■鳥の排泄物は汚れが落ちにくい
応急処置に入る前に、知っておいて欲しいことがあるという。
「鳥のフンは白い色が多いと思われていますが、実は白い色のものはフンではなく尿で、フンは緑色をしている鳥が多いといわれています」(大貫さん)
フンと思われがちな白い排泄物は実は尿であるとのこと。そしてその尿の汚れは実は厄介なのだという。
「鳥の尿は、尿酸の結晶が液体に混ざり白くなっており、粘着度が高くなっています。よって付着すると落ちにくいと考えられます」(大貫さん)
鳥の排泄物は落ちにくい。応急処置を行うことがとても重要になってくる。
「応急処置をすれば、汚れやシミはぐっと落としやすくなります。まず乾いたティッシュでつまみとるようにして、固形物を取り除きましょう。次に、濡れたティッシュなどを使ってできる限り汚れをつまみとります。鳥の排泄物は、白く粉状になっていることがあるので、つまみとる時に糸の間に入り込まないように注意が必要です。あとは、乾いたティッシュなどで押さえて水分を取り除き、自然に乾燥させます」(大貫さん)
応急処置にはティッシュが大活躍してくれる。もしもの場合に備え、外出時はカバンの中に潜ませておこう。ちなみに応急処置を済ませて安心するのはまだ早い。
「処置をした後は、必ず、石鹸で手を洗いましょう。鳥の排泄物には、病原菌などの細菌が含まれているからです」(大貫さん)
服の汚れだけでなく、自分自身の体のことも気をつけたい。
■帰宅後の正しいお手入れ
続けて帰宅後のお手入れについて聞いた。
「帰宅後はできる限り早めに、家庭で洗濯できる衣類は洗いましょう。シミの部分に、除菌・抗菌効果のある『液体酸素系漂白剤』を塗布してから、通常通りに洗濯します。液体酸素系漂白剤を直接塗布した場合は、放置せずにすぐに洗濯してください」(大貫さん)
鳥の排泄物がついた服には、早めの洗濯と、除菌・抗菌を心がけたい。ところで家庭での洗濯で汚れが落ちなかった場合、どうすればいいかについても教えてもらった。
「家で洗濯しても落ちなかった場合、洗濯表示を確認し、クリーニングが出来る衣類はクリーニング店にお願いし、残っているシミを落としましょう」(大貫さん)
鳥のフンの直撃はいつ起こるかわからないが、遭遇した際は応急処置と帰宅後の早めの洗濯をお忘れなく。
●専門家プロフィール:大貫和泉
ライオンお洗濯マイスター。消費生活アドバイザー。繊維製品品質管理士。洗濯用洗剤などの製品開発・調査に約20年携わる。2児の母親としての経験と研究活動を融合し、主婦・母親・女性目線で日々のお洗濯に役立つ情報を発信。