■宇多田ヒカルと言えば……
数々の名曲があるが、ファンが選ぶ聴くべき5曲はどのようなラインナップだろうか。まずは代表曲から。
・「Automatic」
「ラジオやテレビで突如流れてきたこの曲にビビっときた人は多いと思います。当時はまだ8cmサイズのCDがあった時代で、『Automatic』は8㎝シングルと12㎝マキシシングルの両方が発売されました。『Automatic』は『time will tell』と両A面シングルなのですが、マキシシングルには『time will tell-DUBMIX-』が収録されています」(ゆりさん)
衝撃的だったデビュー曲の「Automatic」にはテンポの速いリミックスバージョンもあるとのこと。
・「First Love」
「今もセールス記録を伸ばしているファーストアルバム『First Love』(1999年3月10日リリース)に収録されている『First Love』は後にシングルカットされた3枚目のシングル(1999年4月28日リリース)です。若干16歳の女の子とは思えないほどの大人びた歌詞に当時はドキッとした覚えがあります。シングルには他に『First Love-featuring David Sanborn-』『First Love-Strings Mix-』『First Love-John Luongo Remix-』が収録されています」(ゆりさん)
テレビドラマ「魔女の条件」の主題歌に起用され、当時大ヒットした。邦洋問わず、数々のミュージシャンにカバーされている。
■コンサートで人気の曲
一般的になじみのある曲で、コンサートでも頻繁に歌われている名曲があるという。
・「traveling」
「『Utada Hikaru in BudoKan 2004 ヒカルの5』から今までのコンサートで彼女が必ず歌う曲があります。それは『traveling』(2001年11月28日リリース)です。ミラクルひかるさんがこの曲のものまねをされていましたね。当時『NTTドコモFOMA』のCMソングにもなりました。コンサートもこの曲が流れると一気に盛り上がります」(ゆりさん)
こちらもバージョン違いのものが発表されているとのこと。中でも、アップテンポでダンサブルなこの曲はファンの間でも人気が高いようだ。
■ファンだから語れるアルバムの名曲
宇多田ヒカルは、シングル曲はもちろんアルバムの中にも隠れた名曲がたくさんあるという。
・「嵐の女神」
「彼女の歌にはお母さんへの想いを歌に込めている曲が多く、アルバム『Deep River』に収録されている『Letters』や人間活動に入る前にリリースした『Utada Hikaru SINGLE COLLECTION VOL.2』(2010年11月24日リリース) のDISC2に収録されている『嵐の女神』は、彼女のお母さんへの素直な想いを歌っています。デビュー当初からどこか肩肘張って生きてきた彼女ですが、この辺りからどこか人間らしさというか、素の部分が見えてきたように思います。2016年本格的に活動再開し同年4月に配信された『花束を君に』と並んで名曲と言えるでしょう」(ゆりさん)
2013年に亡くなった母・藤圭子は、宇多田ヒカルの音楽にも多大な影響を与えていたようだ。
・「道」
「活動再開後にリリースしたアルバム『Fantome』(2016年9月28日リリース)は亡くなったお母さんに捧げる作品となっています。このアルバムに収録されている『道』は、活動休止中に母となった彼女の、精神的な強さが感じられます。なんとなく『ああHikkiはもう大丈夫だ』と勝手に思ってしまいました」(ゆりさん)
デビューから20年、一曲ごとに彼女の成長が感じられる。幅広い世代から支持されるのには、それなりの理由があることがわかった。今回選んでもらった5曲で、まだ聴いたことがない宇多田ヒカルの名曲があったら、この機会にぜひ聴いてほしい。
●取材協力:ゆり
宇多田ヒカルファン歴20年。Hikaru Utada Fan Site「HIKKI MANIA」を運営し、ライブやリリースなどの新着ニュース、ファンブログなど、幅広い宇多田ヒカル関連の情報を発信している。