No.11ベストアンサー
- 回答日時:
元々2000年ぐらい前までは世界中どこの国でも、ユダヤ人を除いて多神教だったのです。
だから「多神教だから文明的にならない」というのは誤りです。
しかし古代において宗教というのは常に政治と一体であったことも事実で、日本に限らず世界中の国で「巫女に占ってもらったら、今日は日が悪いから軍隊派遣は明日出発にしよう」なんてことをやっていたのです。ですから政治には必ず宗教的な側面があるのです。
また、文明が発達し始めた地域は天文学や数学・哲学などを発展させ始め、それを利用する政治も発達し、未開な人々を導くために宗教を利用しました。
たとえば農業をするためには「種をまく日・花を咲かせる時期・収穫時期」などが必要で、毎年同じ時期に種をまき始めるにはカレンダーが必要になります。天文学者は太陽の動きを観察して365日のカレンダーを作り「明日種をまくとよい」と決めるわけですが、古代ではほとんどの農民が「カレンダー」とか「天文学」なんて言ってもさっぱりわからないので「神のお告げが出た。明日種まきをすれば今年も豊作になるじゃろう」と偉大な教祖様がいえば「おお、教祖様がいわれるから明日種を撒こう」ということになったわけです。
こういうのが政治の原型であり、人々を動かすのに宗教を利用したのですが、宗教にはいろいろな科学的な要素もたくさん含まれて行ったのです。
日本の場合、まだ日本が大和朝廷によって統一される前は、各豪族たちの巫女が占って戦争したり種まきをしたりしてたわけです。
天岩戸の神話と日食の関係性は良く言われますが、この話から見えるもう一つの点は「当時の日本には天文学が無かった」ということです。当時の中国はすでに天文学で日食を科学的に知っており、だから戦争中に日が陰ってもみんなそういう現象が起きることを知っていました。いや、それを知らない蛮族たちが恐れおののくスキをついて戦争に勝利するぐらいの作戦だってあったでしょう。
日本はそういうことを知らないので、日食に驚き、神が怒ったと勘違いしてパニックになるほど素朴だったわけです。
大和朝廷が出来上がりつつある時期に、唐という巨大な国家が中国に誕生します。それまで分国して争っていた中国大陸に一つの巨大な国が出来上がり、その国が朝鮮半島の国々にも侵略を始めた、という情報を聞くことになります。
これを知った日本人の中に中大兄皇子と中臣鎌足がいました。彼らが「大化の改新」というクーデターを起こしたのは「唐の侵略か、唐に圧迫されて朝鮮から侵略された時に対抗できる能力を身に着ける」ことだったのです。
さて、この当時の日本はまだまだ草深い国で、聖徳太子などが仏を信じるようになり学僧が中国からいろいろ学んで帰ってきていましたが、それほど進んで最新文明を取り入れているわけではありませんでした。
しかし、唐が強大化して日本に来る前に急いで国を統一し国力を高める必要がでました。簡単に言えば明治維新と同じような切迫感があったわけです。
で、この時物部氏と蘇我氏が政治の中枢で争っていました。物部氏は有力ですが神道の保護者、蘇我氏は仏教導入支持者です。中大兄皇子と中臣鎌足は「日本を急速に近代化(当時としての文明化)をするには、仏教の優れた思想と技術を導入するしかない」という意見で一致し、これが大化の改新につながっていきます。
クーデターに成功し実権を握った中大兄皇子と中臣鎌足は、さっそく律令制の制度に改めます。そして律令制を国の隅々まで行き渡るようにするために、各地に国分寺という寺(実際は役所)を作ったわけです。
この中で働く役人は政府の役人ですが、僧侶は実際には技術職員で、各地のカレンダーや時刻などを管理していったわけです。
そして庶民たちには金ぴかで微笑む仏様をみて「僧侶は仏に使える身ですから、僧侶の言葉は仏の言葉と考えてください」とカレンダーの指示などを与えるようにしたわけです。もちろん庶民や豪族たちが信じている神様たちはそのまま信仰させていったといえます。
こういう形で仏教を取り入れたので、日本の仏教は「国家仏教」と呼ばれます。時代が下って比叡山などに僧兵などが現れるのは、チベット仏教などで僧侶が寺を守るための戦術書なども書き、それを持ち帰ったからです。
で、奈良時代から日本には神道という古来からの神様と、仏教という国が主導して導入した仏様の2本立ての宗教になっていきます。当時の人も困ったようで、奈良時代の末期には「本地垂迹説」という考え方が出てきます。
これは「実は神様は同じものなのだが、インドでは仏様の姿かたちで現れ、日本では神様の形で現れた」という考えです。そのため大日如来=天照大神、薬師如来=国常立命のように神と仏を結び付け、寺に神社を設けたり、神社にお寺を設けたりしたのです。
これで庶民も「そうか、私たちがずっと信じてきた神様は仏教でいう○○様だったんだ」と納得したので、現在までその状態がつづいている、というわけです。
ですから、日本の場合「神に祈っても仏に祈っても聞き届けてくれる神々(仏)はそれぞれに居るから、都合のよい神仏に祈ればいい」ということになっています。初詣は一位は明治神宮で神社ですが、二位と三位は仏閣ですが、それでいいんです。キリスト様も「きっとなにか日本の神様と一緒のものがあるに違いない」と考えれば、クリスマスを祝ってもいいし、結婚式を教会でやっても問題ないと日本人はかんがえるわけです。まあ、一神教の側からすれば「そうじゃないんだけどな」というところでしょう。
葬式が基本的に仏教なのは、江戸時代の人別帳がお寺で管理していたからです。だから死んだらお坊さんが「確かに死んでいる」と確認してお墓に入れた後、人別帳に「死亡」と書いた名残です。
No.10
- 回答日時:
宗教学を学んで下さい。
1.日本の神は、他の農業社会にもありますが、基本は農業集落の豊穣のシンボルでした。稲荷神社が最も多いのは字の如く豊作を司るからであり、キツネが御使いなのは害獣であるネズミを捕るからです。
2.中国の宗教は基本的に先祖信仰であり、儒教は本来葬儀から来ています。現在宮城谷昌光が文藝春秋で孔子について連載しています。祖先崇拝は熱力学第二法則に則っており、親は子供を産めるが子供は親を作れないという事実に基づいています。中華で子供が虐待されたくさん食べられたのはそのせいです。
3.仏教は儒教同様本来「知恵」であり、英語ではthe teach of Buddaと書かれます。神はいません。ですから別の宗教と簡単に習合してしまいます。念仏宗や法華宗のような過激集団以外の仏教は個人向けで他者に干渉しません。原始仏教はゴータマ・仏陀の教えであり、それはバラモン教からの決別でした、それは同時にカースト制度の否定であり、現在も数万単位で過激な仏教徒を産んでいます。
4.キリスト教やムスリムは砂漠の一神教で厳格なので他の宗教と両立できません。ですが、宣教師が日本に入って来たときから今まで、彼らの嘆きは「なぜ日本人は敬虔なキリスト教徒になるのに、他の宗教を捨ててくれず、数も少ないのだろうか」ですが、上記の事を考えに入れれば、理由は明白です、日本人はキリスト様も神様の一人に並べてしまいました。この裁判は1600年の前にあったはずで、判決は「キリスト教を排除する根拠はないが、とりわけ優遇する根拠もない」でした。その後、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康の三人が政権維持に害があるとして大弾圧を行ったことはご存知の通り。
No.9
- 回答日時:
日本には、古来から神道、という日本独自の
宗教がありました。
しかし、この神道というのは多神教で、
しかも教義も経典もありません。
先祖や自然を敬う、というだけの、
モノにしか過ぎません。
後生に登場する平田神道とか神社神道なんて
のは、人工的に創られた神道で、本来の神道
ではありません。
信者には、信者という自覚すらありません。
事実、文科省の調査によれば、神道信者は一億を
超えますが、信者だなんて思っているひとは
ほとんどいないでしょう。
こういう宗教では、国家統治がやりにくいのです。
キリスト教もそうでしたが、最初は禁圧していた
ローマ帝国も、国家統治の道具としてキリスト教を
利用し布教するようになりました。
日本も同じです。
仏教のように、経典があり教義がしっかりしている
宗教だから、国家統治に利用しようとして、積極的に
取り入れたのです。
仏が国を守り、災難を除いてくれると信じたこの考えを、
鎮護国家(ちんごこっか)の思想といいます
No.8
- 回答日時:
日本古来の神様といえども根拠が無い、おとぎ話、勝手に作った神様、大木が神、山が神、太陽が神、縄文人、弥生人には知識が乏しい集団ができるとリーダーが勝手に決まりを決めてはったり、うそ、でまかせ、大風呂敷、知識の乏しい紀元300年くらいまではなんの疑いもなく信じる、仏教は大陸文化と共に流入、鉄の精錬技術、医療、稲作文化、道具を造る技術、漢字、渡来人、当時は仏教なんてどうでもいいけど伝来する技術は計り知れない恩恵があった、以来徐々に仏教は根ずく、キリスト教は元はユダヤ教、ユダヤ人は新約聖を信じない、5000年以上の歴史を持ち唯一真の神。
No.7
- 回答日時:
日本の歴史の中では、
神仏が合体していた時期もありますよ。
出雲大社の中に仏さまがいたりね。
今でも九州などの地方にはそういうところあります。
恵まれた土地の信仰は徹底的にそれに縋るような形になりません。
神頼みしなくても最低限の「生きる」はできてしまうからなんです。
信仰する側に「余裕」があるので
元来の宗教が、新規の宗教を都合よく解釈して吸収してしまう。
今の日本は戦前の天皇崇拝を肯定すべく
日本神話をピュアなものとして再建した続きの位置にあります。
なので、結婚式は神前なのに葬式は仏前とかチグハグになっている。
天皇崇拝の究極はカミカゼ特攻であまりにも狂信的で危険なので
GHQによる修正が行われた。
天皇の人間宣言、とかね。
大昔において日本が仏教を導入したのも上記と似たようなもの。
ただ、絶対的な「戦勝国の指示」みたいなものはなく
自分達での対応になるので、外部から「新宗教」を導入した。
天皇を中心とした封建制度の場合、
臣下がどんなに頑張っても天皇の一言で覆ってしまう。
よって、日本神話以外の宗教を導入して、
違う目線があるとして政治ができるようにしたんです。
仏教の導入によってその経典などの文化も導入されました。
こちらの目的もあったようです。
これは
戦国時代のキリスト教伝来に似ているかもしれません。
宗教を取り込むと、いろいろな文化が入ります。
この回答へのお礼
お礼日時:2018/07/23 07:46
戦国時代には、戦勝に関しては、神棚を作って神に祈り死んだら仏様にお願いする。しかも、仏様に使える身の坊主に戦の交渉やノウハウを教えてもらう。なんかご都合主義やな?
No.5
- 回答日時:
>なぜ中国から仏教を学んで取り入れなければならなかったのですか?
「取り入れなければならなかった」というのは誤りです。別になくても良かったです。しかし入ってきてしまいます。しかも儒教とは違い、流行ってしまいます。
当時から神道があって、仏教というわけの分らない外国の宗教を拒否する人は多くいました。しかし、世の中変わり者はいるもので、神道よりも仏教が良いと思う人も勿論いました。ただ、同時期に入ってきた儒教は、一人や二人はそれに染まる人はいたかもしれませんが、全く流行りませんでした。
仏教が流行りだし、人数が増えれば、土着の宗教派閥との摩擦は当然起きます。
そして、宗教紛争に発展していきます。
六世紀の神仏崇拝論争による蘇我・物部の争いです。
しかし、7世紀の律令国家建設過程で解決します。
八幡大明神は仏教を保護し、日本のあらゆる仏教宗派は、聖徳太子崇拝で一致する事で、宗教紛争を治めました。
現在の日本に神道と仏教が共存するのは、当時の日本人は、どちらかが滅びるまで争う道より、共存の道を選択したからです。
No.4
- 回答日時:
藁にもすがる→ちょっと違います。
宗派によるとおもいますが
仏教は、何かにすがれば幸せになれるという考えではありません。
自分を救えるのは自身の行いや考え方なんです。
神に祈れば救われるというキリスト教の考えとはは全然違います。
元々仏教には神様のようなものはありません。それが他の国に仏教が渡った際に、その土地で元々信仰されていた神様と喧嘩することなく(全くではありません)共存することができました。
仏教の開祖は、明日生きれるかも分からない飢えた人達に、教えを説いて回り、たくさんの人が救われました。それ程魅力的なものです。当時の日本人にも受けたんでしょう。
No.3
- 回答日時:
それって
「日本には和食があるのに
中華料理を受け入れて
日本独自のラーメンができた」
みたいなことなんじゃないのでしょうか
仏教と言ってもいろいろあって
日常のお願いをするところもあるし
他宗教に厳しいところ、寛大なところとあると思うんですけど
これは神主さんの本にあったんだけど
もともと、ですね
大和朝廷が各地を征服していく過程で
征服した土地の人に
自分たちの信仰を押し付けるのではなく
「あなたたちの神さまはそのまま信仰しててください
そしてその神さまも
都で帝がお祀りします」
としたんですね
だから各地に神さまがたくさんいる
他宗教に寛大なのが
日本の信仰なんですよね
だから仏教も受け入れたんじゃないのかなー
明治以前は神仏習合のところも
たくさんありましたよね
No.2
- 回答日時:
ん~逆なんですよね
日本古来の土着宗教はつまるところ原始宗教でしかなかった
そこへ外国から最新の科学と文化と思想そして宗教としての
仏教が入ってきた。
この辺が解りにくいでしょうが最新の技術=宗教でも有った
人の流入が有れば思想や宗教の流入が有って当然なのですよ
で、そういう新しい事柄が入ってくると「我々とはなにか?」
って問いが生まれるのです。ネーション (nation)って奴です
新たな人々や物と我々は何が違うのか?
故に「日本」を作り「神道」を編集し
「日本書紀」という神話を残した
大体、大化の改新前後ですな
そう考えると「神と仏」という概念そのものもその頃出来たものである
とも言えます
そも、神と仏と八百万神を同一上にする価値観ってのが特殊なんですよね
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