■酸素系、塩素系の効果の違い
洗濯槽クリーナーには酸素系と塩素系があり、それぞれ効果が違うようだ。
「酸素系は水の中で発泡する活性酸素の力で汚れを剥がし落とす効果があります。塩素系は汚れを落とすというより分解します。汚れ落ちが強いのが酸素系、消毒や殺菌に強いのが塩素系です」(神崎さん)
酸素系だと粉、塩素系だと液体のイメージがあるが……。
「一般的にはそのように解釈しても大丈夫です。しかし中には、塩素系の粉や酸素系の液体も存在します。単純に粉、液体の判断で酸素系、塩素系の分類は難しい場合もあります。商品名のところに必ず『酸素系』、『塩素系』の表示がありますので、きちんと表示を見て買いましょう」(神崎さん)
まめに洗濯槽クリーナーを使ってこなかった人には、酸素系が効果的のようだ。
神崎さんは、酸素系は、液体、粉、ともに35℃程度のぬるま湯を使うことで化学反応が早まり、パワフルに汚れを落とすとも教えてくれた。水温に気を配ることで、更なる効果が望めそうだ。
■頑固な汚れは、酸素系、塩素系の順番で落とす
どのくらい放置しているか覚えていないという人の洗濯機には、しつこいカビが付着しているという。そのような場合はどうすればよいだろうか。
「しっかり汚れを落としたい場合は、まず酸素系を使います。きれいに濯いだ後に、塩素系でやりなおすのがおすすめです。酸素系で汚れを落とし、塩素系で殺菌する流れです」(神崎さん)
なるほど。頑固な汚れには、両方の効果を使おうというわけだ。
「何回やっても汚れが出てくる場合にも、まず酸素系、そして塩素系と切り替えて使うのが効果的です」(神崎さん)
しつこいカビは簡単には落とせないが、酸素系と塩素系を繰り返すことで、効果が望めそうだ。
■最低でも年2回のクリーニング
汚れがひどくなった洗濯槽をきれいにするのは、一筋縄ではいかない。そこで、普段からきれいな洗濯槽を維持するには、どうすればよいのかを聞いた。
「2~3ヵ月に1回、1年に4回程度が推奨ですが、最低でも年に2回はクリーニングしてもらいたいです。6月前後の梅雨時期に1回、12月の大掃除の時に1回を目安にしてもらうといいと思います」(神崎さん)
6月と12月なら、忘れずにクリーニングできそうだ。
■酸素系は40℃くらいまで、塩素系はお湯NG、決してまぜない
これで、安心して洗濯機を回せそうだが、洗濯槽クリーナーを使う上で注意しておくべきことがないか聞いておいた。
「酸素系、塩素系の両方を使う場合は、必ず洗濯機をよく濯いでから別々に使用することが大切です。混ざるとガスが発生します。吸引すると倒れてしまいます」(神崎さん)
「まぜるな危険!」と容器にも書いてあるのを見たことがある人も多いだろう。そういえば、ぬるま湯を使うと酸素系の効果が大きくなると聞いたが、水温についても注意するべきことはないだろうか。
「温度は40度前後までです。50度以上になると洗濯機の配管などを破損する恐れがあります。お風呂に入ってちょうどいい温度までとしてください。また、塩素系にお湯はNGです。ガス発生の危険があります」(神崎さん)
酸素系はぬるま湯がいいのに、塩素系は厳禁なので注意したい。
よりよく知り、酸素系と塩素系を組み合わせることで、清潔に洗濯を行うことができる。注意し洗濯槽クリーナーの効果を最大限に引き出すことで、日々の生活をより豊かにしたいものだ。
なお、「教えて!goo ウォッチ」では「タオルに黒カビ発見!と思いきや実は……」という記事を公開してるので、併せてチェックしてみて!
●専門家プロフィール:洗濯ハカセ 神崎健輔
クリーニング店を経営しつつ、ITベンチャーを起業。全国どこからでも受注可能なネットクリーニングサービスが大好評。ブログでは便利で楽になる洗濯やシミ抜きの知識を発信中。雑誌、テレビ、ラジオ各メディアでも活躍している。