No.3ベストアンサー
- 回答日時:
句切れ(七五調と五七調)のことをご質問なのでしょうか。
元来、和歌は五七調でできていました。五→七の句をワンセットにして、これを二回以上くりかえし、最後に七をくっつける、というのが歌の本来の形式です。短歌は(五→七)×2+七、長歌は(五→七)×n+七でできています。
ですから最も古い万葉集ごろの和歌は、意味の切れ目が「五→七」と「五→七」の間にありました。たとえば短歌ですと
言はんすべ、せんすべ知らに。きはまりて、貴きものは、酒にあるらし。 大伴旅人
(言うべき方法も、どうすればいいのかもわからない。そういうときもっとも尊く感じられるのは、酒であることだ。)
のように、「五七」と「五七七」が意味のかたまりになっていて、二句目と三句目の間に切れ目があるわけです。
このような和歌のあり方を、「五七」が単位になっているのだから、という理由で五七調といいます。
ところがこの五七調は時代がくだるにつれてくずれてきます。歌の意味上の切れ目が「五七五」と「七七」のあいだにくるようになったのです。その理由はあまりはっきりとはわかっていません。しかしすでに古今集ごろからこうした変化が顕著になり、新古今集ができたころ(鎌倉初期)にはこれが通常のかたちになってしまいました。たとえば、
春の夜の、夢の浮橋、とだえして。峰にわかるる、横雲の空。 藤原定家
(春の夜に見た夢が、橋がとちゅうで途絶えるようにぷっつりと途絶えしまった。起きて外を見ると雲が空にたなびいている。)
がその例です。これを「五七五」(上の句)と「七七」(下の句)で切れるために、「五七五」の末尾の七五をとって七五調といいます。
このように、どこに歌の「。」を置くか、という意識というか常識の変化が、五七調と七五調の違いなのですが、七五調が五七調にとってかわったことで、日本の文化にはさまざまな影響が生まれました。たとえば、短歌は「五七五。七七」で作るんだ、という意識があまりにもつよくなったために、「それじゃ、上の句と下の句を別のひとが詠んでもいいんじゃない?」「五七五→七七ときたら、七七に五七五をつけて、五七五→七七→五七五→七七→……と何人もでリレーしていったらおもしろいかも」という考え方が生まれました。これが連歌です。さらに連歌の最初の五七五が独立して俳句が生まれます。
五と七は日本人にとってもっともこころよいリズムですが、七五調の意識がつよくなって以来、日本人は五→七には快感を感じず、七→五に快感をもっぱら感じるようになってしまいました。たとえば、
まだあげ染めし 前髪の
林檎のもとに 見えしとき
前にさしたる 花櫛の
花ある君と 思いけり (「初恋」島崎藤村)
という詩を、ふつうの人は意識しなければ「まだあげ染めし、前髪の。林檎のもとに、見えしとき。」と音読します。「まだあげ染めし。前髪の、林檎のもとに。見えしとき、前にさしたる。花櫛の、花ある君と。」とは読みません。詩の内容とは無関係に、七→五の流れは気持よく、五→七の流れはそうではないからなのです。
そこで、このような七→五の流れのここちよさのことを、もとの和歌での意味から離れて「七五調」と呼ぶこともあります。ふつうは、「七五調」ではない文章、つまりリズムのない文章との対比で、調子のいい、朗々と読みあげると楽しくなるような文章のことを言います。たとえば歌舞伎のせりふなどがそうです。
知らざあ言つて、聞かせやせう。
浜の真砂と、五右衛門が。
歌に残せし、盗人の。
種は尽きねえ、七里ヶ浜。
その白浪の、夜働き。
以前を言やあ、江ノ島で。
年季勤めの、稚児が淵。
百味で散らす、蒔銭を。
あてに小皿の、一文子。
百が二百と、賽銭の。
くすね銭せえ、段々に。
悪事はのぼる、上の宮。
岩本院で、講中の。
枕探しも、度重なり。
お手長講と、札付きに。
とうとう島を、追ン出され。
それから若衆の、つつもたせ。
ここやかしこの、寺島で。
小耳に聞いた、音羽屋の。
似ぬ声色で、小ゆすりたかり。
名せえゆかりの、弁天小僧菊之助たあ、俺がことよ。 (「白浪五人男」浜松屋店先の弁天小僧 河竹黙阿弥)
No.2
- 回答日時:
ご質問の真意が計りかねます。
7・5で始まる短歌というものがあるのですか?
和歌(やまとうた)の標準形は,5・7が何個か連続して最後にもう一つ7が付く形です。
長いものは長歌(ながうた)といいます。
最も短い形が 5・7・5・7・7(短歌=みじかうた)です。
そのほかに,万葉集などでは旋頭歌・仏足跡歌などという形もありました。
都々逸(どどいつ)は 7・7・7・5ですが・・・
参考URL:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AD%8C%E4%BA%BA
お探しのQ&Aが見つからない時は、教えて!gooで質問しましょう!
似たような質問が見つかりました
- 文学 【俳句、短歌、和歌】「この世に死なないやつはいない」と同じ意味になる俳句または短歌か 2 2023/04/23 23:40
- 日本語 【俳句または短歌、和歌】「未来は今日の積み重ねで出来ている」と同じ意味になる俳句また 3 2023/04/23 21:48
- 演歌・歌謡曲 昭和の歌について 2 2023/03/02 17:13
- 演歌・歌謡曲 歌 5 2023/06/03 21:45
- 地図・道路 明石から淡路島まで明石海峡大橋がありますが、何故和歌山から淡路島までの橋がないんですか? めちゃめち 17 2023/04/16 19:51
- 文学 なぜ、短歌は勝負、しないの? 1 2023/04/09 22:34
- 文学 短歌について質問です。 私は高校生で、最近恋の短歌を書くことでモヤモヤした恋心を発散させることにハマ 2 2022/04/11 20:40
- 予備校・塾・家庭教師 中学生です。英検対策で安い塾を教えてください。 できるだけ、短期がよいです。 安い〉短期 関西在住。 2 2022/06/14 07:07
- 演歌・歌謡曲 昭和の歌謡曲 3 2023/03/10 01:05
- 文学 要約トレーニング 3 2022/11/06 08:05
このQ&Aを見た人はこんなQ&Aも見ています
おすすめ情報
このQ&Aを見た人がよく見るQ&A
デイリーランキングこのカテゴリの人気デイリーQ&Aランキング
-
短歌の数え方の単位は?
-
和歌で「あなたも同じ月を見て...
-
小式部内侍さんと定頼さんは何...
-
竹取物語の作者
-
お断りの和歌を教えて下さい
-
「この春は 花の下にて縄つきぬ...
-
和歌の歌風
-
訳してみたのですが...
-
憂き身をば我だに厭ふいとへた...
-
分け登る麓の道はおおけれどー...
-
詠むとは? 和歌や俳句を詠む。...
-
百人一首の、漢字・かなの表記...
-
仲間・友に関する漢詩または和歌
-
大鏡と蜻蛉日記
-
叶わぬ恋を歌った歌で、余り暗...
-
今日引いたおみくじに親類まで...
-
和歌の出典を探しています。 ...
-
「和歌」、「俳句」、「百人一...
-
短歌、和歌について教えてください
-
ちはやふるの瀬を早みだねって...
マンスリーランキングこのカテゴリの人気マンスリーQ&Aランキング
-
短歌の数え方の単位は?
-
和歌の歌風
-
和歌で「あなたも同じ月を見て...
-
「和歌」、「俳句」、「百人一...
-
源氏物語 車争い
-
「この春は 花の下にて縄つきぬ...
-
訳してみたのですが...
-
ちはやふるの瀬を早みだねって...
-
百人一首の中に星の歌が一首だ...
-
小式部内侍さんと定頼さんは何...
-
詠むとは? 和歌や俳句を詠む。...
-
歌合について
-
百人一首の、漢字・かなの表記...
-
お断りの和歌を教えて下さい
-
村上天皇の和歌「思へどもなほ...
-
「別れても、また会いましょう...
-
先日おみくじ引いまして、おみ...
-
こんな和歌知りませんか?
-
「秋」と「雑秋」の違いとは
-
「みおつくし」が使われている...
おすすめ情報