■お客さまの声が改良のきっかけ
容器が以前に比べて変わってきているという。それはどのあたりだろうか。また、変えたきっかけは何だろうか。
「お客様より、『フタを開けたときに、フタの内側にヨーグルトがついていると食べにくい』や『処分するときに困る』などの意見がありました。2014年頃から改良を行い、現在ではフタの内側をヨーグルトがつきにくい撥水性のある素材に変更しています」(中村さん)
リサイクルのことを考えると、フタについたヨーグルトは洗わねばならず、手間だった。ヨーグルトがつきにくい加工は消費者としては嬉しい改良だ。
利点は他にもある。
「フタを撥水性のある素材に変更したことにより、開封時にヨーグルトが飛び散りにくくなっています」(中村さん)
筆者もヨーグルトが飛び出ることはなくなったと感じる消費者のひとりだ。因みに、2014年から始まった明治のヨーグルトの容器改良は、2016年6月に、フタにつきやすい形状のヨーグルト全品に至ったとのこと。フタによって売り上げが上がったわけではなかったようだ。
■撥水性だけではない、フタの大きな変化
撥水性のあるこのフタ、もうひとつ機能的なことが隠されている。
「お客さまからのご意見で改良したことは、容器の周りのラベルを剥がしやすくしたことです。プレーンヨーグルトの中蓋や飲むヨーグルトのフタも開けやすい形状にしています」(中村さん)
開けやすいと、子供やお年寄りでも困らないだろう。沢山の消費者に喜んでもらえるよう企業努力しているのだ。
■砂糖の廃止はニュースにもなった!?
現在は特定保健用食品として認められた「明治ブルガリアヨーグルト」は、どこのスーパーに行っても目にする。以前は砂糖が添付されていたのを知る人はいるだろうか。そんな、世代を超え今なお売られている商品について、更に聞いてみた。
どうして砂糖の添付を廃止したのだろう。
「プレーンヨーグルトをそのまま召し上がる方や、グラノーラや水切りヨーグルト、お料理に使用される方が増え、食べ方が多様化しました。2014年に当社独自の製法『まろやか丹念発酵』を採用し、よりなめらかな食感、まろやかな風味を実現させた商品へリニューアルしました。それと同時に砂糖の添付を廃止しました」(中村さん)
そもそも、発売された理由はなんだったのだろう。
「1970年の大阪万博をきっかけに、1971年に『明治プレーンヨーグルト』として発売、1972年にブルガリア国に『ブルガリア』の名称使用を認められ、翌年、名称変更いたしました。はじめは牛乳のような屋根型容器を採用していましたが中身が取り出しにくいとのお客様の声から、現在のフルオープンタイプに変更しました。変更には3年の年月をかけ、パッケージ開発をしました」(中村さん)
スーパーに並ぶプレーンヨーグルトに砂糖がついてないことも、フルオープンなのも今は当たり前になったが、長い試行錯誤の期間があったのだ。
明治ブルガリアヨーグルトが発売されて45年が経つ。遠いブルガリアのヨーグルトは誰もがCM曲を口ずさめるほどに日本に受け入れられた。そんな歴史や進化したパッケージに思いを馳せながら、今日もヨーグルトを味わってみてはいかがだろうか。
なお、「教えて!goo ウォッチ」では「ヨーグルトの漬け物に乾物ヨーグルト!知っておきたいヨーグルトの新レシピ」という記事を公開してるので、ぜひチェックしてみて!
●専門家プロフィール:株式会社 明治
赤ちゃんからお年寄りまであらゆるお客様に、粉ミルク、牛乳、乳製品、菓子、スポーツ栄養、流動食など幅広い商品を提供。「食と健康のプロフェッショナル」として、心身両面での健康価値を提供しお客さまの生活充実に貢献している。