されるかもしれないから、この契約自体が間違っていて無効だ」とは言えないのです。
同様に、建物所有目的の土地の使用貸借において、諸々の事情を鑑みた結果、その使用収益をなすに十分な期間が経過していたと判断され、貸主が土地の返還を求めることができる場合であっても、土地所有者(貸主)が土地の返還を求めることをせず、使用借主所有の建物を買い取る売買契約を結んだ場合、その売買契約自体は有効なものなのです。
ここで、多少難しくなるかもしれませんが、民法95条に関する説明をする必要があるでしょう。
民法95条の文言は、「意思表示は法律行為の要素に錯誤ありたるときは無効とす」という大変分かり難い文章です。
ここにいう『要素』とは、契約の重要部分という程度の漠然とした意味のものです。
もともとの起草者が、『錯誤』の中でも「法律行為の要素」に錯誤がある場合にのみ無効とする旨限定したのは、意思と表示の食い違いの甚だしい場合にのみ意思表示を無効としようという、きわめて限定的な場面に適用させる趣旨でありました。
例えば、ある土地を「1000万円で売る」とする意思であったものが、「1000円で売る」と表示してしまったような場合です。
その後、この『錯誤』に関する学説が様々に主張され、判例も蓄積され、現在の判例は、おおよそ『錯誤』というものを次のように分類しています。
1.動機の錯誤
2.表示上の錯誤(言い間違い、書き間違いのこと)
3.内容の錯誤(円とドルが同じ価値のものと思い、1万円で買うつもりで1万ドルで買うと言ってしまったような場合のこと)
上記のうち、2.3.は95条の『錯誤』に含まれると考えられ、それが『要素(契約上重要なもの)』に関わるものである場合には無効になりますが、1.の動機の錯誤に関しては、その動機が契約内容として表示され、意思表示の内容となったときにのみ、「法律行為の要素」となり得ると考えられており、その動機の表示がない限り95条の「錯誤無効」を主張することはできないと考えられています。
例えば、書店で読みたいと思ったTという本を見つけて買ってきたところ、家に帰ってみたら、既に同じTという本を以前に買ってあったという場合を考えてみましょう。
この場合、「Tという本を自分は持っていない。だからここでTという本を買おう。」と思うのは、単にTという本を買うにあたっての『動機』にすぎません。
ですから、判例理論によれば、Tという本を買う動機、つまり、自分はTという本を持っていないからここでTという本を買います、という内容を表示していない限り、「以前に買っていたということを思い出していれば自分はTという本を買わなかったのだから、民法95条により錯誤無効だ。」とは言えない訳です。
民法95条の『錯誤無効』についてはお分かり頂けたでしょうか?
多少分かりづらかったかも知れませんが、民法95条の説明はこのくらいにして、本題に戻ります。
「使用貸借契約終了による建物収去および土地の返還を求めることができたかもしれない。知っていれば建物の売買契約はしていなかった。」というのは、上に述べたように、家の売買契約をするにあたっての単なる『動機』に錯誤があったにすぎず、「民法95条の『要素の錯誤』で無効」とは言えないわけです。
その金額が、世間の相場から考えて法外に高い値段であった場合でも同じです。
売買契約は、両当事者の合意がありさえすれば、同じ物を1円でも売買できますし、1億円でも売買することができます。
お父様が、その家を義理のお兄さんの提示した金額で承知し、その金額で買うつもりで、「その金額で買う」と意思表示した限り、その契約は有効に成立していることになります。
これに対して、「義理のお兄さん所有の家」を購入するという内容の契約の場合、そのことが「その家に対する義理のお兄さんの持分」を購入するという両者の意思であったと考えることができる場合を除き、売買目的物はあくまで「義理のお兄さん所有の家」です。
ですから、売買契約当時、家の所有権の一部をお父様が有していた場合、私は、売買の目的物そのものの『内容』に錯誤があるものと考えることができ、無効の主張をすることができるのではないかと思うわけです。
それから、相続人(mami79さんとmami79さんの異母姉さん)は、mami79さんのお父様の財産を、債権も債務も両方相続しています。
例えば、お父様が借金をなさっていてお亡くなりになられた場合、相続人が定まっていないからといって借金を返さなくても良くなるわけではありません。遺産分割協議などによって相続人が定まるまでは、法定相続分の割合で借金も相続しているものと扱われます。
訴える相手方(今回のケースでは義理のお兄さん)は、相続人全員を相手として訴訟を起こせば良いだけです。
そして、何度も言いますが、家の売買契約と、土地の使用貸借の終了に基づく家の収去・土地明渡しの請求とは別のものです。
家の売買契約が有効なものである場合には、家の所有権はお父様からmami79さん達へ相続されているわけですから、家の所有者でもない義理のお兄さんに対する家の取り壊し請求などはできません。裁判をしても同じです。
逆に、家の売買契約を無効なものとすることができれば、あとは、(1)建物の持分割合の問題と、(2)建物所有の土地の使用貸借契約が、諸々の事情を鑑みて使用収益をなすに足る期間を経過したものとして、土地の返還請求をすることができるかどうか(民法597条2項)の問題の2つが残されることになるものと考えます。
No.9
- 回答日時:
私の無効原因は要素の錯誤です。
zatsunenの動機の錯誤が要素の錯誤に当たるか当たらないかわかりませんが、例えば、非債弁済と云うのがあります。これは債務のないことを知っていながら弁済した場合、返還請求ができないと云うものです。逆も眞です、つまり、知らなかったらできるわけです。この趣旨は要素の錯誤が基と考えていました。本件に例えると「使用貸借契約終了による建物収去および土地の返還を求めることができたかもしれない。知っていれば建物の売買契約はしていなかった。」わけですから無効と考えました。私の考えは間違っているでしようか?
なお、更にzatsunennさんは「家の売買契約が有効なものである場合には、家の所有権はお父様からmami79さん達へ相続されている」と云っていますが不動産の所有権移転の時期は通常の動産と違って代金完済時とされていますから、未決済である現在では所有権の移転はないのではないですか?
家の売買契約が有効か無効か、いずれにしても、いますぐmami79さんが義兄に支払わなくてよいと思います。それより先に、その土地の相続を早く決めて下さい。
お返事ありがとうございました。
土地の相続についても色々ありまして、早く解決出来るようにしたいと思っています。
本当にご親切にありがとうございました。
助かりました。
No.10
- 回答日時:
「非債弁済(民法705条)」は、本来債務が存在しないにもかかわらず弁済した場合には、民法の原則論から言えば不当利得に基づく返還請求(民法703、704条)ができることになります。
しかし、債務が存在しないことを知りながら弁済した者をわざわざ保護する必要はないだろうという考えから、そのような場合には、弁済したものの返還請求を認めないとするものです(民法705条)。
「要素の錯誤」とは無関係のものです。
民法95条の『錯誤無効』『要素の錯誤』などの考え方と適用範囲の説明に関しては、前回と同じことの繰り返しになりますので、省略させて頂きます。民法の専門書の該当箇所を、是非、お調べになって頂きたい。
不動産の所有権の移転時期に関しては、不動産屋さんなどを通して不動産の売買を行う場合には、契約書中に「本物件の所有権は、買主が売買代金の全額を支払い、売主が、これを受領したときに、売主から買主に移転する。」といった、所有権の移転時期に関する『特約』が付いているため、不動産の所有権の移転時期が代金完済時とされる例が多いのです。
このような『特約』がない限り、不動産取引であっても、民法の原則通り、両当事者の意思表示の合致時点において所有権は移転します(民法176条)。
ただ、今回の場合、間に専門の業者が入ったとは思われませんでしたので、素人同士であるならば、このような『特約』は無いだろうとの私の勝手な思い込みで回答してしまっていたことも事実です。その限りで、お詫びして訂正致します。
義理のお兄さんが契約書を出してきた場合にはその文面を確認して下さい。
tk-kubotaさんのおっしゃる「いずれにしても、いますぐmami79さんが義兄に支払わなくてよいと思います。」の点については私も同意見です。
以前も書きましたが、相続に伴う所有権移転関係と、問題の家の売買契約の関係と、お姉さまとの遺産分割の関係と、いずれも難問が山積みのようですから、正式にどなたか弁護士の方にお願いなされた方が宜しいのではないかと思います。
それから、本題とは関係ありませんが、今後tk-kubotaさんの個人的な家庭教師はご遠慮させて頂きます。疲れますので・・・(^^;。
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