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ランドセル誕生の歴史と工房系の特徴

ランドセル誕生の歴史と工房系の特徴3月21日はランドセルの日である。「3+2+1」が小学校の修業年数の6になることから提唱されたそうだ。ところで、誰もが6年間お世話になるランドセルだが、詳しいことはあまり知られていないのではないか。そこで今回は、工房系ランドセルの老舗、中村鞄製作所の専務取締役中村徳光さんに、ランドセルの歴史や工房系ランドセルの特徴などを伺った。

■ランドセル誕生の歴史


まず、ランドセルはいつ誕生したのかを聞いた。

「江戸時代に幕府が洋式軍隊制度を導入する際に、オランダから来たバックパックを利用したことがランドセルの発祥です。また、オランダ語の『ransel(ランセル)』がなまって、ランドセルになったといわれています。通学鞄として利用されたのは、明治18年、学習院の初等科が起源。学習院は『教育の場での平等』の理念から、馬車や人力車による登校を禁止しており、学用品を持つための通学鞄としてランドセルを導入しました」(中村さん)

なんとなくランドセルは日本発祥のものと思っていたが、オランダ由来であった。

「明治20年、伊藤博文が、当時皇太子だった大正天皇の学習院初等科入学祝としてランドセルを献上しました。それがきっかけで徐々に世間に浸透していきましたが、当時皮製のランドセルは高級品であったことから、庶民の間では風呂敷や布製の鞄が一般的でした。昭和30年以降の高度成長期に入った頃から、全国に普及していきました」(中村さん)

当初は皮製だけでなくアルミ製のものまであったという。その後、時代の変化に合わせ、合皮などの素材も取り入れられたという。

■工房系ランドセルの特徴


次に、今では当たり前となった、工房で作られるランドセルの特徴を聞いた。

「工房を見学させながら販売するスタイルを工房系といいます。ランドセルの工房直売をはじめたのは、弊社と土屋鞄さんでした。そんなこともあり、我々中村鞄製作所は、社会科見学に使われることもあり、社会科の教科書にも掲載されています」(中村さん)

そんな中村さんの工房は全員が職人であり、販売時期には実際に職人が赴いて接客販売を行うという。顧客のニーズを素早くつかむためだ。

「販売員はお客さんが来ない間、空き時間ができてしまいますが、職人であればその間製造ができます。一切労働ロスがないのです。さらに、受注生産のため、流通ロスもありません」

徹底した無駄を省く運営に加え、クオリティに対しても真摯に取り組んでいる。

「ランドセルはお祝い品でもあるため、少しの問題も許されません。そのため、検品に検品を重ね、出荷するのが非常に大変ですね。作って売るだけでなく、売った後の6年間も我々はきちんと保障しています。小学校を卒業して背負わなくなることでようやく終わるんです」(中村さん)

何十年も前に背負ったランドセル。あの頃は何も考えずに背負っていたランドセル誕生の背景や工房系ランドセルの特徴をご紹介したが、いかがだっただろうか。「教えて!goo」では「あなたのランドセルの思い出を教えて!」ということで、皆さんの思い出を募集中だ。エピソードをお持ちの方は、ぜひ投稿してみて!

●専門家プロフィール:中村 徳光
ランドセルの中村鞄制作所 専務取締役。東京で1960年に創業した、熟練職人による手作りランドセルの老舗工房。「毎日背負うランドセルだから、背負い心地や使いやすさ、安全対策にもこだわって、職人がひとつひとつ時間をかけて丁寧に仕上げる」という「工房直売」の手作りランドセルを展開。安心の6年間無料保証付き。
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